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劇場アニメ映画化『囀る鳥は羽ばたかない』エグいのに儚い!極道BL漫画のネタバレ感想

囀る鳥は羽ばたかない

劇場アニメ映画化『囀る鳥は羽ばたかない』エグいのに儚い!極道BL漫画のネタバレ感想

 

ヤクザ社会のエグく、グロく、危ない世界観を、儚いボーイズラブストーリーとして描いた漫画『囀(さえず)る鳥は羽ばたかない』。

2020年に劇場アニメ映画として公開されます。これがR18指定になるかもしれないようですが、それはそれでとても観たい!!私自身とても注目している作品の1つです。

裏社会のリアルな駆け引きとエロくて儚い描写に心を揺さぶられる『囀る鳥は羽ばたかない』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。

 

ヤクザ×BL×儚さ『囀る鳥は羽ばたかない』のあらすじ

囀る鳥は羽ばたかないの矢代に呼ばれて来た影山が初めて久我に出会うシーン出典:「囀る鳥は羽ばたかない」、著者:ヨネダコウ、出版社:大洋図書

複雑なヤクザ組織の抗争と個性の強い登場人物たちの儚いBLを描く『囀る鳥は羽ばたかない』の設定やあらすじをご紹介していきます。

作品の設定や概要

 

設定として、主人公の矢代はヤクザ組織の若頭です。ですが、矢代はドMで変態で淫乱として組員に知られています。

身体の関係は持っても、決して恋愛に発展するような関係は持たず、矢代に対して本気になりそうな人は組から追い出すほど。

そんな矢代の前に、用心棒としてやってくる百目鬼。百目鬼は性的不能で身体の関係には至りません。愚直なまでに矢代に従う百目鬼と関わるうちに、矢代にも心境の変化が。

極道という危険な世界観の中で行われる駆け引きと、個性の強い登場人物が交わるBLらしいエロさ、そこに裏社会らしい後ろ暗い過去と恋模様の儚さを感じる面白い漫画となっています。

あらすじ

ドMで変態、淫乱の矢代は、真誠会若頭であり、真誠興業の社長だ。

金儲けが上手で、本音を決して見せない矢代のもとに、百目鬼力が付き人兼用心棒としてやってくる。

部下には手を出さないと決めていた矢代だが、どうしてか百目鬼には惹かれるものがあった。

矢代に誘われる百目鬼だが、ある理由によりその誘いに応えることができない。

自己矛盾を抱えて生きる矢代と、愚直なまでに矢代に従う百目鬼。

傷を抱えて生きるふたりの物語が始まる──!

引用)フジテレビオンデマンド



R18指定?絶対観たい!『囀る鳥は羽ばたかない』の劇場アニメ映画化情報

『囀る鳥は羽ばたかない』は2020年2月に劇場アニメ映画として公開されます。

タイトルには映画オリジナルの副題がついていて、『囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather』となっています。

現在発表されている映画制作関係者は以下の通りです。

  • 監督:牧田 佳織
  • 脚本:瀬古 浩司
  • キャラクターデザイン:熊田 明子・桑原 剛
  • アニメーション制作:GRIZZLY
  • 制作:BLUE LYNX
  • 矢代 声優:新垣 樽助
  • 百目鬼力 声優:羽多野 渉
  • 久我 瑛心 声優:小野 友樹
  • 影山 莞爾 声優:安元 洋貴
  • 七原 祐輔 声優:興津 和幸
  • 杉本 隼人 声優:三宅 貴大
  • 三角 隆仁 声優:大川 透
  • 天羽 静真 声優:佐藤 拓也
  • 平田 和明 声優:高瀬 右光
  • 竜崎 篤士 声優:三宅 健太
  • 音楽:H ZETTRIO

 

『囀る鳥は羽ばたかない』はドラマCDもフロンティアワークスさんから出ており、声優さんは映画に続投されています。

矢代の声がイメージそのまんま!色っぽくてインテリでミステリアスなかんじがとても素敵です!音楽もジャズなのがとてもおしゃれ。

私はこの漫画の内容に「おしゃれ」という表現を使うのはちょっと違うと感じたのですが、この映画はきっとおしゃれだと思います。絶対観に行きます。

現在公開されている映画の予告映像は以下のリンクよりご覧になれるのでよかったら観てみてください。

 

PVの他にも、関係者の方のコメントなど映画『囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather』公式サイトに掲載されておりますので、気になる方はチェックしてみてください。

