『僕の名前は「少年A」』漫画のネタバレ感想｜少年法で守られた殺人の衝撃の結末とは…？

13歳で教師を殺し、「少年A」と呼ばれるようになった少年と事件関係者の人生を描いたヒューマンドラマ漫画『僕の名前は「少年A」』。

少年法で守られながらも重い罪を一生背負っていく少年と事件に関わったがために不幸な道を歩んでいく登場人物たちに言葉を失うほど衝撃を受けます。

罪が付きまとい、どんどん追い込まれていく少年たちがどんな結末を迎えるのか、ぜひラストまで一気読みしてください。

重たいテーマで非常に考えさせられる『僕の名前は「少年A」』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。

君塚力先生×日丘円先生のタッグが放つ『僕の名前は「少年A」』のあらすじ

出典：『僕の名前は「少年A」』、原作：君塚力、作画：日丘円、出版社：スクウェア・エニックス

君塚力先生と日丘円先生のタッグで少年犯罪を描く『僕の名前は「少年A」』の設定やあらすじをご紹介していきます。

13歳で犯罪を犯した少年の人生、そして事件の衝撃の真相にぜひ驚いてください。

作品の設定や概要

原作：君塚力（君塚力先生のTwitterアカウントはこちらから！）
作画：日丘円
出版社：スクウェア・エニックス（ガンガンONLINE、ガンガンコミックスONLINE）
ジャンル：ヒューマンドラマ、ミステリー・サスペンス
巻数：4巻（完結）

中学1年生の貴志は、明るくて可愛いクラスメイトの佐々木結衣に恋をしていた。

しかしある日、担任の山下先生が佐々木に乱暴している場面を目撃してしまう。

そして貴志は持っていたバットで山下を殴り…。

そんな好きな人を守るために罪を背負った少年の地獄の日々が描かれる作品となっています。

あらすじ

13歳で人を殺したその日、僕の人生は一変した…。
全てを偽り、嘘で塗り固めた毎日を送る。
これまで存在していた自分という存在は消え、「少年A」という名前だけが一人歩きする。
でも僕は必ず君を守り抜くと決めたから───…。
引用）コミックシーモア

