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『ブルータル 殺人警察官の告白』漫画のネタバレ感想|胸糞注意!殺人警察官の断罪譚

ブルータル 殺人警察官の告白

『ブルータル 殺人警察官の告白』漫画のネタバレ感想|胸糞注意!殺人警察官の断罪譚

 

グロテスク&胸糞悪さがクセになる『ブルータル 殺人警察官の告白』。

「ブルータル(Brutal)」とは、冷酷かつ残忍で野蛮な野生の獣のような様子を表した形容詞で、フランス語の「生身」を意味する「raw」に由来しています。

主人公のそれは、まさにブルータルの名に相応しい冷徹非道な過激派殺人…?そんな『ブルータル 殺人警察官の告白』あらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。

 

古賀慶先生と伊澤了先生が描くサスペンス漫画『ブルータル 殺人警察官の告白』のあらすじ

ブルータル 殺人警察官の告白の暴行事件の被害にあった女性の話を浩輝に話す涼出典:「ブルータル 殺人警察官の告白」、原作:古賀慶、作画:伊澤了、出版社:コアミックス

2019年フジテレビ系月9枠で錦戸亮主演『トレース〜科捜研の男〜』のスピンオフ作品として描かれた『ブルータル 殺人警察官の告白』の設定やあらすじをご紹介していきます。

原作を担当した古賀慶先生は、元科学捜査研究所の職員という異色の経歴を持ち、その経験を生かして書き上げた『トレース〜科捜研法医研究員の追想〜』で連載作デビューを果たしました。

徳間書店の漫画雑誌「第8回コミックゼノン漫画大賞」にて、『食人鬼』が「準入選+審査員特別賞」を受賞。カメラアングルや見せ方が上手いと高評価を得ています。その後「月刊コミックゼノン2015年2月号」のフレッシュゼノン枠にて、『イノセンス~法医研究員の微熱~』で漫画家デビュー。

独特のストーリー展開で読者を虜にする古賀慶先生の世界観に引き込まれてください。

作品の設定や概要

 

設定は以下のようになっています。

世には蔓延る犯罪の数々。しかし、そのどれもが解決、制裁を受けているとは限らないのです。

そんな法で裁けない犯罪者予備軍たちを、闇に紛れ密かに断罪する男が1人。その正体は、正義を守り悪を滅する警察官だったのです。

被害者の思いに応えるように、彼は1人孤独に悪を裁き続ける…果たしてその目的は…。

警察官が殺人を犯すというシリアスなストーリー展開、必見です。

※胸糞悪い話が続きますので、読む際は自己責任でお願いいたします。

あらすじ

錦戸亮主演でTVドラマ化され、大ヒットとなった『トレース 科捜研法医研究員の追想』、漆黒のスピンオフ――。

法で裁けない極悪人に、最悪の死を与える男がいる。警視庁捜査第一課、壇浩輝。

元警視総監の父を持ち、キャリア組で出世街道を邁進する彼の裏の顔は、100人を超える悪人たちを殺してきたシリアルキラー。

悪人に、死刑を超える私刑を贈る純黒のサスペンス――。

引用)コミックシーモア



次に殺されるのは誰?『ブルータル 殺人警察官の告白』の主な登場人物

裁く者と裁かれる者、二者の思惑が渦巻く『ブルータル 殺人警察官の告白』。

表情豊かなキャラクターで臨場感満載な『ブルータル』の主な登場人物をご紹介していきます。

壇 浩輝(だん ひろき)

警察庁刑事部捜査第一課係長。父は元警視総監。品行方正、眉目秀麗、気さくと女性従業員に人気。陶芸が趣味。

しかしその裏の顔は、法で裁けない犯罪者を陰で葬る殺人警察官だった…!?

財前 喜行(ざいぜん よしゆき):幼女連続殺人事件編

20年前、当時16歳だった財前は3歳と4歳の幼女を殺害し、遺体をバラバラにして遺族に送りつけるという極悪非道な事件を起こし、自称「殺人宅配便」として世間を震撼させた。

懲役18年の刑期を迎えた彼は、自分が起こした事件を赤裸々に綴った処女作「白昼夢」を出版。

井上 誠(いのうえ まこと)

是音(ぜのん)出版に勤める男性。財前喜行の担当。

間宮 涼(まみや りょう):婦女暴行事件編

警察庁刑事部捜査一課の巡査長の女性。

浜田 泰乃(はまだ やすの)

大学生。某有名私立大学の生徒と合コンに参加し、お酒を強要される。気付いた時には複数の男性に暴行されており、その1ヶ月後間宮に事件を告白。



池脇 照(いけわき てる)

21歳の大学生。泰乃を暴行したグループの主犯格。

M.O.Tというサークルを運営。池脇(皇帝)を筆頭に幹部(貴族)と他一般会員(市民)で構成。イケてない男を集めて、イイ女とヤれば自信がつく!という謳い文句で大学生相手に多額の月額費を払わせている。

丸山 角男(まるやま かどお)

