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『雪女と蟹を食う』漫画のネタバレ感想|犯罪男×謎の人妻 北海道を目指す旅の結末は…?

雪女と蟹を食う

『雪女と蟹を食う』漫画のネタバレ感想|犯罪男×謎の人妻 北海道を目指す旅の結末は…?

 

今回ご紹介するのは、人生を諦めたけど死ぬ前に蟹を食べたい男と、セレブだけど謎多き超美人の人妻が、お互いの素性も知らないまま北海道を目指すミステリアスな漫画、『雪女と蟹を食う』。

面白タイトルからギャップのある文学的なストーリー展開が不思議な魅力を放つ作品となっています。

どこか浮世離れした空気を漂わせながら、徐々に明かされていく2人の暗い過去と胸の内のドロドロとした心情…。

果たして「蟹を食う」までの旅で2人は何を思い、「死」へ向かっていくのか。

そんな『雪女と蟹を食う』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。

 

謎の男と女の不思議な二人旅『雪女と蟹を食う』のあらすじ

雪女と蟹を食うの死ぬ前に蟹を食べようと思いつく北出典:「雪女と蟹を食う」、著者:Gino0808、出版社:講談社

『雪女と蟹を食う』の設定やあらすじをご紹介していきます。

昼には明るい旅の様子や、美味しそうなご当地グルメを満喫する様子が楽しめます。

一転、夜には暗く渦巻く心の闇や、底知れない人間の恐ろしさを描くバランスが絶妙な内容です。

作品の設定や概要

 

『雪女と蟹を食う』は人生を諦めた男・北(きた)が自殺に踏み切れずにいたところ「死ぬ前に蟹を食おう」という決意をすることからストーリーが始まります。

なんとそのために選んだ手段は…押し入り強盗!?(ダメ絶対)

図書館で偶然出会った人妻・彩女(あやめ)に目をつけた北は、後を尾け自宅に押し入ります。

しかし、突然襲われた彩女が発した言葉は全くの予想外のもので…?

人生を諦めた男と謎に包まれた人妻が、北海道に向かって旅する珍道中が始まる…!

あらすじ

金も行き場もない男・北は、自殺を図るが、どうしてもあと一歩が踏み出せずにいた。

ある日、テレビのグルメ番組を観て、「人生最後の日は北海道で蟹を食べたい」と思い立ち、強盗を決意する。

高級住宅に押し入り、人妻に金を要求するが、彼女の行動は、全く予期せぬものだった――。

引用)コミックシーモア

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(※期間によっては配信が終了している可能性もございます。)

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暗い過去と複雑な事情を抱える『雪女と蟹を食う』の主な登場人物

ここでは『雪女と蟹を食う』の登場人物を紹介していきます。

何やら暗い過去と複雑な事情を抱えてたキャラクターたちが、次第に心の内を吐き出していく展開に注目です!

北(きた)

主人公の男。27歳。「北」と言う名前は偽名で、本名は明かされていない。

元は消防士だったが、痴漢の冤罪をかけられ失業。家族や彼女にも見放され、日雇いの仕事でも冤罪のことで嫌がらせを受ける壮絶な人生を過ごしてきた。

これ以上生きていても希望がないと首吊り自殺を図るも、あと一歩が踏み出せないでいた。

偶然テレビで流れた蟹を食べるシーンを見て、死ぬ前に北海道で蟹を食おうと決意。

そのために選んだ手段はなんと強盗。図書館で出会ったお金持ちそうな女性・彩女の後をつけて家に押し入る。

どうしようもないクズだが、どこか憎めない。

雪枝 彩女(ゆきえだ あやめ)

