『イジメの時間』あまりにも凄惨ないじめの実態を描いた漫画のネタバレ感想
主人公の天童歩に対する壮絶なイジメとその反撃を描いた漫画『イジメの時間』。
主人公を通して語られるイジメ被害者のリアルな気持ちと、思わず目を背けたくなるほどの過酷なイジメが描かれ、学校関係者には是非読んでもらいたい多くの反響を呼んでいる作品となっています。
読めば胸が締め付けられる『イジメの時間』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。
読むのが辛い『イジメの時間』のあらすじ
衝撃的な描写が多く、読むのが辛くなるほどのイジメが描かれている『イジメの時間』の設定やあらすじをご紹介していきます。
学校関係者や周りでイジメが起こっている方には是非とも読んでもらいたい作品です。
作品の設定や概要
- 著者:くにろう
- 出版社:DeNA(マンガボックス)
- ジャンル:ヒューマンドラマ、ホラー
- 巻数:13巻(完結:2020年5月14日現在)
物語は、中学校で起こる理不尽なイジメの実態が描かれている。
主人公の天童歩は、クラスメイトの若保囲に密かにハメられて、不良少年・鈴木山に目をつけられて過酷なイジメを受けるようになっていく。
作者のくにろう先生のTwitterアカウントはこちらになります。Twitterも是非チェックしてください。
【お知らせ】
「イジメの時間」の紙の単行本第1巻・第2巻が10月11日に同時発売になります!何卒よろしくお願いいたします!マンガボックスチャレンジ枠連載から3年になりますが、まさかの書籍化です。応援して下さった皆様、ありがとうございます。 pic.twitter.com/8d2RpTstmO
— くにろう (@kunirou_2) October 5, 2019
あらすじ
好きな人のことを考え、親友と穏やかな日常を過ごしていた主人公の天童歩。
しかし歩の人生は、席替えで不良の鈴木山の前の席になったことで一変する。
席替えの後、歩の机の中になぜか鈴木山の筆箱が入れられており、たったそれだけのことで歩の死へのカウントダウンが始まってしまう…。
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苛烈なイジメと反撃をする『イジメの時間』の主な登場人物
苛烈なイジメをする加害者や反撃をする被害者、イジメ傍観者など多くのキャラクターが登場する『イジメの時間』の登場人物をご紹介していきます。
実際の作品では、登場人物たちの表情や感情にも注目してください。
天童歩(てんどう あゆむ)
仕事で帰りが遅い母親と猫の「ワー」と一緒に暮らしている主人公の真面目な少年。
クラスメイトの平原さんに好意を抱いていて、席替えで隣の席になりたいと思っていたが、運悪くクラスの不良である鈴木山の前の席になってしまう。
その後、鈴木山に因縁をつけられてイジメの標的にされ、過酷な学校生活を送ることになる。
鈴木山真次郎(すずきやま まじろう)
歩のクラスメイトの不良。歩が自分の筆箱を机に隠したことから、歩に目をつけて、若保囲と一緒にいじめるようになる。
歩に対しても、いつもつるんでいる須田に対しても容赦なく暴力を振るう凶暴的な性格をしている。
家庭環境は悪く、小学生のときは父親にいつも暴力を振るわれていた。
若保囲孝史(わかほい たかし)
歩のクラスメイトで鈴木山といつも一緒にいる少年。鈴木山の筆箱を歩の机の中に隠した犯人であり、鈴木山とともに歩に苛烈ないじめを繰り広げる。
そして鈴木山が歩をいじめているのを見て、いつも笑っている。
父親は大きな会社の社長であり、祖父は警察庁のお偉いさん。
鶴巻真魚(つるまき まお)
歩のクラスメイトで鈴木山といつも一緒にいる綺麗な女の子。鈴木山に過去に助けられたことがあり、その時から心酔している。
鈴木山の命令ならなんでも聞いて、ともに歩を追い詰める。
また女子グループでも強い存在感を持っていて、摩女と多子たちを束ねている。
又賀(またが)
歩のクラスメイトの女の子。
