アニメ映画化！『フラグタイム』ガールズラブ漫画のネタバレ感想
1日3分だけ時間を止められるとしたらあなたは何をしますか？
時間を止められる主人公と、時間が止まってもなぜか動けるクラスのマドンナの恋愛模様を描いた『フラグタイム』。
2巻完結の原作単行本が2019年11月22日ついにアニメ映画として公開されました。「あさがおと加瀬さん。」で監督を務めた佐藤卓哉監督、キャラクターデザインを担当した作画監督の佐藤智子が再びタッグを組んでの映画化。
そんな、今話題沸騰中の『フラグタイム』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。
さと先生が描く『フラグタイム』のあらすじ
出典：「フラグタイム」、著者：さと、出版社：秋田書店
試し読みだけでは、この作品に隠された本当の真実にたどり着けない『フラグタイム』の設定やあらすじをご紹介していきます。
思春期ならではのならではの悩みを抱えた美鈴に対して翻弄させるようなことをする遥。どこか影のある遥に惹かれる美鈴と、何を考えているのかわからない遥の二人だけの掛け合いも気になる内容になっています。
作品の設定や概要
- 著者：さと
- 出版社：秋田書店（championタップ!）
- ジャンル：少年漫画、ガールズラブコミック、百合漫画
- 巻数：2巻（完結：2020年5月14日現在）
設定として、ひょんなことから時間を止められるようになった主人公の森谷美鈴。自分だけの世界に浸りながら、人間観察が趣味になっていきます。
ある日、いつものように時間を止めて人間観察をしていると、クラスのマドンナ的存在の女の子、村上遥が目に止まります。
時間を止めているからと、興味本位で彼女のスカートをめくりパンツを覗いた美鈴。その瞬間、時間が止まっているはずなのに、遥が話しかけてきて…？
ちょっと変わった設定の百合漫画ですが、女の子同士がただイチャイチャするだけの作品じゃないことだけははっきり言えます。人間関係で悩んでいた美鈴の前に現れた遥は、果たして救いの天使か、はたまた失墜の悪魔か。
あらすじ
1日3分だけ時間を止められる女子高生・美鈴…。
コミュ障な彼女の趣味は時間を止めての人間観察。
ある日、クラス一の美少女・村上さんのパンツを覗いたら秘密がバレて…!?
連載時から話題沸騰、衝撃作がコミックス化!!
引用）コミックシーモア
女子高生の非日常を描いた『フラグタイム』の主な登場人物
性格真逆の二人が描き出すストーリーが面白い『フラグタイム』の主な登場人物をご紹介していきます。
コミュ障で人付き合いが苦手な主人公と、誰からも好かれるクラスのマドンナの二人だけの秘密の時間を一緒に覗いてみませんか？
森谷 美鈴(もりたに みすず)
人と話すのが苦手な高校2年生。
小学校の頃、ひょんなことから時間を止められるようになった女の子。
それ以来、主に人間関係で都合が悪くなると時間を止めてその場をやり過ごしてきた。そのため学校で友達ができなくなってしまう。
止められる時間は1日3分でその間に人間観察をするのが趣味になる。
ある日、いつも通り時間を止めていたら同じクラスの村上遥が1人で読書しているところに遭遇。彼女の容姿に羨望の眼差しを向けつつ、スカートの中身が気になってしまいめくってみる。
すると時間を止めたはずの村上が動き出し、「女子のパンツをのぞく変態だってクラスに言いふらす」と脅されて…？
村上 遥(むらかみ はるか)
美鈴と同じクラスの女の子。美人で明るいクラスの中心的存在。
クラスの担任にセクハラを受けていると美鈴に相談する。美鈴の力を使って1日だけでもセクハラから逃げたいというお願いをするが、実は…。
玉木(たまき)
遥の元カレ。
休みの日、美鈴と遥が一緒に買い物に行った先で、別のクラスの女の子と浮気しているところを目撃される。
告白したのは玉木からだったが、とある別の理由で別れることに…。
小林 由香利(こばやし ゆかり)
美鈴たちと同じクラスの女の子。卓球部に所属していて、時たま美鈴を卓球部に勧誘する。
その過程で友達0だった美鈴にも気さくに話しかけてくれるようになり、グループ輪に入れてくれるようになる。
兄弟が多く、大学進学ができないため就職する道を選んだり、美鈴の悩み相談にも親身になってくれるしっかり者。
千華(ちか)
美鈴たちと同じクラスの女の子。
いつも遥を含めた何人かで一緒に行動していることが多いが、遥に対して何やら思うことがあるらしい。
ピュアなのになぜか背徳感がある『フラグタイム』の3つの見どころ(ネタバレあり)
出典：「フラグタイム」、著者：さと、出版社：秋田書店
どこにでもいる普通の女子高生が恋やクラスの人間関係に悩む…だけじゃない『フラグタイム』にはたくさんの見どころが存在します。
そんな数ある見どころの中でも、特に注目してほしいポイントを3つご紹介していきます。
美鈴の視点
『フラグタイム』では、恋や友達、人間関係に奔走する美鈴の姿が見どころとなっています。
時間を止めれるの能力を手にしてから、ちょっとでも人と話すのが嫌になる場面になると時間を止めて逃げてしまっていた美鈴。
