『圕(図書館)の大魔術師』異世界ビブリオファンタジー漫画のネタバレ感想
圧倒的画力で魅せる異世界ビブリオファンタジー漫画の『圕の大魔術師』。
「次にくるマンガ大賞 2019」にもノミネートされるほどの話題作であり、幻想的なファンタジーの異世界と本の魅力に感動する名作となっています。
読めば本が好きになる『圕の大魔術師』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。
次にくるマンガ大賞ノミネートの『圕(図書館)の大魔術師』のあらすじ
「次にくるマンガ大賞 2019」にノミネートされており、少年が本と共に未だ見ぬ世界に飛び込み、未来を切り拓いていく感動の名作である『圕の大魔術師』の設定とあらすじをご紹介していきます。
設定に関しては、巧妙に作り上げられていて、全てを紹介しきれないので一部をお伝えします。
作品の設定や概要
- 著者:泉光
- 出版社:講談社(good!アフタヌーン)
- ジャンル:SF・ファンタジー、異世界
- 巻数:3巻(連載中:2020年5月14日現在)
設定として、本を愛する者が集う場所である、本の都は「アフツァック」。その都にそびえる中央圕(としょかん)には大陸全ての本が揃っていると言われている。
物語の時代では、本をたくさん所所有することは大変な名誉とされていて、一方で中央圕は大陸中に図書館を配置して庶民にも本を広く届けたいと考えている。そのため、中央圕は地方の貴族や商人に資金援助や本の管理ノウハウを与えて図書館の運営を委託している。
また、本を貸し出すだけではなく、あらゆる形の書を保管し、あらゆる敵から護る、書のための鉄壁の要塞となるのが「アフツァック中央圕」。
圕司書試験は非常に難関で、その門は狭く大陸中から集まった優秀な者の中から選りすぐられる。そうした中で、中央圕に勤める司書は特別に「英知の専門家」を意味する「カフナ」という言葉で皆に呼ばれている。
中央圕司書の業務は本の管理・監修から流通に関わるまで多岐にわたり、大陸の全ての本を取り仕切る存在。
大陸中の本を揃えるために、新しい書が見つかったら北へ南へ飛んで行って圕に持って帰るのもカフナの仕事の一部。
圕には12の”室”と呼ばれる部署がある。
そのうち、「修復室」は貸し出した本や新たに発見された古書の修復を行う部署で、「渉外室」は図書館を地方に広げるための交渉をしたり、新たに発見された書物を獲得するために活動する部署で、「守護室」は貴重な本を狙う悪者や違法書物を取り締まる本の警察のような部署。
あらすじ
アムンという小さな村に暮らす混血の耳長の少年シオは本が大好きであったが、他の人とは違う身体的特徴があり、貧乏だったため、村人たちから迫害されていて、村の図書館を使うことも許されなかった。
そして、シオは不遇の自分を救ってくれる小説の主人公のような人が目の前に現れることを望んでいた。
そんなとき、アムン村に訪れた中央図書館で働く司書(カフナ)に出逢い、シオの運命が大きく変わっていく…
魅力溢れる『圕(図書館)の大魔術師』の主なキャラクター
『圕の大魔術師』には、魔術を使えたり、本の扱いが上手かったり、個性豊かな性格をしているような様々なキャラクターが登場します。
そんな幻想的で見ていて面白い登場人物たちをご紹介していきます。
シオ=フミス
額には傷があり、苔のような緑色の目と不相応な金髪の髪と血の気のない白い肌とみにくい長く尖った耳を持っていて、村では迫害されている貧民街の少年。
本が好きだけど、図書館に入れてもらえなかったり、いつも周りの子どもたちに馬鹿にされていた。
そのような辛い生活を送っていたため、本の物語のように自分の前にも主人公が現れて、嫌な世界から連れ出してくれるのだとずっと思っていた。
しかし、カフナとの出会いで考え方を変えていき、カフナを目指すようになる。
マナを持っていて魔術を使うことができ、動物とはすぐに親しめる力を持っている。
ミホナ・クォアハウ
