『生者の行進 Revenge(リベンジ)』復讐代行が呪殺するホラーサスペンス漫画のネタバレ感想
シリーズ累計70万部を突破した「生者の行進」の新編を描いた復讐と代償のホラーサスペンス漫画『生者の行進 Revenge』。
いじめ被害者の後ろに現れるおぞましい生き霊の姿、見るのも気持ち悪い残虐な殺され方をするいじめ主犯格たち、そして何かが全体でつながっていくミステリー展開にゾクゾクしながら楽しめる物語が繰り広げられています。
伏線の数々に結末が気になって仕方なくなる『生者の行進 Revenge』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。
みつちよ丸先生×佐藤祐紀先生が描く『生者の行進 Revenge』のあらすじ
大人気作「生者の行進」を手掛けたみつちよ丸先生が原作者であり、圧倒的な画力を持つ佐藤祐紀先生が演出するホラーに恐怖する『生者の行進 Revenge』の設定やあらすじをご紹介していきます。
前作からさらにパワーアップしている生者の行進から目が離せなくなること間違いなしです。
また、前作を知らない方でも問題なく楽しめると思うので、是非初見の方もご覧ください。
作品の設定や概要
- 原作:みつちよ丸
- 作画:佐藤祐紀(佐藤祐紀先生のTwitterアカウントはこちらから!)
- 出版社:集英社
- ジャンル:ホラー・サスペンス、ミステリー
- 巻数:3巻(連載中:2021年1月4日現在)
設定として、いじめの主犯格が奇妙な死に方をする事件の謎を主人公たちが追っていく物語となっている。
いじめ主犯格が自殺未遂をする事件や死亡する事件には、いじめ被害者がある「御守り」を持っていると共通点があり、その御守りには被害者の負の感情を餌にして成長する化物がいる。
その御守りの呪いを作った人物を、霊を祓うことができる神原省吾と事件に関わった女子生徒の玉木理華たちが捜査していく。
そして、その御守り事件には、省吾の意中の女性である佐倉遥が失踪した事件も関わっていると思われる。
あらすじ
あなたには”復讐”したい相手がいますか?
いじめが横行するクラスに神原という教師が赴任してきて…!?
生者と死者、そしてその狭間で生きる者たちが織り成す復讐と代償のホラーサスペンス!!
引用)少年ジャンプ+
呪い呪われる『生者の行進 Revenge』の主な登場人物
『生者の行進 Revenge』では、いじめられて相手を呪う者や、いじめて呪われる者、そして霊と接触できる者まで、様々なキャラクターが登場します。
そんな霊や呪いに関わる登場人物たちをご紹介していきます。
神原省吾(かんばら しょうご)
2年2組の副担になり、2年生の英語の授業も担当しているイケメン先生。前作でも霊媒師として活躍していた人物で霊が見えるし、払うこともできる。
そのため、いじめ主犯格が自殺をする奇妙な事件の捜査を手伝っている。
また霊だけでなく、生きている人の波動を見ることできて、母親の波動は太陽のように眩しかった。その母親が亡くなった後に、同じような光の波動をまとった佐倉遥に出会う。
そして、佐倉遥を傷つけないように接していて、いつの日か、その気持ちが愛であることに気付いた。遥が事件に巻き込まれているかもしれないため、全力で犯人を追う。
玉木理華(たまき りか)
2年2組のイジメられている可愛い女子生徒。学校が無くなればいいと思っている。
ある日突然クラスの中心グループの子達から無視されて、嫌がらせがエスカレートしても担任の先生には見て見ぬフリをされ、親にも笑われる。
そして、いじめに耐えかねて飛び降り自殺をしようとしたところで神原省吾に声を掛けられる。
その後、呪いの御守りに関わったことで、省吾の捜査に協力するようになる。
