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『二月の勝者』中学受験のリアルすぎる裏側を描いた漫画のネタバレ感想

二月の勝者

『二月の勝者』中学受験のリアルすぎる裏側を描いた漫画のネタバレ感想

 

受験業界から大注目の衝撃作である『二月の勝者』という中学受験漫画。

中学受験で稼ぐ塾ビジネスの裏側、そして中学受験に臨む子どもの気持ち、親の想いなど、すべてがリアルに描かれていて、共感の声が殺到しています。

受験関係者であれば必ず読んでおきたい問題作である『二月の勝者』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。

 

受験業界大注目の『二月の勝者』のあらすじ

二月の勝者の黒木の名言出典:「二月の勝者」、著者:高瀬志帆、出版社:小学館

早期受験が一般化する昨今で巻き起こっている中学受験の裏側を描いた『二月の勝者』の概要やあらすじをはじめにご紹介していきます。

リアルすぎる中学受験の裏側には共感と驚きの声が殺到しています。

作品の設定や概要

 

設定として、「桜花ゼミナール」のクラス分けは以下の通り。

Rクラスは成績が最下位のクラス。Aクラスは中堅校を目指すクラス。Ωクラスは難関以上を目指すクラス。

あらすじ

中学受験の御三家である学校に1人も合格者を出せなかった「桜花ゼミナール」に現れたのは名門塾でカリスマ講師をしていた黒木蔵人。

生徒を第一志望に絶対合格させると宣言するが、子どもや親を金脈ととらえる問題発言が目立つ彼の塾戦略や生徒指導はいかに…。

競争率が年々上がる中学受験に、塾ビジネスに、彼はどのように手を打っていくのか、リアリティに溢れる受験の裏側が今明かされる。



それぞれの感情が渦巻く『二月の勝者』の主な登場人物

それぞれ考え方の違った講師、生徒、親などが登場し、それぞれの思いが描かれている『二月の勝者』。そんな登場人物たちの中でも物語の骨幹を担う講師や生徒をご紹介していきます。

黒木蔵人(くろき くろうど)

都内御三家合格ゼロという残念な校舎のテコ入れをしに、名門塾「フェニックス」を辞め「桜花」に来た主人公の吉祥寺校新校長。指導教科は算数をメインにゆくゆくは全教科をする予定。

「受験塾」は「子どもの将来」を売る場所という認識のもと、塾生を金脈と呼ぶなどビジネス思考が強い人物。お金のために塾を運営するが、生徒の名前をきちんと把握していたり、教え方が上手かったり、子どもの将来のこともしっかりと考えている。

名門塾からいきなり中堅塾に転身したり、「生徒は裏切る」という発言をしたり、かつてはサッカーをしていた経験があったり、引きこもりの家に通っていたりと謎な部分が多い。

佐倉麻衣(さくら まい)

「桜花ゼミナール」の新米講師。新小6年生Rクラスの算数を担当している。空手の元関東大会覇者。やる気と情熱に満ちており、黒木先生の暴言とも取れる発言に振り回される。甘いものが大好きでストレス発散にケーキをよく食べに行く。

かつて、空手関係の指導で失敗した経験があるようで、生徒の気持ちを第一に考えた指導を心がけている。

生徒の分析や教育指導に関しては頑張っているが、経験不足が目立ち、黒木先生や他の講師から教えられたり、宿題を出されることが多々ある。

桂(かつら)

佐倉麻衣と仲の良い女性の塾講師。佐倉先生とはよくスイーツを食べに行ったり、愚痴を聞いたりしている。子どもよりもご両親の気持ちを考え、大切にしている印象がある。

また母親と父親の意見がかみ合っていない家庭の気持ちをとても理解していて、塾生のご両親である武田夫妻の関係を壊す勢いで共感し説得して、夏期講習に参加させた。

黒木先生の考えには何かと共感する部分が多い。

橘勇作(たちばな ゆうさく)

