『アクタージュ act-age』1人の天才女優を描いた大人気役者漫画ネタバレ感想
カットがかかるまで他人の人生を生きる役者に焦点を当てた『アクタージュ』という役者漫画。
若手天才女優を中心に、テレビで煌びやかに映る役者たち、そして莫大な製作費がかかる映画の責任を持つ監督たちのリアルな裏側が描かれ、ジャンプで大人気の作品となっています。
普段は知ることができない役者の世界を表現した『アクタージュ』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。
アニメ化・ドラマ化が熱望される『アクタージュ』のあらすじ
役者をテーマにした漫画でジャンプで大人気を誇っている『アクタージュ』の概要やあらすじをはじめにお伝えしていきます。
あまりに完成度が高く面白すぎる物語に、アニメ化・ドラマ化を熱望する声が殺到している作品ですので、漫画好きは必ず早めにチェックしてみてください。
作品の設定や概要
- 原作:マツキタツヤ
- 漫画:宇佐崎しろ
- 出版社:集英社(週刊少年ジャンプ)
- ジャンル:ヒューマンドラマ
煌びやかに見えるものの過酷な世界である役者の世界を舞台にした漫画。
役者たちの知られざる葛藤、自身のこだわりと興行収入に挟まれる監督の苦悩など映画や演劇の裏側がリアルに描かれた作品となっています。
そして、若手天才女優が剛腕映画監督により急成長していくストーリーです。
作中で登場する「スタジオ大黒天」が、アクタージュの公式アカウントしてTwitterで情報発信をしています。
今後、アニメ化やドラマ化や映画化が決まった際はTwitterからお知らせがあると思いますので、是非アクタージュ公式アカウントも日々チェックしてみてください。
【コミックス情報】
『アクタージュ act-age』コミックス8巻、新章突入のカバーを飾るのは王賀美陸!!書影初公開です!!発売は9月4日(水)!!
今巻は発売に合わせた特典・グッズも盛り沢山です…!! pic.twitter.com/TzGmO08d19
— アクタージュ act-age公式【スタジオ大黒天】 (@ST_daikokuten) August 26, 2019
あらすじ
女優を目指す女子高生の夜凪景は、有名芸能事務所スターズのオーディションに参加し天才的な芝居をするも不合格になってしまう。それは、夜凪の自身の過去を追体験する危険な演技法がゆえであった。
しかし、彼女の演技に魅せられた映画監督の黒山墨字が彼女を映画の世界に連れ込み、夜凪を仕事を通して急成長させていく…。
煌びやかな世界の裏側で苦悩する『アクタージュ』の登場人物たち
『アクタージュ』では、多くの俳優たちが登場します。そして、彼らの思いや葛藤がリアルに描かれていて、全員から目が離せない作品です。
そんなリアルな心情が表現された登場人物たちをご紹介していきます。
夜凪景(よなぎ けい)
自らの過去を追体験する演技法「メソッド演技」を無自覚に身に着けていて、映画監督の黒山墨字に目を付けられ役者となる。父親に捨てられ、母親は亡くしており、女子高生ながら夜凪景が1人で弟妹の生活を支えている。
演技に異常な没入を見せ、わかる人にはわかる演技の才能を魅せるが暴走する欠点を持つ。黒山墨字の元で役者となり、映画や演者の仕事などを通して日々成長していく。
ド天然な性格のため、周りに理解されない行動をよくとっている。そのため手塚監督からはブルドーザーに例えられる。
ルイ&レイ
夜凪景の弟妹。画像の右が泣き虫なルイに、左がしっかり者のレイ。レイは景の常に演技をしているような様子に恐怖を抱き、役者にならなければいけないと背中を押した。
黒山墨字(くろやますみじ)
作品への評価は高いが、国内では無名のスタジオ大黒天の映画監督。世界三大映画祭にすべて入賞している実力を持つ。
1本の映画のために70億人からたった1人を探し続けていて夜凪を見つけた。そこから役者の道に誘い、ほかの監督の作品を利用する強引な手段で一気に成長させていく。
柊雪(ひいらぎ ゆき)
