『天才子役、誘拐される』誘拐事件がショー化するサスペンス漫画のネタバレ感想
天才子役の誘拐事件が、犯罪リアリティショーに成り果てるサスペンス漫画『天才子役、誘拐される』。
息子が誘拐されたことを利用して金儲けをしようとする父親とその事件に熱狂する視聴者に衝撃を受ける話題沸騰の犯罪エンターテインメント漫画となっています。
テレビのような臨場感であなたも熱狂する『天才子役、誘拐される』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。
日高トラ子が描く『天才子役、誘拐される』のあらすじ
誘拐された息子と誘拐を利用して金儲けを企む父親を描いた衝撃作『天才子役、誘拐される』の設定やあらすじをご紹介していきます。
誘拐事件がどのように人を熱狂させて視聴率を稼ぐのか見物になっています。
作品の設定や概要
- 著者:日高トラ子
- 出版社:DeNA(マンガボックス)
- ジャンル:ミステリー・サスペンス、ヒューマンドラマ
- 巻数:3巻(連載中:2020年5月13日現在)
設定として、主人公のシズマは天才子役として名を馳せており、誘拐犯は多額の身代金を狙ってシズマを誘拐して、父親に身代金を要求する。
しかしシズマの父親はプロデューサーであるがお金がないため、犯人に子役のギャラが安いことや会社が自転車操業であることなどを伝えたうえで、視聴率さえ取れれば莫大な金が入るからと交渉して、誘拐事件をイベントのようにアピールしてお金を稼ぐことを提案する。
さらに父親が、10億ではなく15億の身代金を払うと身代金増額を申し出たため、犯人は交渉に乗り、誘拐事件は犯罪リアリティショーのように報道されることになる。
犯人たちはこれまでにも身代金目的の誘拐事件を起こしていて、シズマの誘拐で4件目とされている。そして、身代金の受け取りはいつも仮想通貨を指定している。
またシズマ以外の誘拐は全て女の子で乱暴もされているため、被害者からの聞き取りは難しく、捜査は難航していた。
あらすじ
ある夜、天才子役の古代シズマが誘拐された。
そして、この事件はTVでリアルタイム公開され、日本中が熱狂する犯罪リアリティショーと成り果てる…。
監禁先のホテルで追いつめられるシズマ。銃で人を殺す犯人たち。誘拐事件を利用して金儲けを企む父親。シズマを助けようとして、晒し者になるトップアイドル陽菜子。
そして……この事件をSNSやTVで見守る全国民は、その犯罪エンターテインメントに熱狂し、盛り上がり続けていた。
関係者の心を傷つけ、人々の心を楽しませながら、事件は過激に急転していく!
引用)コミックシーモア
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様々な思いが交錯する『天才子役、誘拐される』の主な登場人物
『天才子役、誘拐される』では、誘拐犯や誘拐された主人公、誘拐事件を金儲けに利用する者たちなどたくさん登場人物の思いが交錯します。
そんな思惑を抱えた登場人物たちをご紹介していきます。
古代静馬(こだい しずま):天才子役古代シズマ
主人公の天才子役の美少年。弱冠11歳で恐ろしい殺人鬼を演じたり、心が女子な少年などを演じたり、色々な役を任されるほどメディアに引っ張りだこの人気者。
そして監督の意味のわからない演技指導でも、それっぽく表現できるほど演技が上手い。
また父親はプロデューサーのため、父の意向で「天才子役古代シズマ」という名前で芸能活動を行っている。
シズマはあまり父親のことを良く思っていなくて、母親を父親と離婚させてあげるために、将来は弁護士になりたいと密かに思っている。
そして人気子役がゆえに、多額の身代金を狙った誘拐犯に誘拐されてしまう。
古代進太郎(こだい しんたろう)
シズマの父親。金の亡者であるプロデューサーで、お金のために息子を人形のように扱っている。通称「古代P」。
作品のラストに見せ場を作ったり、息子の使い方を考えていたり、お金を作る方法は身に着けている。またシナリオを描いて人を扇動するのがうまい。
そんな性分のため、息子が誘拐されたことも犯罪リアリティショーとして利用しようと考えている。
古代栞(こだい しおり)
息子を溺愛しているシズマの母親。
小学生のときに車にはねられたのに軽傷で済んだが、次の日にお母さんが突然倒れて死んだことがあり、お母さんは自分の身代わりで死んだと思っている。
その経験から自身もシズマに何かあれば、身代わりになりたいと強く思っている。そのためか、シズマが誘拐犯に暴力を振るわれると栞まで顔が腫れたりする。