そんな美鈴を変えたのは、同じクラスの遥。彼女の意図のつかめない言動に戸惑いながらも、少しずつ人に対して抱く自分の心境の変化に気付いていきます。
遥に対する友達以上の特別な気持ち、他人と関係性を深めて、コミュニケーションを取っていく勇気を作品を通して強めているように感じます。
遥の視点
また『フラグタイム』では、遥側の視点も少し垣間見ることができるところが見どころのひとつとなっています。
いつも明るくてクラスの人気者の遥。2人の出会いをきっかけに、友達0の美鈴にも気さくに話しかけてくれる…。かと思いきやいきなり距離を置くようになったり、かと思えば急に大胆になったり。
その背景には、美鈴やクラスのみんなには言えないある秘密があって…？
自分の一挙手一投足に動揺する美鈴を見るのを楽しむ遥の行動の意味を知った時、あなたは一体、どんな感情に飲み込まれるでしょうか…。
そして2人が合わさると…？
そして『フラグタイム』では、そんな2人が合わさると起こる、人間関係の摩擦のようなものも見どころのひとつとなっています。
美鈴が時間を止められることを知っている遥は、美鈴の力を自分のために使ってほしいと伝えます。
その意図が汲み取れないまま、美鈴は言われた通り遥の意思のままに時間を止める力を使います。
時間が止まっている3分間、美鈴は遥とさまざまなことを企みます。普段の学校生活ではできないあんなことやこんなことまで。
でもどこか腑に落ちない遥の言動に、翻弄される美鈴。それに伴って美鈴の体にはある異変が…。同時に遥の真の目的が徐々に浮き彫りになっていくストーリー展開に、胸のざわつきを抑えられません。
果たして2人はどんな結末を迎えるのか…。是非、あなたの目で確かめてください。
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純粋ピュアな百合漫画『フラグタイム』はこんな人におすすめ
『フラグタイム』は、過激な性描写、百合表現が好きではない方けど気になるなって方には特におすすめの作品になっています。
ストーリーの中にはもちろん、美鈴と遥が友達という枠を逸脱した接し方をする場面がいくつかあります。しかし、過激な描写は一切ありません。
そして、作品を読んでいくと、そんなシーンに出くわしても何もやましさを感じないのです。それどころか、この2人の気持ちって何だろうという不思議な感覚に襲われます。
お互いがお互いを好き、なのかどうかもはっきりしない。お互いの気持ちが分からない。でも、友達として括るには有り余る存在。
永遠に晴れない霧の中にいるような気分。どこかじっとりとした生ぬるい感覚。そんなものを感じざるを得ない、そんな作品になっています。
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管理人の思う『フラグタイム』が伝えたいこと（感想）
出典：「フラグタイム」、著者：さと、出版社：秋田書店
『フラグタイム』では、友達でも恋愛でも人間関係ってわずらしいものばかりではない、ということを伝えたいように思います。
主人公の美鈴は、小学生の時にあった友達とのイザコザが原因で、時間を止める能力を使えるようになります。
それからというもの、人と接する中で少しでも居心地が悪かったり、都合が悪くなると時間を止めてその場から逃げるようになります。
結果、人との接し方が分からなくなり、友達を作ることができなくなってしまうのです。
そんな中で出会った遥という存在。遥の存在が美鈴の心を少しずつ前向きにしていく様子は目を見張るものがあります。
時間を止める力の使い道が、どんどん別の方向にシフトしていくのと同時に、美鈴の人間関係に対する考え方も徐々に変化していきます。
美鈴の成長を応援したくなるような、そんな作品になっていますので、ぜひこの機会に『フラグタイム』をご覧になってみてください。
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『フラグタイム』の評価まとめ
最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。
漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。
| 当サイトの評価 | 4.0（記事作成者の評価） |
|---|---|
| コミックシーモア | 4.5（2件の評価） |
| まんが王国 | ー |
| Renta! | 4.2（9件の評価） |
| BookLive | 4.8（6件の評価） |
※それぞれ5段階評価となっています。
とにかく設定が面白いです。そして美鈴と遥が展開するストーリー内容の奥深さも相まって、作品により深みが出ている印象だったので上記のような評価をつけました。
意味不明な遥の言動に動揺しつつも、その謎が溶けていくのと同時に、美鈴の心境も明らかに変わっていきます。徐々に紐解かれていく2人の関係値と結末にたどり着いたとき、鳥肌が立ったのを覚えています。
どんな最終回が待っているのか、気になる方は是非ご覧になってみてください。
