『かろりのつやごと』ぽちゃネガ女×純粋青年の胃袋系恋愛漫画のネタバレ感想
どっぷりとした容姿のおしとやかヒロインと、純粋無垢な正義感の強い主人公の掛け合いが可愛らしい『かろりのつやごと』。
タイトルの意味もさることながら、絵のタッチも繊細で独特な世界観がまたツボです。
食とヒューマンドラマの掛け合いが魅力でもあり、どこかすれ違ってしまう二人の恋愛の様子や関わり合いが見ていて面白い『かろりのつやごと』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。
小田ゆうあ先生が描くラブストーリー漫画『かろりのつやごと』のあらすじ
月刊office YOUで大人気連載中の『かろりのつやごと』の設定やあらすじをご紹介していきます。
『君を夏へつれもどす』で漫画家デビューを果たしたのち、2006年から月刊『office YOU』で連載中の『斉藤さん』が女優の観月ありさ主演でドラマ化。
2016年にはNHK BSプレミアムのプレミアムドラマで『ふれなばおちん』も長谷川京子主演でドラマ化を果たすなど、多数の漫画を手がけている、今勢いのある小田ゆうあ先生が描く最新作ですので、是非チェックしてみてください。
作品の設定や概要
- 著者：小田ゆうあ
- 出版社：集英社（マーガレットコミックスDIGITAL、月刊office YOU）
- ジャンル：ラブストーリー
- 巻数：４巻（連載中：2021年1月25日現在）
設定として、生まれてこの方男性経験がなく、自分の体型にコンプレックスを抱えたまま生きてきたヒロイン、風月。
唯一美味しいものを食べることで幸せを感じている毎日だったが、ある日口コミで有名だった朝定食が人気の定食屋ナナツノコを訪れることに。
そこで出会ったアルバイトの男子大学生、柊吾との出会いをきっかけに、風月の心に変化が現れます。
漫画の中から、美味しい朝ごはんの香りがしてきそうな、お腹と心をくすぐるほっこりラブストーリーがあなたを待っています。
あらすじ
恋って美味しいものですか？ 食べることが幸せ。それでいい、と思っていました。
男の人に興味がないわけではないのだけど、私、こんなだし。
でも、あんなことやこんなこともちょっとはしたいな、って心のどこかで思ってるんです。
『ふれなばおちん』の小田ゆうあ、令和を彩る新シリーズ！
引用）コミックシーモア
一人一人に目が離せない『かろりのつやごと』の主な登場人物
人情味溢れる登場人物たちが作品に深みを持たせてくれる『かろりのつやごと』。
風月と柊吾の周りに集まる人々が織りなす、優しさ溢れる物語が展開されていく『かろりのつやごと』の主な登場人物をご紹介していきます。
青井 柊吾(あおい しゅうご)
関西の田舎から大学進学を機に東京に上京してきた19歳の主人公の男の子。大学では草野球サークルに入っている。おばあちゃん子で正義感が強い。
ナナツノコという定食屋でアルバイトを始める。夜はちょっとした居酒屋になるが朝は朝定食を提供していて、列ができるほどの大人気店。
そこでフラッと訪れた風月と出会う。風月から淡い恋心を抱かれているとは露知らず、純粋無垢に思ったことを言ってしまい、風月に勘違いさせてしまう場面も。
花鳥 風月(かとり ふづき)
ぽっちゃり、というよりどっぷりの表現の方が適切なほど、体型が特徴的な女性。
生まれてこの方、男性との初体験をまだしたことがなく、愛というものを知らないことに、後ろめたさを感じている。こんな自分でもいつか男性とそんなことができる日が来るのかと夢見ている。
学生時代はその容姿から花鳥を文字って「かろり」というあだ名で馬鹿にされていた。
周吾のアルバイト先である定食屋ナナツノコに訪れて以来、その味に惹かれリピーターになる。ナナツノコのポイントカードに自分の名前を記入する際に、柊吾に名前を褒められて恋心を抱くようになる。
自宅で子供向けに英語の塾を開いている。美味しいものを食べるのが唯一無二の楽しみ。
めぐみ
定食屋ナナツノコの従業員の女性。思ったことをズバズバいうタイプ。
定食屋ナナツノコの夫婦
妻と旦那の二人で厨房に立ちお店を切り盛りしている。とても優しくて人情味があって、働き者な二人。
結婚して長くなるが子宝に恵まれなかったこともあり、アルバイトの柊吾やめぐみのことをかわいい我が子のように思っている。
成美 可奈(なるみ かな)
柊吾が所属している草野球サークルのマネージャー。
柊吾のことが気になるらしい。
上原 冬真(うえはら とうま)
柊吾の大学の友達。
シュン太
風月の英語塾に通う少年。近所で泥棒騒ぎがあった時、風月が一人暮らしで怖いとこぼしたら、泥棒よけに罠や落とし穴を作ってあげるくらい優しい男の子。
ページをめくる手が止まらない『かろりのつやごと』の3つの見どころ（ネタバレあり）
あたたかい気持ちとちょっぴりやるせない気持ちが癖になる『かろりのつやごと』にはたくさんの見どころが存在します。
そんな数ある見どころの中でも、特に注目してほしいポイントを3つご紹介していきます。
風月の妄想癖
『かろりのつやごと』は、男性経験のない風月が柊吾に心惹かれ、妄想の世界を楽しむ場面が見どころとなっています。
え、これ風月の妄想だったの！？とツッコミを入れたくなるくらい、作中で風月の妄想シーンが突然盛り込まれていきます。その妄想がまたロマンチックで可愛らしいものもあって、本当にそうなってくれたらいいのにね、と風月になげかけたくなるほどです。
ありえないだろと言われるくらいの妄想をしている時って、何よりも楽しいですよね。女性だったら人生で一回は、非現実的な妄想に胸ときめかせた経験があるのではないでしょうか。
これから加速化するであろう風月の妄想癖が、一体どんな展開を生み出していくのか、一巻一巻が楽しみになること間違いなしです。
悪気のない柊吾
また『かろりのつやごと』では、悪気はないんだけど思わせぶりだと捉えられてしまう柊吾の言動も見どころの一つになっています。