「桜花ゼミナール」で算数と理科の講師を担当している。長年中堅塾をやってきていた、経験値は高い。

しかし、黒木先生のパワハラともとれる発言や1点でも足りない生徒のクラスを落としたりする運営方針に不満を抱き敵対視している。



島津順(しまづ じゅん)

「桜花ゼミナール」でトップの成績を誇る塾生。母親の熱意もトップで塾に電話する回数も多い。

父親が「偏差値50の学校なんて学校じゃない」などの厳しい言葉をよく発していて、順が勉強できないと母親に暴力を振るうようになるため辛くても勉強を必死に頑張っている。

前田花恋(まえだ かれん)

「桜花ゼミナール」で2番手の成績を誇る塾生。とても負けず嫌いな性格で、それが表にも出るため女子間でトラブルになることもある。

自分を追い詰めるほど負けず嫌いで勉強熱心なため、親にも「勉強はほどほどに」と言われるほど頑張ってしまう。

一時期「フェニックス」に転塾しようと考えて授業を受けていたが、「フェニックス」の授業についていけず、自分を追い込みすぎていたところを黒木先生に引き留められ「桜花ゼミナール」に残ることを決意する。

三浦佑星(みうら ゆうせい)

「桜花ゼミナール」の塾生。サッカーに熱心な父親の元、サッカーをしている。中学受験は父親に反対されていたが、黒木先生が説得して入塾を認められる。

初めての模試を「桜花ゼミナール」で受けて、そのときに黒木先生から褒められたことを嬉しく思って「桜花ゼミナール」が良いと思った。



加藤匠(かとう たくみ)

はじめはRクラスの生徒で授業に全然ついていけていない様子だった。しかし、鉄道関係のことが好きで、「鉄研」がある学校にいくために勉強にやる気を出すようになる。鉄道が好きなため、地理分野は得意。

上杉海斗(うえすぎ かいと)

「フェニックス」から転塾してきた生徒。双子の弟は「フェニックス」でも最上位クラスで頭が良いが、自身は最下位クラスで親に期待されずに過ごしてきていた。

両親が医者のため、医学部に強い学校を狙っている。

柴田まるみ(しばた まるみ)

学校では不登校になっていたため、親御さんは偏差値ではなく、不登校に許容のある学校選びを考えている。本人もはじめはそれを考えていたが、塾卒業生と話してからは御三家である学校に行きたいと思うようになる。

灰谷純(はいたに じゅん)

「フェニックス」の現NO.1講師。かつては黒木と一緒に働いていたが、黒木が「フェニックス」の生徒を裏切って「桜花」に行ったと考え、そのことをよく思っていない。

仕事外の時間でも自主的に勉強し、子どもたちのために頑張っている。また宇宙マニアであり、かつては宇宙飛行士を目指していた。

子どもたちの夢は変化するものとしているので、将来的に選択肢が増える学校選びとして難関校が1番良い道だと考えている。



受験戦略や苦悩に溢れる『二月の勝者』の見どころ3選(ネタバレあり)

二月の勝者の前田花恋の気持ち出典:「二月の勝者」、著者:高瀬志帆、出版社:小学館

『二月の勝者』では、受験の戦略や登場人物たちの想いや葛藤がリアルに描かれていて、ストーリー展開もドラマチックに進んでいくので見どころに溢れている作品となっています。

そんな見どころに溢れる『二月の勝者』でも、特に注目してもらいたい見どころを3つに厳選してご紹介していきます。

塾ビジネスの本質

『二月の勝者』では塾ビジネスの考え方がとても明確に記されています。主人公の黒木蔵人は塾を教育業ではなく、サービス業としてとらえていて、1人の生徒当たり1年間に150万円落とすお金のためにあらゆる手を使って、塾生を増やしたり囲ったりしていきます。

塾生を金脈と例えたり、親をスポンサーと例えたり、塾を課金ゲームに例えたりと、一見非人道的に思える言葉が多いですが、塾ビジネスを読者にもわかりやすく例えているので、とても勉強になります。

