アニメ&映画化!『ギヴン』絶対読むべき切ない青春バンドBL漫画のネタバレ感想
音楽を通じて関わり合う登場人物たちの青春を描いたバンドBL漫画『ギヴン』。初めて読んだときは、モノローグのカッコよさに悶えすぎて、頭の血管がズキズキしました。(笑)
巧みな言葉表現と、漫画らしい表情や構成の表現で、複雑で苦しい恋や人間模様がリアルに描かれています。寂しさが心に響いて、切ないけれどじわじわと心を温めてくれます。
リアルで心に刺さる寂しさを感じる一方で、ほっこりする独特な面白さのギャップもあります。切なくも重くなり過ぎず、テンポよく読めてしまうのも魅力的です。
また、BL抜きにして青春バンド漫画として、とても面白い。音楽に関してとても細かく設定が決められているので、バンドをしていた人はよりおもしろく、していなかった人でもバンドに興味が湧いてくる内容となっています。
おすすめポイント盛り沢山の、キヅナツキ先生が描くオルタナティブ・ラブ漫画『ギヴン』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。
青春×バンド×BL『ギヴン』のあらすじ
何度読んでも心揺さぶられるストーリー!胸に突き刺さって切なくなるのに、グッときて声を上げたくなるほど、めちゃくちゃエモい!
音楽を通して恋と青春の人間模様を鮮やかに描く漫画『ギヴン』の設定やあらすじをご紹介していきます。
作品の設定や概要
- 著者:キヅナツキ(キヅナツキ先生のTwitterアカウントはこちら!)
- 出版社:新書館(ディアプラス・コミックス、シェリプラス)
- ジャンル:音楽、ロックバンド、青春、BL
- 巻数:5巻(連載中:2020年5月14日現在)
まず大まかな第一話の内容としては、高校生離れしたギターの腕前を持つ上ノ山立花は、ある日、自分のお気に入りの昼寝場所で、壊れたギターを持った佐藤真冬と出会う。
真冬のギターを直してやったことでギターを教えてほしいと頼み込まれ、振り切れずに、中山春樹、梶秋彦と組んでいるバンドグループに見学として連れて行く、という話です。
『ギヴン』は、この第一話で登場する同じボーイズバンドグループの4人の人物を中心として、青春群像劇のようにそれぞれに焦点が当てられながら展開していきます。
それぞれの過去から現在までの音楽に対する葛藤、複雑な恋愛などの感情に対しての葛藤の表現が実に繊細で、バンド漫画としての面白さ、恋愛漫画としての面白さが両立されている漫画となっています!
あらすじ
好きだったはずのギターも、おもしろかったはずのバスケも、くすんで見え始めたある日。
上ノ山は、壊れたギターを抱えた真冬と出会う。
ギターを修理してやったら、途端に懐かれるが、偶然聴いた真冬の歌が、上ノ山に刺さって――。
キヅナツキが描く、裸のオルタナティヴ・ラブ!
引用)フジテレビオンデマンド
絶対見るべき!『ギヴン』のアニメ化&映画化情報
『ギヴン』は2019年7月からフジテレビ”ノイタミナ”枠でTVアニメが放送され、さらに2020年にアニメの続きとなる映画が公開されます。
現在発表されているTVアニメ、映画制作関係者は以下の通りです。
- 監督:山口ひかる
- シリーズ構成:綾奈ゆにこ
- キャラクターデザイン・総作画監督:大沢美奈
- アニメーション制作:Lerche
- 制作:ギヴン製作委員会
- 映画 配給:アニプレックス
- 上ノ山立夏 声優:内田雄馬
- 佐藤真冬 声優:矢野奨吾
- 中山春樹 声優:中澤まさとも
- 梶 秋彦:江口拓也
- 村田雨月:浅沼晋太郎
- オープニングテーマ:『キズアト』センチミリメンタル
- エンディングテーマ:『まるつけ』ギヴン
- 映画主題歌:センチミリメンタル
アニメ化の前にドラマCDがでているのですが、ドラマCDとは違う声優さんが起用され、ドラマCDに収録されていたストーリーで歌われたとされる歌も、新しく作られています。
ドラマCDを何度も視聴されてきた方からするとアニメの方は受け入れ難いという方もいるかもしれませんが、アニメはすごくすごく面白かったです!