北に襲われたことをきっかけに出会った女性。

誰もが振り返るような美貌を持つ、透き通った美人。

夫はベストセラー作家で豪邸に住んでいるが、その瞳はどこか寂しげ。

「(死ぬ前に)蟹を食べに北海道へ行く」と言う北の言葉を聞き、旅に同行することを決める。

体温が低く冷えに弱い。長距離の車の運転もそつなくこなすが、鳥目なので夜は苦手。



雪枝 一騎(ゆきえだ かずき

彩女の夫。「雪淵一騎」のペンネームで小説を書くベストセラー作家。

執筆のための出張続きで、随分と家には帰ってきていない。

彩女の学生時代の教師でもある。その後作家に転職。

16作目の作品として『雪女と蟹を食う』を出版する。

マホ

北と同棲していた元カノ。

北の冤罪事件の後は、家にも迎え入れずにそのまま別れを告げ冷たく突き放す。

マリア

北が北海道・すすき野で出会ったクラブ嬢。

北の元カノ・マホと瓜二つの顔立ちをしている。

路頭に迷っていた北のことを「ダイゴロウ」と名付け家に連れ帰る。



ミステリアスな旅に引き込まれる!『雪女と蟹を食う』の3つの見どころ(ネタバレあり)

雪女と蟹を食うの北が蟹を食べに行くのに賛同する彩女出典:「雪女と蟹を食う」、著者:Gino0808、出版社:講談社

『雪女と蟹を食う』には北と彩女の北海道を目指す旅を中心に、たくさんの見どころがあります。

そんな数ある見どころの中でも特に注目してほしいポイントを3つご紹介していきます。

雪女のように美しい謎多き美女・彩女の目的は…?

『雪女と蟹を食う』では、自殺を図るも死ぬ前に蟹を食べることを思いついた男・北と、時に雪女を彷彿とさせるような謎多き美しい人妻・彩女による奇妙な二人旅が描かれています。

お金をほとんど持っていなかった北が自暴自棄に選んだ方法は、なんと押し入り強盗…!?(ダメ絶対)

その相手に選んだのは、図書館で偶然出会った彩女。指に光る高そうなダイヤの指輪を見て、後を尾けて自宅に押し入る…!

しかし予想に反し全く抵抗しない彩女。それどころかお金も自分自身でさえも好きにしていいと言われ驚く北。

さらに、死ぬ前に北海道で蟹を食べようとしている北に賛同し、なんと彩女まで北海道についていくと言い出します…!

かくして素性も全く知らないままの男女2人で始まる、ミステリアスな旅路に注目です!

北と彩女、男女2人のミステリアスだけど愉快な旅模様

『雪女と蟹を食う』では、そんな北と彩女、2人の旅路と関係の変化が見どころ。

名古屋から出発し、北海道を目指しながらドライブの旅を続けていきます。

その間様々なご当地グルメや旅館、温泉など観光を満喫する姿は、まさか貧乏な強盗男とセレブ人妻のアンバランスな旅とは思わないことでしょう。

明るい旅の様子や、美味しそうなご当地グルメを満喫する様子は、とてもこれから北海道に死にに行こうとしている人間には見えません。

ちょっと世間知らずで子供のような北が、大人の余裕と色気をもった彩女に翻弄されている姿。もはや微笑ましいものに感じるほどの旅路が見どころです!

ドロリとした人間の心の闇をさらけ出すストーリー展開

『雪女と蟹を食う』では、ストーリー展開の明るさと暗さのバランスがなんとも絶妙な作品です。

グルメと観光で楽しげな昼とは一転、夜には暗く渦巻く心の闇や、底知れない人間の恐ろしさを描くバランスが絶妙な内容です。

北の過去と彩女の現状。ドロリと暗い心の闇を抱える2人は、どこかお互いが似ていると感じながら次第にその胸の内を明かしていきます。

何を思い何のために生きているのか。縛られて苦しみながら生きることに意味はあるのか。

立場は違えど、人間との向き合い方に闇を抱える北と彩女。2人がどんな結論を出し、どんな思いで北海道への旅を終えるのか。最後まで目が離せなくなること間違いなしです。

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文学的な世界観を味わいたい方へ『雪女と蟹を食う』はこんな人におすすめ

『雪女と蟹を食う』は、どこか詩的な文学作品を読んでいるかのような漫画が好きな人に特におすすめの作品となっています!

