アニメ化!『虚構推理』真実よりも美しい虚ろな推理アクション漫画のネタバレ感想
怪異たちの知恵の神となった少女と、怪異を食べて人間ならざるものになった青年が繰り広げるミステリーアクション漫画『虚構推理』。
ミステリー作家、漫画原作者として知られる城平京先生の小説『虚構推理 鋼人七瀬』をコミカライズした漫画です。小説は2012年の第12回本格ミステリ大賞を受賞しています。
原作の「鋼人七瀬」編が完結後も、書き下ろし続編小説による漫画連載が続くほどの人気で、アニメ化もされる『虚構推理』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。
恋から始まるミステリー『虚構推理』のあらすじ
『絶園のテンペスト』で知られる城平京先生が書く、恋愛×伝奇×ミステリー漫画『虚構推理』の設定やあらすじをご紹介していきます。
作品の設定や概要
- 原作:城平京
- 漫画:片瀬茶柴
- 出版社:講談社(少年マガジンR)
- ジャンル:恋愛、ミステリー・サスペンス、ホラー
定期的に病院に通っている岩永琴子は、15歳の時、入院する従姉のお見舞いに来ていた20歳の青年、桜川九郎に出会い一目惚れする。
しかし彼には背が高い美人の彼女がおり、まったくチャンスがない。ナースの噂では順調に交際が続き、結婚も間近に。ところが2年後、とあるきっかけで突然に破局。
それをチャンスと、2年ぶりに声をかけた琴子は九郎に告白。その場で断られるが、2人の破局理由を聞き出す。
その話を聞いた琴子は、2人が別れた本当の理由が、九郎の人ならざる正体を彼女に知られてしまったからであることを言い当て、さらに、自分は怪異たちの『知恵の神』であることを告げるのだった。
それから約2年と半年後、付き合うことになった琴子と九郎は、九郎の元カノが住む街で起こった新たな怪奇事件に挑むことになる。
あらすじ
『絶園のテンペスト』城平京が贈る[恋愛×伝奇×ミステリ]!!
「怪異」の知恵の神になった少女・岩永琴子が一目惚れした相手・桜川九郎は、「怪異」にさえ恐れられる男だった!?
2人に振りかかる奇想天外な事件と、その恋の行方は──!?
引用)講談社コミックプラス
恐ろしくもかっこいい『虚構推理』のアニメ化情報
『虚構推理』は2020年1月からアニメがスタートします。
現在発表されているアニメ制作関係者は以下の通りです。(原作情報は省略。)
- 監督:後藤圭二
- シリーズ構成:高木 登
- キャラクターデザイン・総作画監督:本多孝敏
- アニメーション制作:ブレインズ・ベース
- 制作:NAS
- 岩永琴子 声優:鬼頭明里
- 桜川九郎 声優:宮野真守
- オープニングテーマ:嘘とカメレオン
TVアニメ「虚構推理」の公式PVが公開されておりますが、ミステリアスでアクション的ですごくかっこいいです。PVを見る限り、原作漫画と違う設定になってる話もあるようで、アニメの方も期待です。
また主役2人のお声も、とても合っていると感じました。オープニングテーマ曲『モノノケ・イン・ザ・フィクション』もすごくかっこ良いです。
PVの他にも、関係者の方のコメントなどTVアニメ『虚構推理』公式サイトに掲載されておりますので、気になる方はチェックしてみてください。
また公式Twitterもございますので、映画情報を見逃さないようにフォローしておきましょう。
―第2弾PV公開!―
TVアニメ #虚構推理 の第2弾PVが解禁!
怪異たちがたくさん登場!作品の雰囲気をお楽しみいただけます👻さらに #嘘とカメレオン (@chameleon_1123)のオープニングテーマ楽曲「モノノケ・イン・ザ・フィクション」を聴くことも!