漫画でキヅナツキ先生が描く『given』メンバーのやりとりや空気感は漫画ならではなところもありますが、登場人物たちが動いて話すアニメはアニメとして面白かったですし、特に曲が最高でした!
アニメ内の歌は、主題歌を歌うセンチミリメンタルさんがすべて手がけています。
主題歌の『キズアト』はご本人が、エンディングテーマの『まるつけ』は原作者キヅナツキ先生プロディースのもと、作詞作曲編曲をセンチミリメンタルさん、ヴォーカルを真冬の声優、矢野奨吾さんが歌われています。
私はOPもEDも本当に好きで、配信されてからずーっと聴いていました!特にOPのCメロが真冬の心そのもののようで最高に好きです!
映画でもセンチミリメンタルさんが続投されますし、ストーリーはアダルト組の恋愛模様が描かれるので、ちょっと大人でさらに複雑なグッとくるストーリーになっていると思います!
今から公開が待ち遠しくて仕方ありません!アニメを往復して映画公開を待ちたいと思います!
他にも、関係者の方のコメントなどTVアニメ、映画『ギヴン』公式サイトに掲載されておりますので、気になる方はチェックしてみてください。
また公式Twitterもございますので、映画情報を見逃さないようにフォローしておきましょう。
◇キービジュアル解禁!5月16日公開!◇
キャッチコピー「夜が、明ける。」にあわせ、ギヴンの4人と雨月が夜と朝が入り交じる渋谷に佇む新ビジュアルが解禁されました。主題歌はセンチミリメンタルが続投!
そして公開日が5月16日(土)に決定✨
▼詳細は #ギヴン 公式HPへhttps://t.co/Et6JPwzU9a pic.twitter.com/QBzKD6meMq
— 『映画 ギヴン』公式|5月16日公開 (@given_anime) February 14, 2020
また、アニメ『ギヴン』はFODで独占見放題配信をしているので、アニメを見たい方はFODプレミアムをご利用ください!
めちゃめちゃ細かい『ギヴン』の主な登場人物を紹介!
悩み苦しみながら音楽とぶつかっていく姿に心掴まれる、『ギヴン』の登場人物たちをご紹介していきます。
話の間にところどころキャラクター紹介が載っているのですが、キヅナツキ先生が考えられた登場人物の設定はすごく細かいので、登場人物たちのことを詳しく知ることができて愛着が湧いてしまいます。
また、各登場人物ごとに音楽に関する細かな設定も決まっていて、バンド漫画として面白いのも『ギヴン』の魅力なので、一人一人の紹介が長くなってしまいますが、濃密にご紹介していきたいと思います!