そして、そのようなビジネス的な思考が多い黒木先生ですが、黒木先生の塾生にかける言葉やそのご両親にかける言葉などは思いやりもあり、緻密に計算されたものもあり、営業やマネジメント関係の仕事している人にも役立つものが散りばめられています。

中学受験をする親御さんの苦悩

また、中学受験をするご両親の苦悩もとても共感できる形で描かれています。

自分の子どもをスポーツに専念させたい親や塾に多額のお金を投資するのを渋る親、そして母親と父親で考え方や熱心度が異なりぶつかりあう親などドラマチックに描かれていて、共感し、感動し、思わず涙がこぼれてしまうシーンがたくさんあります。

子どものためにお金を払い、子どもの将来のために勉強をさせる親御さんの苦悩には是非注目してください。

勉学に励む子どもたちの想いと「ジャイアントキリング」の存在

『二月の勝者』ではご両親の想いだけでなく、子どもたちの想いも見どころの1つとなっています。

勉強よりも他のことをしたい子どもがいたり、勉強しても誰からも褒められない物足りなさを味わっている子どもいたり、親のために勉強をしている子供いたりと、様々な想いを持った子どもたちが描かれています。

そんないろいろな想いを持った子どもたちが、中学受験合格という目標のために、壁にぶつかりながら、もがきながら頑張る姿は本当に感動します。子どもながらに考え、苦難を乗り越えていく子どもたちを是非ご覧になってください。

また、この作品では最終的に偏差値58の壁を超える大逆転を決めるジャイアントキリングに成りえる塾生がいることを伏線としてほのめかしています。どの落ちこぼれの生徒が感動の大逆転を演出するのかも予想しながら楽しんでみてください。

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リアルすぎる受験の裏側を描いた『二月の勝者』はこんな人におすすめ

『二月の勝者』は、受験をする子供、親、そして塾講師を務める方には必ず読んでもらいたいおすすめの漫画です。

この作品では、塾側のビジネス的な考えや、子どもたちへの教え方、成績の上げ方まで書かれていて、さらには受験をする子どもたちの想いやご両親の想いまでリアルに描かれています。

また受験というものがどれだけ過酷かも明確な数字で理解できますし、親と子どもの考え方の違いにも気づけたり本当に勉強になる作品です。

ストーリー展開もドラマ性に溢れていて楽しめるものとなっているので、本当におすすめです。受験関係者は必ず読みましょう。

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管理人の思う『二月の勝者』が伝えたいこと(感想)

二月の勝者の島津順とお母さんの会話出典:「二月の勝者」、著者:高瀬志帆、出版社:小学館

『二月の勝者』は、中学受験の大切さ難しさを伝えたいように感じます。

この作品では、現在は都内で中学受験をする人が4人に1人存在していて、高校からは入れない学校ができているほど早期受験が一般化しているのだと紹介されています。また大学受験の問題も今後大編成させるため、その勉強ができる学校に進学する必要があることも言われています。

中学受験が一般的でなかった世代の方にとっては、衝撃的な話の連続ですし、中学受験の必要性がひしひしと伝わってきます。

また小学生という遊びたい気持ちが強い子どもたちのメンタルもコントールしながら、成績を伸ばすことの大変さやご両親の考え方の違いなど、受験をしたら必ず起こるであろう問題が共感できる内容で描かれているのです。そのため中学受験の難しさやそのための準備の大切さが嫌というほどわかります。

『二月の勝者』はそういった中学受験のことを深く学べるうえに、漫画のストーリーも面白くて読みやすいので、本当に多くの方に読んでもらいたい作品であります。

受験真っ盛りな人でも受験とは縁がない人でも誰でも楽しめる作品ですので、この機会に是非ご覧になってみてください。

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ヨル
漫画紹介をしているヨルです! 毎月150冊以上漫画を読むので、その中で特におすすめの漫画を紹介していきます! 次に読む漫画を探してる方はぜひ参考にして頂けたら嬉しいです^^
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