『トモダチゲーム』友情を試す鬼畜な心理ゲーム漫画のネタバレ感想
実写映画化もされた友情を試す鬼畜な心理ゲーム漫画『トモダチゲーム』。
ライアーゲームのような心理戦、予想外の必勝法でゲームを攻略する主人公ら、謎に満ちている裏切り者の存在など見どころに溢れている作品となっています。
心理戦好きにはたまらない『トモダチゲーム』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。
実写映画化もされた『トモダチゲーム』のあらすじ
実写映画化もされるほど人気を博している『トモダチゲーム』の設定とゲーム内容とあらすじをご紹介していきます。
鬼畜なゲームがたくさん登場してスリリングな展開の連続となっているので、是非ご覧になってみてください。
作品の設定や概要
- 原作:山口マコト
- 漫画:佐藤友生
- 出版社:講談社(別冊少年マガジン)
- ジャンル:ミステリー・サスペンス
- 巻数:17巻(2020年12月9日現在)
設定として、友一たち5人の中に2000万円の借金をした人物がおり、クラスの修学旅行費200万円を盗んで、それを参加費にトモダチゲームに申し込んだ。
トモダチゲームは、超簡単なゲームに参加してお金を稼ぐもので、ゲームを1つクリアするごとに200万円がプレゼントされる。さらに追加でゲーム中にもボーナスチャンスがある。
ゲームはクリア以外に借金を減らす方法が存在し、それは「トモダチを裏切る」ことで成立するものになっている。
またトモダチゲームには上位版として「大人のトモダチゲーム」もあり、桁違いの額が動くゲームとなっている。
○第1ゲーム「コックリさんゲーム」
普通のコックリさんと同じようにみんなで10円玉に指を置いて、正解へ十円玉を導くゲーム。
ゲームの流れは、まず全員が十円玉に指を置き、出題される問題の解答に対して各自が「はい」か「いいえ」のどちらかを選び、正解だと思う方に動かすように力を入れる。
全員が力を入れ終わると判定が始まり、全員一致で同じ方向に力を入れていたら、そのまま力を入れた方の回答へ十円玉が移動する。5人の回答が「はい」か「いいえ」で割れたときは少数の回答へ移動する。
基本的に誰でも正解できるような簡単な問題が出題されるが、友達を裏切り誤答へ導いた人は自身の借金を減らすことができるようになっている。
問題は全部で5問で1問でも正解すればゲームクリア。
○第2ゲーム「陰口スゴロク」
普通のスゴロクとは違い、友達を貶めるような隠しごとをたくさんバラすほど有利になるスゴロク。
ルールは、1ターンに1回「陰口ペーパー」で友達の隠しごとを書いて提出し、その陰口の中で誰が1番許せないかを視聴者が投票し、1番投票が多かった者から5マスずつ進んでいく。
そのため、陰口を暴露された人が先にゴールするが、このスゴロクは最初にゴールした人が圧倒的に不利な条件となっている。ゴールした人が1人でも出た時点でゲームは終了。
ちなみに全員が陰口を書かずに白紙で「陰口ペーパー」を出した場合は、皆で1マスずつ進んでいく。
○第3ゲーム「友情かくれんぼ」
待って待って待ち続けるゲームである対戦型のかくれんぼ「友情かくれんぼ」。
まずはチームの中から1人”隠れる役”を決めて、広大な森の中に隠れる。そして、残ったメンバーは”探す役”となって相手チームの”隠れる役”を探し、先に相手のチームの”隠れ役”を見つけた方が勝利するゲーム。
このゲームでは、相手チームへの暴力行為と”隠れる役”の移動を禁止としている。
逆にやっていいこととして、敵味方問わず連絡のやりとりと森の中心に運ばれる食事は自由に食べてもいい。”隠れる役”は移動できないため、”探す役”が食事を運ぶ必要がある。
また”隠れる役”にだけ与えられた権利として「降参」があり、隠れるのに耐えられなくなったら自主的に敗北を決定することができる。
さらに、”探す役”にだけ与えられた権利として「寝返り」があり、自分のチームが負けそうなときは相手のチームに寝返ることができる。
○トモダチゲーム特別編「弱い者勝ちゲーム」
クロキによって仕切られて、片切友一と心木ゆとりの2人が参加したゲーム。
ゲーム内容は、友一は肉体的な苦痛を3回を受けなければならないというもの。そして、それに最後まで耐えられればクリアとなって解放される。
また、友一が暴力を受けない方法として、ゆとりが代わりに苦痛を受けることも可能。しかもゆとりが苦痛を受ける場合は、友一よりも軽い苦痛になる。
しかし、ゆとりは女の子で痛みに対して弱い。
