『髑髏は闇夜に動き出す』老人の復讐劇を描いたダークな漫画のネタバレ感想
死に近く、失うものが何もない老人の狂気の復讐劇を描いた『髑髏は闇夜に動き出す』というダークバイオレンス漫画。
隣人との幸せで温かい描写から一変、過激な復讐劇がひたすら描かれるダークなストーリー展開が話題を呼んでいる作品となっています。そして1巻完結の短い物語なので、ラストまで一気読みは必須です。
狂気の老人が主人公である『髑髏は闇夜に動き出す』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。
ダークすぎる『髑髏は闇夜に動き出す』のあらすじ
『髑髏は闇夜に動き出す』は、老人の復讐劇を描いた作品となっているため、かなりダークな面が強い漫画となっています。
そんなダークさに溢れる『髑髏は闇夜に動き出す』の作品概要やあらすじをはじめにお伝えしていきます。
作品の設定や概要
- 著者:TETSUO
- 出版社:少年画報社(ヤングキングコミックス)
- ジャンル:ミステリー、サスペンス、バイオレンス
設定として、以前より主人公の老人である藤村銀三には、自身の姿に似た「影」を時折見ている。そして、その影は主人公の心の変化に合わせて現れている様子がある。
『髑髏は闇夜に動き出す』はおじいさんの銀三が主人公であり、おじいさんが復讐の鬼と化すダークバイオレンスストーリーとなっている。
あらすじ
主人公の藤村銀三は胃ガンと診察され、余命5ヶ月と申告された。しかし、身寄りのない老人であるため寂しく暮らしていた。
そんなある日、銀三の隣の家に越してきた一家が銀三を優しく迎え入れてくれた。優しさに触れ、はじめて家族を持った幸福感を味わったのも束の間、隣人一家は何者かに惨殺されてしまった。
そして、自身に優しく接してくれた家族を殺された銀三は復讐の鬼へと変貌していく…。
『髑髏は闇夜に動き出す』の主な登場人物
優しき隣人や孤独な老人、そして犯罪グループや警察など短い漫画にも関わらず登場人物は意外と多いです。そんな『髑髏は闇夜に動き出す』の登場人物をご紹介していきます。
藤村銀三(ふじむら ぎんぞう)
『髑髏は闇夜に動き出す』の主人公である89歳の老人。胃ガンになっており、医者からはもって5ヶ月と診断されている。
余命わずかのときも1人寂しく暮らしていた。しかし隣にマコたちが越してきてからは、交流するようになり、幸せな時間を過ごす。
だが、マコたちが強盗殺人犯に惨殺されてからは復讐の鬼と化す。
持田マコ(もちだ まこ)
藤村銀三の隣の家に越してきた家族の娘で6歳の幼稚園生。引っ越してきてすぐに銀三を話した女の子。元気で人見知りをしない様子。強盗殺人事件にあい病院に送られてしまう。
持田夫妻
藤村銀三の隣の家に越してきたマコの両親。父親は銀三が転んだところすぐに助けるような優しい人物で家族愛にも満ちている。母親はお腹に2人目の子を宿している。
銀三を我が家に快く招待したりと優しい家族であったが、強盗殺人事件にあい殺害されてしまう。
ハヤト
マコの家族を殺した強盗の実行犯。犯行現場から逃走するときに藤村銀三に顔を見られた上に、携帯を置いて行ってしまうという失態を犯す。その後、銀三に捕まり、監禁される。
後藤
マコの家族を殺した強盗の実行犯。「ムーンドラッグ」のオーナーの高杉という人物に依頼されて強盗を行った。その後、藤村銀三に命を狙われる。
高杉
「ムーンドラッグ」のオーナーである人物。金目当てで持田家族を襲わせた、犯人グループの親玉。
手下を使って犯罪行為に手を染めている。警察にまで手を出すような危ないことまで行う。
渡部(わたべ)
持田家族の強盗殺人事件を捜査している警察。何度か、藤村銀三に聞き取りを行っている。のちに藤村銀三とともに高杉グループに捕まってしまう。
衝撃のラスト…『髑髏は闇夜に動き出す』の3つの見どころ(ネタバレあり)
