切ないだけじゃない『それはまるで雨傘のように』先生と生徒の恋と葛藤を描いた恋愛漫画のネタバレ感想
親友の彼氏を奪った。根も葉もない噂を学校中に流された主人公の紗南は親友を失い、居場所を失い孤独に負けて引きこもってしまう。そこに現れた担任の先生との関係や、紗南の心境の変化に感情移入してしまう『それはまるで雨傘のように』。
高校生ならではの葛藤や心理描写に共感を覚えつつ、決して非現実的過ぎないストーリー展開で、とても入り込みやすい作品となっています。
友情と恋愛どちらの行方も気になる『それはまるで雨傘のように』のあらすじや、登場人物、見どころをネタバレや感想を含めて紹介していきます。
りぃ先生が描く淡い恋愛少女漫画『それはまるで雨傘のように』のあらすじ
2巻完結の短編漫画とノベライズ版で二度楽しめる儚い恋愛少女漫画『それはまるで雨傘のように』の設定やあらすじをご紹介していきます。
思わず恋がしたくなるそんなピュアな恋愛ストーリーとなっているので、是非ご覧になってみてください。
作品の設定や概要
- 原作:りぃ
- 漫画:鈴峰あおい
- 出版社:講談社(別冊フレンド)
- ジャンル:恋愛
- 巻数:2巻(完結:2020年5月14日現在)
設定として高校二年生の女の子である主人公の紗南は、ある日親友である恵子の彼氏を内緒で奪ったという根も葉もない噂を、同じクラスのまどかによって流されてしまいます。
それを信じた恵子は紗南と絶交、噂は学校中に広まり居場所がなくなってしまった紗南は不登校になってしまいます。
そんな中で救いの手を差し伸べてくれた担任の都築先生に徐々に惹かれていく、紗南の高校生活と恋愛模様を描いた作品になっています。
あらすじ
高校2年の夏。紗南は、親友・惠子の彼氏と浮気をしたと噂を流されてしまう。誰にも潔白を信じてもらえず学校で孤立してしまった紗南は、ついに不登校に。
そんな紗南を訪ねてきたのは、担任の都築先生だった。
はじめは先生を頑なに拒否していた紗南だったけど、先生の柔らかい笑顔にどんどん惹かれていって─。
孤独な女子高生と国語教師の禁断のラブストーリー
引用)コミックシーモア
友情と恋愛の葛藤に胸が苦しくなる『それはまるで雨傘のように』の主な登場人物
それぞれの想いがまっすぐ痛いほど伝わってくる『それはまるで雨傘のように』の主な登場人物をご紹介していきます。
甘いだけじゃないどこかほろ苦さを含んだストーリー展開に、思わず胸が締め付けられるかもしれません。
弥生紗南(やよい さな)
主人公の高校二年生の女の子。とある事件をきっかけに親友の恵子と絶交してしまい不登校、保健室通いになってしまう。
そんな中、学校に来ない紗南を心配してスマホにメッセージを送ってくれていたクラスの担任の都築乙哉に特別な感情を抱き始める。
都築乙哉(つづき おとや)
紗南たちのクラスの担任の先生。自身が学生時代バレー部に所属していたのもあって、バレー部の顧問も務めている。
見た目は真面目で頭がキレそうだが、おっちょこちょいなところや、人に対して優しすぎる面があり度々周りを心配させている。
恵子(けいこ)
紗南の親友。入学式に出席できずクラスで孤立していた紗南に、声をかけてくれた優しい女の子。
少しお調子者なところがあって度々紗南を振り回しているが、紗南はまんざらでもない様子。
同級生の樹と付き合い始めた矢先、とある事件をきっかけに紗南との間に亀裂が入る。
まどか
紗南や恵子と同じクラスの女の子。紗南と恵子を絶交させるまでに至った事件の犯人。嫉妬深く陰湿な性格だが、心のどこかに闇を抱えている様子がある。
樹(いつき)
紗南たちと同級生の男の子。恵子と付き合っているがまどかが起こした事件に巻き込まれてしまう。周りからは「いっ君」と呼ばれている。
思わず応援したくなる『それはまるで雨傘のように』の3つの見どころ(ネタバレあり)
親友との友情、叶わない恋、いじめや裏切りなど『それはまるで雨傘のように』にはポジティブな面もネガティブな面も含めたくさんの見どころが存在します。
そんな数ある見どころの中でも特に注目してほしいポイントを3つご紹介していきます。
紗南のまっすぐな心の強さ
『それはまるで雨傘のように』では、紗南の何に対しても逃げずに立ち向かう心の強さに引き寄せられる場面が多いところが見どころとなっています。
でたらめな噂を流されてしまったことが原因で、親友だった恵子とも疎遠になり、周りから冷ややかな視線を浴びせられ、紗南は居場所を失ってしまいます。