弁護士。泰乃を暴行した池脇から見舞金を預かり、被害届を取り消すよう説得。差もなくば、事件当時撮られたビデオが世間に公開されると言って泰乃を脅す。

青山 太一(あおやま たいち)

19歳。小中高といじめに遭い、一流大学で大学デビューを果たそうとしていたところに池脇と出会う。

鬼塚 雅春(おにづか まさはる):ジャーナリスト編

日本のマスコミを取材するジャーナリスト。

美味しいネタを取りこぼすまいと、やり方を惜しまない横暴なところがある。

鬼塚 ありす(おにづか ありす)

17歳。私立ジュリエット女学院に通う鬼塚の娘。

新任教師に嫌がらせをしては辞任に追いやっている。



鈴木 隆(すずき たかし)

ありすの通う学校の数学教師。

ありすから嫌がらせを受けている。

江美子(えみこ)

隆の妻。

男鹿田 雄大(おがた ゆうだい):セクハラ編

ブスやバカ、子持ちの女性に対して異常なほどの嫌悪感を抱き、マナー違反は天誅と言って常にマウントを取ろうとする。

山所(やまどころ)

男鹿田が勤める会社の女性社員。

彼女が男鹿田にお茶汲みをすると、美人の美樹本からついでもらったお茶のほうが美味いじゃんとケチをつけられる。

美樹本(みきもと)

男鹿田が勤める会社の女性社員。



表紙がカッコ良すぎる『ブルータル 殺人警察官の告白』の3つの見どころ(ネタバレあり)

ブルータル 殺人警察官の告白の逃げた池脇が隣のベランダで浩輝に遭遇するシーン出典:「ブルータル 殺人警察官の告白」、原作:古賀慶、作画:伊澤了、出版社:コアミックス

爽やかな浩輝の登場が打って変わって、人を殺すことに悦びを滲ませるサイコパス展開に発展する『ブルータル 殺人警察官の告白』にはたくさんの見どころが存在します。

そんな数ある見どころの中でも、特に注目してほしいポイントを3つご紹介していきます。

オムニバス形式のストーリー展開

まず『ブルータル 殺人警察官の告白』では、1話ごとに違った事件や登場人物がストーリーを展開していくオムニバス形式なのが見どころとなっています。

気を逸する凶悪事件や人間の深層心理に迫った法で捌き切れない小さな事件の数々。

それらが1話1話、社会の闇的な題材として取り上げられています。決して他人事でも、違う世界の話でもなく、少し寒気がするほどにリアルに身近で起こっているような事件ばかり。

次はどんな事件が展開されていくのか、不謹慎ながら少し期待しながらページを巡ってしまうワクワク感と読みやすさが魅力でもあります。

徐々に露わになる浩輝の奇行ぶりを垣間見る楽しさも味わえる癖強作品ここにありです。

浩輝の目的

また『ブルータル 殺人警察官の告白』では、なぜ浩輝は悪人を捌いて回っているのかという彼の目的が明らかになってくるところも見どころの一つになっています。

浩輝は思っています。自分がしていることは善行なのだと。キリスト教を崇拝している浩輝は神に誓うのです。もっと善いこと(=悪人を断罪する)をしますと…。

彼には今は亡き愛する友達がいると言います。その友達と天国で再会するために善いことをしているんだと。

しかし、その目的とは裏腹に浩輝は断罪を愉しんでいるようにも見え、一体彼の本当の目的は何なのかと勘ぐってしまう自分がいました。

この物語が最終回を迎える頃、私たちは彼のどんな姿を目の当たりにするのでしょうか。

断罪執行時の浩輝の登場シーン

そして『ブルータル 殺人警察官の告白』では「え?何でそんなところから登場するん!?」と思わずツッコミをいれたくなる浩輝の登場シーンも見どころの一つになっています。

浩輝に目をつけられたら最後、悪人たちは自分がしてきたことと同じ苦しみを受けて、惨い死に方をしていきます。

そんな彼らの断罪決行日、浩輝はどこからともなく現れて、彼らを所有地の山に連れ去るのです。その際の登場シーンがいつも突拍子もなくて思わずクスッと笑ってしまうことも。

どんな登場の仕方かは、是非単行本を読んで確かめていただきたい。

1巻、2巻と巻を追うごとに登場シーンが難儀になってくるので、どこから現れるのか予想しながら読み進めてみてくださいね。



最終回まで見逃せない『ブルータル 殺人警察官の告白』はこんな人におすすめ

『ブルータル 殺人警察官の告白』は、サイコホラーチックなサスペンス漫画が好きな人には特におすすめの作品になっています。

普通では考えられない凶悪犯罪から、日常に潜む身近な犯罪予備軍行為まで様々な事件が勃発するこの作品。犯人たちの思考回路や奇行は、どこかネジが何本も飛んだような狂気に満ちています。