上ノ山 立夏(うえのやま りっか)
高校2年生の16歳。8月1日生まれの獅子座。B型。中学ではバスケ部で、高校では帰宅部。勉強は可もなく不可もなく。理系クラス。家族構成は父母と姉が1人いる。バイトはコンビニ。
ギターを始めたのは小学校6年生の時で、父親からギターをもらったことがきっかけ。物事が思った通りにいかないと気が済まない性質も相まって、音楽にのめり込む。
高校に入学する頃には、イメージ通りの音が弾けるようになっていたが、一方で、できることが増えるほどに、音楽を始めた頃のドキドキは薄れていた。
そんなある日、壊れたギターを抱えた真冬に偶然出会う。弦を直してやったことで、音楽初心者の真冬に懐かれて最初は戸惑うが、その歌声に魅了され、真冬をバンドに誘う。
身長175cm。まだ身長が伸びると信じている。髪は黒髪、直毛でツーブロ。つり目、つり眉で眉毛は細め。唇は薄いへの字型。正統派イケメン。面倒見がよく、情に厚い。
真冬が加入する前は『the seasons』というインストバンドを上ノ山、秋彦、春樹で組んでいたが、真冬が加入して本格的に活動を開始するタイミングでバンド名を『given』に変更する。
『given』のギター担当。ギターは黒のテレキャスカスタム。ちょっと改造している。ピックは安いティアドロップで、どちらかといえば握り込みタイプ。ヘッドホンはAKGオープンエア。
好きな音楽は割とオールラウンド。古今東西問わず、ロックはじめ、オルタナ、グランジ、エモ、スクソーモ、エレクトロニカ、アンビエント、ダブステップ、などなど。父親が音楽ギークで、その影響が大きく、高校生ながら渋いところもいけるクチ。
佐藤 真冬(さとう まふゆ)
高校2年生の16歳。2月28日生まれの魚座でAB型。これまで中学、高校は帰宅部で音楽に触れたことはなかった。勉強は得意不得意が激しいタイプ。上ノ山と同じ理系クラスだが、違うクラス。家族構成は母親と犬1匹。バイトはライブハウスの雑用。
ある昼休み、壊れたギターの弦を上ノ山に直してもらったことがきっかけで、上ノ山にギターの弾き方を教えてほしいと頼む。
中学の頃付き合っていた人が自殺してしまい、そのことを悔やんで生きていたが、上ノ山たちとバンドをしていく中で気持ちを整理し、上ノ山に惹かれていく。
身長173cm。髪は少し長めで耳にかけている。色素薄めで癖っ毛。眉は八の字で困り眉。目は若干アーモンド型。上唇がM字型。肩はなで肩で少し猫背気味。女子の間ではかっこいいが、謎が多く近寄りがたい存在と思われている。
『given』のギターボーカル担当。ギターは赤のギブソンES-330を使用している。音楽やギターは初心者なので、好きな音楽は未知数。歌に関しては天性の才能を持っている。
中山 春樹(なかやま はるき)
大学院に通う22歳。7月13日生まれの蟹座でO型。映画専攻。家族構成は父母と姉が1人だが、上京してきているので今は一人暮らし。バイトはカフェとヘアアレンジ動画への出演。
2年前に初めて大学内で秋彦を見たときに一目惚れした。その前後に上ノ山をライブハウスで見かけ、秋彦がドラムをやっていると知って、秋彦と上ノ山を誘ってインストバンドを組んだ。
身長178cm。とある理由から髪を伸ばしている。少しウェーブがかかりやすい猫っ毛。細くて柔らかい髪質。顔は面長。眉は細くはなく、目はアーモンド系の形。唇は厚め。顎髭を生やしている。すこぶるお人好し。
『given』のベース担当。ベースはフジゲンのネオクラシックジャズベ。木目のもの。指弾き派。
好きな音楽は他のメンバーに比べると軽め。ポップ、邦ロックなどダンスミュージック系のゆるいテンポの方向性が強い。しかし他に劣らず、多岐にわたって聴いている。
梶 秋彦(かじ あきひこ)
大学に通う20歳。10月21日生まれの天秤座でA型。音楽専攻。家族構成は父母。一人っ子。父親は演奏家でイギリスに住んでおり、母は自分の実家にいて、自分は雨月の家に居候している。バイトは上ノ山と同じコンビニをはじめ、様々なバイトをしている。