スタジオ大黒天の映画製作担当。傍若無人な黒山に振り回されつつも一目置いている。
星アリサ(ほし ありさ)
スターズの社長。星アリサ自身がかつては夜凪のようなメソッド演技をしていて心を壊していた。そのため夜凪の演技法を危険視し、オーディションでも才能を認めながらも落としている。
自身のスターズでは誰も不幸にしないことを考えている。
百城千世子(ももしろ ちよこ)
スターズ所属の「天使」の異名を持つ若手のトップ女優。自己を俯瞰し客観視する力に長けている。そのため大衆の心を虜にするように自分を魅せるのが得意で、主演になればどんな映画でも成功させてしまう。
夜凪景の自分を演じる手法とはタイプが異なり、他人に偽りの自分を魅せることに特化した才能を持っている。
また映画でNGを出したことがなく、リテイクをさせたことがないため、千世子のシーンはいつもすぐ終わってしまう。
星アキラ(ほし あきら)
スターズ所属のイケメンライダー俳優。母親は社長の星アリサ。自身に才能がないことは認めながらも、千世子などに出番を取られることが多く苦渋をなめている。
期待されていないことを理解しながらも、夜凪や千世子の成長を間近で目のあたりにし、自身も成長のために陰ながら執念を燃やす。
手塚監督(てづか)
スターズ所属の演出家・監督。「デスアイランド」の監督を務め、百城千世子の仮面をぶっ壊すためにオーディションで夜凪を抜擢した。
初監督作品ではNGを重ね主演女優を泣かせたことがあり、最後のOKテイクでは最高の芝居を引き出すことができたが、後日クレームが入り5年仕事を失った過去がある。そのため、スターズに拾われてからは「OK」という言葉しか使わない監督になった。
ルーティーンワーク化した演出を変えてくれるのが夜凪景だと思っている。
烏山武光(からすやま たけみつ)
劇団遊劇座所属の体も声も大きい感覚派俳優。沖縄出身の18歳。デスアイランドのオーディションで夜凪景と同じ組になり一緒に演技した。夜凪の演技に興味を抱いている。
ポジティブな性格で周りの役者に力を与えている。また女心をわかっており、夜凪と茜が仲直りするように気を遣う繊細さも持ち合わせている。
源真咲(みなもと まさき)
オフィス華野所属の17歳の俳優。視野が広く勉強を怠らない秀才型。デスアイランドのオーディションで夜凪景と同じ組になり一緒に演技した。
スカウトされたため役者の道を歩むことになった。
湯島茜(ゆしま あかね)
オフィス華野所属の18歳の俳優。子役出身で気遣い上手な関西弁のお姉さん。高校を辞めて上京してバイトをしながら女優を目指している。
デスアイランドのオーディションでは、夜凪景と同じ組で演技することになるが、夜凪の周りのことをまったく気にしない演技に切れてしまった。
その後、仲直りをして、夜凪の才能を認めるようになる。
巌裕次郎(いわお ゆうじろう)
演劇界の巨匠であり、舞台演出家。夜凪を主演の1人カムパネルラに抜擢した。完全実力主義で演者を抜擢するため、無名の人物でも舞台に立たせる。
膵臓に悪性の腫瘍があり、余命は3か月から半年ほど。自分の死期を利用してまで演出作りをする。
明神阿良也(みょうじん あらや)
憑依型カメレオン俳優。巨匠・巌の秘蔵っ子であり、演劇界の怪物と呼ばれる実力者。夜凪と同じタイプで役に入り込むタイプだが、夜凪よりも1段階上で観客に対する魅せ方まで考える演技をする。
天才的で感覚的な発言が多く、周りの人には理解されないため、話し出すと「阿良也節」と周りから言われる。
共演者に惚れたら相手を理解するまで嗅ぎ回り続けるストーカー気質なところがある。そんな変わった役作りをする。
三坂七生(みさか ななお)
劇団天球所属。丸メガネをしていて、そばかすのある顔でツインテールなのが特徴的。しかし、メガネをはずして髪をほどくとかなりの美人に化ける。
青田亀太郎(あおだ かめたろう)
劇団天球所属。ムードメーカーのような存在で監督に怒られることはよくあるが、周囲をなごませている。
面白すぎる『アクタージュ』の3つの見どころ(ネタバレあり)