子供の頃、友達と喧嘩したり、相手を泣かせてしまったりした時、両親にこんなことを言われた経験はないでしょうか?「自分が同じことされたらどう思う?」。

相手が嫌がるようなことをしてはいけないのはもちろん、自分がされて嫌だなと思うことはしちゃいけませんと、相手の立場になって考えなさいと諭されたことがある人も少なくないのではないでしょうか。

この作品に登場する犯人たちは、他人に散々嫌な思いをさせておいて法の裁きを受けずにのうのうと犯罪じみたことを繰り返していました。そんな彼らが犯してきた愚行を見返りとして、自分がやってきた行為そのものを犯人に体感させるというちょっと変わった断罪として、法に変わって捌いていく浩輝の嬉々とした表情に注目していただきたいです。

その姿は、犯人に苦しめられた人たちへの怒りや憎しみを込めたものでは全くありません。むしろ、その犯人が苦み、助けを懇願する様子事態を楽しんでいるようにしか見えないのがまた恐ろしいところなのです。

彼は一体何を考えているのか…。知ってはいけない裏の裏の更に裏の顔が浮き彫りになるかもしれませんね。



紹介者が考える『ブルータル 殺人警察官の告白』の伝えたいこと(考察)

ブルータル殺人警察官の告白の浩輝が財前を断罪し、その絶望し切った顔をカメラに収めるシーン出典:「ブルータル 殺人警察官の告白」、原作:古賀慶、作画:伊澤了、出版社:コアミックス

『ブルータル 殺人警察官の告白』は、法で裁けない悪人を秘密裏に裁くことが果たして正解なのか?ということを伝えたいように感じます。

浩輝の断罪対象となるのは、一旦法で裁かれたものの刑期を迎えのに放たれた反省の色一切なしの元犯罪者から、直接手を下してはいないものの精神的に追い詰めた結果、相手を自殺に追い込んだ者、世間様に迷惑行為を繰り返す犯罪者予備軍と様々です。

しかし、その共通点は、遺族や今まさに死に追いやられた人、迷惑行為を受けている人がいながら、犯人は苦しいお咎めを受けていないということ。

そんな野放し状態の危険人物を、被害者に代わって浩輝は死をもって苦痛を体感させるのです。

その姿は、被害者からしてみれば自分を救ってくれたヒーローに見えるかもしれません。しかし、側から見れば、悪行にかこつけて殺人を正当化し他人を殺すことを楽しむただのサイコパス殺人鬼に見えるかもしれないという二面性も併せ持っています。

悪い奴が殺されてスカッとするよね!という風刺を描いた作品か、はたまた全く別の見てはいけない世界の話なのか…。あなたは浩輝の一連の行為をどう捉えますか?

何が正義で何が悪か、考えながら読み進めてみるといろんな視点で作品を楽しめるかもしれませんね。

『ブルータル 殺人警察官の告白』は、アプリ「ピッコマ」から無料で読むことができます。
(※期間によっては配信が終了している可能性もございます。)

ピッコマ - 独占先行配信のマンガが待てば読める漫画アプリ
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『ブルータル 殺人警察官の告白』の評価まとめと感想

最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。

漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。

当サイトの評価4.0(記事作成者の評価)
コミックシーモア4.3(111件の評価)
まんが王国3.7(12件の評価)
Renta!4.1(247件の評価)
BookLive4.3(13件の評価)
めちゃコミック4.1(428件の評価)

※それぞれ5段階評価となっています。

うしのひと
うしのひと

思わず目を覆いたくなってしまうエグいシーンも多いですが、社会の闇を制裁していく浩輝の謎行動や断罪シーンは見ものです…!

一度読んだら癖になる中毒性がありますので、是非ご覧になってみてください。

『ブルータル 殺人警察官の告白』が気になる人におすすめの類似作品

ここでは『ブルータル 殺人警察官の告白』に興味がある方におすすめのサスペンス漫画をご紹介していきます。

1つ目の類似作品は『じゃあ、君の代わりに殺そうか?』です。

別のクラスの男子生徒にいじめを受けていた優馬を助けてくれた同学年の男子生徒の涼。ひょんなことから親友になった涼の口から放たれたのは、いじめの主犯格を監禁したという衝撃のものだった。

本当に友達の為…?と思わず疑ってしまうほど涼の奇行は目に余るものがあります。それはどこか、本当の目的が他にあるのではないかと勘ぐってしまう浩輝の面影と重なります。

下の記事では『じゃあ、君の代わりに殺そうか?』の詳しい内容や無料で読む方法をご紹介しているので、合わせてご覧ください。

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2つ目の類似作品は『血海のノア』です。

あかりたちが乗り込んだのは特別に招待された人たちだけが乗れる国内ツアーができる豪華客船。しかしそこに待ち受けていたのは、吸血鬼たちだった..!?

次にページをめくったら何が起こるか分からないゾクゾク感て癖になりますよね。未知の恐怖が襲う…そんなサスペンスならではの面白さが『ブルータス 殺人警察官の告白』と似た何かを感じます。

下の記事では『血海のノア』について詳しくご紹介しているので、合わせてご覧ください。

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