ヒューマンドラマ

『あおのたつき』世界観が最高すぎる江戸遊廓愛憎劇漫画のネタバレ感想

『あおのたつき』世界観が最高すぎる江戸遊廓愛憎劇漫画のネタバレ感想

 

江戸の遊廓を舞台に、死者のわだかまりを祓う花魁のあおを描いたヒューマンドラマ漫画『あおのたつき』。

卓越した表現技術による江戸遊廓の世界観の演出は、読者を江戸にタイムスリップさせ、切なさと憎しみに溢れながらも後腐れない結末を導く感動のストーリーに、話題沸騰の作品となっています。

美しい愛憎劇に魅了される『あおのたつき』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。

 

まんが王国で先行配信されている『あおのたつき』のあらすじ

まんが王国で先行配信され、人気を博している『あおのたつき』の設定やあらすじをご紹介していきます。

趣深い世界観と読みやすいストーリーで、読み始めたら止まらない作品となっています。

作品の設定や概要

  • 著者:安達智
  • 出版社:DeNA(マンガボックス)
  • ジャンル:ヒューマンドラマ、時代モノ、SF・ファンタジー

舞台は江戸時代で、浮世と冥土の境に近いところにある「鎮守の社」でのドラマが描かれている。

冥府の世界では、それぞれが生前の想いに囚われた姿をしている。また霊はわだかまりを持っていると、それが恨みに変わり悪霊になって悪さをするようになる。

そんな悪霊ができるのを防ぐために、鎮守の社の宮司の楽丸は魂を導く仕事をしている。そして主人公の「あお」も楽丸の仕事を手伝うようになり、死者の魂を救済していく話をなっている。

あおたちのいる鎮守の社は、屋根裏から浮世と冥土を行き来することができる。

 

そして、タイトルにある「たつき」とは「生計」のこと。

 

作者の安達智先生はTwitterもやっているので、是非チェックしてみてください。

あらすじ

九郎助稲荷に向かって歩いていたはずなのに、奇妙な神社に訪れてしまった主人公の売れっ子遊女「あお」。

そこは強い霊験のご利益を求める者のみがたどり着くという浮世と冥土の境である「鎮守の社」であった。

鎮守の社の宮司「楽丸」と出会ったあおは、ひょんなことから鎮守の社で奉公し、訪れる霊たちの魂を導くことになる…。

>>『あおのたつき』はまんが王国で先行配信されています!

また『あおのたつき』は、マンガアプリ「マンガボックス」から無料で読むことができます!
(※期間によっては配信が終了している可能性もございます。)

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愛憎にまみれた『あおのたつき』の主な登場人物

『あおのたつき』は江戸の遊廓を舞台にしたお話であるため、遊廓で働く愛憎にまみれた者たちがたくさん登場します。

そんな様々な想いを持った登場人物たちをご紹介していきます。

あお:濃紫(こむらさき)

見た目が花魁姿の童女の主人公。遊廓の三浦屋では濃紫と呼ばれていた。そして遊女として最高の地位にいて、衰退する三浦屋を盛り上げるかと言われたほどの花魁だった。

お金にうるさく、お金を稼ぐことに並々ならぬ執念を燃やしている。

死後、鎮守の社に迷い込み、ひょんなことから楽丸とともに鎮守の社に訪れる者のわだかまりをとるのを手伝うようになる。

思ったことをズケズケと言えるくらい肝が据わった性格をしている。

楽丸(らくまる)

冥府の吉原遊廓を管轄とする鎮守の社の宮司。犬のような耳が頭に生えている。

わだかまりを持った死者が、わだかまりを恨みに変えて悪霊になるのを防ぐため、魂を守り、導くことを生業としている。

わだかまりがある者を見抜くことができる。

命婦薄神(みょうぶうすいのかみ)

好奇心旺盛な犬のような姿をした鎮守神。あまり役に立つことはしないが、鎮守の社の御祭神。

偉い方なのに、あおからは何かと馬鹿にされる。

 

また、うすいのかみはTwitterもやっています!