ぜひご覧ください!https://t.co/NOkHFxRV80 pic.twitter.com/MqABAOTMvW
— 「虚構推理」TVアニメ公式 (@kyokou_suiri) October 17, 2019
ミステリアスな事件に迫る『虚構推理』の主な登場人物
街に現れた危険な亡霊、鋼人七瀬事件の真相に迫る『虚構推理』の登場人物たちをご紹介していきます。
岩永 琴子(いわなが ことこ)
11歳の時に妖怪や怪異と呼ばれるものたちに誘拐され「知恵の神」になった少女。怪異たちの争いや揉め事の仲裁、あらゆる相談を解決し、人と怪異の世の秩序を守っている。
右目が義眼、左足に義足をはめており、怪異たちからは「ひとつ眼いっぽん足のおひいさま」と呼ばれている。特別な力は持っていないが、普通の人が触れない怪異に触れることができる。
とても小柄、髪はショートでくるくるしており、フリフリの可愛い洋服を着ている。子猫の彫刻装飾がついたステッキを持ち歩いている。人形のように可愛い容姿で、年齢を下に見られる。
実家は資産家で、本物の良家のお嬢様だがよく品のないことを言う。九郎に一目惚れし、粘着的に思い続けて彼女になった。
桜川 九郎(さくらがわ くろう)
11歳の時に妖怪変化の「くだん」と「人魚」を食べた青年。十何代か前の桜川家の先祖が、くだんが持つ予言の力を独占するために始めた実験の生き残り。
くだんの力により、死ぬと、未来に起こり得る無数の選択肢から自分の望む未来を決定することができる。そして人魚の肉の力により不死身なので生き返ることができ、怪我も瞬時に治る。
人以外のものの目には、人と人魚とくだんが混ざり合った醜くて禍々しい、うにゃうにゃとしたものに映る。化け物から見ても規格外の化け物として恐れられている。
琴子と同じ大学に通う大学院生。琴子の彼氏になったが、普段は琴子のことをぞんざいに扱っている。それでも彼なりに琴子を心配し、大切に思っている。
桜川 六花(さくらがわ りっか)
九郎の3歳年上の従姉。九郎と同じく桜川家の実験の生き残りで、未来を決める力と不死身の身体をもつ。
青白く、痩せて薄い体をしているが美人。九郎の女性のタイプそのもの。
入院し、医学的に自分の身体を普通に戻す実験をしていたが、退院後は自分のもつ能力を使うことで、自身の身体を普通の人に戻すことができる怪異を創り出そうとしている。
弓原 紗季(ゆみはら さき)
真倉坂市の警察署に勤める女性警官、交通課の巡査。長身でスタイルが良く美人。
九郎の元彼女。九郎との結婚も考えていたが、婚前旅行で行った京都で九郎の体質を知ることになるトラブルが起こり、彼への恐怖から別れを選ぶ。
それから2年半後、真倉坂市で起こった怪奇事件に出くわし、鋼人七瀬と応戦していた琴子と出会う。その後九郎とも再会し、事件解決の手助けをすることになる。
寺田 徳之助(てらだ とくのすけ)
真倉坂警察署の巡査部長。柔道五段。無骨で顔は怖いが紳士で、同僚や部下たちからも慕われている熟練の刑事。紗季に好意を持っている。
都市伝説や怪異を信じておらず、鋼人七瀬のことも犯罪の予兆と捉えて調査する。
七瀬 かりん(ななせ かりん)
真倉坂市で事故死したアイドル。グラビアアイドルをしていたが連続深夜ドラマが当たり、一部のアイドルファンから人気になる。
そんな上り調子の時に父親が死に、その殺人容疑をかけられる。確証はなく無実だが、騒ぎ立てるマスコミから逃げるために休業。
地方のホテルを転々とする中で真倉坂市のホテルに泊まり、その近くの工事現場で倒れてきた鉄骨の下敷きとなり死亡した。
鋼人七瀬(こうじんななせ)
死んだ七瀬かりんの姿をした亡霊。七瀬かりんがドラマで着ていた赤いドレスに鉄骨を携えており、顔は潰れたように黒く顔がない。
面白い!『虚構推理』の3つの見どころ(ネタバレあり)
