『先生、あたし誰にも言いません』衝撃展開すぎる危ない恋愛漫画のネタバレ感想
決して軽い気持ちで読み始めないでください。女子高生と先生のイケナイ関係…だけで終わらないまさかの結末が待ち受ける『先生、あたし誰にも言いません』。
ただの先生と生徒のイチャラブ学園漫画だと思って読んでしまうと、全く予期しなかった最後を見届けることになります。その時、果たしてあなたはどんな感情を抱くか、筆者はとても楽しみです。
そんな圧倒的異質感を漂わせる、全3巻完結作品のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。
藤緒あい先生が描く少女漫画『先生、あたし誰にも言いません』のあらすじ
どうしてそうなった?と困惑するところから始まる『先生、あたし誰にも言いません』の設定やあらすじをご紹介していきます。
読んでいくうちに様々な感情を抱くはずです。その抱いた感情を、どう落ち着かせたらいいか分からなくなる”感情迷子量産漫画”と名付けたくなる作品です。
作品の設定や概要
- 著者:藤緒あい
- 出版社:秋田書店( プリンセス・コミックス、マンガクロス)
- ジャンル:少女漫画、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
- 巻数:3巻(完結)
設定として、女子校の先生を勤める傍ら、平凡極まりない人生に何となく辟易していた主人公の正広。決して悪いわけではないけど、”特別いいこと”が何一つないことに違和感を覚えていました。
周りからは女子校に勤めているというだけで羨ましがられていましたが、正広自体は未成年に手を出すなんてことは微塵も考えていませんでした。もちろん、担任を請け負うクラスの中生徒の中には、マドンナ級の子、理央の存在があり、内心めちゃくちゃ可愛いとは思っていたりはします。
そんな矢先、理央からの思わせぶりなアプローチと同時に、クラスでは目立たない存在だった愛美から、突如として体の関係を迫られるというとんでもないアプローチを受け、それを許諾してしまった正広。それをきっかけにストーリーは雲行きを怪しくさせていきます。ただの恋愛のこじれで終わればまだ可愛かったんですが…。
あらすじ
“特別いいこと”が一つもない人生を送ってきた女子高教師・清野正広。彼の平穏な日常は、ある女生徒のせいで大きく変わりはじめる…。
教師と生徒。この恋は純愛か、犯罪か。大人と子供の恋愛の境界線を描く、禁断のラブストーリー。
引用)コミックシーモア
先生と生徒のとんでもない関係『先生、あたし誰にも言いません』の主な登場人物
登場人物一人一人に、言えない悩みがあったりなかったりする『先生、あたし誰にも言いません』。
先生と生徒のイケナイ関係どころか、それぞれの過去や、家族、愛とは何なのかという倫理観まで巻き込んだ大ごとに発展していく『先生、あたし誰にも言いません』の主な登場人物をご紹介していきます。
清野 正広(きよの まさひろ)
女子校で英語教師兼クラスの担任を務める主人公の男性。就活が上手くいかず、何となく取っておいた教員免許で3年非常勤を勤め、今の女子校に正規雇用された。女子生徒からはキヨくんと呼ばれている。
幸い若い先生がおらずモテモテではあったし、女の子に囲まれた職場環境は正広にとっては何やかんや満更でもなかった。
だがある日、担任のクラスの女生徒、愛美に言い寄られ思いもよらず関係を持ってしまう。このことを誰にも言わない代わりに自分と付き合って欲しいと言う愛美の言葉に、従わざるを得なかった正広だったが…?
寄原 愛美(よりはら まなみ)
正広のクラスの女子生徒。暗い性格で誰ともコミュニケーションを取ろうとしないが、中学時代は明るくて元気な子だったらしい。
正広のことが好きで、自分の誕生日の前日、学校で正広と2人きりの状況で体の関係を求める。この関係を誰にも言わない代わりに、交際を迫った愛美だったが、それには深い事情があって…。
鈴木 理央(すずき りお)
正広のことが好きな女生徒。かわいい顔立ちから彼氏がひっきりなしにできるが、特別感がないと言い、いつも自分から振ってしまう。
元彼からストーカーされていることを相談したいと言い、正広と連絡先を交換しやり取りするようになる。
野田(のだ)
寄原のいた中学に従兄弟がいて、唯一優しく話しかけてくれた女生徒。
BLが好きで、その従兄弟とよく本屋でBLを漁っている。
砂掛(すなかけ)
正広が勤める高校の教頭先生。
女生徒の将来への思いが強く、性に関することになるとやたら厳しく指導したがる。
久真(くま)
正広の学校の先生。奥さんが元教え子で、真剣交際なら問題にはならないと、正広に諭してくる。
佳美(よしみ)
愛美の母。2年前、義母が階段から足を滑らせ足腰を悪くしてから、片道2時間かけて月2で1人介護に行っている。
特別なことなんて何もなくていい、ただ平凡で安定した日常が正しく送れることが何もない自分を支えていると思っている。
和則(かずのり)
愛美の父。真面目で家庭思いで、普段お酒を飲んだりもしない人だった。
しかし、佳美が母の介護に行って家を開けている間、何やら様子が変わってきたことに佳美は勘付いていた。
『先生、あたし誰にも言いません』の3つの見どころ(ネタバレあり)
こんな考えさせられる恋愛漫画は初めてだなと思ったほど『先生、あたし誰にも言いません』にはたくさんの見どころが存在します。
そんな数ある見どころの中でも、特に注目してほしいポイントを3つご紹介していきます。
特別なことが何もない主人公
『先生、あたし誰にも言いません』では、日々の生活には不満はないが特別何もない人生に嫌気がさしている正広の葛藤が見どころとなっています。
高校時代は、周りの友達はさっさと彼女を作って楽しそうにしているのに、自分だけ全くできなかった正広。そんな焦りから、他のクラスの女子に告白された時、好きでもないよく知らない子だったにも関わらず付き合うことを了承します。周りから遅れをとりたくなくて、対して好きでもない子と初めてを済ませたことを、大人になった今でも悔やんでいました。
