ヒューマンドラマ

『春駒~吉原花魁残酷日記~』地獄のような花魁生活を描いた漫画のネタバレ感想

春駒~吉原花魁残酷日記~

『春駒~吉原花魁残酷日記~』地獄のような花魁生活を描いた漫画のネタバレ感想

 

華やかな印象のある吉原の花魁ですが、その世界の裏側を描いた大正花魁地獄物語『春駒~吉原花魁残酷日記~』。

何も知らないまま騙されて吉原に売られた主人公の春駒の過酷すぎる生活に言葉を失い、地獄の鬼のような登場人物に憤りを感じざるをえない話題の漫画となっています。

実在の花魁・春駒が書いた日記を基に描かれた『春駒~吉原花魁残酷日記~』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。

 

望月帝が描く『春駒~吉原花魁残酷日記~』のあらすじ

春駒~吉原花魁残酷日記~の復讐の日記を書く光子出典:「春駒~吉原花魁残酷日記~」、著者:望月帝、出版社:小学館

吉原の花魁の地獄のような生活に話題沸騰中の『春駒~吉原花魁残酷日記~』の設定やあらすじをご紹介していきます。

現代人の知らない大正時代の花魁の過酷な生活を是非ご覧ください。

作品の設定や概要

  • 著者:望月帝「原案:森光子/『光明に芽ぐ日』『春駒日記』より」(望月帝先生のTwitterアカウントはこちら!
  • 出版社:小学館(夜サンデー、夜サンデーコミックス)
  • ジャンル:歴史、ヒューマンドラマ
  • 巻数:2巻(連載中:2020年11月25日現在)

 

設定として舞台は、大正時代の遊廓。吉原遊廓とは戦後に公娼制が廃止されるまで存在していた日本最大の公娼街。

都市部と農村部の経済格差が拡がり、貧困家庭が娘を身売りに出すことがあった。主人公の光子もその内の1人で、吉原に売られて遊廓という名の牢獄に入れられた光子(のちの春駒)の物語が描かれる。

光子の所属したお店では、給料の4分の3は主人に引き抜かれてしまう上に、お客様からご祝儀をもらないと罰金を科せられることもある。

あらすじ

これが花魁のリアル

大正13年---
親の借金のため何も知らぬまま
吉原に売られた19歳の光子。

花魁・春駒として遊廓で
働くことになったが……

実在した花魁の手記
『光明に芽ぐむ日』『春駒日記』を基にした
大正花魁残酷物語。

引用)コミックシーモア

また『春駒~吉原花魁残酷日記~』はアプリ「サンデーうぇぶり」から基本無料で読むことができるので、是非ご利用ください!
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過酷すぎる生活を送る『春駒~吉原花魁残酷日記~』の主な登場人物

『春駒~吉原花魁残酷日記~』では、花魁に過酷な生活を強いる者や、過酷な生活に耐える者など多くの人が登場します。

そんな残酷な世界で生きる登場人物をご紹介していきます。

春駒(はるこま):光子(みつこ)

家の借金のため1人で東京に出稼ぎにいくことになった主人公の女性。

周旋屋に騙されて、吉原の「長金花楼」で花魁として過酷な生活を送ることになる。

「春」のように清く、「駒」のように強くありたかったから、「春駒」という源氏名にした。

客のところが地獄よりも酷いと思っていて、その地獄のような生活を日記にしている。また本が大好きで、暇さえあれば本を読んで知識を蓄えている。

とし子

光子の小さい妹。東京に行く光子のことを羨ましく思っている。

周旋屋(しゅうせんや)の息子

光子を江戸へ派遣した男。2,3年で帰れることや花魁の仕事が華やかなことなど嘘を語って光子を騙していた。

長岡(ながおか)

光子が働く「長金花楼」の主人。ふくよかな体型で人の良さそうな顔をしているが、花魁たちの稼いだ金で自分だけ贅沢をしている。

笑顔でいることが多いが、気味の悪い表情を見せることも多い。



婆(ばばあ)

「長金花楼」で花魁たちを管理しているおばさん。花魁たちに常に厳しく接して、お客様に御祝儀を催促するように執拗に教育する。

口では花魁たちの親として花魁たちのために面倒を見ていると言っている。

清川(きよかわ)

「長金花楼」で働く女性。一番はじめに春駒に声をかけた優しい人。

同い年位の春駒を慕わしく思っていて、姉妹のように仲良くしたいと思っている。また周りの人を気にしない明るい性格をしている。でも、たまにトゲがある。

男に貢いで学費払うために吉原に来たが、その男は顔を見せなくなった。母は亡くなっていて、父はどうしているかも知らない。

紫君(しくん)