『髑髏は闇夜に動き出す』は全1巻の短い漫画となっています。しかし、内容はとても濃く、主人公の心情描写や狂気さを巧みに描き、ストーリー展開も読者をハラハラさせるものとなっています。
そんな短いながらも見どころに溢れており、衝撃のラストで締めくくっている『髑髏は闇夜に動き出す』でとくに注目してほしいポイントを3つご紹介していきます。
展開が一変するストーリー構成
『髑髏は闇夜に動き出す』のストーリー展開は見どころとなっています。
はじめのおぞましいおじいさんの描写から一変、寂しいおじいさんの日常が描かれ、そうかと思えば、家族の温かさに触れるおじいさんに変わっていきます。
しかし、その後に隣の家の家族が惨殺されるという衝撃の展開になっており、優しく体の弱いおじいさんが復讐の鬼となり、犯人を追い詰めるストーリー構成は驚きの連続です。
ギャップの連続で後半からはハラハラしっぱなしのストーリーとなっていますが、見ごたえは抜群です。そして、最初のシーンはどの場面を描いたものであるのかも注目してみてください。
復讐の鬼と化す銀三
胃ガンとなり余命5ヶ月と言われている体の弱い優しいおじいさんの変貌は注目ポイントです。
持田家族と触れ合い、幸せを想像する優しい銀三からは全く想像もできないほど激昂し、表情も行動も全て一変します。復讐のことしか考えない狂気さには読んでいて震えてしまいます。
復讐に染まった人間の急激な変貌には開いた口が塞がらなくなりますが、銀三の復讐劇をしっかりと最後まで見届けてみてください。
時折現れる影の正体
『髑髏は闇夜に動き出す』では、時折現れる銀三の風貌をした怪しげな影が登場するのですが、その影が何を意味するのかを考察しながら、読んでみてください。
銀三が寂しそうに他の家庭を見ているときは穴のあいた影が現れ、持田家族が殺されて銀三が打ちひしがれているときは影が銀三の姿に変わり銀三の気持ちを代弁します。そして、後半になるほど銀三と影がリンクしているように感じられます。
作者のTETSUOさんが影の描写から伝えようとしているものは何かという部分も注目ポイントです。
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老人の復讐劇の『髑髏は闇夜に動き出す』はこんな人におすすめ
『髑髏は闇夜に動き出す』は復讐などのダークなテーマが好きな方にはおすすめの作品となっています。
この作品では、隣の家に越してきた優しい家族が惨殺されたことで、失うものが何もないおじいさんの銀三は復讐のことしか考えなくなり、実際に復讐のために犯人グループを殺していきます。
はじめのころの幸せな描写から一気にダークな展開に落とされ、その後も明るいシーンは少ないため、若干読む人を選ぶような作品のように感じます。
しかし、14話で完結するテンポ感の良さや物語に深みを持たせる演出などが凝られているため、読みごたえはあります。ダークな内容も好きな方は、是非ご覧になってみてください。
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管理人の思う『髑髏は闇夜に動き出す』が伝えたいこと(感想)
『髑髏は闇夜に動き出す』では、家族の温かさを伝えたいように感じられます。基本的にダークな内容が多い作品ですが、ダークさが際立っているのは、ダークさの前に描かれている幸せな描写があってこそのものです。
はじめのころは寂しいおじいさんが、隣人一家の優しさに触れ、生きる喜びや幸せを感じることができます。しかし、その幸せが理不尽にも奪われたためおじいさんは復讐の鬼と化してしまうのです。
銀三たちと家族の交流シーンだけでなく、復讐の鬼と変貌する銀三からも、家族の温かさの力がどれほど強いかが思い知らされます。
ダークな内容が多いですが、その反面、家族の温かさなども強く表現されている作品でもあるので、この機会に是非ご覧になってみてください。
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