あまりなじみのない役者をテーマにした漫画ながらも役者たちの葛藤などは共感できるものを多く、入り込みやすく誰でも楽しめる作品となっています。
そんな『アクタージュ』の特に注目してほしいポイントをご紹介していきます。
夜凪景の笑える天然っぷり
『アクタージュ』では、天才すぎるがゆえの天然な女の子である夜凪の天然っぷりも見どころとなっています。
役に没頭するあまりに他の役者さんに飛び蹴りしたり、撮影中にゲロを吐いたり、奇怪な行動を取る夜凪を見ていると思わず面白くてクスっと笑ってしまいます。
天然すぎて周りに迷惑をかけ続けますが、それが常人とは違った天才らしさを際立たせています。夜凪景のちょっとした発言も毎回面白いので、是非夜凪の天然っぷりには注目してください。
役者たちの戦い
役者の漫画だけあり、『アクタージュ』では役者のリアルな感情や戦いが描かれえています。
主人公の役者としての才能を秘めている者の常人には伝わらない苦悩や役者のために学校や他の生活を犠牲にしている者や役に成りきるために過度な役作りに励む者などテレビの中の過酷な世界を見ることができます。
莫大な費用がかけられている映画撮影のトラブルや役者同士の葛藤、戦いは普段の生活では知ることができない面が映し出されており、手に汗握るストーリー展開となっているのです。役者たちが本気だからこそ全力でぶつかり合う姿は、思わず涙が出てしまいます。
他人を演じることに人生をかけた人々の熱い思いや葛藤は見どころです。
監督たちの思い
『アクタージュ』では、役者だけでなく監督や演出家の苦悩や思いも知ることができます。
1本の映画のために70億人からたった1人を探し続ける監督やこだわりが強すぎるがゆえに仕事をなくしたことがある監督、そして死期が間近ながらも演出のために自身を利用する演出家など、監督や演出家の壮絶な覚悟や責任や思いがリアルに描かれているのです。
良い絵を撮るだけでなく、売れる作品を作らなければならない監督の苦悩や責任、作品に対する思いを知ると、これから映画を見るときの視点も変わってくるかと思います。
役者の最高の演技を引き出す監督たちにも是非注目してください。
ジャンプで大人気の役者漫画『アクタージュ』はこんな人におすすめ
『アクタージュ』は万人におすすめできるような作品であると感じます。
役者に焦点を当てた多くの人にはなじみのないテーマながらも、登場人物たちの感情や思いがリアルに描かれていて、映画の裏側がわかりやすく表現されています。そして、それらの感情はほかの職種でも共感できるような内容のものが多く、話に入り込みやすいのです。
またストーリー展開も破天荒な主人公の行動に常にハラハラしたり、予想外のトラブルでドキドキしたりと派手なバトルなどはなくても感情が大きく動かされ、また感動もできる作品になっています。
笑い要素もあり、感動要素もあり、自分の知らなかった役者の世界を知ることができる誰でも楽しめる漫画ですし、アニメ化やドラマ化を熱望する声が殺到しているほどの名作ですので、是非多くの方にご覧になってもらいたいです。
管理人の思う『アクタージュ』が伝えたいこと(感想)
『アクタージュ』は、映画や演劇で人々を感動させる役者の素晴らしさや葛藤を伝えたいように感じられます。
映画などのテレビで活躍する俳優を見ていると煌びやかで華やかなイメージを持つことが多いと思いますが、その華やかさの裏では莫大な製作費の責任を持つ監督がいたり、役になりきるために常に新しい自分を作り出す役者がいるのです。
彼らの目に見えぬ努力や戦い、苦悩が『アクタージュ』ではリアルに描かれていて、読んでいると俳優や監督へのリスペクトを感じずにはいられなくなります。
また普段は知ることができない煌びやかな俳優の世界の裏側を知るきっかけになりますし、これから映画や演劇を見る目が変わることになると思います。
顔だけでも才能だけでもない役者の過酷な世界を、是非『アクタージュ』で見てもらいたいです。そして、なにより漫画としてもとても面白いので必見です。