『変則系クアドラングル』複雑に絡み合う四角関係の恋愛漫画のネタバレ感想
主人公たちが過去に高校時代に戻り、「青春やり直し」をする『変則系クアドラングル』。イビツな四角関係を繰り広げながらも、過去に向き合い成長をしていくタイムリープラブストーリー。
過去に囚われた若者たちの成長ストーリーである『変則系クアドラングル』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。
四角関係というイビツな恋が織りなす『変則系クアドラングル』のあらすじとは?
『変則系クアドラングル』は今までの恋愛漫画とは違った、四角関係の学園青春ラブストーリー。「ほるぷ出版」が届ける、そんなイビツな四角関係を織り成すストーリー設定と登場人物はこちらになります。
概要と設定
- 著者:万丈梓
- 出版社:フレックスコミックス(COMICメテオ)
- ジャンル:恋愛、SF・ファンタジー
主人公の元不良である槙瑛二は、高校時代に優等生の千野言葉にお身を寄せていた。しかし、瑛二に復讐したいと思っていた不良に言葉が絡まれて「事件」を起こし、それをきっかけに言葉は精神に深い傷を負ってしまった。
自分のせいで言葉の人生を台無しにしたと苛まれる槙瑛二であるが、そんな彼の前に突然『青春をやりなおさせる力』を持ったミオと名乗る謎の女の子が現れる。
瑛二はミオの力を借りて過去にタイムリープするが、他にもやり直したい過去を持っている人物がタイムリープをしていた。
青春をやり直す4人の中で少なくとも誰か1人が『恋』を成就させなければ、「青春やり直し」は無効になってしまうという条件のもとイビツな四角形のラブストーリーが始まる。
あらすじ
不良である主人公の槙瑛二に対しても優しいクラスの優等生千野言葉。自分に対して優しく接してくれる唯一の女性に、密かに想いを寄せるようになったが、槙瑛二に恨みを持つ不良に千野言葉が襲われる「事件」が起きる。千野言葉は、その「事件」をきっかけに変わり果てた姿に…。
そんな言葉の人生を狂わせた罪悪感に苛まわれる槙瑛二の元に過去に戻す力を持ったミオと名乗る女の子が登場し、「事件」が起こる前にタイムリープをすることに。しかし、そこには同じく「やり直し」をしている人間が3人存在し、槙瑛二を含む4人はミオの「青春やり直しゲーム」に参加することに。
恋が結ばれなければ、「やり直し」はなかったことになってしまうという状態の中、4人の失った青春をかけた恋物語が始まる…。
複雑に感情が絡みあう『変則系クアドラングル』の主な登場人物
登場人物全員がつらい過去を持ち、その過去を変えて未来を変えるために「青春やり直し」をしています。そんな登場人物たちの過去や「青春やり直し」参加理由をまとめました。
槙瑛二(まきえいじ)
この物語の主人公。高校時代は喧嘩が強く、街の不良たちとよくケンカをしていた。
しかし、千野言葉との出会いで言葉に思いを寄せるようになったが、街の不良が槙瑛二の報復として言葉を傷つける事件が発生。
その事件で千野言葉の人生を狂わせたことを自分の責任と思い詰めていたところ、時を操るミオに出会い、千野言葉の幸せのために「青春やり直し」に参加することにした。
千野言葉(ちのことは)
クラス委員を務めていて、困っている人を見たら親切にする思いやりのある女の子。
しかし、その行動の裏には嫌われるのが怖いという原動力があった。自分の感情を表に出すのが苦手でカオナシとも呼ばれていたこともあり、いい人を演じるようになってしまった。
高校卒業後は表情が完全になくなってしまうため、表情のある高校時代に笑ったり泣いたり、いろいろな経験をすることが目的で「青春やり直し」に参加している。
東ちゆり(あずまちゆり)
元は文学が大好きな陰キャラな女の子。千野言葉とのたった1度の会話から友達になりたいとずっと憧れていた。
そんな自分を変えるためにリア充グループ入ったり頑張っていたが、痛いだけのキョロ充で中身は変われなかった。