また公式Twitterもございますので、映画情報を見逃さないようにフォローしておきましょう。



ギラギラしていて個性的『囀る鳥は羽ばたかない』の主な登場人物

殺伐とした極道の世界観の中にいながら、バラバラで魅力的な個性をもつ『囀る鳥は羽ばたかない』の登場人物たちをご紹介していきます。

矢代(やしろ)

ヤクザの組織、道心会傘下、真誠会の若頭。36歳。真誠会のフロント企業、真誠興業の社長。金稼ぎが得意。ドMで変態で淫乱と組内でも有名。

高校を卒業してから自分探しと称して己の快楽のみを追求する日々を送っていたある日、下位団体にあたる松原組で輪姦されていたところを当時の組長に拾われてヤクザになった。

唯一の友人である影山に密かに想いを寄せてきたが、百目鬼が現れたことで心境が変化していく。

百目鬼 力(どうめき ちから)

矢代の付き人兼用心棒。25歳。元警察官だったが、とある理由で父親を半殺しにしたことで刑務所に入ることになった。刑務所を出てきてから勧誘されて同心会に入る。

性的不能だったが、矢代に惹かれるようになる。血の繋がらない妹・葵がいる。

影山 莞爾(かげやま かんじ)

町医者。36歳。矢代とは高校時代からの腐れ縁で、唯一の友人。そのためヤクザをお抱えの病院になっている。腕力はあるけれど手先はひどく不器用な内科医。火傷フェチ。



久我 瑛心(くが えいしん)

少年院上がりのチンピラ。22歳。頭に血が昇ると暴力に走り自分では止められない。それ故、矢代には『狂犬』と呼ばれていた。

子供の頃は親から根性焼きの虐待を受けていたため、胸部に無数の火傷痕がある。影山には初対面でホストと間違えられるほど顔はいい。

七原 祐輔(ななはら ゆうすけ)

矢代の舎弟で若頭補佐。30歳。杉本と百目鬼の兄貴分。頭は悪いが矢代のことを若頭として慕っている。

杉本 隼人(すぎもと はやと)

矢代の舎弟。26歳。百目鬼の兄貴分。

三角 隆仁(みすみ たかひと)

道心会の執行部・若頭。62歳。道心会の次の会長筆頭候補。
真誠会の組長をしていた時に、下位団体にあたる松原組で輪姦されていた矢代を見つけヤクザの道に引き入れた。

その後、跡目を現組長の平田に譲り、組を離れて親団体にあたる道心会の若頭になった。

最初の一年程は矢代と体の関係もあったが、今では舎弟関係にある。それでも矢代を気に入っており、もう一度自分の側に置きたいと考えている。



天羽 静馬(あもう しずま)

三角の秘書。44歳。

平田 和明(ひらた かずあき)

真誠会の現組長。48歳。矢代とは兄弟分にあたるが、仲は良くない。野心家で出世欲が強く、上に行くためなら手段を選ばない冷酷な性格。

三角のことを尊敬はしているが、ホモが大嫌いで矢代との関係をよく思っていない。

竜崎 篤志(りゅうざき あつし)

真誠会の下位団体にあたる松原組の組長。矢代の兄弟分。

矢代が真誠会に入る前によく松原組に入り浸っており、体の関係を持ったこともある。矢代を敵対視しながらも、強く意識している。

黒羽根 謙(くろばね けん)

三角の右腕だった男。とある事件で命を落とした。



面白い!『囀る鳥は羽ばたかない』の3つの見どころ(ネタバレあり)

囀る鳥は羽ばたかないの矢代に嘘をつかれた百目鬼が怒るシーン出典:「囀る鳥は羽ばたかない」、著者:ヨネダコウ、出版社:大洋図書

ヤクザの社会で起こる激しい抗争と、複雑で儚い人間関係が描かれる『囀る鳥は羽ばたかない』には、たくさんの見どころ存在します。

そんな数ある見どころの中でも特に注目してほしいポイントを3つに絞ってご紹介していきます。

裏社会の抗争と恋愛

普段実際に関わる機会がない裏社会の危うい雰囲気が丁寧に描かれているところが見どころです。跡目争いの真っ只中を描いているので、かなりアクションが多く、グロいシーンも多いです。

命に関わる抗争が物語の軸にあるので、その駆け引きなど、世界観が面白いです。BL漫画の垣根を超える面白さがあります。

そんな危ない世界の恋愛なので、時には人質にされることも。恋愛することの重みをより感じます。裏社会の危ない駆け引きと儚い恋愛模様の魅力にご注目ください。

それぞれの過去

登場人物一人一人の過去がちゃんと説明されているところが見どころです。それぞれの登場人物に、ヤクザになるほどの暗い過去があって、それを抱えて生きているところにとても儚さを感じます。

また、過去に登場人物たちがどんな関係であったかの回想も丁寧に描かれているので、後からわかる話がたくさんあります。

暴力などの表現が多い漫画ではありますが、苦しみや悩みがあって、それでもヤクザとして生きているところに魅力を感じます。登場人物たちの過去にご注目ください。

話の作り方がすごい!