大人になって今度は周りが結婚ラッシュ。中には美人な奥さんをゲットした同級生や、子供が生まれて幸せそうな同級生まで出始めたことで、また周りとの劣等感に苛まれます。いつも自分だけ周りから遅れて、人生の楽しいイベントを満喫できないことへの不満が、日に日に募った正広。
周りが幸せムードに浸る中、愛美と関係を持ち、体裁のために自分も周りも偽って愛美への好意を正当化しようとする自分との葛藤で揺れる正広。そんな彼に、少なからず同情してしまう人もいるかもしれませんね。
正広と愛美の関係性
また『先生、あたし誰にも言いません』では、正広と愛美の何とも言えない関係性も見どころのひとつになっています。
愛美の急なアプローチに対処しきれず、体の関係を持ってしまった正広。「私と付き合ってくれたら、このことは誰にも言いません」と愛美に釘を刺され、社会的に終了してしまわないためについ自分の気持ちを偽って、愛美の要求を飲むことに。
とりあえずデートに誘ってみたり、引っ越しして自分の部屋に愛美を呼んでみたりと、彼氏っぽいことをしようとするも、どうも様子がおかしい愛美。愛美の方から付き合って欲しいと言った割には、全く楽しそうではないし、相変わらず無表情で会話も続かない。かと思えば急にまた体の関係を迫ってきたりなどチグハグな態度を取ったりと、何かと正広を困惑させる場面も。
果たして愛美の真の目的はなんなのか、読んでいくうちに影に潜む真実に近づいていきます。ゆっくり、でも確実に、ページを読み進めてください。
本音と建前
『先生、あたし誰にも言いません』では、誰しもが自分の本音をいつでも言える訳じゃないなと考えさせられるところも、見どころの一つになっています。
本音で話してよってよく聞くフレーズだけど、自分は本音で喋ってなかった場合って、ありますよね。それは相手にも伝わるし、本音で話してくれない相手に、自分の大切な話を聞いてもらおうとは思わなくなるんですよね。そういう心理が働くんです。
実はこの作品の登場人物たちも、人に言えないしがらみやトラウマを抱えて苦しんでる人たちなんです。表には出せない悩みとお互い向き合い成長していく様子が全3巻を通して垣間見ることができます。
>>「U-NEXT BookPlace」を利用すると、『先生、あたし誰にも言いません』1巻が無料で読めます!
ありそうでなかった『先生、あたし誰にも言いません』はこんな人におすすめ
『先生、あたし誰にも言いません』は、先生と生徒の恋愛だけじゃない根深い問題にまでフォーカスした作品が好きな人には特におすすめです。
正直、恋愛漫画特有のドキドキ感やエロさと言ったものは全くありません。むしろ胸糞悪いと思う人も、中には出てくるかもしれません。それくらいこの作品は、問題提起が根深いところで設定されています。
非現実的ではあるかもしれませんが、でもどこか妙なリアル感があって、人ごとじゃないような気さえしてくるほどです。この世で一番怖いのは人間なんだな、ということを悟らせるような内容でした。
私の口から全てを語るのはもったいないくらい深い作品でしたので、是非あなたも一読してみてください。そして、読んだ後に残ったなんとも言えない心の淀みに浸ってみてください。
>>「U-NEXT BookPlace」を利用すると、『先生、あたし誰にも言いません』1巻が無料で読めます!
管理人の思う『先生、あたし誰にも言いません』が伝えたいこと(考察)
『先生、あたし誰にも言いません』は、愛とは何かを伝えたいように感じます。
誰しもが自分のことを正当化して生きていると思っています。そしてそれを他人にも認めてほしいと思っていることも。他人に認められれば、正しいと思う自分を正しいままで保てるからです。
“愛してる”という言葉の中にもいろんな正当化が含まれているなと感じる場面が、この作品には多々あります。愛してるからあなたを大切に思ってる、愛してるから家族なんだ、と。
“愛してる”という言葉で、自分の正義を相手にも押し付けてしまうことって、少なからずあるんですよね。そのせいで、愛という言葉の迷子になった人たちが繰り広げる人間味溢れるストーリー展開に、胸のざわつきを抑えるのに苦労することでしょう。
果たしてこれはハッピーエンドに向かっているのか…あなたが期待する最終回に向かっているのか、是非ご自分の目で確かめてみてください。
>>「U-NEXT BookPlace」を利用すると、『先生、あたし誰にも言いません』1巻が無料で読めます!
『先生、あたし誰にも言いません』の評価まとめと感想
最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。
漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。
当サイトの評価 | 4.2(記事作成者の評価) |
---|---|
コミックシーモア | 3.9(15件の評価) |
まんが王国 | 4.4(5件の評価) |
Renta! | 3.8(29件の評価) |
BookLive | 4(2件の評価) |
めちゃコミック | 3.3(179件の評価) |
※それぞれ5段階評価となっています。
これは恋愛漫画として括ってはいけないなと思わせるほどの衝撃の最終話を、目の当たりにしました。終始胸ががざわつくのを感じながら、でも続きが気になって結局最後まで読み進めてしまいました。
こんな考えさせられる少女漫画だったとは思わなかったくらい興味深いストーリー展開だったので、上記のような評価をつけさせていただきました。もしこれがアニメ化や映画化するとしたら、私は大切な人と見に行きたいですね。
正直賛否両論分かれる内容だなと思いましたが、是非一度ご覧になってみていろんな感情に飲み込まれてみてください。