『天泣のキルロガー』人殺しを見る→食べる⁉︎サスペンス漫画のネタバレ感想
『天泣のキルロガー』は、両親を殺した犯人を見つけようとする少年と、「人殺しの肉」を食べたい少女の関係を描く、ダークサスペンス漫画です。
「殺人犯が見える」という独特の世界観で描かれ、悪を以って悪を征する展開は、続きが非常に気になる作品となっています。
そんな『天泣のキルロガー』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。
菅原敬太×井上菜摘のタッグが描く『天泣のキルロガー』のあらすじ
ここでは『天泣のキルロガー』の設定やあらすじをご紹介していきます。
「人殺しがわかってしまう」状況に置かれた、主人公ヒロムの心の葛藤から目が離せません。
作品の設定や概要
- 原作:菅原敬太
- 作画:井上菜摘
- 出版社:双葉社(漫画アクション)
- ジャンル:SF・ファンタジー、ホラー、ミステリー・サスペンス
- 巻数:3巻(完結:2020年9月現在)
両親を殺されたことをきっかけに、雨の日限定で人殺しが見える能力=『キルロガー』を手にしてしまった少年、ヒロム。「人殺しの肉」を食料として生きる謎の少女、ゆずか。
ゆずかの食料である「人殺しの肉」は、殺人を犯した人数が多ければ多いほど美味くなるという…!
ヒロムは両親の仇を取るため、ゆずかは自分の食料のため、お互い行動を共にするようになる。
あらすじ
守永尋武は、両親を何者かに殺され、自身も瀕死の重傷を負う。運よく一命をとりとめたものの、その日を境に、幽霊のようなものが見えるようになる。
雨の日になると現れるそれは、背負う者が殺した人間の死に際の姿――殺人を犯すと浮かび上がる、『人殺しの履歴書』だった。
そんな彼のクラスにやってきた転校生・琥珀ゆずかの背後には、おびただしい数の苦しむ顔が浮かんでいて……――。
ミステリアスな美少女は天使か悪魔か……? 慟哭のダーク・ファンタジー、開幕!
引用)コミックシーモア
犯人は至る所に…⁉︎『天泣のキルロガー』の主な登場人物
ここでは『天泣のキルロガー』の登場人物を紹介していきます。
次々と事件に巻き込まれていく主人公たちと、事件を巻き起こしていくバイオレンスなキャラクターに注目です!
守永 尋武(もりなが ひろむ)
本作の主人公。高校生の少年。
旅行先で通り魔に襲われ、両親を何者かに殺されてしまう。自身も崖から転落し、頭を打って一週間の昏睡状態だった。目覚めてからは一人暮らし。
元々人見知りで友達も少ないが、事件のことが相まってクラスでも浮いた存在になっていた。
ある日突然、人殺しの背後に、殺された人の最期の姿(「人殺しの履歴書」=『キルロガー』)が浮かんで見えるようになってしまう。
さらに、殺された人の姿に触れると、その人の死に際の状況を見ることができる。
とある事件でゆずかに命を救われてから、半ば強引にゆずかの「狩り」に協力させられる。
両親が殺された時に何もできなかったことを悔やんでおり、キルロガーの力で両親を殺した犯人を見つけ出すことを決意する。
琥珀 ゆずか(こはく ゆずか)
ヒロムのクラスへの転校生。長い黒髪の美少女。
「人殺しの肉」を食事として食べる特殊な存在であり、ヒロムの目から見るとおびただしい数の「人殺しの履歴書」を背負っている。その詳しい正体は不明。
「人殺しの履歴書」が見えるヒロムに目をつけ、自分の食事探しとして「狩り」に協力させる。
見た目は華奢な女子高生だが人間離れした力を持っており、成人男性も一捻りで殺せるほど。
「人殺しの肉」は、殺人を犯した人数が多ければ多いほど美味くなるため、時には殺人を見過ごすような冷酷な一面も持っている。
篠宮 亜里沙(しのみや ありさ)
ヒロムのクラスメイトで、活発な雰囲気の少女。
ヒロムと同じマンションに住んでおり、両親を失い沈んでいたヒロムのことを気遣って気さくに話しかける。
ヒロムには好意を抱いているようで、ヒロムとゆずかの関係を怪しんでいる。
海外ヒーローものの映画に詳しく、ストラップを愛用するほど。
倉元(くらもと)
ヒロムの住むマンションのお隣さん。夫婦で暮らしており、事件にあったヒロムの身を案じる。
但馬 美春(たじま みはる)
ヒロムの学校の女性教師。妊娠しており、間も無く産休に入る予定。夫と幸せな生活を送る。
但馬 輝信(たじま てるのぶ)
美春の夫。誠実そうな会社員。
岩橋 豊(いわはし ゆたか)
美春の元カレ。3年前に別れているが、妄想癖が激しく美春に対して執拗なストーカー行為を繰り返している。
連続通り魔犯
詳細不明。ヒロムの両親を殺害した人物。
一年前から無差別な通り魔殺人を繰り返しており、警察に追われている。
犯行後、何故か殺した遺体の上に10万円が入った封筒を置いていく特徴がある。
ヒロムは事件の際に顔を見たはずだが、記憶にモヤがかかったように顔を思い出すことができない。
桃沢 直純(ももさわ なおずみ)
20歳のヤンキー。幼い頃3歳下のゆずかとよく遊んでいた。
人脈が広く、ゆずかとヒロムの依頼があれば情報収集もする。
おばあさん
ヒロムたちが街中でキルロガーを背負っているのを見つけたおばあさん。
夫の最期の頼みとして、首を絞めて殺した過去がある。
里美という孫娘がいたが、事故で亡くしている。
桑山 潤一(くわやま じゅんいち)
おばあさんの孫娘・里美の夫。
里美との死別後も、おばあさんのことを心配して様子を見に来ているというが…?