恐丸(おそれまる)

「廓の断罪人」と呼ばれる榎本稲荷の奥にある鎮守社の宮司。

悪霊であれば容赦なく消す非情な性格をしていて、あおのことも消そうとする。

また楽丸のやり方を「甘い」と感じていて、何度も脅しのような忠告をする。

富岡(とみおか)

自身を醜女だと思っている遊廓の女性。面を付けた大きな顔の姿をして鎮守の社に訪れる。

同じ里からきよ花という女性とともに、遊廓に訪れたが、きよ花はすぐに上級遊女になり、将来を約束されたていた。

また全てにおいて優遇されるきよ花に、自身の醜さを嘲笑われていると思っていた。そして、きよ花に嫉妬し、自身の醜い顔も憎むようになってしまった。



きよ花(きよはな)

富岡と同じ里から遊廓にやってきた女性。持ち前の美しさからすぐに上級遊女となり将来を約束されていた。

お店の売上にも大きく貢献していて、客の取れない女郎たちもきよ花の売上のおかげで生活できていた。

また、後に鎮守の社に迷い込んでくる。

三つ子

母を亡くした三つ子の娘たち。三つ子として生まれたため、忌まわしい子だと周りから言われ、「犬の子」と揶揄されたり、乱暴されたりしていた。

そのため三つ子は、三つ子が歓迎されると言われる江戸の吉原に行きたがっている。

鎮守の社には、吉原への道を聞きに来たが、そのままわだかまりを祓われることになる。

七里(ななさと)

ととさんのことを信頼していて、ととさんの教えに従い、生きるために嘘をついて遊女で活躍していた女性。

足技が得意で、足技を使い、自身の体を守りながら仕事をしていた。

霊となった七里は、強いわだかまりを持っていて、悪霊寸前のところまでなっていた。そんなとき、恐丸に追われ、逃げているところで鎮守の社にたどり着く。

山田朝右衛門吉睦(やまだあさえもん よしむつ)

斬首人の仕事をしながらも命を大切にしているおじさん。顔はつぎはぎだらけで見た目は怖いが実は優しい。

とても思いやりを持った人物で、さらに奥様一筋の男気溢れる性格をしている。

鬼助(きすけ)

吉睦を追って冥土まで来た鬼のような風貌をした青年。

吉睦に命を拾われたため、吉睦に頭が上がらないし、とても尊敬している。

そめき

死んだ後に、小指を山田朝右衛門吉睦に託した遊女。

吉睦がそめきの小指を他の遊女のために有効活用しようとするのだが、そめきの小指は吉睦のもとへ必ず帰ってくる。

生きているときは甲斐性なしの亭主に嫁ぎ、自身を売られてしまった。

また、とても惚れっぽい性格をしている。

こまり

芥子坊主(江戸時代の子供の髪形)の人形の姿をした霊。猫舌。

亡くなったばかりで整理がついていないときに鎮守の社に訪れた。母様に会いたいと強く思っている。



面白い!『あおのたつき』の3つの見どころ(ネタバレあり)

風情のある江戸の遊廓を見事に表現し、感動必須の愛憎劇が描かれた『あおのたつき』には面白い見どころがたくさんあります。

そんな数ある見どころの中でも特に注目してほしいポイントを3つに絞ってご紹介していきます。

江戸の遊廓のヒューマンドラマ

『あおのたつき』では、人の情念が渦巻く場所である遊廓ならではのヒューマンドラマが描かれていて見どころとなっています。

あおの下へやってくる霊は遊廓の女性が多く、醜い自分を呪って美しい者に嫉妬している女性が訪れたり、信じる人のために頑張って働いたのに供養もされず生き埋めされた者が訪れたりと悲しき過去を背負った人たちがやってくるのです。

そんな訪問霊に対して、あおは時に挑発し、ときには相手に共感して、話を引き出してわだかまりを取り除いていきます。

憎しみや恨みにまみれた気持ちは、あおと話すことによって不思議と美しい真実に気づけたり、自分のことを認めるきっかけになったりと、感動的なものに変わっていくので、見ていて思わず、うるっときてしまいます。

そんな遊廓の中で生きた者たちの切ないストーリーやあおの素敵な対応は、是非注目してもらいたいです。

江戸の世界観

また『あおのたつき』は、世界観を創り出すのがとても上手く、自然と物語に引き込まれてしまいます。

作中では、登場人物たちの話し方や表現などが昔の言葉を使って表されていたり、江戸時代の遊廓の裏話などもふんだんに紹介されたりしていて、趣深い風情のある漫画になっているのです。