うだるような夏の暑さの中、死のうとしながらも旅を続ける北の心情描写や過去の暗い闇など、独特の雰囲気を纏っているのが特徴。

また、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』がストーリーのモチーフとなっている要素もあり、作中に時折登場してきます。

余談ですが、雪女こと彩女さんは『銀河鉄道999』に登場するメーテルにそっくり。謎の美女と旅をすると言う意味では、こちらもモチーフになっているのかもしれませんね。

漫画を読みながらも文学小説を読んでいるかのような余韻に浸ってみたい方は、『雪女と蟹を食う』を是非ご覧になってみてください。

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紹介者が考える『雪女と蟹を食う』の伝えたいこと(考察)

雪女と蟹を食うの2人旅で彩女に見惚れる北出典:「雪女と蟹を食う」、著者:Gino0808、出版社:講談社

『雪女と蟹を食う』は、人間の誰もが抱えうる心の闇と、それを懺悔する心の内を伝えたいように感じられます。

最後には死ぬことを選んだ北は彩女との旅の道中で、自身の過去の行いと理不尽な扱いを受けたことを思い返し、深く思い悩みます。

「オレは周りの人間に優しかっただろうか 誰かの心の内側を考える想像力がどれほどあっただろうか」

「理不尽だと思っていた全てのことが…オレが他人にしてきたことの報いだった…」

いつも自分の都合ばかり考えて、理不尽な扱いを受けた時は自分は不幸だと自暴自棄になる。

そんな北がこの旅を通して、そして彩女との時間を過ごしてどのように変わっていくのかという展開が見どころなので、『雪女と蟹を食う』を是非この機会にご覧になってみてください。

また『雪女と蟹を食う』はアプリ「コミックデイズ」から無料で読むことができます!
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『雪女と蟹を食う』の評価まとめと感想

最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。

漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。

当サイトの評価4.5(記事作成者の評価)
コミックシーモア4.5(31件の評価)
まんが王国3.6(51件の評価)
Renta!3.9(50件の評価)
BookLive4.5(29件の評価)
めちゃコミック3.9(75件の評価)

※それぞれ5段階評価となっています。

まれ
まれ

見どころにもあったように、素性も全く知らないままの男女2人で始まるミステリアスな旅路の果てが気になることから評価はこのようになりました!

昼の明るい旅の様子や美味しそうなご当地グルメを満喫する様子は、平和なほのぼの漫画そのものですが、夜には一転して暗く渦巻く底知れない人間のドロっとした心の闇を描くバランスが絶妙〜な作品です。

とりあえず、彩女さんみたいなセレブ美女と北海道旅行したい…!という欲望をこれでもかと刺激してくれます笑

文学的でありながらスラスラ読める作品なので、気になった方は是非読んでみてください!

『雪女と蟹を食う』が気になる人におすすめの類似作品

ここでは『雪女と蟹を食う』に興味がある方におすすめのミステリアスな男女を描く漫画をご紹介していきます。

1つ目は『九龍ジェネリックロマンス』です。

30代の男女が繰り広げる、ノスタルジックで幻想的なラブロマンスを描いた作品。

大人の恋愛とSF要素を掛け合わせた、エモさ抜群の雰囲気が超魅力的!

人々の平和な日常生活と、時折見え隠れするどこか不穏な雰囲気にどんどん引き込まれていくこと間違いなしの作品です。

下の記事では『九龍ジェネリックロマンス』の詳しい内容や無料で読む方法をご紹介しているので、合わせてご覧ください。

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2つ目は『娘の友達』です。

日常に忙殺される中年サラリーマンが、タイトルの通り「娘の友達」である大人びた雰囲気の女子高生との誰にも言えない関係を描いた作品。

女子高生離れしたミステリアスな雰囲気と、その心の中に渦巻く暗い闇にグッと引き込まれていきます。

理性と社会的な立場えを天秤にかけるような、ハラハラする展開から目が離せない背徳系サスペンスとなっています…!

下の記事では『娘の友達』の詳しい内容や無料で読む方法をご紹介しているので、合わせてご覧ください。

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漫画は勢いと感情で読むタイプ。 SLAM DUNKが人生の教科書。バスケがしたいけど最近運動不足気味。筋肉痛は2日後に来る。
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