林田球新作『大ダーク』宇宙を舞台にしたポップなバイオレンス漫画のネタバレ感想
18年の歳月をかけ完結し、アニメ化もされた超人気作「ドロヘドロ」を手掛けた林田球先生の待望の新作漫画『大ダーク』。
宇宙を舞台に奇妙な武器と力を使って激しいバトルを繰り広げるバイオレンスさは圧巻であり、グロテスクな描写が多いのにコミカルで見ていると何故かワクワクするような不思議な感覚に陥る作品となっています。
ドロヘドロファンであれば、歓喜すること間違いなしの独特の雰囲気を醸し出す『大ダーク』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。
林田球先生の待望の新作『大ダーク』のあらすじ
人気作「ドロヘドロ」を世に放った林田球先生の新作であるポップなSFバイオレンス漫画『大ダーク』の設定やあらすじをご紹介していきます。
私自身、前作の「ドロヘドロ」の大ファンであり、期待高まるなか読んだのですが、期待を超える楽しい物語だったので、是非多くの方に魅力を知ってもらいたいです。
作品の設定や概要
- 著者:林田球
- 出版社:小学館(ゲッサン、ゲッサン少年サンデーコミックス
- ジャンル:SF・ファンタジー、バトル・アクション、バイオレンス
- 巻数:3巻(連載中:2021年4月12日現在)
設定として舞台は、大宇宙。
主人公のザハ=サンコは、「ザハ=サンコの骨を手に入れるとどんな願いも叶えられる」という噂のために、全宇宙人から命を狙われている。
ザハ=サンコは、自分の骨を手に入れて願いを叶えるという人物を突き止めて殺し、自由の身になるために宇宙を旅をしている。
またザハ=サンコは「闇」のアイテムを持っていて、それらを武器に戦っている。
「闇のニーモツ」は、意識を持った骸骨人間兼荷物入れのような存在。
「闇の皮」は、身に纏うことが出来て、銃の弾を跳ね返すような防護性を兼ね備えている。
「闇の骨」は、サンコが武器として使っている骨で、「闇の肉よ、こいっ。」と叫ぶと、骨が斧のような武器に変わる。そして、「闇の骨」で宇宙人を攻撃すると相手の骨だけを取り出すことができる。
「闇の船」は、ブラックホールの中にある闇の世界「クライ」と他の星々を行き来できる宇宙船。
そして宇宙には、4人のお尋ね者がいる。
それは、主人公の「ザハ=サンコ」、「闇のニーモツ アバキアン」、「死ま田=デス」、「一=ダメ丸」。
これらの4人は多くの宇宙人たちから命を狙われている。
あらすじ
ドロヘドロの林田球が放つ、SF大宇宙!!
宇宙というどこまでも広がる黒い暗闇のどこかで、血だらけで漂う一人の男がいた。
彼の名はザハ=サンコ、14歳。
その骨は「どんな願いも叶える」と言われ、特別な力を宿す「闇の皮」、「闇のニーモツ」を持つサンコは、全宇宙人からその身を狙われる身であった。相棒の「闇のニーモツ」・アバキアンと共に、宇宙をまたにかけるサンコは、今日も襲い来る宇宙人共を、片っ端からブッ殺す!!