春駒の髪を結ってあげている美しい先輩。春駒が自分のようになってほしくなくて、よく気にかけている。

また何も知らずに吉原に来た春駒の気持ちをよく理解している優しさを投げかける。

鶴子(つるこ)

主人長岡の綺麗な娘。穢れの知らないようなきれいな笑顔を見せる。



中将(ちゅうじょう)

「長金花楼」で一番稼いでいる娼妓。中将の周りは景気がいい。

毎月600円以上稼ぐのに、もう6年もいる古株。(この時代の1円は約5000円)

いつも笑顔で周りを気にかけている不思議な人。

鳥飼朔太郎(とりかい さくたろう)

東京帝国大学農学部在学の20歳のエリート男性。吉原に来たが、吉原を不浄だと思っていて、吉原にいる娼妓を救えないか考えている。

そのため、娼妓のことを知る必要があると考えて、「長金花楼」にやってきて春駒の席に着く。

そこで、春駒に説教され、自分の至らなさに気付かされる。

小町(こまち)

春駒が入院したときに出逢った病院で入院している女性。春駒と同じ年の19歳ではじめは仲良くなるが、あることをきっかけに仲が悪くなる。

早く借金を返したいから、早く病院から退院したいと思っている。

夕霧(ゆうぎり)

「長金花楼」で働く女性。男の性の根も蕩かせるような甘い歌声の持ち主。

稼ぎ高は2番目で、中将の1番の座を狙っていると言われている。

花山(はなやま)

「長金花楼」で働く女性。稼ぎ高は夕霧に次いで3番目。

立ち姿が非常に美しく、温和しく優しい性格で、他の花魁や客、誰からも誉められるような人。

借金に悩んでいる春駒にアドバイスをしてあげる。そして、「一緒に逃げましょうか」と話をする。

村田(むらた)

春駒に通うようになった不思議な男。春駒が無愛想であり、自分でもどうして通っているのか分からないが、なんだかんだいつも春駒のところに通っている。

憎まれ口も多いが話しやすい人。



面白い!『春駒~吉原花魁残酷日記~』の3つの見どころ(ネタバレあり)

春駒と婆の会話出典:「春駒~吉原花魁残酷日記~」、著者:望月帝、出版社:小学館

地獄を表現した描写やその地獄を耐える春駒の姿など『春駒~吉原花魁残酷日記~』には面白い見どころがたくさん存在しています。

そんな数ある見どころの中でも特に注目してほしいポイントを3つに絞ってご紹介していきます。

春駒が味わう花魁の地獄

『春駒~吉原花魁残酷日記~』では、春駒が味わう花魁の世界の地獄が見どころとなっています。

春駒は、はじめは花魁はお酌をする仕事だと言われていたのですが、実際はお客様と床につく仕事でした。さらにお店の主人は花魁たちを飢えさせて、その飢えによって自分の懐を肥やすような仕組みを作っているため、春駒は働いても全く儲からないのです。

そして春駒はそんな花魁の世界で人肉の市のように男たちに喰い物にされるので、憐れまずにいられません。しかも、逃げれば監獄行きで、死ねば借金が家族にふりかかるため、耐えることしかできないのです。

春駒を通して描かれる描写も地獄を表現するのがうまく、見ていてトリハダが立ってしまうかもしれません。

そのような逃げ場のない地獄のような花魁の世界は、見るも絶えない光景かもしれませんが、目をそらさないで見てもらいたいと思います。

周りの人の優しさ

そんな地獄のような花魁の世界が描かれていますが、主人公の春駒の周りには優しい人が多いので、春駒の周りの登場人物も見どころとなっています。

春駒のことを姉妹のように思っていて気遣ってくれる清川や何も知らずに来た春駒の気持ちを理解して泣いてくれる紫君、娼妓を救おうと考える鳥飼、商売気のない春駒を褒めるお客様など、思いやりのある登場人物も多いのです。

人を利用して自分だけ得をしようと考える極悪人がいるなかで、優しき人々が春駒に寄り添ってくれるので、読者も救われたような気持ちになると思います。

地獄のような世界だからこそ、光って見える人の優しさには是非注目してみてください。

春駒の強さ

そして『春駒~吉原花魁残酷日記~』では、主人公の春駒の強さが大きな見どころだと感じました。

騙されて何も知らずに吉原に来た春駒は、家の借金返済のために安い給料で男と床に入らなければならず、尊厳を踏みにじられる生活に顔は日に日にやつれていきます。

しかし、春駒はそんな状況でも自分の芯を見失わないのです。

男に乱暴されながらも、心の中では「くたばれ」と強く罵声を浴びせていたり、お婆に御祝儀をもらうように強要されても、自分の心を傷つけないためにあまりお客様にせがまなかったりします。