○第4ゲーム「友罪裁判」
「陪審員」を説得して無罪票を全部集めたらクリアの裁判ゲーム。
有罪を受けそうになっている四部誠を助けるために、クラスメイト全員を説得して、1人当たり7万円集めて、運営側に渡さなければならない。
陪審員を説得する方法は自由で、期限は1週間。
○大人のトモダチゲーム第1ゲーム「友情の檻ゲーム」
刑務所で12人で仲良く20年の刑期を全うするゲーム。また12万個のドミノを完成させる刑務作業をこなせば、20年を待たずにゲームをクリアできる。
また脱獄することも可能で、刑務所のどこかには”裏門のカギ”があり、見張りがいないときは裏門から脱獄することができる。
脱獄しそうな人間がいた場合は「密告」ができ、毎晩参加者からの無記名投票を行って、全体の過半数の投票が集まってしまった人間は即刻ゲームオーバーになる。
ゲームを刑期を全うするかドミノを完成させてクリアした場合は全員が1億円もらえる。脱獄の成功者が出た場合は、脱獄者は2億円もらえて、他の参加者は1人につき4億円の借金が加算される。密告された人は借金1億が加算される。
また暴力行為を行った人はその場でゲームオーバーで借金1億円。
○第2ゲーム前半戦「人生博打ゲーム」
友達をお金に換えて、その金をギャンブルに突っ込む船の上で行われるギャンブルクルーズ。
売られた友達はギャンブルに参加することができない。売った友達は後で同じ額で買い戻すことができるが、船を降りるときに1人につき1千万円支払わないといけない。
船の中ではあらゆるものが金かギャンブルで取引することができる。そして、船が後半戦を行う島に到着した時点で前半戦は終了となる。
基本的にギャンブルは自主運営でオリジナルでギャンブルを作ってもOK。
○第2ゲーム後半戦「トモダチ殺し合いゲーム」
運営側が集めた債務者から島の中で逃げ回るゲーム。参加者が残り5人になった時点でゲーム終了となり、ゲーム終了まで逃げ切ればクリア。
参加者には銃と黄色と赤色の2種類のペイント弾が渡される。黄色の弾で撃たれた債務者は、10秒間身動きが取れなくなり、赤色のペイント弾で撃たれた債務者は二度と動かなくなる。
黄色の弾は1発100万円で、赤色の弾は1発1億円という値段設定になっている。
あらすじ
友達と修学旅行に参加するために新聞配達のバイトに励み必死の思いで旅行費7万円を貯める主人公の片切友一。
もうすぐ7万円貯まるというときにクラス全員分の修学旅行費約200万円がクラスメイトによって盗まれる事件が発生した。
その後、修学旅行費を盗んだ友達に巻き込まれて「トモダチゲーム」という借金返済ゲームに参加させられることになる…。
心理戦を繰り広げる『トモダチゲーム』の主なキャラクター
頭のいいキャラから天才キャラ、可愛い人から極悪人まで多彩な人物が登場する『トモダチゲーム』のキャラクターたちをご紹介していきます。
片切友一(かたぎり ゆういち)
普段は友達想いの苦学生だが、過去に深い闇を抱えている主人公の男子高生。
ある日突然、トモダチゲームに巻き込まれるが、人心掌握術に長けており、機転を利かせてあくどい方法ではあるが、ゲームをクリアに導いていく。
そして、トモダチゲームの運営に対して宣戦布告をする。
美笠天智(みかさ てんじ)
友一の友達であり、学年トップの天才男子高生。
さらに勉強だけでなくコミュニケーション能力もあり、一見無愛想に見えるが、彼のことを悪く言う人間はいない。友一たちの調停役でもある青年。
友一たちと一緒にトモダチゲームに参加する。
沢良宜志法(さわらぎ しほ)
友一の友達であり、クラスの副委員長で事実上の委員長と言われている美しい女子高生。
警察官の父親に厳しく育てられたからか間違ったことが大嫌いでケンカも強く、正義感が強い。
友一たちと一緒にトモダチゲームに参加する。
四部誠(しべ まこと)
友一の友達であり、市議会議員の父を持つ、金持ちのお調子者男子高生。学級委員長でスポーツは万能。
しかし天然で口が悪かったりするため、あまり女子に人気がない。沢良宜志法に好意を抱いている。
友一たちと一緒にトモダチゲームに参加する。
心木ゆとり(こころぎ ゆとり)
友一の友達で、口数は少ないがアニメなどが好きな優しい女子高生。
高校1年生の時はいじめられていたが、沢良宜のクラスになっていじめがなくなり、沢良宜を通じて友一たちと親しくなった。
おっとりした性格をしていて、友達の役に立ちたいと願っている。
友一たちと一緒にトモダチゲームに参加する。
門倉十蔵(かどくら じゅうぞう)