佐倉遥(さくら はるか)
土塚野総合病院に勤務していた23歳の看護師。省吾の高校時代の同級生で、当時省吾が唯一家族以外で心を許せる相手だった。
父の病院の理事長の息子と付き合っていたため、省吾の告白を断ったことがある。
また、1年前から突然行方不明になっている。
庄司千里(しょうじ ちさと)
15歳のときに不治の病で亡くなっている霊。いじめに苦しんでいる人の心の声が聞こえる。
そのため、玉木りかが学校で辛い思いをしているのを知っていて、時々後ろから見守っていた。そして、省吾たちの捜査にも協力するようになる。
生前、女学校に通っていたとき、大好きな友達がいじめられている現場から逃げたことを後悔していて、亡くなってからも成仏できなくなった。
大山田乃亜(おおやまだ のあ)
最初にりかに目を付けてずっと嫌がせをしている、いじめの主犯格である女子生徒。りかとは同じ2年2組でクラスメイト。
レン
2年2組のモヒカン頭の不良のデカイ男子。クラスで一番の問題児。
笹塚恭一郎(ささづか きょういちろう)
土塚野北警察署警部補で省吾のはとこである男性。
管轄内で起こる連続自殺未遂を調査している。その自殺未遂を起こしているのは全員がいじめの主犯格の生徒。
白石惺流(しらいし しずる)
玉木りかの後に呪いの御守りを拾った高校1年生の女の子みたいに可愛い男子。
女みたいと高校の同級生からからかわれて、いじめられている。
女の子のような容姿と名前と、ついでに中身も女っぽいという理由で中学の頃もずっといじめられていた。そのせいで学校にも行けず、成績も落ちて高校受験も失敗した。
町田大雅(まちだ たいが)
惺流をいじめているメンバーの1人である男子高生。髪が長く、片目は隠れている。女子からモテている。
佐々木莉緒(ささき りお)
惺流をいじめているメンバーの1人である女子高生。町田に好意がある様子。
そして惺流を利用して町田とくっつくようになる。
白石惺流の母親
エレガントでデヴィ婦人のような見た目をした惺流の母親。
成瀬ひな(なるせ ひな)
省吾の勤める原和田中学校の養護教諭で保健室の先生もしているマドンナ的な女性。
教師、生徒問わず校内に隠れファンクラブまで存在しているが、省吾には全く相手にされていない。ちなみにファンクラブの会員数は約50名に及ぶ。
非常に自信満々な性格をしている。
鈴木拓也(すずき たくや)
省吾の勤める原和田中学校の社会科教師の太ったセンター分けのロングヘアーの眼鏡をかけた男性。
成瀬ひなに好意があるが、嫌われている様子。そして、イケメンで成瀬と距離の近い省吾に対して怒りを沸かしている。
相良俊明(さがら としあき)
省吾の勤める原和田中学校2年の学年主任をしている先生。
ベテランの先生で対応が迅速で的確。
小池(こいけ)
玉木理華の担任の女性教諭。いじめを見て見ぬフリをしている。
不破暁(ふわ あきら)
2年1組の担任で、理科を担当教科にしている眼鏡をかけた細身の先生。カンジ悪いの態度を見せる。
新聞部の顧問を務めている。また怪しい行動もみせる…。
沢田まりえ(さわだ まりえ)
小学6年生の時にいじめを苦に、教室内で練炭自殺をした女子生徒。そのときに土塚野市民総合病院に運ばれていて、佐倉遥が看護師として対応していた。
沢田誠(さわだ まこと)
沢田まりえの父親。沢田まりえの元クラスメイトだった3名の児童が中学に進学後たて続けに事故で亡くなった直後から行方不明になっている。
吉川泪(よしかわ るい)
前作の主人公だった男性。高校生のときに、若い女性5人が殺される事件を陰ながら警察に協力して犯人を追い詰めたことがある。
省吾と同じ霊能力者。進学して医学部に通っていて、優しくて知的な人物。
高岡まどか(たかおか まどか)