不登校になり、外に一歩も出られなくなってしまった紗南に対して、都築先生の献身的な励ましもあって徐々に自信を取り戻していきます。
恵子の誤解を解いて仲直りするべく、正々堂々と正面切って体当たりしていく姿を見ていると、紗南の芯の強さにきっと引き込まれることでしょう。
叶わない恋
また『それはまるで雨傘のように』では、決して叶うことのない恋模様が切なく、それでいてあたたかく表現されているところも見どころの1つになっています。
紗南が都築先生に心惹かれていく様子は、純粋でまっすぐで読んでいるこちら側まで淡く切ない気持ちにさせてくれます。
一方で、都築先生は紗南が不登校になってから毎日マメにメールで連絡を取り、部活の試合見学と銘打って外に連れ出そうとする献身さや、紗南の気持ちを少しでも和らげようとする教師としては優しすぎるくらいの優しさに、徐々に惹かれていく紗南の姿を見ていると、むずがゆさすら感じてしまいます。
生徒との一線は絶対に越えてはいけないということを頑なに守ろうとする都築先生の本心が知りたくてどうしようもなくなり、ページをめくる手がどんどん早くなるストーリー展開になっています。
先生と生徒の関係性
最初から先生のことを好きになっていたわけではなく、先生に対して鬱陶しささえ覚える紗南と、そんな気持ちを知りつつも教師なりの精一杯のフォローをしていく都築先生とのちぐはぐした関係性がかわいくて好きです。
そこから繋がって、短編ながら二人の関係性が変化していく様子が丁寧に描かれていて、読んでいてなんだか微笑ましくて、ほっこりさせてくれます。
純粋すぎるくらいまっすぐに気持ちを押し出そうとする紗南と、純粋すぎるくらい生徒を想う二人の行く末が気になる展開になっています。
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恋の結末が気になる『それはまるで雨傘のように』はこんな人におすすめ
『それはまるで雨傘のように』は、逆境に立ち向かっていく主人公のちょっとほろ苦い恋愛漫画が好きな方には特におすすめの作品となっています。
短編で読みやすいこともさることながら、登場人物の心理描写に少し含みを持たせながら展開するストーリーになっているので、うずうずしながら読み進めてしまいます。
献身的で優しすぎる担任の都築先生に、高校生ながらに惹かれていく紗南の恋模様や同級生のいじめによってクラスで孤立してもなお、勇気を振り絞ってクラスに馴染もうとする姿、何より親友と仲直りするために一歩踏み出そうとする姿など、読んでいて勇気をもらえるシーンがとても印象的です。
登場人物の様々な思いが交差して、作品により深みを持たせてくれるストーリー展開が心を揺さぶる『それはまるで雨傘のように』を是非ご覧になってみてください。
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管理人の思う『それはまるで雨傘のように』が伝えたいこと(感想)
『それはまるで雨傘のように』では、誰かを想う気持ちを大切に持っていてほしいということを伝えたいように感じます。
まどかの手によって、親友だった恵子との間に大きな溝ができてしまっただけでなく、同級生のみならず学校中に噂を流され、弁解しても誰も話を聞いてくれない。そんな孤独にさいなまれた状況で不登校を余儀なくされる紗南。絶望的な状況の中で都築先生の生徒を守りたいというまっすぐな優しさが紗南の心を徐々に動かしていきます。
そのおかげで学校に行く決心がつき、恵子とまどかと樹の4人でちゃんと話し合って問題を解決しようとする正義感もさることながら、絶交宣言をしてきた恵子と仲直りをしたいという友達思いな場面にも心打たれます。
そして先生を少しづつ好きになっていくことへの葛藤や、都築先生が抱く紗南への気持ちのお折り合いのつけ方に、どうしようもないもどかしさを感じてしまい、今後の二人の行く末が気になって切ない気持ちでいっぱいになってしまいます。
誰かを好きになること、友達を大切に思うこと、人の気持ちに寄り添える優しさを持つこと…この作品を通して伝わる誰かを想う気持ちの大切さ、読み終わった後に、心がじんわりあたたかくなるような素敵な作品になっているで、是非この機会に『それはまるで雨傘のように』をご覧になってみてください。
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