Kチームとキャプテンである大柄の男子高生。キャプテンとしてKチームのみんなから慕われていて、チームに的確に指示を出している。
紫宮京(しのみや けい)
Kチームで1番年下の1年生である男子高生。キャプテンとの連絡を主に行っている。
鬼瓦百太郎(おにがわら ひゃくたろう)
キャプテンのことを妄信している粗暴で直情的なKチームの男子高生。感情的になりやすいが女の子思いの優しい性格をしている。
柱谷千聖(はしらたに ちさと)
鬼瓦百太郎とよく一緒に行動しているKチームの男子高生。器用貧乏な性格で、何でもそこそこ器用にこなすが、1番に慣れないことに対してもどかしさもわずかに抱いている。
丹羽万里(にわ ばんり)
Kチームのメンバーの1人である男子高生。京の幼馴染で近所のお兄ちゃん的な存在。
クロキ
トモダチゲーム特別編「弱い者勝ちゲーム」を取り仕切り、友一たちを誘拐した半グレ集団のリーダー。
チームの中で1番頭が良く、度胸もあって、仲間を裏切らない性格のためリーダーとなっている。
宮部佐央莉(みやべ さおり)
四部家の家政婦で第4ゲームの「友罪裁判」で証人として証言をしている。四部の父親を憎んでいる。
その後、大人のトモダチゲームで友一たちと再会する。
種田流星(たねだ りゅうせい)
大人のトモダチゲーム「友情の檻ゲーム」に友一たちと一緒に参加したイケメンな男性。
四部にはじめに接触し、友好関係を築いている。
田上源三(たがみ げんぞう)
大人のトモダチゲーム「友情の檻ゲーム」に友一たちと一緒に参加したおじさん。
元々町工場の技術屋であり、手作業は得意だが、仕事のできない人を見下すふしがある。
後田渡(うしろだ わたる)
大人のトモダチゲーム「友情の檻ゲーム」に友一たちと一緒に参加した31歳の男性。
片目が完全に隠れるほど髪が長く暗い雰囲気を放っている。「友情の檻ゲーム」では要領が悪く、しばし周りと衝突していた。
不動みなみ(ふどう みなみ)
大人のトモダチゲーム「友情の檻ゲーム」に友一たちと一緒に参加した25歳のヤンキー風の女性。やんちゃな見た目をしているが、とても優しい性格をしている。
水谷恵子(みずたに けいこ)
大人のトモダチゲーム「友情の檻ゲーム」に友一たちと一緒に参加した42歳の女性。
種田流星のことを気に入っている。
海童司(かいどう つかさ)
第2ゲーム前半戦「人生博打ゲーム」に友一たちと一緒に参加したヤクザ風チームのリーダー。
海童聡音(かいどう さとね)
海童司の娘である天才ギャンブラー。バケモノじみた変な女の子。
魅嶋靖(みしま やすし)
第2ゲーム前半戦「人生博打ゲーム」に友一たちと一緒に参加した夜の若き帝王である男性。チームの他の人は全員が綺麗な女の子。
神代才嘉(かみしろ さいか)
第2ゲーム前半戦「人生博打ゲーム」に友一たちと一緒に参加した宗教チームのリーダーのおじいさん。
「神の目」を持っていると自称し、不思議な力を使う。
真次(しんじ)
神代チームの七三分けの男性。常に神代の傍で仕えている。
マナブくん
トモダチゲームの水先案内人。ゲームの趣旨に合わせたコスプレで、その都度参加者をイラッとさせる。
マナブくん自体は昔の深夜アニメに出ていたカワイイ顔して子どもたちから大切なものを盗っちゃうキャラクター。そのアニメは内容が過激すぎてすぐに打ち切りになった。
月野(つきの)
運営側の片目を髪の毛で隠している女性。
武器を持った相手でもすぐに制圧する強さを持っていたり、ディーラーもこなせる多才な人物で、友一の凄まじさに早い段階で気づいていた。
友一が苦境に立たされても、彼が黙って負けるはずがないといつも期待している。
水瀬マリア(みずせ まりあ)
面白いかどうかを行動の判断基準にする運営側の少女。予想外の行動を繰り返す片切友一に興味を抱いている。
いつもゲームの結果をワクワクしながら待っている。
玉井レイコ(たまい れいこ)
グラマラスなボディをしている運営側の女性。第3ゲームでは、Kチームの担当をしていて、Kチームの強さを推していた。
しかし、友一のあくどさに幾度となく驚かされる。
運営側としてコスプレをやらされることが多いが、赤面していることが多い。
東條レン(とうじょう れん)
運営側の人間である七三分けの男性。第2ゲーム前半戦のグローリーデイズ号の責任者。
南里タケシ(なんり たけし)
運営側の人間であるおじさん。第2ゲーム前半戦のオーシャンドリーム号の責任者。
西澤アキラ(にしざわ あきら)
運営側の人間で褐色の女性。第2ゲーム前半戦のブレイブサンシャイン号の責任者。
