『JKと捨て子の赤ちゃん』漫画のネタバレ感想｜僕のママは見知らぬ女子高生
もし、捨てられた赤ん坊を見つけたら、あなたはどうしますか？
JKが捨てられた赤ん坊を育てるドタバタコメディかと思いきや大間違い。最終回では、予想もしなかったまさかの大どんでん返しが繰り広げられる『JKと捨て子の赤ちゃん』。
1巻、1話、1ページ…読み込むほどにいろんな感情の波をぶつけにかかってくる『JKと捨て子の赤ちゃん』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。
反転シャロウ先生が描くヒューマンドラマ『JKと捨て子の赤ちゃん』のあらすじ
一見ありそうでなさそうな設定ですが、シチュエーションを変えれば赤ちゃんが捨てられてしまう現実世界のリアルさや深刻さが浮き彫りになってくる『JKと捨て子の赤ちゃん』の設定やあらすじをご紹介していきます。
子供を授かったことがある人も、ない人もきっと心引き寄せられるシーンがきっとあるはずです。
作品の設定や概要
- 著者：反転シャロウ(反転シャロウ先生のTwitterアカウントはこちら！)
- 出版社：KADOKAWA
- ジャンル：学園/ヒューマンドラマ/少年漫画
- 巻数：3巻完結
設定として、高校3年生の桃子は学校の帰り道、橋の下で生後半年ほどの赤ちゃんが捨てられているのを見つけます。
「この子を捨てた本当の母親が見つかるまで自分が母親がわりになる！見つけたらぶん殴ってやる！」と息巻いて、受験を控えた忙しい時期にも関わらず、子育てを決意します。
しかし、その赤ちゃんを捨てた母親は、桃子のクラスの隣の席に座る地味目な女子、若葉でした…。
自分の赤ちゃんを拾ったのが桃子であることを知っている若葉は、桃子の動向を伺うことに。そんなこととは梅雨知らず、赤ちゃんの存在をひた隠しにする桃子。初めての育児に悪戦苦闘しながらも、母親としての力を一生懸命果たそうとする姿に、きっと心打たれるはず。
このままではいけないと分かっていながらも、赤ん坊を手放せない桃子と、若葉の不穏な動きが交錯する中で、2人が導き出した結論とは…。
あらすじ
「しけたツラしてんじゃねーって。
せっかく生まれてきたんだからよ」産みの母・若葉から橋の下に置き去りにされた赤ちゃん・ハル。
それを拾ったのは、派手な格好をした金髪JK、桃子だった。
なぜ、若葉は実の子を産み捨てたのか？なぜ、桃子は他人の子を拾い愛するのか？母親の在り方とは――？
引用）コミックシーモア
伏線を貼る人物を見逃すな『JKと捨て子の赤ちゃん』の主な登場人物
2人の”幼い母親”が物語を展開していく『JKと捨て子の赤ちゃん』。
登場人物たちが複雑に絡み合っていく様子に『JKと捨て子の赤ちゃん』の主な登場人物をご紹介していきます。
桃子(ももこ)
金髪ツインテールが特徴の高校2年生のギャル。サバサバした性格ではあるが誰とでも分け隔てなく接する。将来の夢は看護師。頭こそよくはないが、努力家で真っ直ぐな志がある。
ある日の学校の帰り道、橋の下で段ボールに入った赤ん坊を見つける。
一度は警察署に預けるべきか迷ったが、本当の母親が見つかるまでの間、自分で育てることを決意。
桃子の両親は幼い頃に借金を理由に離婚しており、行く当てのなかった桃子は養護施設に預けられる。誰の引き取り手も現れなかった桃子のもとに、養子縁組を通して新しく母親になると申し出てくれた1人の女性が現れる。
桃子にとってその女性は本当の母親ではなかったけれど、優しくて自分の子のを本当に愛してくれていることを実感していた。
若葉(わかば)
桃子の隣の席の女の子。桃子とは正反対の性格で、物静かで地味め。
赤ん坊を捨てた張本人で、桃子が赤ちゃんを拾ったことを知っているが本当のこと話せずにいる。
若葉の母親は教育評論家として多忙な毎日を送っており、そのせいかあまり若葉に自分に興味関心を抱くことがなかった。
何をしても愛してくれない母親に対して、劣等感を感じざるを得ないまま、そんな母親と一緒にいるのが嫌になり、高校進学を機に一人暮らしを始める。
ハル
若葉が産んだ男の子。生後半年ほど。
若葉の手によって、不本意にも橋の下に捨てられてしまうが、たまたま通りかかって見つけてくれて桃子が親代わりになって育ててもらうことに。
名前のなかった赤ん坊に、春のように明るい人生を送って欲しいという願いを込めて桃子が名付けた。