幼い頃から空手とヴァイオリンを習っていた。ヴァイオリンで全国クラスの実力を持っていて自信があったが、高校生の頃に天才ヴァイオリニストの雨月に出会って夢を諦め、大学に進学してからドラムを始める。専攻はヴァイオリンのまま。
身長184cm。髪は前も後ろも短い。顔は面長。眉は短く細い。目はつり目で三百眼、目つきが悪い。唇や耳にたくさんピアスをしている。体格は筋肉でがっしりしていて、身長も高いが脚も長い。全体的に色素が薄く目の縁は緑色。顔は怖いがとてもモテる。よく周りを見ている。
『given』のドラム担当。今のバンドでは構成が減ったが、ゴリゴリ叩くのが好き。前バンドでは手数の多いヘヴィ系を叩いていた。ヘッドホンはBeatsだが、イヤホンはBOSE。
好きな音楽はヘヴィロック、メタル、メロコア、エモ、スクリーモ、オルタナ、トリップホップのような目ため通りなものから、クラシック全般、現代音楽、アンビエント、実験音楽などのインストよりにも強い。
村田 雨月(むらた うげつ)
21歳。6月6日生まれの双子座でO型。世界的に有名な天才ヴァイオリニスト。父親は外交官で、祖父は政治家。秋彦とは高校の頃の同級生で元彼。秋彦の初恋の人。
雨月が秋彦の通う高校に転校してきてから、秋彦が最初の友人になった。それから程なくして付き合い、高校3年のときに秋彦と同棲を始める。しかし進学のタイミングで別れる。
別れてからもまだ秋彦と肉体関係は続いている。秋彦は雨月の家に居候したままだが、雨月本人は演奏のために海外を飛び回っていて留守にしていることが多い。
身長175cm。黒髪。天才でありながらきちんと人並みに感情があるが、心と感情のサイズが人の何倍も大きく豊か。悪戯好き。友達はいない。
鹿島 柊(かしま ひいらぎ)
17歳。5月8日生まれの牡牛座でA型。真冬、玄純、由紀の幼馴染。身長175cmで髪は染めている。昔から真冬は柊にだけ当たりがキツく、扱いが雑。
高校生になってから由紀と玄純と3人でバンドを組んでいた。担当はベース。真冬だけ違う高校に通っている。今も玄純とヘルプのギターを入れてバンドを組んでいる。現在は柊がボーカルもしている。
真冬と由紀の深い関係を知っていたのに、2人が喧嘩したとき何もしなかったことをずっと後悔している。
八木 玄純(ヤギ しずすみ)
16歳。11月22日生まれのさそり座でB型。身長180cmで黒髪。真冬、由紀、柊の幼馴染。高校生になってから由紀と柊と3人でバンドを組んでいた。担当はドラム。バンドを組む前はバンド部に所属していた。
由紀と真冬が一緒にいることが多かったので、必然的に柊といることが多く、柊の捻くれているところをみて放っておけないと思っている。
吉田 由紀(よしだ ゆき)
真冬の幼馴染で元彼。柊と玄純とも幼馴染だが、母子家庭の鍵っ子という同じ境遇からか、真冬とは周りにはわからない強い絆があった。
派手好きで支配的で気分屋で、真冬とは正反対だが、お互いの足りないものを補うように、お互いにとって唯一無二の存在だった。
由紀と柊と玄純は高校生になってから3人でバンドを組んでいた。そのバンドがきっかけで、ある冬の日に真冬とささいな喧嘩をして、その後すぐ自殺してしまう。
上ノ山 弥生(うえのやま やよい)
秋彦と同じ大学に通う20歳。上ノ山立夏の姉。立夏に対しては辛辣なところがあるが、秋彦の前ではかわいく振舞うというギャップがある。秋彦のことが好きだったが失恋している。
身長163cm。牡牛座でB型。読者モデルをしていて、自分で自分が美人だと自覚しているタイプ。かわいいというより美人系。見た目のベースは立夏と同じで、そっくりだと言われる。
矢武 光司(やたけ こうじ)
24歳。5月10日生まれの牡牛座でA型。一年浪人して大学に入学したため、春樹と同期入学。学士取得で卒業済み。
小さな会社で映像編集の仕事をしている。趣味と実益を兼ねて仲の良いバンドのMVを作ったりしている。
自身もバンドを組んでいて、ベースボーカル担当。春樹と同じ映像専攻だったため仲がいい。秋彦のことが苦手。秋彦に振り回されている春樹を心配している。