また、夢でシズマと会話していたり、不思議な力がある様子。
昔は「二ノ宮栞」という名前でアイドルをしていて、ピークで引退した。
ガリガリ
シズマを誘拐した犯人の1人。身長170㎝くらいの痩せ型の男。
シズマのことをベタベタ触ったり、乱暴しようとしたりする気持ちの悪い人物。
タコ
シズマを誘拐した犯人の1人。身長190㎝くらいの大柄な男で平気で人を殺す。
しかしシズマには優しくて、シズマにちょっかいを出そうとするガリガリを容赦なくボコボコにする。
犯罪組織の新人だけど、銃が使えるからと組織で重宝されている様子。
北見(きたみ)
古代進太郎の親友。シズマが誘拐されたことも古代進太郎から一番初めに聞く。
日本最大の広告代理店の役員の息子に生まれて、コネ入社したあと「室長」という肩書で女子アナの手を出している。
進太郎の説得され、誘拐事件のイベントのように扱ってお金を稼ぐことに協力する。
しかし、根は優しい性格をしていてシズマを心配している。
猪俣陽菜子(いのまた ひなこ)
老舗名門のポリディプロの現役トップアイドル。
シズマとは4年前に朝ドラで共演したことがあり、そのときシズマが空襲で亡くなる役だったため、シズマを見るたび涙を流してしまう。またシズマからもらったシュシュを大切にしているほどシズマとは仲が良い。
そして犯人からの指名で最初の身代金受け渡しランナーになる。
シズマを無事助けるために自分のできることをやる優しい女の子。
ホリディプロの社長
ホリディプロのちょび髭を生やした社長。
自分の事務所のトップアイドルの猪俣陽菜子を、身代金受け渡しランナーという危険な役目を負わされた事をずっと怒っている。
猪俣陽菜子を守るために男気を見せる意外とかっこいい人物。
佐倉雷人(さくら らいと)
「抱かれ続けたい男」1位に選ばれたりもした人気俳優。しかし、未成年飲酒をしてモデルに暴行も加えたため、業界から干されている。
そんなときにシズマに助けを求めたが、助けてくれなかったためシズマを憎んでいる。
そして2人目の身代金受け渡しランナーに立候補する。
広田(ひろた)
シズマのマネージャー。シズマの母親のマネージャーでもあった。
小菅(こすが)
カメラマン。古代進太郎とつるめば食いっぱぐれないし、面白い仕事もやれるため、古代Pの下でカメラマンをしている。
進藤(しんどう)
若いアシスタント。小菅と一緒に仕事をしている。
結末が気になる『天才子役、誘拐される』の3つの見どころ(ネタバレあり)
実際にテレビ番組を見ているかのような演出で続きや結末が気になって仕方なくなる『天才子役、誘拐される』にはたくさんの見どころが存在します。
そんなある見どころ中でも特に注目してほしいポイントを3つに絞ってご紹介していきます。
金の亡者であるシズマの父親の戦略
『天才子役、誘拐される。』では、息子のシズマの誘拐を使ってお金稼ぎをする父親の古代進太郎の戦略が見どころとなっています。
進太郎は、息子の誘拐事件を稼ぐチャンスだと考えて、犯人に身代金を10億から15億に増額する代わりに、イベントのように身代金の受け渡しを行うように交渉したりするのです。
そして記者会見などを開いても、シズマの暴行された写真なども公開したりと注目を煽ることばかり言っていて、さらに映画の宣伝も盛り込んだりしてとにかくお金儲けのことしか考えないのです。
そんな進太郎の非情すぎる考え方にドン引きして憤りすら感じられますが、スポンサーからお金を巻き上げたり、視聴率を高める施策を打つプロデューサーとして手腕はすごいとも思えてきます。
息子のシズマの生死を大衆の娯楽にしてしまう父親進太郎の言動には是非注目してください。
身代金受け渡しイベント
また、視聴率を稼ぐことを目的とした身代金受け渡しイベントも見どころの1つとなっています。
誘拐犯とシズマの父親の進太郎は、お金を稼ぐために身代金受け渡しイベントを企画し、テレビの生放送で身代金を犯人に渡す演出を行います。そして、そのイベントの独占中継権を獲得するためにテレビ局は億単位のお金を出すのです。
さらに犯人はトップアイドルを身代金受け渡しランナーに指名して、生放送で可愛い衣装に着替えさせてパンチラを要求したり、パンツを脱ぐように要求したりと晒し者にするのです。
その暴挙は見ていてムカムカしますが、生放送で事故が起きるのではないかという期待感から、読者もその放送から目が離せなくなってしまうでしょう。
漫画だけどテレビを見ているかのような感覚になる、引き込まれるような身代金受け渡しイベントは視聴者として楽しんでみてください。