楓(かえで)
桃子の弟。中学三年生。
容姿端麗で頭がよく、スカした性格ではあるが、姉想いな一面が個人的にキュンポイント＋1。
神崎先生(かんざきせんせい)
桃子の担任の先生。
普段から生徒と親しく関わることがない一匹狼系な教師ではあるが、桃子に対してはなぜか一段とあたりが強く、冷たい態度を取りがち。
朝倉先生(あさくらせんせい)
桃子たちの通う高校の科学教師。
おっとりした性格で整った顔立ちのため、女子生徒に人気があるが、実はとんでもない裏の顔があって…？
由紀(ゆき)
桃子の高校の友達。
宇美(うみ)
桃子の高校の友達。
橙子(とうこ)
神崎の高校時代の同級生の女性。
校則を全然守らず我が道を行く性格ではあるが、明るく社交的なため、クラスでは常に周りに人が集まる人気者だった。
むしろ見どころしかない『JKと捨て子の赤ちゃん』の3つの見どころ（ネタバレあり）
社会問題を風刺したようなちょっと重めの題材にも関わらず、読み進めていくうちにこの作品の魅力にハマってしまう『JKと捨て子の赤ちゃん』にはたくさんの見どころが存在します。
そんな数ある見どころの中でも、無料の試し読みだけじゃ伝えきれない特に注目して欲しいポイントを3つご紹介していきます。
桃子の親心
まず『JKと捨て子の赤ちゃん』では、桃子の献身的な育児の姿が見どころとなっています。
結婚は愚か彼氏もおらず、ましてや高校生である桃子の人生において赤ちゃんという存在は、予想だにしない存在ですよね。普通であれば、捨てられた赤ちゃんを見つけたら、自分で育てようなんて気にはならないと思います。
育児経験もなければ、赤の他人の赤ちゃんです。安全な警察署に届けて、本当の母親が見つかるまで預かってもらうという選択肢をとって当たり前のはずです。
それでも、本当の母親が見つかるまでは自分で育てるという決意をたやすく選択できたのは、桃子の境遇や母親の存在が影響しているんだと感じ取ることができます。
どんな環境で育ったとしても、親の存在がいいものであれば、子供はきっと強く真っ直ぐに成長してくれるんだろうなと思わせてくれる作品になっています。
ハルの父親は？
また『JKと捨て子の赤ちゃん』では、ハルの父親は一体誰なのか？という考察ができるのも、見どころの一つになっています。
序盤ではすでに、ハルの本当の母親は若葉だということが明らかになっていますが、父親が誰なのかという言及はされていません。
確かに若葉と関係を持ち、若葉に赤ん坊を殺せとまで命じた仮にも父親がいるのは確かですが、その理由も素性も読み進めてみないと分からないところに、読者を引き込む要素を兼ね備えています。
作品を最後まで読まないと、反転シャロウ先生の巧妙な罠に引っかかってしまうかもしれません。真実を知りたい方のみ、作品を最後まで読み進めてくださいね。
母親という存在
そして『JKと捨て子の赤ちゃん』では、桃子と若葉の母親に抱く対照的な感情表現も見どころの一つになっています。
母親に対して良いイメージを持っている桃子と、あまり良いイメージを持っていない若葉。2人の対照的な母親像が、作品にうまくコントラストを添えているんです。
どんな母親でも、2人にとっては必要で頭から離れられない存在なのは、作品を読み進めていると痛いほど伝わってきます。そんな2人がハルという存在に出会ってどんな心境の変化を遂げていくのか、ページをめくる手にも熱がこもります。
ちょっとリアルでシリアスな世界観の中で繰り広げられる子供で大人な裏事情を第三者目線で覗いてみてはいかがでしょうか？
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まさかの結末『JKと捨て子の赤ちゃん』はこんな人におすすめ
『JKと捨て子の赤ちゃん』はJKと赤ちゃんという意外な組み合わせや、ちょっと重めな題材が好きな人には特におすすめの作品になっています。
桃子の明るくお調子者の性格が、作品の中では目立つ印象ですが、若葉の明かされない素性とその周りにまとわりつく見えない何かが作品に不穏な影を落とします。
題材自体がそもそも重めでシリアスなので、コメディ感覚で読み始めようとするとそのギャップにちょっと驚くかもしれません。
3巻完結の短い作品ではありますが、読み始めと最終話では作品の雰囲気がガラッと変わっていることに気づくかもしれません。読んだ人にしか分からない衝撃の結末をぜひ、直接あなたの目で確かめてください。
