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『はめつのおうこく』漫画のネタバレ感想|最愛の魔女を失った人間の絶望型復讐譚

『はめつのおうこく』漫画のネタバレ感想|最愛の魔女を失った人間の絶望型復讐譚

 

最愛の魔女を失った人間の青年・アドニスが人間への復讐を誓う絶望型復讐譚『はめつのおうこく 』。

発売当初amazonのKindleランキングの青年部門で1位を獲得し、ネットでも注目されていた漫画がついに単行本化しました。

かなり残虐な表現が多いので、苦手な方は要注意です。とはいえ愛の復讐のために戦っている主人公にはどこか儚さを感じます。

大迫力の画力で描かれる、伏線も多い予測不能なバトルファンタジー漫画『はめつのおうこく』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。

 

科学VS魔法『はめつのおうこく』のあらすじ

科学が発展した世界で魔法を駆使して人間に復讐する漫画『はめつのおうこく』の設定やあらすじをご紹介していきます。

作品の設定や概要

 

設定として、神に遣わされた魔女たちの力で発達してきた人類が、科学力を得たことで、魔女たちを根絶しようと「魔女狩り」をするところから始まります。

その中でも、特に強力な力を持っていた魔女・クロエは度々その命を狙われています。彼女は愛弟子で人間の少年・アドニスと共に、人間たちから逃亡していました。

アドニスを想い、人間との戦いを極力避けてきたクロエですが、ある日とうとう皇帝に捕まってしまい、クロエは皇帝に処刑されてしまいます。

それから10年後、幽閉され復讐の機を待っていたアドニスは地上へと放たれ、人間への復讐を誓います。科学と魔法がぶつかる壮絶なバトルダークファンタジー漫画です。

あらすじ

最愛を失ったものは、何よりも無情。

超産業革命で発展した世界。非科学的な力を排除する人間たちに、愛する魔女の師匠を殺された人間の少年は、“復讐の魔法使い”となる。

終わりなき復讐のダークファンタジー!

引用)コミックシーモア



誰が生き残る?『はめつのおうこく』の主な登場人物

次々と命を落としていく人間と魔女たち。いったい誰が生き残るのか全く予想できない『はめつのおうこく』の登場人物たちをご紹介していきます。

アドニス

魔女のクロエに育てられた人間。クロエの弟子として魔法を学ぶ。師を狙う人間を元々恨んでいたが、魔女狩りでクロエを処刑されたことで、人類への復讐を誓う。

脅威レベルSSに指定され、永年幽閉指定人物としてリディア帝国のメイヘム捕虜収容所に10年間収容されていた。

魔法具として羽根筆(クイル)を使用しており、魔力を持たない人間でも使える記述式の魔法を使う。

ドロカ

奴隷の少女。メイヘム捕虜収容所に収容されていた。脱走している最中、アドニスを解放してしまう。優しい性格。ピンク色の長い髪をしている。

クロエ・モルガン

氷を操る上位の魔女。アドニスのことを拾って育て、魔法を教えた師匠。魔女狩りによって皇帝のゲーテに処刑されてしまう。誰よりも強く知的で明るく、心優しい魔女。

ゲーテ

リディア帝国の23代皇帝。超産業革命(ギア・エクスパンション)を起こし、科学と軍事力をつけて人類の文明を向上させた。

魔法という人知を超えた力に畏怖し、魔女狩りをして魔女を滅ぼした。冷酷な性格。



アンドロメダ

ゲーテの妃。ベールで目が隠されている。謎に包まれている。

パルポル

メイヘム捕虜収容所の看守長。オカマのような見た目と口調。ドロカを性奴隷として引き渡そうとしていた。

ヤマト

リディア帝国の首都ニューナイトメアにある国家保安局の局長。上席主幹。太い眉毛と眼力、福耳が特徴的。

ユキ

国家保安局の副局長。主幹。ヤマトを『兄さま』と呼ぶ妹。太いまろ眉。



エーコート

首都警備局の局員。主幹。戦うときは「機械化」する。

アンナ

ドロカの友達で、同じメイヘム捕虜収容所に収容されていた。

ミア

ドロカの姉。昔魔女狩りで人間たちに襲われた際、命がけでドロカを逃した。

シータ・サマンスタ

リディア帝国、国家四局の一つ、国家科学局の局長を務める女性。



エリ

女子高生。アドニスが起こした大災禍で瓦礫の下敷きになった彼氏を見捨てて逃げた。

タクマ

エリの元彼。アドニスが起こした大災禍の被害者。

オズ・ゴージャス

リディア帝国、国家四局の一つ、国家諜報局の主幹。

チャーミー

国家諜報局の主査。異動願いを出しているが受理されない。

シロウサギ

リディア帝国、国家四局の一つ、国家諜報局局長。



オフィーリア・クレメンタイン

魔女の国を治めている女王。天啓の魔女。アドニスを魔女の国へ招待する。

サンタマリア

魔女。魔女たちがきていた服を防護服へと強化することができる。

クリスタルマヤ

宝石の魔女。敵を宝石で硬化してしまうことができる。

ダギャ

蛇喰の魔女。蛇に変身することができる。

グリアナ

傀蟲の魔女。ムカデのような虫を操ることができる。



面白い!『はめつのおうこく』の3つの見どころ(ネタバレあり)