板谷 翔吾(いたや しょうご)
高校2年生の17歳。上ノ山のクラスメイトで友人。5月20日生まれの牡牛座でO型。身長175cm。サッカー部所属でポジションはFW。
関東では有名なストライカーだが、球技全般が好きで、昼休みは体育館でバスケをすることに闘志を燃やしている。サッカーは本職でバスケは趣味。音楽クリーク。
植木 涼 (うえき りょう)
高校2年生の17歳。上ノ山のクラスメイトで友人。5月31日生まれの双子座でA型。身長180cm。バスケ部所でポジションはセンター。絵が下手。
一年の頃から上ノ山、板谷とは同じクラスで、2人の影響で音楽好きになった。
笠井(かさい)
上ノ山のクラスメイトの女子。上ノ山に好意があり、真冬にばかりかまうことを嫉妬して、真冬の過去を上ノ山に言ってしまう。
和果(わか)
上ノ山のクラスメイトの女子。真冬と元同じ中学出身で、真冬の過去の噂を笠井に教えた。元中が同じ彼氏がいる。
花岡(はなおか)
ヘアサロン春雨の従業員。『男を殺す!モテカワ❤︎アレンジ講座』というお店の動画配信をしていて、春樹が撮影のバイトとして、後ろ姿(髪)だけ出演している。女の子にはモテないが美容師としての指名率はいい。
吉田 冴子(よしだ さえこ)
吉田由紀の母親。夫とは離婚している。同じく離婚している真冬の母親とは手を取り合ってきた。
由紀と真冬は半ば親公認で付き合っていたため、由紀が自殺した後、由紀が使っていたギターを真冬に渡した。
毛玉(けだま)
真冬が飼っている犬。生後9ヶ月。由紀が亡くなって落ち込んでいた真冬のために、考えなしに母親が真冬の誕生日に買ってきた。
犬種はポメラニアン。呼び名はたま。春樹のことが大好きで、好きなものをペロペロ舐める。可愛い見た目とは裏腹に、虫を食べる姿は闇深い。
面白い!『ギヴン』の3つの見どころ(ネタバレあり)
テンポよく読めるのに、いろんな感情を揺さぶられて、気づけばどっぷりハマってしまっていること間違いなし!
何度読んでも面白い『ギヴン』には、たくさんの見どころ存在します。
そんな数ある見どころの中でも特に注目してほしいポイントを3つに絞ってご紹介していきます。
言葉のギャップに、落ちる。
『ギヴン』を読んで、いきなり心をつかまれたのが第一話のモノローグ!『こいつの心の琴線を直で、ぶち鳴らしてしまったらしい』『加速度をつけて俺の世界が動き出したんだと』など、言い回しが…かっごい“い“。(惚れた。)
このめちゃめちゃカッコいい言い回しに私は一目惚れしたのですが、それだけじゃないんです。二話では、真逆のギャグ要素を感じる秋彦と春樹の会話が出てくるんです!
かっこいいのに面白いなんて!楽しそうな登場人物たちのやりとりにほっこり。やりとりが面白いのでクスクス笑いながらぽんぽん読んでいると、不意に来るかっこいい台詞やモノローグに悩殺。
この口調の波、ギャップが表現の幅を生んでいて、気づけばどっぷりハマってしまっていることでしょう。楽しく面白いやりとりと、かっこいいセリフやモノローグのギャップにご注目ください。
『・・・』という高等テクニック
1つ目の見どころでセリフや、やりとりの面白さをお伝えしたのですが、2つ目の見どころでは、言いかけの台詞や、言葉として書かれていない『・・・』の裏の感情にご注目いただきたいです!
キヅナツキ先生の心理描写は実に繊細でエモいです。言葉にしなければならないことは言葉にし、言葉にならない感情は絵や空間、構図で表現されています。歌詞のない歌うシーンもそうです。
もちろん感情を揺さぶる描き方、描きたい感情をちゃんと伝えられる表現の仕方を、勉強して意図的にされているのだと思いますが、勉強したからってそうできませんよね?相当な高等テクニックだと思います。
何度読み返してもこの言葉にならない感情に心を揺さぶられますし、とても繊細で切なくもなります。台詞で表現されるだけじゃない、表情や漫画らしいさまざまな表現のされ方にご注目ください。
色んな曲を聴きたくなる最高の音楽描写!