ある日のアルバイト中、いつものように朝定食を食べにやってきた風月がいつもの席に座っていたら、風月の体重の重さに耐えられなくなった椅子の背もたれがばきっと折れてしまいます。
そんな姿を見た周りのお客の中に、風月に対して中傷的な陰口を叩いて身内で笑かしあっているのを目の当たりにします。それを聞いた柊吾は風月をフォローしようとしてそのお客様に、陰口言うのはやめろと、真っ向から喧嘩を売ってしまいます。
おおごとにしたくなかった風月からしたら、柊吾の言動は善意であることは分かっていても醜態を晒してしまった恥ずかしさも相まって、お店に行きづらくなってしまうのです。
そんな乙女心を悟れない柊吾の正義感と風月の淡い恋心が果たして交わることがあるのかな？と今後の展開に期待を膨らませてくれます。
そんな二人の恋の行方
そして『かろりのつやごと』は、そんな二人の今後の行く末も見どころになっています。
柊吾は風月を正義感でもって、事あるごとにフォローを入れてくれたり、まっすぐに向き合っていきます。そんな彼の真摯な姿に少しづつ心惹かれていく風月。
この二人のすれ違いが一巻では如実に表れていて、正直ここから恋愛に発展するなんて考えにくいなとさえ思えてしまうほどの距離感なのです。
ですが一巻の終わり際に何やら今後の展開が大きく動いていきそうな一言が添えられていて、2巻が非常に読みたくなってしまう終わり方になっています。
この二人が結ばれる超展開が待ち受けているのか、はたまた予測できない結末を迎えるのか…。このむず痒さが取れることを楽しみに、新刊を待ちわびたいと思います。
是非みなさんもこのむず痒さを、味わってみてはいかがでしょうか。恋愛から遠のいていた人も、何かを感じるきっかけになるかもしれませんよ。
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登場人物の心境の変化に注目『かろりのつやごと』はこんな人におすすめ
『かろりのつやごと』は、ほっこりほんわかな恋愛漫画の中にも、しっかりとした深みが感じられる作品が好きな人には特におすすめの作品になっています。
艶ごとというタイトルですから、ちょっとセクシーな漫画なのかと思ったら全くそんなことはありません。むしろそんな艶ごとを経験したことがないほんわかヒロインの風月に、マイナスイオンを感じて癒されてしまうほどです。
風月は本当に女性らしい性格で、おしとやかで品があって所作が繊細かつ丁寧、ご飯の食べ方も非常に綺麗で…女性の私ですら惚れ惚れしてしまうくらい可愛らしい人なんです。
そんな素敵な女性である風月が、あとは自分に自信を持って堂々といきていけるようになればいいなと思ってしまうほどに感情移入してしまうのです。その自信はもしかしたら今後の柊吾との関係性によって変わっていくかもしれないという期待感のあるストーリー展開になっています。
ただの甘い恋愛だけではなくて、登場人物が人間的に成長していく様子も楽しみながら、作品を読み進めてみてください。
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管理人の思う『かろりのつやごと』が伝えたいこと（考察）
『かろりのつやごと』は、コンプレックスを抱えたまま生きる中で、どこに幸せを見出すかを伝えたいように感じます。
風月は昔から自分の体型にコンプレックスを持っていて、更にそのせいで職場のみならず飲食店ですら冷遇を受けてしまいます。そんなこんなで彼氏もできず、そんな自分に失望し、なるべく人に迷惑をかけないようにということだけを考えて、自分の殻にこもってしまいます。
そんな時に立ち寄った定食屋ナナツノコ、そこで食べた定食の味に惚れ込み常連になっていきます。それと同時に出会った柊吾やお店のご夫婦達と話をしていくうちに、風月の感情に淡い変化が起きていきます。
自分がコンプレックスだと思っていることって、なかなか自分ではいい部分だとは認めにくいですよね。そんな中でも特に柊吾は、風月を一人の人間として風月が気にしていた周りの目を気にせずに、正しいと思ったことを臆することなく言動で示してくれます。
どこか自分を認めてくれたような気さえする柊吾に今まで感じたことのない感情を抱いてしまうのは、女性だったら共感できちゃうかもしれません。
自分の辛さや虚無感から救ってくれたような気持ちになるようで、つい風月のことを応援したくなっちゃう自分に気づくかもしれませんね。ここからどんな結末を迎えるのか、見届けたくなることこの上ないです。
どこかいろんなことを考えさせてくれるあたたかい作品になっていますので、是非一度手に取ってご覧になってみてください。
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『かろりのつやごと』の評価まとめと感想
最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。
漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。
| 当サイトの評価 | 4.5（記事作成者の評価） |
|---|---|
| コミックシーモア | 4.7（19件の評価） |
| まんが王国 | 4.9（8件の評価） |
| Renta! | 4.5（34件の評価） |
| BookLive | 5.0（6件の評価） |
| めちゃコミック | 4.0（34件の評価） |
※それぞれ5段階評価となっています。
どのサイトでも軒並み高評価のこの作品。読んでいてほっこりする展開と、ゆるすぎない世界観にグッと引き込まれる感じが心地よくて好きだったので、上記のような評価をつけさせていただきました。
食欲を掻き立ててくれるのと同時に心を優しさで包んでくれる胃袋系恋愛漫画を是非ご覧になってみてください。