中屋敷 一二三(なかやしき ひふみ)
殺人事件を扱ったサイトを運営するジャーナリスト。
連続通り魔事件の生き残りであるヒロムに取材する目的で近付いてくる。
事件の真相を追うべく、ヒロムとともに事件の現場に向かう。
三苫 恒平(みとま こうへい)
ヒロムと亜里沙の中学時代の友人。
足を踏み外して石垣に落ち、一年前から植物人間のような状態になってしまった。
恒平の両親
夫婦で温泉旅館を経営する。寝たきりになった恒平が目覚める日を待ち望んでいる。
健斗(けんと)
恒平の同級生。地元の温泉街で起きた事件について疑問を持っている。
郁美(いくみ)
桃沢の昔馴染み。「ミーコ」という源氏名で働くキャバ嬢。果鈴という一人娘がいる。
ヤクザとトラブルが起きたことからヒロムの家で匿われることになる。
綾島(あやしま)
郁美の彼氏。郁美の働いていたキャバクラにボーイとして勤める好青年。
本来ボーイが店のキャバ嬢に手を出すのはご法度だが、周りには隠して関係を持つほど真剣な様子。
鬼ノ宮(きのみや)
ヤクザの男。気に入らない奴は身内でもショットガンで撃ち殺すという噂がある。
ゆずかの両親
3年前の家族旅行のある事件をきっかけに、ゆずかが「人殺しの肉」を食べなければ生きていけなくなったことを知る。
夫婦で「殺人者狩り」をしていたが精神はボロボロに。時には無実の人を「狩って」しまうことも…。
ヒロムのキルロガーの能力には感謝しており、ヒロムには一線を越えることなくゆずかのそばにいてほしいと願う。
結末が気になる!『天泣のキルロガー』の3つの見どころ(ネタバレあり)
『天泣のキルロガー』にはグロテスクながらも美しい描写を中心に、たくさんの見どころがあります。
そんな数ある見どころの中でも特に注目してほしいポイントとして、作中の大きな謎を3つご紹介していきます。
ヒロムが殺人履歴が見える理由は?
『天泣のキルロガー』では、ヒロムが雨の日に「人殺しの履歴書」が見えるようになってしまったことをきっかけに、ストーリーが展開していきます。
この力はある日突然芽生えたものですが、恐らく通り魔に襲われた際に頭を強く打ったことが原因のように描写されています。
なぜヒロムは「人殺しの履歴書」が見えるようになったのか?
なぜ「人殺しの履歴書」が見えるのは雨の日だけなのか?
現状では謎が多い能力ですが、今後その力について言及されるか注目です…!
ゆずかの目的は?なぜ人殺しを食べるのか?
『天泣のキルロガー』のヒロインゆずかは、人を食べる正体不明の生き物です。
人殺しを食べる行為もまた人殺しとしてカウントされることから、ヒロムの目から見たゆずかは、おびただしい数の「人殺しの履歴書」を背負っているように見えます。
それはまるで天使か悪魔の羽のように描写され、おぞましくも美しいミステリアスな姿が印象的です…!
ゆずか曰く、人間が食事を摂るのと同じように、ゆずかは「人殺しの肉」を食べることが生きるために必要とのこと。
まるで『東京喰種(トーキョーグール)』に出てくる『グール』のような存在ですね…。
彼女と同じようなが生き物がいるのか、なぜ人殺しの肉が美味しいのか、彼女の出自にも謎な部分が多いので、今後の展開で語られるか注目です。
ヒロムの両親を殺した犯人は?
