『死逢わせサポートセンター』望む相手を殺すダークサスペンス漫画のネタバレ感想
マンガアプリ「GANMA!」で話題沸騰の人間の「闇」に迫る震撼のオムニバスストーリー漫画『死逢わせサポートセンター』。
学校内ではびこるいじめや夫婦間の軋轢などの社会問題をテーマに、死神が死をもって人の幸せをサポートするという考えさせられる物語が繰り広げられ、人気を呼んでいる作品となっています。
オムニバス形式(独立したストーリーを並べて全体で1つの作品にしたもの)で時間がない人でも読みやすい『死逢わせサポートセンター』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。
中村あいさつ先生が繰り広げる『死逢わせサポートセンター』のあらすじ
マンガアプリ「GANMA!」で連載されるダークサスペンスヒューマンドラマ『死逢わせサポートセンター』の設定やあらすじをご紹介していきます。
オムニバス形式でサクッと読めるが、内容が深い『死逢わせサポートセンター』を是非ご覧になってみてください。
作品の設定や概要
- 著者:中村あいさつ
- 出版社:GANMA!
- ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス、オムニバス
設定として、主人公の死神である下神は「しあわせサポートセンター」をやっていて、悩める人の幸せをサポートしている。
そのサポート内容は、悩める人を苦しめている人を殺すこと。悩める人に「死逢わせ依頼書」という契約書を渡し、そこに自身の名前と殺したい人の名前を書いて印鑑が押されると、名前を書かれた人に死を与える。
また死神が仕事をサボると主の力が弱まるため、死神たちの人間を死に導く役割にはノルマが課されている。しかし、下神はまったくノルマを気にせず、自分のやり方で人々を死へ導いている。
あらすじ
アナタは誰を殺したい?
ここにサインをすれば「アナタが望む人を殺せます」―― 現実で社会問題を悩みに抱えている人々、 そんな悩む人々のまえに現れる「しあわせサポートセンター」
社会の「闇」に迫るオムニバスストーリー!
引用)GANMA!
殺したいほど憎い相手がいる『死逢わせサポートセンター』の主な登場人物
『死逢わせサポートセンター』の登場人物たちは、皆が闇を抱えていて、殺したいほど憎んでいる相手がいるのです。
そんな心に「闇」を抱えた登場人物たちをご紹介していきます。
下神(しもがみ)
黒のタートルネックに白衣を着た姿のイケメンな死神。「しあわせサポートセンター」のセンター長を務めている。
他の死神とは違い、手間をかけながら悩める人を幸せに導いていく独自の手法で死神の仕事をしていて、6ヶ月連続でノルマ未達成のため他の死神からは文句を言われている。
優しい表情を見せるときもあれば、死神らしい悪い顔も見せるときもあり、謎が多く掴みどころがない変わった性格をしている。
ハナ
ギャルのような見た目の可愛くて優しい助手。下神のはぐらかす感じを苦手に思っている。
しかし、なんだかんだ下神のことは好きでいる様子。また甘い物は好きで、ゾンビにゃん子というキャラクターも好き。
神崎女史
月産依頼遂行数は常にトップクラスで男顔負けの優秀な女性死神。下っ端の相手でも丁寧な対応をする。
エリートだけど意外にも、他の死神より地道に足で稼ぐタイプ。
イチロウ
サイバー戦が得意な神崎のホープ助手。
島本チヒロ(しまもと ちひろ)
白金光女学院に通う女子高生。気を遣うのが上手くて優しいサトウ先生に恋をしている。
しかし、中高大一貫校の女子高に入学した島本はお金持ちのクラスに馴染めず、毎日理不尽ないじめを受けている。そして、いじめられていることを先生にバレないように嘘を言っている。
理不尽ないじめに悩んでいるときに「しあわせサポートセンター」に訪れて、学校でいじめられていることを相談し、「死逢わせ依頼書」をもらうことになる。
サトウ先生
美術室にいつもいて、島本の見方になっている優しい先生。
しかし、意外な秘密を持っている。
財前ユキミ(ざいぜん ゆきみ)
生成優秀スポーツ万能で親が政治家で大大大のお金持ちである島本のクラスメイト。
クラスの最高権力者として、いじめを率先して行っている。いじめの内容も、島本チヒロのお弁当を床に捨てて、それを食べさせようとしたり、トイレに入れたお弁当を食べさせようとしたりと悲惨なもの。
人の不幸を心から喜ぶ残忍な性格をしている。
相田マモル(あいだ まもる)
ママが笑ってくれるからという理由がお絵かきが大好きな幼児。周りからは「マー君」と呼ばれている。
ママもパパも大好きな心優しい男の子。まだ字はきちんと書くことができない。
相田サチ(あいだ さち)
マモルのお母さん。仕事で忙しくても子育てをしっかりと頑張っている優しい母。
しかし、頑張っているのにも関わらず周りから余計なことを言われたり、夫との軋轢を抱えているため、たまに怖い顔になってしまう。
「しあわせサポートセンター」にいっていて、「死逢わせ依頼書」をもらっている。
マモルの父
マモルのお父さん。仕事が忙しく、夜にしか帰ってこないためマモルとはあまり話せていない。
そして家に帰ってきてご飯がないとキレたり、仕事ばかりして家族のことをないがしろにしたりする。
八上ショウ(やかみ しょう)
同成学園高等学校に通う優等生の男子高生。家でも学校でも部活もやらずに勉強三昧の日々を送っているが、友達と過ごす学校生活は嫌いではないと思っている。