予測不能な怒涛の展開が面白い『はめつのおうこく』には、たくさんの見どころ存在します。

そんな数ある見どころの中でも特に注目してほしいポイントを3つに絞ってご紹介していきます。

迫力ある虐殺シーン

これには流石に息を飲む。初っ端2、3ページ目のたくさんの魔女が首吊りされている魔女狩りのシーンもなかなかの迫力ですが、クロエの処刑シーンはとてもグロテスク。

その残酷な処刑をみて、10年後、人間に復讐を始めたアドニスは『目には目を』と逃げ惑う人間を同じ目に合わせる。さらに、ドロカによって混乱した収容所では、警備局員が同じように奴隷の少女たちを皆殺しに。

復讐に狩られてるとかあんまり関係なく、ただ残酷なんですよね。ただただ人の恐ろしさを感じます。今の現代日本では考えられない非人道さです。

迫力ある虐殺シーンは、ただグロテスクなだけでない、そこから感じる人間性にご注目して見ていただきたいです。

最愛の人を思うアドニス

アドニスはクロエが復讐を望まないことを理解していて、それでも復讐すると決めているところが本当に切なくてグッときます。

人間に復讐してもなぜかスカッとしないアドニス、クロエが彼に与えてきた優しさがちゃんと彼の正気を保たせている気もします。

最愛の人を思いながら復讐に染まるアドニスに救いはあるのか。アドニスのクロエへの想いにご注目ください。

散りばめられた伏線

予測できない伏線が散りばめられていてとても面白い!

不思議に思いながらも読み飛ばして後からそうゆうことか!と戻って読み返したり、伏線と気付かずに読んでいてそうだったの?!となって、やっぱり戻って読み返したり。笑

伏線と気づけたとしても予測できない展開になっていたりするので、普通に読んで伏線回収されたタイミングで読み返すのがおススメです。

散りばめられた伏線と、驚きの伏線回収にご注目ください。



科学と魔法の壮絶なバトル『はめつのおうこく』はこんな人におすすめ

『はめつのおうこく』は科学と魔法のバトルが好きな方に特におすすめの作品となっています。

人類の飛躍的に向上した科学力を相手に、魔法という非科学的なものを論理的に分析して戦う主人公。両者が繰り広げる壮絶なバトルは圧巻です。

主人公が科学や論理などの知的なことを話したり、使う魔法に名前がついていたりすると、どうしても中二病心がくすぐられてしまう…。笑
私はそこもいいと思っていますけどね!

とはいえ、実際の事態は最悪であり、次々と人が死んでいく様はまさに地獄絵図。見どころ満載な怒涛のバトルとなっておりますので、科学と魔法のバトル物が好きな方は是非読んでみてください。



紹介者が考える『はめつのおうこく』の伝えたいこと(考察)

『はめつのおうこく』では、愛する人を失う悲しみを伝えたいように感じられます。

最愛の人を殺されたことで無情となって人間に復讐するアドニスには、残虐だと感じる一方ですごく同情してしまいます。

アドニスがクロエを思い出すシーンにはいつもすごく暖かい感情を感じます。愛しい、恋しい、という悲しみが胸に突き刺さる。

愛する人のいない世界で、アドニスは何をどう考えて、もがいて生きていくのか。アドニスの心の変化が気になります。

残酷で迫力のあるバトルとは裏腹に、愛おしい感情がこみ上げる作品となっておりますので、是非この機会に『はめつのおうこく 』をご覧になってみてください。

『はめつのおうこく』は、アプリ「ピッコマ」から無料で読むことができます。
(※期間によっては配信が終了している可能性もございます。)

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『はめつのおうこく』の評価まとめと感想

最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。

漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。

当サイトの評価4.3(記事作成者の評価)
コミックシーモア4.7(39件の評価)
まんが王国3.0(4件の評価)
Renta!4.2(93件の評価)
BookLive4.6(20件の評価)
めちゃコミック4.0(98件の評価)

※それぞれ5段階評価となっています。

松帆 うら
松帆 うら

残虐さにここまで振り切っている漫画は初めてかもしれません…!それなのにアドニスがクロエを想うどこまでも深い愛情にときおり心打たれます。

伏線が面白いです。何回か読むとどんどんはまってしまうかもしれません。残虐で派手なバトルシーンが多く、テンポがいいのでさっと読めてしまいます。

わたし的には、『絶望型復讐譚』とうたっているからには、アドニスが救われる展開にならない方がいいなと思ってますが…。

次々展開が変わるので全く先が読めなくて、すごくインパクトがある面白い漫画だと思いました。ぜひ『はめつのおうこく 』をご覧になってみてください!

『はめつのおうこく』が気になる人におすすめの類似作品

『はめつのおうこく』に興味がある方におすすめの、ちょっとグロテスクなファンタジー漫画をご紹介したいと思います!

ご紹介する漫画は、異世界を旅するファンタジー漫画『ハカナキ楽園』です。

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2つ目は『かつて神だった獣たちへ』です。

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アニメ化もされた人気作ですので、重めのファンタジー漫画を読みたい方はぜひ合わせてご覧ください。

下の記事では『かつて神だった獣たちへ』の詳しい内容や無料で読む方法をご紹介しています。

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松帆 うら
イラストレーターの松帆うらです* 漫画が大好きで、『漫画が酸素』書店ライターをしています。同じ漫画が好きな方みな同士だと思ってます!!漫画の内容だけでなく、作者さんのこと、メディア化情報など、漫画に関わる様々なことを含めて、漫画の面白さを伝えたいです!
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