クールビューティを装うドジな女の子。シオと同じくカフナを目指している。
大事なところでいつも失敗して周りに笑われて、学校ではずっといじられ役だったため、誰も知らない都で一から自分を作り直す決意を固めている。
そのために癖毛を抑えるために慣れない高級品を買っていたり、クールを装って自分を変えようとしている。
ドジでくじけるのは早いが、立ち直るのも早いという長所がある。本のことは本当に大切に思っている。
アルフ・トラロケ
水車の街エスプレオでシオとミホナと知り合った背の低い少年。チビであることを相手が勝手に舐めてくれる長所と捉えている。
洞察力に優れていて、エスプレオではシオたちをピンチを救う。さらにシオたちと同じくカフナを目指している。
偉そうだけど、とてもかっこいいキャラクター。
セドナ・ブルゥ
中央圕守護室の17歳の若手。カフナという英知の専門家であるにも関わらず、どんな相手にも対等に接する心優しい性格をしている。
守護室でも敵なしと言われる期待の若手であるが、かっこつけていて鬱陶しいこともある。
仕事もほったらかしてしまうことがあるが、やるときはやると同期からは信頼されている。
風の魔術師で空気中のマナと協力し、大気を操ることができる術者。空気の移動を使い、風も自由に操ることができる。
アンズ=カヴィシマフ
中央圕渉外室の33歳の女性。遠征の主任も務める人物。
いつもにこやかな6歳児の母であるが、怒ると背後に大蛇が見えるほど怖い。
ビビリ=ビルベリィ
中央圕修復室の22歳の女性。ココバ族のため、妖精のように小さくて、羽もついていて空を飛ぶことができる。
子どもをからかったり、人をかからうようなお茶目な性格をしている。人のために何かをしてあげることは滅多にない。
ちょっとバカだけど書の修復の技術はピカイチ。
ナナコ=ワトル
中央圕修復室の17歳の若手の女性でセドナとは同期。本を愛する文学少女。愛想が悪いのがたまに瑕。
本の補修を司書業の要としていて、補修作業をとても細やかで丁寧ながらも驚くほど速くこなせる。
フミス(姉)
主人公シオの姉。シオと2人暮らししていて、シオを学校に通わせるために朝は茶畑、昼は農園、夜は刺繍をして1日中働いている。
自分は文字が書けないし読むこともできないため、シオにはいろいろなことができるようになってほしいと思っている。
オセ=メネス
アムン村の図書館の館長。商人であり、目上の人にはへつらうが、貧しい人には厳しい。
そのため貧民街の人は、図書館に入れないようにしていた。
娘は溺愛しているが、子どもは本の扱いが雑だからと毛嫌いしている。
サキヤ=メネス
館長の娘。図書館に入れないシオのために館長のいないときを見計らって、図書館に入れるように手引きしている優しい女の子。
本を一緒に読める友達がほしいと思っている。
ククオ
シオの友達の一角獣。
頭部から尾の先端まで銀色の体毛で覆われ頭部から顎部にかけ、発達した鬣を持っていて、頭頂部の角は解明できない多くの奇跡を起こすと言われている聖獣。
性格は獰猛だが高い知能を持ち、決して群れにならず、1つの森に1つの個体が住み着き、そのすべてが森の主になると言われている。
そんな獰猛な聖獣だが、シオが落ち込んでいるときは慰めたりする優しくてかわいいキャラクター。
ウイラ
水車の街エスプレオでシオに助けられたネズミ。
白皮個体(シトラルボル)という生まれつき色のない白いネズミのため希少性が高く、高値で売買されていた。
骨董屋に引き取られてからは鞭打ちなどをされたりと虐待をされていた。
面白い!『圕(図書館)の大魔術師』の3つの見どころ(ネタバレあり)
美しすぎる描写に幻想的な世界観、感動と興奮を味わえるストーリー展開を繰り広げる『圕の大魔術師』には、見どころがたくさんあります。
そんな見どころの中でも特に注目してほしいポイントを3つに絞ってご紹介していきます。
本と魔術の幻想的な世界観
『圕の大魔術師』では、本と魔術の幻想的なファンタジーの世界が見どころとなっています。