昔の言葉には、その都度説明が入っているので現代人でも読みやすいですし、登場人物たちの雰囲気や話し方の力によって、自分が江戸時代にタイムスリップして、実際にその場にいるような錯覚さえてしまうかもしれません。

それほどまでに、江戸の遊廓の世界観の演出が上手く、のめり込んでしまう物語となっているので、世界観も楽しんでみてください。

あおの過去

そして主人公のあおの過去は、大きな見どころとなっています。

冥土では、生前の想いに囚われた容姿になるのですが、主人公のあおは花魁でありながらも童女という奇妙な姿をしています。そして、自分の過去を話したがらないため謎に包まれているのです。

二言目には「金」と言うほど異様にお金に執着していたかと思えば、それは自分ではなく誰かのために稼いでいたり、「わっちがたつき(生計)を立てるのか…誰に奪われるでもなく…」などのような意味深な発言をしたりと、伏線が多く張り巡らされているので、読んだら続きが気になって仕方なくなってしまうでしょう。

遊女を痛ぶる者には激昂し怨霊になりかけたり、自身のわだかまりのことになると話を逸らすあおの正体や、あおが亡くなってしまった理由など徐々に明かされていく真実は、見逃さないようにしてください。

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結末が美しいヒューマンドラマの『あおのたつき』はこんな人におすすめ

『あおのたつき』は、心にわだかまりを持っている人や時代モノの物語が好きな方には特におすすめの作品となっています。

物語は、浮世と冥土の境である鎮守の社に、わだかまり(生前の憎しみなど)を持った霊が訪れて、その霊のわだかまりをあおが取り除くというものになっています。

あおの相手のことを考えた発言でわだかまりが消滅するときは、いつも後味の良いハピーエンドになっているため、読めば霊と一緒に自分の中のわだかまりもスッキリするかもしれません。

またこの作品は、江戸時代の遊廓の雰囲気を出す演出がとても上手く、自分も江戸時代にいるかのような気持ちにもなれるため、時代モノの話が好きな方にはたまらない内容になっています。

後味の良いスッキリした結末が訪れる江戸時代のヒューマンドラマは、感動出来て読みやすくて物語にのめり込んでしまうものになっているので、是非『あおのたつき』をご覧になってみてください。

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管理人の思う『あおのたつき』が伝えたいこと(感想)

『あおのたつき』は、誰かを憎む心とも向き合うことが大切であるということを伝えたいように感じられます。

作中では、心にわだかまりを持った霊たちがたくさん登場するのですが、慕っていたからこそ怨む気持ちも強くなり、愛があるから憎も生まれてしまうことが語られています。

現代でも多くの人が心にわだかまりを抱えていると思います。しかし、あおと霊の話を聞いているとそういった憎しみや怨みの感情も、慕っている気持ちや愛情があることの裏返しであることに気づかされるのです。

そう思うと憎しみが悪いものとは思えなくなり、その気持ちと向き合い、本当の自分の気持ちを見つけることが大切だと思えてきます。

江戸時代の不思議な世界観の物語ですが、読み込むほど本当に深い話であると気づかされる内容になっているので、是非多くの方に『あおのたつき』を読み込んでもらって、大切な気持ちに気づいてもらいたいです。

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『あおのたつき』の評価まとめ

最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。

漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。

当サイトの評価4.4(記事作成者の評価)
コミックシーモア4.7(18件の評価)
まんが王国4.7(11件の評価)
Renta!4.4(143件の評価)
BookLive4.7(13件の評価)
めちゃコミック4.0(181件の評価)

※それぞれ5段階評価となっています。

見どころ紹介でも詳しくお伝えしてきましたが、『あおのたつき』は本当に世界観の構成がうまく、風情のある作品になっていて、物語に込められたメッセージも趣深いものになっている名作の予感しかしない漫画です。

後味のよいヒューマンドラマに、登場人物たちの会話も面白く、伏線も多く張られたストーリーに魅了されたため、高評価にさせていただきました。

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漫画紹介をしているヨルです! 毎月150冊以上漫画を読むので、その中で特におすすめの漫画を紹介していきます! 次に読む漫画を探してる方はぜひ参考にして頂けたら嬉しいです^^
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