引用)コミックシーモア
コミカルでどこかかわいい『大ダーク』の主な登場人物
『大ダーク』は血しぶきが舞うような残酷な描写が多いのですが、登場人物たちはコミカルなためギャップが強い作品となっています。
そんな見た目が怖いけどコミカルでかわいいと思えてしまう『大ダーク』の登場人物たちをご紹介していきます。
ザハ=サンコ
主人公の14歳の少年。体格はデカイ。「ドロヘドロ(作者の林田球先生の前作)」の心に似ている容姿をしている。
彼の骨は「どんな願いも叶える」と言われ、全宇宙人から命を狙われる存在となっている。
しかしザハ=サンコは、特別な力を宿す「闇の皮」「闇のニーモツ」「闇の骨」などのアイテムを持っていて、それらを使って命を狙ってくる敵を返り討ちにしていく。
ミートボール・スパゲティが大好物。
アバキアン:闇のニーモツ
ザハ=サンコの相棒である「闇のニーモツ」。「ドロヘドロ」の恵比寿に似ている容姿をしている。
普段は、四角くて取っ手のある骸骨がついているリュックのような形状に圧縮されているが、手足があって、骸骨人間のように動き回ることができ、意識もある不思議な存在。
口から火を吐いたり、口からアイテムを出したりするような荷物入れとしての役割も果たしている。
完全耐火仕様で火に強い。
死ま田=デス(しまだ=です)
宇宙人の「死」を食って生きている不吉なバケモノ。目が6個ある奇妙な姿をしているが、装備を脱ぐと「ドロヘドロ」のニカイドウのような容姿をしている。
死の香りに誘われて巨大小学校船タイボクガンにやってきたときに、8歳のザハ=サンコと出会う。
サンコの闇の肉も通じない体である謎の生物で、年齢がわかるという特技やどこにでも出入りできるという特技なども持っている。
ザハ=サンコの骨を手入れるとどんな願いを叶うという噂を知っているが、叶えたい願いがないためにサンコの命に興味がない。そして、ザハ=サンコとは友達になる。
一=ダメ丸(はじめ=だめまる)
「ザハ=サンコ」、「闇のニーモツ アバキアン」、「死ま田=デスに」並ぶ宇宙の害悪の1人。
店谷=ボックス(みせたに=ぼっくす)
闇の世界「クライ」で闇のアイテムを扱っている武器商人。ザハ=サンコがお得意さんであり、サンコたちが持ってきた骨と闇のアイテムを交換している。
カヒヤ号の船長
廃品マフィア船カヒヤ号の船長である3つの頭の男。
ザハ=サンコを見つけても、利益を独占しようとする強欲な人物で、他人を信用しない性格をしている。
自分の3つの頭同士でしゃべっていて、いつも独り言をつぶやいている。
光油先生(こうゆせんせい)
巨大小学校船タイボクガンにいる生徒を管理する先生。
夜の子供たちに見られない時間帯は、働きやすい姿に変形したり、合体したりする。
ミニバケツ星人
ミニバケツ星という辺境の公害惑星に住む宇宙人で、特殊な環境で生まれたため毒の息を吐くことができる。そして、ミニバケツ星人は大人でも子供のような姿をしている。
巨大小学校船タイボクガンにやってきて大量の生徒を殺し、ザハ=サンコをも殺そうとする。
モージャ
サンコたちの不思議な力を持った闇の船の本体。4足歩行の動物のような見た目をしている。
モージャを使って船の操作を行う。
期待を上回るほど面白い『大ダーク』の3つの見どころ(ネタバレあり)
前作「ドロヘドロ」のコミカルでバイオレンスなギャップのある雰囲気を引き継いでいて、面白さに溢れる『大ダーク』には見どころがたくさんあります。
そんな数ある見どころの中でも特に注目してほしいポイントを3つに絞ってご紹介していきます。
「ドロヘドロ」に似たキャラクターが織りなすバイオレンスアクション
『大ダーク』では、林田球先生の前作「ドロヘドロ」のキャラクターである心や恵比寿、そしてニカイドウに似ているキャラクターが登場して、残虐な戦闘を繰り広げていきます。
主人公のザハ=サンコの骨を手に入れると願いが叶うと言われている設定のため、ザハ=サンコは常に命を狙われており、登場人物たちはバイオレンスなバトルをし続けるのです。
しかし、容姿は似ていますが、戦闘スタイルや性格は全く別物となっているので、新鮮な気持ちで楽しむことができます。
そして、ザハ=サンコの頭を斧でブッ刺して肉と骨を引きはがすような残虐描写や、死ま田=デスの宇宙人を次々殺していく圧倒的な強さは戦闘というよりは虐殺に近いですが、次々巻き起こるグロテスクなバトルにハマってしまうこと間違いなしです。
過激すぎる描写は「ドロヘドロ」を彷彿させるものがあり、「ドロヘドロ」ファンにはたまらないものとなっているので、ファンの方は必ずご覧ください!