片切友華(かたぎり ゆか)
友一の記憶の断片として登場する母親らしき女性。すでに亡くなっている。
友一にお金よりも友達が大切だということを教えている。
斯波大善(しば たいぜん)
友一に1人で生きていく術と金の力と金の怖さを教えてくれた育ての親のような人物。すでに亡くなっている。
沢良宜渉(さわらぎ わたる)
沢良宜志法の父親。トモダチゲームにも関連している様子がある人物。
裏切り者に溢れている『トモダチゲーム』の3つの見どころ(ネタバレあり)
鬼畜な心理ゲームに、裏切り者の存在、ゲームの意外な攻略法など『トモダチゲーム』は見どころに溢れています。
そんな数ある見どころの中でも特に注目してほしいポイントを3つご紹介していきます。
友情を試す鬼畜なゲーム
『トモダチゲーム』では、友情を試すための裏切りを誘発する仕組みを施した鬼畜なゲームが見どころとなっています。
はじめの「コックリさんゲーム」では1人の裏切り者が儲かるような仕組みになっていたり、次の「陰口スゴロク」では、友達の陰口を言うほど自分が借金を負わずに済むようになっていたり、トモダチゲームで行われるゲームは基本的に友達を裏切りを誘発する仕組みになっているのです。
友達を疑わないで信じることがゲーム攻略のポイントと言いながら、運営側は友情を壊す鬼畜な策略を次々に用意しているので、そんなゲームに主人公たちがどのように立ち向かって友情を貫いていくのかは是非注目してください。
主人公友一の異常性
また『トモダチゲーム』では、主人公友一の機転の利いたゲーム攻略が見どころとなっています。
最初のゲームでも裏切り者が存在する絶望的な状況から絶大なリスクを負いながらも攻略に導いたり、続くゲームでも、ゲーム開始当初からクリアのための入念な準備を施してクリアに導いたりしていくのです。
意味のない行動をしない友一が行動した時は何か意味があり、勝利のための伏線を人知れず張っていて、最終的に読者はもちろん、ゲームの運営側も驚く意外な方法でクリアしていくので、読んでてただただ舌を巻いてしまいます。
絶望的な状況が連続する中で友一がどんなあくどい方法でゲームをクリアするのか、一緒に考えながら読んでみてください。
真の裏切り者
そして『トモダチゲーム』では、主人公チームの中に潜む真の裏切り者の存在が注目ポイントです。
そもそもクラスメイトのお金を盗んだ友達がいたために主人公らはトモダチゲームに参加することになりましたが、さらにはじめの「コックリさんゲーム」から裏切り者がいることが明らかになり、その後のゲームでも立て続けに友達を裏切る存在が描かれています。
ゲーム中に告白する者が現れたり、チーム内に過去にトモダチゲームを経験した人がいたり、そもそもトモダチゲームの運営者がいたりと、不可解な出来事が連鎖するので、誰か裏切り者が予想がつかず得体の知れない不安が常に付きまとってくるのです。
ゲームなどの心理戦も楽しみながら、是非真の裏切り者を探してみてください。
ライアーゲームにも似ている『トモダチゲーム』はこんな人におすすめ
『トモダチゲーム』は、心理戦好きな方には特におすすめの作品となっています。
物語では、友情を試すような鬼畜なゲームが次々に繰り広げられ、主人公らは毎回ピンチに陥るのですが、人心掌握を得意とする極悪人の片切友一の機転によってゲームは攻略されていきます。
用意されているゲームの設定なども予想がつかない展開を導いてくれて面白いですし、主人公の友一の意外な必勝法に驚かされるため心理戦好きな方には大満足の漫画です。
物語を楽しみながら攻略法を考えたり、裏切り者を考えたりするととても楽しく読めるので、是非『トモダチゲーム』をご覧ください。
紹介者が考える『トモダチゲーム』の伝えたいこと(考察)
『トモダチゲーム』は、友達の大切さを伝えたいように感じられます。
物語は友達を裏切ることを仕向けようとするゲームをこなしていくことにありますが、主人公らは裏切りを繰り返しながら絆を強固にしていき、対戦相手や運営に立ち向かっていくのです。
何度も友情が壊れそうになる瞬間が訪れますが、互いに信用して協力して助け合ってゲームを乗り越えていく姿を見ていると、本当に大切なのはお金ではなく友情だと思えてきます。
過激なゲームが繰り広げられますが、固い友情も見れる感動シーンもあるので、是非この機会に『トモダチゲーム』をご覧になってみてください。
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