鈴木山という強い存在に隠れて自分も強い気になっている鶴巻が嫌いで、先生にイジメを告発したが、それが原因で自身も鶴巻に弱みを握られて逆らえない状況に追い込まれてしまう。
平原姫音子(ひらはら ねねこ)
歩のクラスメイトの可愛い女の子。歩が鈴木山たちにいじめられているのを見て、心配している。無抵抗の人を傷つけることを許さない優しい心の持ち主。
昔の名前は「明神姫音子」で、母親が病院にいる描写が描かれている。
戸沢信二(とざわ しんじ)
小学1年生のときからの付き合いである歩の親友。歩が鈴木山に因縁をつけられた時も一緒に誤解を解くために協力するほど友達想い。
しかし、先生に鈴木山たちが須田をいじめているのを密告したことがバレて、ボコボコにされてしまう。
その後は歩とは距離を置くようになるが、心のどこかでは歩を心配している。
須田淳七(すだ じゅんしち)
鈴木山と若保囲の使いっパシリ。あるはずもないジュースを買いに行かされたり、ペナルティと称してたくさんの暴力を振るわれていて、いつもいじめられている。
鈴木山と若保囲とは小学校からの付き合い。小学校の時はやんちゃな子で得意技は「須田地獄」。
五十崎摩女(いかさき するめ)
鶴巻真魚が従えている女子生徒の1人。自分の保身のために何でもしたり、人を裏切るようなひどい性格をしている。
多子(たこ)
摩女と一緒に鶴巻真魚に従えている女子生徒の1人。考えが浅いおバカなため鶴巻にいい様に利用されている。
下毛田みつ子(しもうだ みつこ)
以前女子グループを仕切っていた風紀委員の女子生徒。鶴巻に因縁をつけたが、返り討ちにあい、不登校となっている。
歩の母親
いつも遅くまで仕事をしている歩の母親。歩のことを本当に大切に思っている。
歩が幼い頃に夫とは離婚している。
ワー
歩の家族のお年寄りの猫。歩にとって弟のような大切な存在。
柴咲先生(しばさき)
歩が鈴木山と若保囲にいじめられているのではないかといつも気にかけていた優しい先生。
自分のことよりも生徒のことを考えている。
青木先生(あおき)
鈴木山と若保囲が須田をいじめていると報告を受けても受け流すやる気のない教師。
衝撃的な結末へと向かう『イジメの時間』の3つの見どころ(ネタバレあり)
残酷すぎるイジメの実態やイジメ関係者の心の内が描かれ、衝撃のラストへと物語が進んでいく『イジメの時間』には、たくさんの見どころが存在します。
そんな数ある見どころの中でも特に注目してほしいポイントを3つご紹介していきます。
逃げ場のない残酷なイジメ
『イジメの時間』では、逃げ場のないイジメの恐ろしさが見どころとなっています。
鈴木山と若保囲は歩を陥れるために罠を張り、歩がどんな対応をしてもペナルティと称して、歩にだけ罰を与え続けるのです。理不尽なペナルティに抗議をしようものならさらにペナルティが加算され、どんな選択をしても罰が追加されて激しい暴行を受けてしまいます。
そして歩だけでなく、先生に密告をした又賀も鶴巻に恥ずかしい写真を撮られ、命令に従わなければならない状況が作られるのです。
助けを呼びたくても恐怖に怯え言われるがままになる歩と、弱みを握られる又賀の2人を見ていると悲しくて胸が締め付けられるような思いになりますが、凄惨なイジメの実態をしっかりと見ていただきたいです。
イジメ被害者のリアルな感情
また『イジメの時間』では、主人公の歩を通して赤裸々にイジメ被害者の感情が語られていきます。
同級生にいじめられている惨めな弱虫だと思われたくない、クラスメイトにそんな風に見られたくない。親にもイジメにあっていることがバレるのが恥ずかしいし、いつも仕事で疲れている母親に余計な心配をさせたくない。
そのような周りを気にする気持ちもありますが、無意識の中ではどうか気づいてほしいと願っている歩の切ない気持ちに見ていて目頭が熱くなってきます。
歩を助けてくれようとする人は現れますが、正直に助けを求めれば今よりもひどい仕打ちを受けると思い、チャンスを逃していく姿は読んでいる読者も悔しくて仕方なくなると思います。