なんと言っても、各登場人物の楽器や音楽性など、音楽関してとても細かく設定が決められていて、話の中でスムーズに、だけどちゃんと説明されているのが見どころの1つです。
話の流れを重視し、細かい音楽性に関しては触れない漫画もあると思いますし、それはそれで面白い漫画もありますが、この漫画では本当に細かい。
練習場所を借りるためにバイトをするなど、私生活もかなりリアルに感じます。バンドをしていた人は共感できるポイントや、あーわかる、というポイントがいくつもあることでしょう。
また、音楽活動をしていなかった人でも、バンドに興味が湧いてくる内容となっています。私も音楽活動はしていませんでしたが、いろんな曲を聴いてみたくなりました。(これを執筆中はクラシックを聴いてました。)
音楽を通して様々に揺れ動く彼らを見ているうちに、自分でも何かしらの音楽に触れてみたくなると思います。様々な”音楽”にご注目ください。
すべてひっくるめて青春『ギヴン』はこんな人におすすめ
『ギヴン』は、青春漫画が好きな方に特におすすめの作品となっています。
『ギヴン』は様々な人に読んでほしいBL漫画です。ボーイズラブという垣根を越えてすごく面白いです。登場人物たちの感情に共感したり、切ない中に温かみがあるお話になっています。
また、ボーイズラブに対して上ノ山の葛藤が描かれているところも、好感が持てます。ボーイズラブ前提の漫画とは違って、そこも繊細にすくって、置いてけぼりになる読者がいないように配慮されているところだと思います。
彼らの音楽にかけている姿はとても魅力的で、リアルに感じます。恋愛も音楽への情熱や葛藤も、すべて絡み合った青春が描かれていて、眩しく感じます。
ボーイズラブ漫画を読んだことがない方にも本当に読んでほしい、純粋に面白い青春バンド漫画なので、ぜひこの機会に『ギヴン』をご覧になってみてください。
管理人の思う『ギヴン』が伝えたいこと(考察)
『ギヴン』では、複雑な心模様を伝えたいように感じられます。
『ギヴン』の登場人物たちは、たくさんの葛藤を抱えています。それは音楽だけでなく、人とのコミュニケーションだったり、後悔だったり、辛く苦しい恋心だったりします。
1人が1つのことだけを悩んでるわけではなく、様々な問題を同時に抱えて生きている。そんな彼らの悩みや感情はすごくリアルに感じます。
複雑で様々な感情が、キヅナツキ先生の繊細な言葉選びや表現から伝わってきて、もっともっと深くて言葉にできない感情に届いて、まさに心の琴線に触れる作品になっていると思います。
心の琴線に触れて、複雑に揺れる心を温めてくれる面白くて切なくて優しい作品となっておりますので、是非この機会に『ギヴン』をご覧になってみてください。
『ギヴン』の評価まとめと感想
最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。
漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。
当サイトの評価 | 4.8(記事作成者の評価) |
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コミックシーモア | 4.8(496件の評価) |
まんが王国 | 3.9(35件の評価) |
Renta! | 4.5(565件の評価) |
BookLive | 4.7(235件の評価) |
めちゃコミック | 4.4(127件の評価) |
※それぞれ5段階評価となっています。
『ギヴン』の作中の言葉を借りますと、心の琴線を直で、ぶち鳴らされましたね!読んでいて何度も何度も心の琴線をぶち鳴らされるので、琴線が切れて張り直してを繰り返しています…(?)
グッとくるところが多すぎます。まず言葉選びが好き、感情に訴えかけてくる。真冬が歌うシーンの表現が好き、人を思って歌う真冬の感情の叫びが胸に飛んできて心をゆさぶります!あと、ほんわかしたやりとりのときのふざけている表情が面白くて最高!
読んだことがない方は絶対読んだほうがいいです。アニメで見ても面白いですが、表情の表現などの面白さ、切なさは、やはりアニメとは違うのでおすすめです!この機会にぜひ『ギヴン』をご覧になってみてください!
PS. とはいえ、本当に映画公開も楽しみです!私は映画が公開する前に2020年2月発売のドラマCD5巻で、ドラマCD版の真冬が歌う作中曲も聴いておきたいと思います!気になる方は、ぜひ映像版との違いを一緒に楽しみましょう!!