不幸の連鎖が止まらない『僕の名前は「少年A」』の主な登場人物

『僕の名前は「少年A」』では、13歳で殺人を犯した主人公の貴志を中心に、殺人という罪がのしかかって不幸になる人がたくさん登場します。

そんな不幸の連鎖に巻き込まれる登場人物たちをご紹介していきます。

小倉貴志（おぐらたかし）：山崎貴志

野球部を頑張っていてレギュラーに選ばれる主人公の中学1年生。

同じクラスの佐々木結衣に好意を抱いて甘い生活を送ろうとしていたが、佐々木が教師に乱暴されている現場を目撃し、教師にバットを振りかざしてしまう。

そして、佐々木結衣と先生の関係はなにも言わずに「前から担任が嫌いだった　だから殺した…」と供述して罪を背負うことに…。

少年法によって軽い刑罰となり、施設で中学生活を過ごしたのちに地元を離れた高校に通い、ウソで塗り固めた毎日を過ごすようになる。

佐々木結衣（ささきゆい）

美術部で絵がうまい貴志のクラスメイトの女の子。

かわいくて優しくて性格も良いため、男子からも女子からも好かれている。

優しいがゆえに嫌われ者の担任の山下にも優しく接するが、それが勘違いされて山下に乱暴されて脅されるようになる。

それから笑顔を無くしていき、あの事件が起きる…。

事件後は学区で1番の新学校に進み、普通の生活を送り始めるが、トラウマから男性とは接触できなくなる。

また事件当日のことはショックで覚えていない。

ケンちゃん

貴志の親友の男の子。貴志と一緒に野球部を頑張っていた。

貴志が元気ないときも励ます優しい少年だったが、貴志が事件を起こしたときも1人で庇い続けたため、いじめに遭ってしまう。

山下高之

中学生のときの貴志や佐々木たちの担任の先生。美術部の顧問をしている。

皆から気持ち悪がられていて、唯一優しくしてくれる佐々木が自分に気があると勘違いする。

そして、佐々木に無理やり言い寄り…。

貴志の母親

小倉屋という定食屋を営なみながら貴志と可南子を育てていた優しいお母さん。

事件によって、お父さんと2人で始めたお店を失い、貴志の罪を一緒に背負っていく。

事件の後も貴志と普通の接していて、貴志が普通の生活を送る事を心から願っている。

可南子（かなこ）

貴志が中学生のときに女子大生だったお姉さん。

事件によって大学にいられなくなり、自分の生活がめちゃくちゃになったため、弟の貴志を憎んでいる。

河合（かわい）

貴志と同じ高校の違うクラスに通っている女子生徒。

一匹狼なため周囲からあまり良い印象はないが、貴志のことをよく気にかけていて、高校で唯一貴志に偏見を持たないでいた人。

また実は貴志のファンで、ネットに出回る前に貴志の正体を知っていた。

川田（かわだ）

貴志の高校のクラスメイトの女子生徒。貴志に好意を寄せていて、猛烈にアタックする。

しかし、貴志の正体に気付くと豹変し…。

板倉（いたくら）

佐々木結衣の美人な友達。超オシャレグループにいて、とても綺麗な容姿で学級委員もしている。

「少年A」と佐々木が一緒にいるところ目撃してから、佐々木のことを気にかけるようになるが…。

杉田先輩（すぎた）

佐々木結衣の先輩。眼鏡を掛けたカッコいい男性で、佐々木が好意を寄せている。

小林雄二（こばやし）

「少年A」の事件を追う編集社の人。事件に対して違和感を抱いていて、「少年A」が本当に殺人を犯したのかすら疑っている。

山下高之の息子

山下高之の一人息子の高校3年生。母親は精神科に入院している。

山下恵美子

山下高之の奥さん。貴志に対して民事訴訟を起こしていたが、突然取り下げている。

そして、現在は精神科に入院している。

葵（あおい）

可南子の娘。おばあちゃんのことが大好き。

結末まで一気読み必須の『僕の名前は「少年A」』の3つの見どころ（ネタバレあり）

出典：『僕の名前は「少年A」』、原作：君塚力、作画：日丘円、出版社：スクウェア・エニックス

ただの少年犯罪を描いた漫画ではなく、何度も衝撃を受ける展開が描かれた『僕の名前は「少年A」』は、一気読み必須で目が離せない見どころがたくさん存在します。

そんな数ある見どころの中でも特に注目してほしいポイントを３つに絞ってご紹介します。

少年犯罪に対する周りの反応

『僕の名前は「少年A」』では少年犯罪に対する周りの反応が見どころとなっています。

13歳の少年が教師を殺したことでマスコミが殺到し、毎日テレビ放送されてSNSでも少年の顔が晒されて、珍しさや話題性からお祭り騒ぎになる光景が描かれています。

そして、少年の家には連日嫌がせが行われ、少年の家族も非難の対象になるため、殺人という罪の重さがこれでもかと伝わってきました。

また犯罪を犯した少年はなにかしらの事件があるたびに疑いの目を向けられ、よく少年のことを知りもしない人から非難の嵐が巻き起こるのです。

少年法で徹底的に守られているがゆえに、人殺しに普通の生活を送らせまいとする世間の圧力の強さをぜひ実感してください。

どこまでも不幸の道を歩む殺人関係者たち

そして、事件を起こした少年に関わるすべての人が辿る人生も見どころとなっています。

衝撃の事件を起こした少年の貴志は、友達がハブられて蔭口や疑いの目を向けられて、恐れられる毎日を送ります。

しかし、貴志だけでなく貴志に関係のある人たちも同じような辛い毎日を送るのです。

家の定食屋には連日嫌がせの書き込みがされて、それを母親が泣きながら謝りながら消していき、姉は大学を辞めざるを得ない状況に追い込まれ、親友のケンちゃんは貴志を庇ったがためにいじめの標的になり…。

庇われた少女の佐々木結衣も殺された遺族も、誰もが不幸な道を歩んでいく光景に言葉を失いなってしまいます。

殺人という波紋から拡がっていく不幸の連鎖をしっかりと見て、事件が終わってもその罪を一生背負い続ける事件関係者たちの心情を考えながら読んでもらいたい作品です。

衝撃すぎる事件の真相と結末

そして『僕の名前は「少年A」』では、何度もどんでん返しがあって感情を揺さぶられる展開が待ち受けています。

少年Aである貴志だけが知る事件の真相、そして事件の事実が徐々に明かされていくストーリーに読む手を止められなくなります。

さらに貴志になりすましてSNSを炎上させる人物が現れて、貴志や佐々木結衣が過ごす人生がどんどん危険にさらされて平穏な生活が壊れていく姿に心臓をバクバクさせながら読むことになるでしょう。

事件関係者の感情の変化、貴志や佐々木結衣に忍び寄る魔の手、そして事件の真相とその真相を明かされた後の反応はどのように変わるのかも見逃さずご覧になってみてください。

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感情移入して読んで欲しい『僕の名前は「少年A」』はこんな人におすすめ

『僕の名前は「少年A」』は、世の中を考えさせられるような漫画が好きな方におすすめの作品です。

物語は、13歳で教師を殺して「少年A」と呼ばれるようになった貴志と事件に関わる人たちの人生を描いたヒューマンドラマとなっています。

貴志の犯罪は少年法に守られて刑罰は軽くて済みますが、貴志や貴志の家族や友達に対する世間の風当たりの強さが表現されていて、罪の重さや世間の声を非常に考えさせられる内容でした。

もし自分が貴志のような場面に遭遇したら、どんな行動を取るのが正解なのか。

それは答えがでない問題だと思いますがよく考えてもらいですし、自分を登場人物に投影させながら読んでほしいと思う作品でした。

評価が分かれる作品となっていますが、興味がありましたらぜひご覧になってみてください。

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紹介者が考える『僕の名前は「少年A」』の伝えたいこと（考察）

出典：『僕の名前は「少年A」』、原作：君塚力、作画：日丘円、出版社：スクウェア・エニックス

『僕の名前は「少年A」』では、人を殺すという行為の罪の重さを伝えたいように感じられます。

物語では、殺された側に落ち度があったとしても、加害者が少年法で守られていても、世間や被害者遺族が殺人という行為を一切許さず、本人はもちろん家族や友人まで追い詰めていく光景が描かれていて、「人を殺す」という行為の重大さがこれでもかと伝わってきます。

いじめや虐待など、生きていれば「殺したい」と思う場面に遭遇することもあるかと思いますが、それを実行させてしまうと自分の人生も自分と関わる人の人生もめちゃくちゃにするということが実感させられるのです。

そんな「殺人」という行為の重さが表現されていて、非常に考えさせられて胸に響く物語が描かれているので、この機会にぜひ一度『僕の名前は「少年A」』をご覧になってもらいたいです。

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『僕の名前は「少年A」』の評価まとめと感想

最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。

漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。

当サイトの評価	4.5（記事作成者の評価）
コミックシーモア	3.5（67件の評価）
まんが王国	4.2（5件の評価）
Renta!	3.7（149件の評価）
BookLive	3.2（5件の評価）
めちゃコミック	3.6（684件の評価）