吉川泪の恋人の女性。前作のヒロイン。9年前の生き霊に憑りつかれた事件から男性恐怖症になっている。
酔っぱらいリーマンの霊
泥酔後にベンチで寝たことにより凍死したサラリーマンの霊。
省吾に炙られて御守り探しに協力する。
怖いけど面白い『生者の行進 Revenge』の3つの見どころ(ネタバレあり)
圧倒的な画力がもたらすおぞましい霊に目が釘付けになり、謎が謎を呼びながらも繋がっていくミステリー展開に鳥肌が立つ『生者の行進 Revenge』には、怖いけど面白い見どころがたくさんあります。
そんな数ある見どころの中でも特に注目してほしいポイントを3つご紹介していきます。
いじめ被害者の苦悩
『生者の行進 Revenge』では、いじめが大きなテーマとなっており、残酷ないじめや被害者の苦悩が見どころとなっています。
作中では殴る蹴るは当たり前で、虫をむりやり食べさせたりと卑劣ないじめが、ある日突然始まり、周りの生徒・担任の教師・保護者から手を差し伸べてくれる人がどこにもいなかった悲しい被害者の気持ちが赤裸々に語られています。
自分を追い詰めた相手を憎んで、世の中の全てに絶望して、たったひとつの逃げ道が「自分が死ぬ」ことになってしまう激情を見ていると読んでいるこちらまで、加害者を恨まずにいられなくなります。
虫を食べさせられる少女や自分をバカにしていた者たちがカップルとなって幸せになる姿に激昂する男の子など、学校と家だけの狭い社会の中でギリギリまで追い詰められたいじめ被害者の気持ちは、見ていて苦しいですが、目を離さないで見てもらいたいです。
気味が悪くておぞましいホラー事件
また、そんないじめをした加害者たちが奇妙な自殺を遂げる事件も見どころとなっています。
いじめの主犯格が自殺未遂や死亡する事件が多発するのですが、そのどれもおぞましい死に方となっているのです。
例えば、いじめ主犯格の生徒3人が互いにナイフで腹部を切り裂き合って、腹から自分の手で腸を引きずり出し、お互いのそれを結び合わせて絶命するまで数十分の間グルグルとその場を周り続けていた奇妙な事件。
口の中や体内いっぱいに芋虫やミミズなどの虫が詰め込んで窒息死した事件など、想像しただけで身震いしてしまうような気味の悪すぎる事件が起こります。
そして、その事件現場に現れる巨大な霊の存在がとにかく怖いです。
いじめ加害者に天罰が下る事件ですが、スカッとするよりはゾクッとする内容になっています。
御守りの謎と生霊の正体
そして『生者の行進 Revenge』では、いじめ主犯格を襲う呪いの元である「御守り」や「生き霊」の正体が見どころとなっています。
いじめ被害者が持っていた御守りの中の紙に書かれていた内容が…
「おとうさん ふくしゅう してくれて ありがとう あと5人 そのあとは みなごろしだ」
となっていて、いじめ加害者が死ぬたびに「あと5人」の人数が減っていくのです。
その人数が0になったときになにが起こるのか恐ろしくて仕方ありません。
そして、復讐しつつも殺しているのは赤の他人であったり、「残り人数」と「みなごろし」の文字が分けて書かれていたり、お守りに複数の思念が混じっていたりと、とにかく謎が多いです。
さらに呪いの元となるであろう人物が省吾の意中の相手で現在失踪している佐倉遥と関わりがあったりと、何かが全て繋がっている点に鳥肌が立ちます。
呪いを作った者はいじめ加害者の正義の味方なのか、それとも残忍な殺し方を楽しむ異常者なのか、そして「みなごろし」とは誰を殺すことなのかなど伏線が多くて、読み始めたら止まれません。
ホラーとミステリーが交わった予測のつかない物語を広がっているので、是非多くの方に『生者の行進 Revenge』を楽しんでもらいたいです。
>>『生者の行進 Revenge』は「少年ジャンプ+」から読むことができます!