誘拐された古代シズマの気持ち
そして『天才子役、誘拐される。』では、誘拐された天才子役古代シズマの気持ちや行動も見どころとなっています。
シズマは誘拐される役を何度もやったことがあるため、冷静に状況を分析したり、犯人を演技で誘惑して利用しようと考えたりする聡明な姿が描かれています。しかし、自分のせいで人が亡くなったり、仲の良い猪俣陽菜子が晒し者になったりしたため、自分のことを責めて葛藤する姿も見せるのです。
そんな、子供なのに怯えながらも自力で助かろうと頑張るシズマには感心してしまいますし、悲劇の主人公である可哀そうな姿には応援せずにはいられなくなります。
もはやシズマのファンになって、犯人がシズマに手を出そうとするならば、奥歯を噛みしめながら「どうか助かって…」と願ってしまうほどハマってしまうかもしれません。
そんな悲劇の主人公である天才子役のシズマが誘拐中にどのような気持ちでいるのか、犯人たちから脱出することはできるのかを応援しながらご覧になってみてください。
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面白い!『天才子役、誘拐される』はこんな人におすすめ
『天才子役、誘拐される』はテレビ好きな方には特におすすめの漫画となっています。
物語は、天才子役の少年が身代金目的で誘拐されて、その父親が誘拐を利用してテレビで大儲けをしようと考える話となっていて、視聴率を稼ぐためにテレビの裏側で行われている戦略が公開されているのです。
人の不幸に熱狂する視聴者の姿やテレビ関係者の思惑なども知れて、客観的にテレビという存在を見直すきっかけになるかもしれません。
どのような仕組みでテレビが放送され、視聴者が熱狂するものになっていくのかなど勉強にもなる物語なので、テレビ好きな方には是非ともご覧になってもらいたい作品です。
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管理人の思う『天才子役、誘拐される』が伝えたいこと(考察)
『天才子役、誘拐される』は、テレビの裏側を伝えたいように感じられます。
物語は、天才子役が誘拐されるという事件を犯罪リアリティショーとして扱って、視聴者を言葉や演出で煽って熱狂させる姿が描かれています。しかし、その盛り上がる視聴者とは真逆に、人々の晒し者にされて傷つく関係者もいるのです。
テレビで有名人の不幸を見て熱狂する視聴者の気持ちはもちろん分かりますが、そんな盛り上がりのために犠牲になっている人たちの姿を見て心が痛みますし、大衆のために一部の人を犠牲にすることがあるテレビとは何なのかと考えさせれる内容でした。
お金を稼ぐために何でもやるテレビ関係者、テレビを見て熱狂する視聴者、そして熱狂のための犠牲になる人々の姿が描かれた見ごたえのある作品となっているので、是非この機会に『天才子役、誘拐される』をご覧になってみてください。
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『天才子役、誘拐される』の評価まとめと感想
最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。
漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。
当サイトの評価 | 3.5(記事作成者の評価) |
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コミックシーモア | 5.0(1件の評価) |
まんが王国 | 4.5(2件の評価) |
Renta! | 3.5(8件の評価) |
BookLive | ー |
めちゃコミック | 3.8(4件の評価) |
※それぞれ5段階評価となっています。
見どころなどでもお伝えしてきましたが、漫画なのにテレビのような臨場感を感じられるストーリーで、見始めると目が離せない続きが気になる内容になっています。
そして、テレビ関係者の裏側やテレビ視聴者の熱狂を見ていて考えさせられるものもある作品です。
しかし現在は、巻数もまだ少ないため、よくわからないような設定もあり、期待を込めて評価は上記のようにさせて頂きました。
誘拐事件が視聴率のネタにされる先の展開が予想できない作品ですので、是非ご覧になってみてください。
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