林田先生繰り広げるポップな雰囲気
そして、残虐な描写が多いバイオレンスな作品ですが、林田先生のコミカルさは健在で見どころとなっています。
激しい戦闘の中でも死ま田=デスは食事に夢中だったり、愉快な雰囲気で殺戮を繰り返すサンコたちの姿に、グロテスクなシーンなのにどこか心躍るような楽しい気持ちになってしまうのです。
そして見た目や出で立ちはバケモノのようで恐ろしいキャラクターが多いのですが、ポップな空気感と変わったポーズでかわいく思えてしまいます。
命を狙われても、宇宙人を殺しまくっても、とにかく陽気さを絶やさないキャラクターたちを見て、読者も陽気で楽しくなれるので、グロイのが苦手な方でも一度読んでもらいたいです。
闇のニーモツなどのアイテムやサンコの骨を狙う存在などの伏線
また『大ダーク』は数多くの伏線が張り巡らされていて見どころとなっています。
主人公ザハ=サンコの骨を狙っていて、骨を手に入れた者の願いを叶えると言ってる者の正体や闇のアイテムを扱う商人の存在、そして宇宙のお尋ね者である主人公を含めた4人の害悪の存在など、今後の展開に期待が膨らむ伏線が多彩に盛り込まれているのです。
謎に包まれ、ワクワク感に溢れている物語にページをめくる手は止められなくなり、次巻の発売が待ち遠しくて悶えるような作品です。
ザハ=サンコたちの旅の行末や至るところにある伏線には、目を光らせながら読んでみてください。
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「ドロヘドロ」ファンが歓喜する『大ダーク』はこんな人におすすめ
『大ダーク』は、「ドロヘドロ」ファンの方やバイオレンスな漫画が好きな方には特におすすめの作品となっています。
物語は、主人公のザハ=サンコの骨は「どんな願いも叶える」と噂されているため、全宇宙人がサンコの命を狙っており、サンコはどこへ行ってもバトルが勃発するような旅をしているのです。
そして、サンコは「闇のニーモツ」「闇の皮」と呼ばれる特別なアイテムを駆使して、自分の命を狙う者達を皆殺しにしていくのです。
そんな殺戮とバトルが絶えないバイオレンスな展開に溢れており、刺激的な漫画を探している方にはぴったりハマってしまうでしょう。
そして、バイオレンスだけでなく、林田球先生のポップでコミカルな雰囲気がバイオレンスさと絶妙に絡み合い、クセになるワクワク感を味わうことができます。その空気感は「ドロヘドロ」そのものであり、前作のファンの方は歓喜するほど面白いです。
ポップでコミカルなバイオレンスという、読めば心が躍る不思議な感覚に陥る『大ダーク』を是非多くの方にご覧になってもらいたいです。
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管理人の思う『大ダーク』が伝えたいこと(考察)
『大ダーク』は、まだ巻数が少ないので謎に包まれていますが、ポジティブに人生を楽しむことが大切であるということを伝えたいように感じられます。
なぜなら、『大ダーク』に登場するキャラクターたちがとにかく明るくて楽しそうに生活しているからです。
主人公のザハ=サンコは、全宇宙人から命を狙われる過酷な日々を送っているがゆえに、ゆっくり眠れることや美味しいものを食べれることに幸せを感じて常に明るく生きています。そして死ま田=デスは、死神として嫌われながらも、自身の見た目や力に自信を持ち、嫌われていることを気にせず楽しく生きているのです。
そんなとにかく明るいキャラクターたちを見ていると小さなことで悩んでいる自分が馬鹿らしく思えてくるし、自分に自信をもってポジティブに生きることが幸せなのだと感じられます。
『大ダーク』では、そのようなポジティブで愉快なキャラクター満載で、見ているこちらまで明るく楽しい気分になれるので、是非読んで元気をもらってください。
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『大ダーク』の評価まとめと感想
最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。
漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。
当サイトの評価 | 4.7(記事作成者の評価) |
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コミックシーモア | 5.0(7件の評価) |
まんが王国 | ー |
Renta! | 4.7(10件の評価) |
BookLive | 4.4(26件の評価) |
めちゃコミック | ー |
※それぞれ5段階評価となっています。
私自身、林田球先生の「ドロヘドロ」の大ファンであり、新作の『大ダーク』もかなり期待して読み始めましたが、期待を超えるワクワク感溢れる展開だったので高評価にさせて頂きました。
前作の雰囲気を残したポップなのにグロテスクなギャップのあるバトルシーンに、キャラたちのコミカルさ、そして謎に包まれた期待に胸が膨らむストーリーがとにかく最高です。
初めて読む方は世界観も雰囲気も訳が分からないかもしれないですが、林田球先生の作品は読み進めるほどハマってしまうと思うので、是非一度手に取ってもらいたいです。
そして、アニメ化された林田球先生の前作『ドロヘドロ』も記事で紹介しているので、合わせてご覧になってみてください。