上記した2つのオススメポイントにも繋がるのですが、伏線の作り込みが素晴らしいです。

目の前の事件の裏で、実はものすごく大きな陰謀が動いていることが後々わかります。それには過去の人間関係も関わっていて、話が繋がったときにはものすごい興奮を感じました!

切れ物の矢代は陰謀に気づいているのですが、裏社会らしい彼なりの駆け引きがあって、それがストーリーを盛り上げていて面白い!

過去の回想も順番に出てくるので、伏線かもしれないと疑って読むというより、注意深く読んで、話の繋がりがわかった時に感動していただきたいです。作り込まれた物語をご覧ください。



裏社会の駆け引きが描かれる『囀る鳥は羽ばたかない』はこんな人におすすめ

『囀る鳥は羽ばたかない』は任俠・極道ものBLが好きな方に特におすすめの作品となっています。

極道、ヤクザなどの世界は、ニュースでは聞いても実際に普段関わることがない世界なので、刺激的な内容に感じますよね。

この漫画では裏社会の駆け引きを、ストーリーの中で実際に体験しているかのような気持ちになります。それだけストーリーが作り込まれているところが本当に魅力的です。

けれど、そんな危ない世界を生きる人間の苦悩と恋愛模様もしっかり描かれているので、BL漫画としてもとても楽しめます。

任俠・極道ものBLが好きな方はこの機会にぜひ読んでみてください。



管理人の思う『囀る鳥は羽ばたかない』が伝えたいこと(考察)

囀る鳥は羽ばたかないの矢代が自分の恋心と家庭の境遇などに葛藤するシーン出典:「囀る鳥は羽ばたかない」、著者:ヨネダコウ、出版社:大洋図書

『囀る鳥は羽ばたかない』では、人を好きになることによる孤独と、人を好きになることで満たせる幸せを伝えたいように感じられます。

元々持っていないより、持っていたものが無くなることの方が辛いと感じるものですよね。好きという気持ちを知ってしまったが故に、手に入らなくて辛いという孤独を読んでいて感じました。

その孤独に葛藤していた矢代の前に百目鬼が現れたことで、お互いの欠けてる部分や孤独を補って、この物語の結末がハッピーエンドになることを期待しています!

ヤクザという裏社会を舞台に描かれる儚いボーイズラブ作品となっておりますので、是非この機会に『囀る鳥は羽ばたかない』をご覧になってみてください。



『囀る鳥は羽ばたかない』の評価まとめと感想

最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。

漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。

当サイトの評価4.7(記事作成者の評価)
コミックシーモア4.8(673件の評価)
まんが王国5.0(3件の評価)
Renta!4.8(1695件の評価)
BookLive4.5(86件の評価)
めちゃコミック4.7(318件の評価)

※それぞれ5段階評価となっています。

ヨネダコウ先生の作品を初めて読ませていただきました!絵は綺麗で、極道、ヤクザ系の漫画なので内容はシリアスですがとても読みやすかったです。雰囲気が全体的に儚くて美しい!

シリアスなところは結構エグいしグロいです。わたしはそんな黒い部分の描き方がリアルだと感じて、そのリアルさが物語を本当に面白いものにしていると思いました。

この漫画は後からどんどん種明かしされるので、2回目読んだ時「あーそゆうことかー!」って伏線をなぞれたり、より登場人物たちの心情を理解できたりと、楽しめました。2回目をぜひ読んで欲しいです!

6巻で話が一区切りつきますが、まだまだその続きも描かれているので、今後も楽しみな作品です。映画も絶対観たいです!ぜひこの機会に『囀る鳥は羽ばたかない』を読んでみてください!

ABOUT ME
松帆 うら
イラストレーターの松帆うらです* 漫画が大好きで、『漫画が酸素』書店ライターをしています。同じ漫画が好きな方みな同士だと思ってます!!漫画の内容だけでなく、作者さんのこと、メディア化情報など、漫画に関わる様々なことを含めて、漫画の面白さを伝えたいです!