そして、周りの人が辛い境遇をごまかすように笑ったり、周りの空気に合わせて男に媚びるような生き方をしても、春駒は笑顔を取り繕ったりせず、自分の境遇と向き合って、間違っている現状を受け入れない固い意志を見せるのです。

そんな周りの空気に流されない固い意志を貫く春駒を見て、心底見習いたいと思いましたし、自然と春駒を応援していました。

異端児扱いされても自分を曲げず、名前のように「春」のように清く、「駒」のように強くある春駒の姿は是非目に焼き付けてほしいと思います。

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結末が気になる『春駒~吉原花魁残酷日記~』はこんな人におすすめ

『春駒~吉原花魁残酷日記~』は、辛い境遇にあり、周りの空気に流されて自分を見失いそうになっている方に是非とも見てもらいたいおすすめの作品となっています。

物語は、騙された主人公の光子(春駒)が吉原で、地獄のような生活を送りながらも、復讐を日記に綴って強く生きる姿が描かれています。

逃げ場のない地獄のような環境の中で搾取され続ける春駒ですが、その地獄に慣れるのではなく、自分の信念を貫いて生きていく力強い姿を見ていると、自分も信念を持って頑張ろうと思えてくるのです。

そして作品で春駒を見れば、周りの楽な空気に流されなくなるでしょう。だから、辛い境遇で自分を見失いそうになっている方には是非ご覧になってもらいたいです。

また、春駒(光子)の吉原での生活がどのように変わっていくのか、恨みを連ねた日記がどのように役に立つのか、結末が気になって仕方なくなるストーリーなので、多くの方に『春駒~吉原花魁残酷日記~』を楽しんでもらいたいです。

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管理人の思う『春駒~吉原花魁残酷日記~』が伝えたいこと(考察)

春駒と小町の会話出典:「春駒~吉原花魁残酷日記~」、著者:望月帝、出版社:小学館

『春駒~吉原花魁残酷日記~』では、周りの空気に流されずに自分を貫くことの大切さを伝えたいように感じられます。

吉原では、主人公の春駒のように辛い境遇の女性がたくさんいますが、みんなが吉原の空気に流されて、お客様からお金を巻き上げるために嘘をついたり、悲しさをごまかすために笑顔を取り繕っています。

そんな中でも春駒は、自分を貫き、お客様に媚びないし笑顔を繕うことをしないので、周りから異端児扱いされてしまいますが、自分を見失わない春駒は強くかっこいいのです。

現代の学校や会社などでも、周りの空気に逆らわないために自分の気持ちを殺している方が多くいると思いますが、春駒の姿を見ていると明確な自分の意志を持つことが大切だと思わされます。

そんな地獄のような環境でも力強く生きる春駒は、見ていて勇気をもらえるものになっていると思いますし、物語も残酷だけど目が離せない考えさせられる描写が多いので、是非この機会に『春駒~吉原花魁残酷日記~』をご覧になってみてください。

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『春駒~吉原花魁残酷日記~』の評価まとめと感想

最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。

漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。

当サイトの評価4.3(記事作成者の評価)
コミックシーモア3.6(27件の評価)
まんが王国3.8(61件の評価)
Renta!3.5(94件の評価)
BookLive4.3(3件の評価)
めちゃコミック3.3(297件の評価)

※それぞれ5段階評価となっています。

夜

見どころなどでも詳しくお伝えしてきましたが、華やかなイメージのある吉原の裏側となる地獄を描いた作品に衝撃を受け、吉原内のヒューマンドラマに考えさせらる見事な物語だと感じましたし、結末がひたすら気になる内容だったので、高評価をつけさせて頂きました。

他のサイトでは評価が低くて驚きましたが、どうやら「花魁」の認識がおかしいとのことで評価が下がっているようです。

「花魁」は吉原遊廓の遊女で位の高い者のことを意味するのですが、この作品ではなぜか全員が花魁になっているので、設定は若干おかしいです。

私もはじめは設定がおかしくて読みにくいと思ったのですが、読み進めるうちにハマってしまう作品となっているので、是非結末まで読み進めてもらいたいです。

この作品の原案となっている『春駒日記』も気になる方はご覧になってみてください。

『春駒〜吉原花魁残酷日記〜』を基本無料で読む方法は?

『春駒〜吉原花魁残酷日記〜』は、アプリ「サンデーうぇぶり」から基本的に無料で読むことができます!
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最後までご覧くださり、ありがとうございました。

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ヨル
漫画紹介をしているヨルです! 毎月150冊以上漫画を読むので、その中で特におすすめの漫画を紹介していきます! 次に読む漫画を探してる方はぜひ参考にして頂けたら嬉しいです^^
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