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紹介者が考える『JKと捨て子の赤ちゃん』の伝えたいこと（考察）
『JKと捨て子の赤ちゃん』は、母親とはどんなものなのかとを伝えたいように感じます。
この作品のキーワードはズバリ「母親」だな、と強く感じるシーンがたくさん出てきます。
桃子と若葉それぞれが抱く、母親という存在の在り方の違いもそうですが、それでもいざ自分が母親になってみた時に抱く感情は、決して同じものではないんだということを感じさせられます。
親から虐待を受けて育った子供は自分の子供にも同じようなことをするだとか、親に対して良いイメージがなく子供を育てることに自信がないから子供はいらないだとか、もはや自分のことさえも嫌いでこんな自分の子供なんか産みたくないなんていう人もいるかもしれません。
人の価値観は十人十色だからみんな違って当たり前で、子供に対しての価値観ももちろん違うはず。
それでも桃子も若葉も、自分の子供云々はさておき、本当の親心を持ってハルに接している姿が胸を締め付けられるほど印象的なんです。他人の子をここまで愛せる桃子もすごいですし、作品を読み進めていけば分かる若葉の赤ん坊に対する接し方も母親のそれとなんら遜色ありません。
母親ってなんなのかという理屈じゃなく、1人の人間を愛し育てるという隣人愛にも似た何かを、この作品からは感じ取ることができます。
未熟ながらに、一生懸命母親になろうとする2人の姿をぜひ応援してあげてください。
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『JKと捨て子の赤ちゃん』の評価まとめと感想
最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。
漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。
| 個人の評価 | 4.5（記事作成者の評価） |
|---|---|
| コミックシーモア | 5.0（12件の評価） |
| まんが王国 | ー |
| Renta! | 4.0（21件の評価） |
| BookLive | 5.0（4件の評価） |
| めちゃコミック | 3.5（534件の評価） |
※それぞれ5段階評価となっています。
母親は強しとはまさにこのことだなと思わせてくれるほどに、自分の身を挺してハルを育て上げようとする桃子の姿に、何度ウルっときたことか…。
どのサイトでも軒並み高評価のわけは読んでみたら分かります。
これからお母さんになる人、なりたいと思っている人の背中をポンっと押してくれる、優しくて力強い作品になっていますので、この機会にぜひ読んでみてください。
『JKと捨て子の赤ちゃん』が気になる人におすすめの類似作品
ここでは『JKと捨て子の赤ちゃん』に興味がある方におすすめの親子漫画をご紹介していきます。
1つ目は『たーたん』です。
童貞のまま一児の父親になってしまった敦と、実の父親が殺人を犯し刑務所にいることを知らず、代わりに父親として自分を育ててくれた敦を本当の父親だと思い込んでいる鈴が描く訳ありドタバタコメディ漫画です。
本当の父親ではないけれど、自分の娘のように大切に育てた鈴と過ごす日々が宝物のように思っている敦と、誰の子かすらも分からない赤ちゃんを、本当の母親のように献身的に育てようとする桃子の姿が重なります。
下の記事では『たーたん』の詳しい内容や無料で読む方法をご紹介しています。
2つ目は『Teen Mom』です。
妊娠したにもかかわらず両親にも彼氏にも内緒にして、1人で子どもを産むことを決意した10代の少女の生活を描いたヒューマンドラマ漫画です。
10代の少女が妊娠したことにも驚きですが、大学に行くふりをして一人暮らしをして、親にも彼氏にも言わずに出産までやり遂げてしまう展開に衝撃を受けます。
賛否溢れる作品ですが、主人公の少女を支える周りの人たちの優しさに胸を打たれ、可愛い赤ちゃんに笑顔がこぼれる作品となっているので、ぜひ合わせてご覧ください。
下の記事では『Teen Mom』の詳しい内容や無料で読む方法をご紹介しています。