時に不気味な、怪異たちの関わる様々な事件を解決していく『虚構推理』には、たくさんの見どころ存在します。
そんな数ある見どころの中でも特に注目してほしいポイントを3つに絞ってご紹介していきます。
怖いもの知らずたちのバトルシーン
『虚構推理』では、琴子と九郎が怪異たちと戦うバトルシーンが見どころです。
九郎は不死身なので、全く敵を恐れず本当に死ぬ気で戦います。相手の攻撃を受けきって、時には死んで生き返って反撃する、血しぶき飛び散る壮絶なバトルを繰り広げます。
そして、そんな九郎よりもある意味、敵を恐れない琴子。不死身でもなんでもないのに真正面から敵に挑んでいくことも。九郎も心配するほどの怖いもの知らずです。
バトル漫画ばりにバトルシーンが多く、見どころとなっていますのでご注目ください。
傍聴者のいる推理アクション
鋼人七瀬事件を解決する際の推理シーンが大変見どころとなっています。
探偵の推理というと、容疑者や関係者を集め事実確認をし、探偵が犯人を言い当てるというイメージがあるかと思いますが、『虚構推理』では傍聴者との推理議論を展開します。
傍聴者とは、鋼人七瀬のまとめサイトを閲覧する不特定多数の投稿者たちのことで、琴子は彼ら相手に虚構の推理を展開し、鋼人七瀬の正体を議論するのです。
白熱する彼らの推理議論は、推理アクションと呼ぶに相応しいものだと思います。琴子が作り上げる予想できない推理展開と、その結末にご注目ください。
怪異と人との関わり
虚構推理にでてくる様々な怪異と人との関わりも見どころです。
原作小説「虚構推理 鋼人七瀬」編が完結後、書き下ろし続編小説による漫画が続くことになったため、短編でたくさんの怪異事件が描かれています。
人間が創り出す怪異、人間を怨む怪異、苦しめる怪異、そそのかす怪異、人間に懐く怪異、見守る怪異など、人と怪異の関係は様々です。
怖いと感じる話もあれば、少しほっこりするような話もあります。様々な怪異たちと人との関わりにご注目ください。
結末が読めない『虚構推理』はこんな人におすすめ
小説原作の『虚構推理』は、最初6巻に渡って鋼人七瀬の事件を追っていきます。正直、ここまで一つの事件をずっと追っていく推理漫画を久々に読んだので「長い!」と感じました。
推理ものですので説明のセリフが長く、怪奇の説明も加わり、設定がやや難しいです。ですが、推理ものが好きな人は、その深い設定にどんどんハマってしまうでしょう。
話が進むにつれ要素が増えて、どんどん展開が変わるので、先読みできない面白さがあります。噛めば噛むほど味が出るような、読み進めていくほど面白い漫画です。
推理やミステリー、また怪異など人外がでてくるダークファンタジーが好きな方に特におすすめの作品となっています。
管理人の思う『虚構推理』が伝えたいこと(感想)
『虚構推理』では、推理ものの面白さを伝えたいように感じられます。
私はたったひとつの真実を見抜く推理漫画をよく読むのですが、この漫画は「多重解決」型のミステリーです。
ひとつの事件において、ひとつの真実を導き出す王道のミステリーに対し、推理する人によって全く違う過程と答えが導き出されるのが多重解決型のミステリーなのです。
『虚構推理』はタイトル通り虚構の推理。多重解決に加え、怪異と人の秩序を正すためならば、ときに意図して真実を捻じ曲げるのですから、設定も難しく、当初あまりミステリーらしくないものに感じました。
ですが、読み進めていく中で、必ずしも真実を明らかにするものだけがミステリーではないのだ、と思い至りました。ミステリーには様々な謎解きの形がある、そんな面白さを再確認させてもらいました。
あなたも最新巻まで読む頃には、すっかりこの面白いミステリーと虚構の世界にはまっていることでしょう。是非この機会に『虚構推理』をご覧になってみてください。