本の中に魔術が込められていたり、聖獣のような空想の動物が出現したり、魔術師が魔法を使う世界観が物語では繰り広げられていて、読んでいて現実を離れたうっとりするような気分が味わえます。
本と人、本と魔法、魔法と人がどのように関わりストーリーが構成されていくのかは大変見どころとなっているので、是非注目してみてください。
主人公シオの成長
また『圕の大魔術師』では、混血で見た目が人と違った主人公シオの成長も見どころとなっています。
シオは、はじめの頃は村の人々に迫害されていて、人とは違う自分の見た目に大きなコンプレックスを持っていて、周りの人間も嫌っていました。そして、主人公のような人物が自分の前に現れて、自分を救ってくれることばかり考えていたのです。
しかし、カフナとの出会いで自分を過少評価しないことや自分の人生の主人公は自分しかいないことを教えられて、自分の個性にも自信を持ち、行動できるように変わっていくのです。
劣等感に苛まれていた主人公が、自分に自信を持って超難関の「カフナ」を目指す姿は、とてもかっこよく勇気をもらえると思うので、是非シオを応援しながら読んでみてください。
本の素晴らしさ
そして、『圕の大魔術師』では本の素晴らしさが最大の見どころと言えます。
知の結晶であり、思想を持った記号の集合であり、過去と未来を繋ぐ遺産である本は、人に新たな世界や知識を授ける人類の宝なのです。
目の前に新しいものが現れたときも、新しい出来事に戸惑ったときも、もっと知りたいと思ったときも、冒険に出たいときも、誰かと仲良くなりたいときも、図書館の本はいつも力を貸してくれます。
そんな普段の日常ではなかなか意識できないような本の素晴らしさが物語の中で言語化され、ストーリーとして表現されているため、本の真価を改めて知ることができる素敵な内容になっています。
『圕の大魔術師』を読んだら、本の素晴らしさに気がついて、本を読まずにはいられなくなると思うので、是非多くの方に読んでもらい作品です。
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本が読みたくなる『圕(図書館)の大魔術師』はこんな人におすすめ
『圕の大魔術師』は、本をあまり読まない人には絶対読んでもらいたいおすすめの作品です。
物語では、多くの者が本から過去の意志を学び、時に共感し、時に反発し、ある者は新たな本を作り、ある者は指導者となり、人を動かしていくというような本を起点に世界が回っていることをファンタジー溢れる魅力的な世界で表現しています。
そのため、読めば本の知られざる価値を知ることができる内容となっています。
私自身、本が大好きで、多くの方に本の魅力を知ってほしいと思うのですが、『圕の大魔術師』では、なかなか気づくことができない魅力まで面白くわかりやすく描かれているのです。
だから、是非多くの方に『圕の大魔術師』を読んでもらって、多くの方に本を読む習慣が根付いて欲しいと思います。
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管理人の思う『圕(図書館)の大魔術師』が伝えたいこと(感想)
『圕の大魔術師』では、本を読んで未来を創っていくことを伝えたいように感じます。
物語では、本の魅力がこれでもかと美しく表現されていて、図書館の存在が本を守り、図書館の本で育まれた子どもの中から必ず、この世界の未来を変える英雄が現れるのだと語っています。
この世界は本でできていることも表現されていて、仮に本を読んでなくても現代では本の影響から逃れることができないということも知ることができ、本を読むことで自分の未来も社会全体の未来も切り開いていけるのだと思い知らされる内容なのです。
幻想的な異世界ファンタジーでストーリーに興奮して、人との出会いのドラマに感動でき、本の魅力も大いに伝わってくる名作ですので、是非『圕の大魔術師』をご覧になってみてください。
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