大学に入っても変われず、毎日生きるのも辛くなって自暴自棄になっていたところでミオで出会い「青春やり直し」に参加することにした。物語を書く才能はずば抜けている。
黒崎海渡(くろさきかいと)
千野言葉の幼馴染であるイケメンな男の子。しかし、幼き頃のケガで言葉は話せないため、基本筆談をしている。
モテモテにも関わらず、女子を避けて、行為を向けてくる言葉に対してはさらに冷たく当たっている。
人の力を借りずに生きるため、高校生活では誰とも関わらないために「青春やり直し」に参加を決意したと言っている。しかし、多くを語らず秘密が多い人物。
ミオ
時間管理局の役人。時間をコントロールして人を過去に戻す力を持っている。
「暇つぶし」に付き合うという取引で主人公らに「やり直し」の権利をあげた謎の女の子。ときどき不敵な笑みを浮かべていて、何かを企んでいる様子。
伏線満載の『変則系クアドラングル』の見どころ3選
伏線満載のイビツな四角関係が織りなす恋愛ストーリーには見どころがたくさん詰まっています。
その中でも特におすすめな見どころを厳選してお伝えしていきます。是非、『変則系クアドラングル』を見るときは見どころを意識して読んでみてください。
変わろうと努力する主人公たち
この作品の見どころの1つは過去を変えるためにタイムリープした主人公たちが「自分自身」を変えようと奮闘する姿です。
記憶の中に刷り込まれた消えない過去の思い出から逃げ出したくなる彼らですが、そんな臆病な心を断ち切り、自分を変えていく姿は見ている読者を熱くさせます。
それぞれの優しさ
それぞれが恋のライバル的な存在でありながらも、お互いほっとけず、助け合う姿も見どころです。
その優しさを素直に受け取れずぶっきらぼうに感謝を示す姿も思春期の高校生らしい演出で見ていて、気恥ずかしくなってきます。
そういったお互いの事情を踏まえて優しく寄り添う姿勢は読者自身も学べる部分が多いと思います。
伏線が張り巡らされた一寸先も読めないストーリー展開
時間管理局ミオの時折見せる不敵な笑みや、それぞれの口では語らないが、背景描写で現れる過去が伏線として張り巡らされています。
順調に進んでいるかのように見えて、ミオの策略にはまっていたり、物語が進むにつれて明らかになるそれぞれの辛い過去は読者の予測を上回る物語を演出しています。
話が進むにつれて伏線が回収されていくため、『変則系クアドラングル』は読めば読むほどのめり込んでしまう作品となっています。
『変則系クアドラングル』は過去に囚われているあなたにおすすめ
『変則系クアドラングル』は過去のつらい思い出に縛られて悩んでいる方、過去のことばかり考えて今を生きれていない方には本当におすすめの作品となっています。
この作品を読んでいると、誰にでも変えたくて仕方がないつらい過去があり、それを乗り越えて生活していることがわかります。そして、過去にばかり囚われていても何も変わらないことを学べます。
つらい過去の経験はどんなに頑張っても消すことはできません。しかし、今の自分の変えれば未来は変わります。この作品を読んで、過去に囚われず、未来の自分の変えるために今を変えてほしいと思います。
管理人の思う『変則系クアドラングル』が伝えたいこと
この作品からは、過去に縛られず今の自分を変えること、そして今の自分を変えるために1人で悩まず友達を頼ることをしてほしいというメッセージを感じます。
誰しもが間違いを犯し、それが消えないつらい過去となって、頭にへばりついています。そんな間違いを犯した罪悪感から逃れるたいけど、また間違えてしまうかもしれない恐怖から変わることを恐れてしまいます。
そんな恐れを断ち切り、過去ではなく未来を変えるためには今の自分を変えるしかありません。そして、今の自分を変えるためには、周りの友達に頼って協力をしあうことが必要です。
間違いや失敗を犯しても、笑って励まし合える友達と過ごして、自分の望む未来を自分たちの力で手に入れる大切だということに気づかれる作品です。過去につらい体験があり、それに囚われてしまっている方、友人関係で上手くいかず悩んでいる方は、是非この作品を読んでみてください。