作中では、歩の表情や頭の中に反芻する映像などがリアルに被害者の感情を表現していて、鬼気迫るものを感じるので是非被害者の気持ちにも注目してみてください。
天童歩の覚醒と衝撃的な結末
そして過酷なイジメを描いた『イジメの時間』では、多くの伏線が張り巡らされ衝撃の結末へと物語は進んでいきます。
序盤のひたすら理不尽なイジメにあう状況から、死を覚悟した天童歩ですが、後に覚醒して鈴木山たちに反撃をしていくのです。その反撃の先にどのような結末が待っているかは気になりすぎてページを次々めくってしまうかと思います。
そして、結末に近づくにつれて明らかになる登場人物たちの過去や人間関係や本当の思いには、考えさせられる要素がたくさん詰まっています。
物語の中でしきりに不敵な笑みを浮かべる若保囲孝史や平原の過去の描写など、様々な伏線が用意され、後半になるほど盛り上がっていく作品となっているので、是非最後まで一気読みしてみてください。
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『イジメの時間』はこんな人におすすめ
『イジメの時間』は、学校の関係者や子どもがいる親御さん、そしてイジメが身近な所で行われている方には特におすすめの作品となっています。
物語では、壮絶なイジメの実態やイジメ被害者の逃げ場のない助けも呼べない状況やリアルな感情、そして加害者の思考や家庭環境などがとてもよく表現されていて、どれも実際に現場で起こっていることだと感じられます。
当人にならないと感じられないだろうと思えるようなことまで詳細に表現されている上に、イジメの悲惨さや被害者は無理やりでも助けないといけないことがわかる内容となっているので、特に学校関係者にはご覧になってもらいたいです。
残酷な描写が多く、読むと胸がムカムカするような気持ちになるかもしれませんが『イジメの時間』を通して多くの方にイジメの凄惨さを知ってほしいと思います。
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管理人の思う『イジメの時間』が伝えたいこと(感想)
『イジメの時間』は、イジメがもたらす残酷な事態を伝えたいように感じられます。
主人公の歩は些細なことから鈴木山と若保囲のイジメの標的にされ、どんな選択をしても、ひたすら理不尽に暴力を振るわれていきます。そしてイジメはみんなの前で裸踊りをやらされたりと人間の尊厳を踏みにじる行為にまで及んでいくのです。
そのようなイジメを受けた歩は自殺をしようとしたり、復讐をしようとしたりと、どんな結末になっても悲しい最後になるのがわかってしまい、イジメがどれほど悲惨なものであるかが、これでもかと心に響いてきます。
『イジメの時間』を読めば、人をイジメようとなんて思えなくなるほど過酷な内容になっているので、多くの方に1度読んでもらいたい作品です。
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『イジメの時間』の評価まとめ
最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。
漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。
当サイトの評価 | 3.8(記事作成者の評価) |
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コミックシーモア | 3.2(62件の評価) |
まんが王国 | ー |
Renta! | 3.5(162件の評価) |
BookLive | 3.8(5件の評価) |
※それぞれ5段階評価となっています。
これまでも見どころなどで詳しく紹介していきましたが、いじめ被害者の心情を見事に表現した作品であり、被害者の復讐にもスカッとできる内容になっているので、個人的には高評価をつけました。
かなりダークな内容で読む人は選ぶかもしれませんが、覚悟がある方は是非ご覧になってみください。