『天泣のキルロガー』におけるヒロムの大きな目的は、両親を殺した連続通り魔犯を見つけることです。
その犯人は何人も人を殺していることから、ゆずかとしても「美味しい」存在であることは間違いありません。
ヒロムとその両親たちを狙ったのは偶然だったのか、はたまた理由があって意図的に襲われたのか。
殺した相手に10万円が入った封筒を置いていく理由は一体何なのか。
そして、ヒロムが「人殺しの履歴書」を見られるようになったことに何か関係があるのか。
未だ謎多き犯人ですが、今後ヒロムたちがどのように探り当てていくのかが、『天泣のキルロガー』の最も気になる謎でしょう…!
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バイオレンス感が面白い『天泣のキルロガー』はこんな人におすすめ
『天泣のキルロガー』は、バイオレンスな作品が好きな人に特におすすめの作品となっています!
漫画の展開上致し方ないのですが、めちゃくちゃな頻度で事件が起こります。しかも結構軽いノリで。治安がヤバイとかそんなレベルじゃねぇ!
作中の殺人犯率が高すぎて、ヒロムが町を歩けば殺人犯がすぐ見つかるような状況ですが、そこは特に突っ込まれずストーリーは進んでいきます。警察仕事してないんか??
1巻では胸糞悪い悪人を次々とゆずかが成敗していくスカッと展開でしたが、2巻からは殺人犯の動機にも少しずつ幅が出てくるようです。
また、巻末の予告をみる限り、ゆずかの「人殺しを食べる」理由にも言及されるかも…?
今後の展開が気になるオススメ漫画なので、『天泣のキルロガー』を是非ご覧になってみてください。
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紹介者が考える『天泣のキルロガー』の伝えたいこと(考察)
『天泣のキルロガー』は、人殺しの理不尽さと、どうしようもない感情の行く末を伝えたいように感じられます。
主人公のヒロムは、冒頭から両親を失い意気消沈していたところ、さらに「人殺しの履歴書」が見える能力を手にしてしまったことで、ゆずかの「狩り」に協力することになりました。
理不尽で身勝手な理由で殺人を犯す犯人は、決して許される存在ではありません。
しかし、ヒロムにとって「狩り」は間接的に人殺しを「裁く」ような行為であり、ヒロムの精神をすり減らしていきます。
両親の仇を取りたい一方、人殺しを「狩る」ことが許されるのか、本当に正しいことをしているのか、というヒロムの心の葛藤が痛いほど伝わってきます。
今後のヒロムの「狩り」に対する心境や、ゆずかの食事に対する考え方、それぞれに変化は起きるのか…!
今後の展開から目が離せない『天泣のキルロガー』を是非この機会にご覧になってみてください。
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『天泣のキルロガー』の評価まとめと感想
最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。
漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。
当サイトの評価 | 3.0(記事作成者の評価) |
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コミックシーモア | 4.0(15件の評価) |
まんが王国 | 2.7(6件の評価) |
Renta! | 3.7(27件の評価) |
BookLive | 4.7(3件の評価) |
めちゃコミック | 3.8(714件の評価) |
※それぞれ5段階評価となっています。
見どころにもあったように、グロテスクながらもどこか美しさすら感じさせるシーンが衝撃的…!
多くの謎が残されていますが、一旦ストーリーは3巻で完結の様子。続編に期待、ということで評価はこのようになりました。
ヒロムのキルロガーの能力により、事件に巻き込まれたり巻き込んでしまうことへの葛藤が絶妙に描かれています。
ほろ苦いバイオレンスな作品が好きな人には特におすすめの作品なので、気になった方は是非読んでみてください!
『天泣のキルロガー』が気になる人におすすめの類似作品
ここでは『天泣のキルロガー』に興味がある方におすすめの、グロテスクながら読む手が止まらなくなる漫画をご紹介していきます。
1つ目は『虐殺ハッピーエンド』です。
「人を殺さなければ明日へ進めない」という斬新な設定を盛り込んだ本作。
人を殺さないとタイムリープを繰り返す主人公ですが、自分だけでなく病気の妹も巻き込まれてしまうところがストーリーの肝。
過酷すぎる境遇に置かれた主人公が、どんどん精神を追い込まれていく様子は迫真そのものです…!
下の記事では『虐殺ハッピーエンド』の詳しい内容や無料で読む方法をご紹介しているので、合わせてご覧ください。
2つ目は『パンプキンナイト』です。
かぼちゃマスクを被った謎の女子高生が、復讐のため次々と人を殺していくスプラッターホラー作品。
あまりにも壮絶ないじめと、凄惨な復讐劇は思わず目を覆いたくなるほど…!
血まみれグロテスク作品でも大丈夫!という心臓の強さに自信のある方は是非チャレンジを。
下の記事では『パンプキンナイト』の詳しい内容や無料で読む方法をご紹介しているので、合わせてご覧ください。