前作からパワーアップした『生者の行進 Revenge』はこんな人におすすめ
『生者の行進 Revenge』は、ホラーやミステリー系の漫画が好きな方や前作「生者の行進」を読んでいる方に特におすすめの作品です。
物語は、いじめ被害者の元に呪いの御守りが自然と渡るようになり、その呪いの御守りに被害者の憎悪が加わるといじめ加害者を呪い殺すようになっていて、その呪いの事件を主人公たちが追っていくホラーサスペンスとなっています。
おぞましい生き霊であったり、優しい霊であったりとさまざまな幽霊がたくさん登場するので、ホラー好きな方は楽しめると思います(そんなに怖くはないので、ホラー好きでなくても楽しめそう)。
さらに呪いの発端となる者が意外な人物と関わりを持っていて、物語全体でミステリーが構成されており、次々と繋がっていく事件にゾクゾクしながらミステリーにのめり込めるようになっています。
そして、前作「生者の行進」で登場した省吾をはじめ、前作の主人公の吉川泪や高岡まどかまで登場してくるので、ファンの方はより心躍ること間違いなしです。是非成長した泪たちを見てもらいたいです。
しかし、前作からの登場人物もきちんと紹介されていたり、解説も丁寧なため『生者の行進 Revenge』から読んでも問題なく楽しめるので、是非多くの方にご覧になってもらいたいです。
また前作の内容も気になる方は下の記事で詳しくご紹介しているので、合わせてご覧ください。
管理人の思う『生者の行進 Revenge』が伝えたいこと(考察)
『生者の行進 Revenge』では、いじめという行為がもたらすものや助けを求める勇気を伝えたいように思えます。
物語はタイトル通り、いじめの「Revenge(復讐)」をテーマに描かれており、いじめによって憎悪が生まれ、その憎悪が呪いとなって加害者を殺すようになっています。
いじめた側が遊びのつもりかもしれませんが、それがどれほど恨みを買う行為であるかを実感させられ、いじめという行為が自分に返ってくることが伺えます。
しかし、そんな学校のいじめも主犯格だけが悪いのではなく、傍観者も先生も、教育委員会も保護者も全ての人が関わることであり、その誰かが手を差し伸べるだけでもいじめの被害は変わるように描かれています。
ヒロインの玉木理華もいじめの苦悩を母親に打ち明けたことで、被害から遠ざかることができ、前向きに生きるようになっていくのです。
そんな理華の姿を見ているといじめられたときも諦めずに助けを求めることが大切だと気づかされますし、誰かが助けを求めてきたときは周りの人も親身になって協力することで問題は好転するように思えます。
学校のいじめ問題をホラーや呪いを使って読者に投げかけているような作品であると感じるので、学校関係者には特に読んでもらいたいです。
漫画アプリ「少年ジャンプ+」からは無料で読むこともできるので、この機会に是非読んでみてください。
(※期間によっては、配信が終了している可能性もございますが、ご了承ください。)
『生者の行進 Revenge』の評価まとめと感想
最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。
漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。
当サイトの評価 | 4.0(記事作成者の評価) |
---|---|
コミックシーモア | 3.7(11件の評価) |
まんが王国 | 3.9(84件の評価) |
Renta! | 4.5(40件の評価) |
BookLive | 4.7(12件の評価) |
めちゃコミック | ー |
※それぞれ5段階評価となっています。
前作からハマっているのですが、本作の『生者の行進 Revenge』はさらに絵がうまくて読みやすく、1つの事件だけでなく過去から様々な人の思いが幾重にも重なっている予測不能なホラーミステリーが広がっていました。
前作よりも若干怖さが少なくなった気がするため、個人的にはもう少し刺激を求めてしまいますが、ホラーが苦手な方でも読みやすい作品になった印象です。
現在は上記のような評価をさせて頂きましたが、今後の展開次第ではさらに評価も高くなっていくと思います。
アプリ「ジャンプ+」からも無料で読めるので、是非気軽にご覧になってみてください。