母親とは仲がいいが父親とは確執があり、父親の引き出しに「死逢わせ依頼書」が入っているのを見つけて以来とても警戒している。父親には勉強のことでいつも厳しく叱られている。
八上の父親
八上ショウの父親。勉強のことにはとても厳しくて、ショウがテストで平均点以下を取ると暴力も振るう。平均点以下を取る人を恥ずかしい人だと思っている。
そして「死逢わせ依頼書」を所持していて、机の中に鍵をかけて隠している。
松谷(まつたに)
そばかすがあるのが特徴的な女性高生。フリフリの校則に合ってない服装をいつもしていて、先生たちには注意されている。しかし、服装は絶対に変えない。
ショウの弱みを見つけたため、それをネタに脅すようになる。
面白い!『死逢わせサポートセンター』の3つの見どころ(ネタバレあり)
いじめや親子関係や夫婦関係の問題といった社会の闇を表現し、死神が死を持って人を幸せにしようとする『死逢わせサポートセンター』には、興味深い見どころがたくさん存在します。
そんな数ある見どころの中でも特に注目してほしいポイントを3つご紹介していきます。
追い詰められた人たちの思考
『死逢わせサポートセンター』では、他人を憎んでいる追い詰められた人たちがオムニバス形式(独立したストーリーを並べて全体で1つの作品にしたもの)で登場します。
毎日辛いいじめに遭っている子や子育てを任せっきりの夫に苦しむ妻や親からの抑圧に耐えている者まで描かれていて、彼らの心情が赤裸々に語られているのです。
いじめに耐えかねて自殺をしてしまう姿や子育てと仕事を一生懸命に頑張っているのに周りから蔑まれてしまう母親の姿などは、見ていて心が苦しくなりますし、登場人物と一緒になって相手を憎んでしまうかもしれません。
そんな読んでいて辛くなるような話ですが、オムニバス形式のため読みやすくなっています。悲しき生活を強いられている登場人物たちには是非注目してみてください。
死逢わせ依頼書を手に入れた登場人物たち
また『死逢わせサポートセンター』では、苦しんでいる登場人物のもとに「死逢わせ依頼書」がやってくるので、それを手にしたあとの人間の行動も見どころとなっています。
主人公の下神は苦しんでいる登場人物たちに幸せにするという名目で人を殺せる「依頼書」を渡します。
それを受け取った登場人物たちは、はじめは相手を殺すことなんて考えていなかったけど人を殺す簡単な方法を手に入れたことが気持ちが変わっていったり、また苦痛に耐えて計画的に相手を利用したあとに相手を殺すことを考えたりと、人によって反応が全く異なるのです。
そんな登場人物たちの姿を見ながら、もし自分だったら「依頼書」をどんな風に使うのかを考えながら読むとより作品に入り込めて楽しめるかもしれません。
憎い人間を殺すという選択肢を芽生えさせる「死逢わせ依頼書」は、とても考えさせられるアイテムとなっているので、それを手にしたと登場人物たちの行動や変化もしっかりと見てみてください。
依頼の代償や下神の狙い
そして『死逢わせサポートセンター』では、伏線も多く張り巡らされていて見どころとなっています。
人ひとり殺した分の代償や魂の譲渡に関する契約書の一文、そして下神が「サポートセンター」というやり方で活動している理由など物語には多くの謎が隠されているのです。
悪い顔をしたかと思えば真剣に相手の幸せを望んでいる下神の姿や下神のケンカ別れした友人の存在など、いつも物事をはぐらかすことが掴みどころのない下神の真相が徐々に明らかになっていくので、読むほど楽しめる作品と言えます。
なにかと謎の多い下神の言動には注意を払って読み取って、伏線が回収されるときは大いに驚いてみてください。
いじめなどの社会問題に言及した『死逢わせサポートセンター』はこんな人におすすめ
『死逢わせサポートセンター』は、憎んでいる人がいる方には特に読んでもらいたいおすすめの作品です。
物語はさまざまな登場人物が追い詰められていて、憎むべき相手を持っていて、その相手を殺すのを主人公の死神がサポートする話となっています。
憎むべき相手を殺す方法を手にした登場人物たちがどのように感情が変化するのか、実際に殺した結果、自分にはどんな責任が降りかかってくるのかなど、この作品を読んで気づけることが多くあり非常に考えさせられる内容なのです。
またオムニバス形式で時間がない方でもサクッと読める利点もあるので、忙しくて憎むべき相手もいるという方は是非『死逢わせサポートセンター』を読んでみてください。
管理人の思う『死逢わせサポートセンター』が伝えたいこと(感想)
『死逢わせサポートセンター』では、人生において本当に大切なものは何かを伝えたいように感じられます。
物語の中で主人公の下神は、憎むべき相手に死を与えることで自分に幸せがやってくると言って、「死逢わせ依頼書」を登場人物たちに書かせますが、登場人物たちは相手を殺しただけでは幸せにはならないのです。
自分を苦しめる相手がいなくなるのはもちろん良いことかもしれないけど、自分が変わらなかったり、大切な存在に気づくことができなければ幸せにはなれない姿が描かれていて、自分の中にある大切なものをもっと見つめようと思える内容となっています。
憎むべき相手に死を与える死神の力を使って描かれるヒューマンドラマには、感動もあれば、意外な結末もあって楽しめると思うので、是非『死逢わせサポートセンター』をこの機会にご覧になってみてください。
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