『地上100階〜脱出確率0.0001%〜』常識・モラル崩壊のデスサバイバル漫画のネタバレ感想
LINE漫画で話題の『地上100階〜脱出確率0.0001%〜』というモラルが崩壊した脱出不可能漫画。「このマンガがすごい!WEB」でランキング1位を獲得し、人気が急上昇している作品です。
希望と絶望の両方を与えチャレンジャーを弄ぶミッションやチャレンジャー同士の能力を使ったバトル、常識もモラルもない世界で繰り広げられる物語はのめりこむこと間違いなしです。
多額の賞金を獲得するために塔を脱出するサバイバルミステリーである『地上100階』のあらすじや登場人物、魅力をネタバレと感想を含めてご紹介していきます。
常識もモラルも通用しない『地上100階』のあらすじ
まず初めに『地上100階~脱出確率0.0001%~』のあらすじや設定などをご紹介していきます。常識もモラルもないゲームやバトルの数々の全貌はこちらです。
作品の設定や概要
- 原作:黒井嵐輔
- 漫画:桃田テツ
- 出版社:LINE Digital Frontier(LINE漫画)
- ジャンル:サバイバル、ミステリー、ギャンブル、バトル
- 巻数:6巻(連載中:2020年5月14日現在)
未曽有の財政危機に瀕した近未来都市・TOKYO。1フロアが東京都千代田区ほどの広さを持つ100階建ての塔である「バベルダンジョン」が建てられ、そこに約20人の男女を集めて、自らの生死が賭けの対象になるギャンブルが行われる。
そして、それは国営ギャンブルであり、ギャンブルの賭けの対象である参加者は塔から脱出できれば達成賞金100億円を獲得することができる。
極限の状況下で、生き残りを賭けた死闘を描く、「デスゲーム」×「脱出」×「ミステリー」が合わさった物語。
設定として、自らの意思でギャンブルにエントリーした者たちは「チャレンジャー」と呼ばれ、年々数が増加している。しかし、主人公の樹だけ自らの意志ではなく、選ばれて記憶を操作されて参加することになる。
チャレンジャの生死には莫大なお金が賭けられている。賭け率は「ODDS(オッズ)」で表される。チャレンジャーのリタイアはいかなる場合も認められていない。
バベルダンジョンでは、最新技術の実験場でもあり、人智を超えた様々な技術が施されている。
あらすじ
主人公の樹がバベルダンジョンと呼ばれるギャンブルが行わる塔で目覚めるところから物語は始まる。
ある天才政治家が20年前に作り上げた世界中の富を日本に集めるシステムであるバベルダンジョン。そこに参加するチャンジャ-には生死に莫大なお金が賭けられていて、お金持ちの楽しみとして使われている。
そこでは、最新の技術を使って目に直接文字を投影したり、体の一部を麻痺させたり、体の傷をすべて直すような魔法のようなことが自然と行われる。
塔を脱出して100憶円を獲得するために他人を見捨てて蹴落としたり、女の犯したり、倫理が破綻したことが起きながらも主人公がミッションを攻略するために奮闘していく…
謎に包まれるキャラクターが多い『地上100階』の主な登場人物
『地上100階』のバベルダンジョンに参加する人物は何かしらの事情があって参加しています。そのため登場人物1人1人にそれぞれ物語があり、なにかしら狙いがあり、誰一人として目が話せない作品になっています。
ここでは『地上100階』で特に登場する回数が多いメインキャラクターたちをご紹介していきます。
黒海樹(くろうみ たつき)
この物語の主人公。目が覚めると突然バベルダンジョンに参加していたため参加理由は不明。「ODDS(賭け率)」は130の大穴馬。
バベルダンジョンに関する記憶を失っているが、バベルダンジョンを攻略するために他の仲間2人とものすごい時間をかけて調査をしていた過去がある。
バベルダンジョンは基本的に自らの意思で参加するものだが、樹は記憶をなくした状態で招待として参加した模様。
小石絹代(こいし きぬよ)
主人公の黒海樹と幼馴染という女子高生。父親の事業が失敗してたくさんの借金を負ったため、お金を稼ぐ為にバベルダンジョンに参加している。
また絹代は樹のことをとても大切にしていて、樹のためなら自分を犠牲にすることも、大衆の前でストリップすることもいとわない。絹代には黒海樹をどうしても失えない理由がある。
物語をカギを握る人物であると予想されるが、樹を助けるために佐鳥アスマの奴隷になってしまう。
佐鳥アスマ(さとり あすま)
身体能力が非常に高く非情なチャンジャ-。最初のステージで「溺れる樹を助けてほしい」という小石絹代をお願いに答えたことをきっかけに小石絹代を自身の奴隷として扱っている。しかし、小石絹代のことは命懸けで助ける面もある。
他のチャレンジャーからも狙われる存在であり、あまりに高い身体能力でスキルを使った相手でも対等以上に戦うことができる。
過去には自分の無力さゆえに大切な人を守れなかったことがあり、自分の無力さと全ての元凶であるバベルダンジョンを呪っている。
土田勝(つちだ まさる):おっちゃん
社員に裁判を起こされて逃げるようにチャレンジャーになった関西でチェーン展開していた焼肉屋『世界のまさる』の社長。
無法地帯のバベルダンジョンでも女の子が襲われていたら助けようしたり、敵に脅されても仲間を売らなかったりととても優しく読者に人気のキャラクター。
水島秀則(みずしま ひでのり)
洞察力に優れた大学生のチャレンジャー。最先端の技術を見るためにバベルダンジョンに参加していて、他の参加者がバベルダンジョンに弄ばれているときも冷静に状況を分析したり、最新技術に思考を巡らせている。
はじめの「円柱水路の間」でも自身の洞察力や分析力を生かして、主人公の推理の手助けをした。
また全回復のスキルコードに興味を示しており、病気を治したい人がいる様子が伺える。
海老沼彩花(えびぬま あやか)
彼氏の遊哉の借金を返すためにバベルダンジョンに参加したフリーターのチャレンジャー。なにかと襲われることが多い巨乳ギャルのキャラクター。
冴木浩二(さえき こうじ)
ボクサーであるチャレンジャー。なにかと凶暴な人物で主人公に襲い掛かったり、周りの人物に暴力を振るう。また何かと調子に乗る。
しかし、はじめの「円柱水路の間」では佐鳥アスマに股間を口ちぎられてしまう。そのため佐鳥アスマのことを非常に憎んでいる。
アイテムコード「リトル・マーメイド」というレアコードで失った脚の代わりに強力な脚を手に入れた。
桐谷岬(きりたに みさき)
樹と一緒にバベルダンジョンの攻略を考えていた人物。樹のことをかなり信頼している。
他のチャレンジャーとは一線を画すほどの実力の持ち主。自分の行動に「不動の確信」を持っている。
あの子
樹と岬と一緒にバベルダンジョンの攻略を考えていた人物。索道の間にて、樹たちを助けるために槍を放った。
サラ・フェイト
幼い見た目をしたバベルダンジョンで生まれた人物。バベルダンジョンで生まれたため、チャレンジャーではない。姿を隠すスキルを持っていて、樹のピンチを1度助ける。
生まれてから一度もバベルダンジョンを出たことがないため、外の世界に興味津々。
宮本吉那(みやもと よしな)
「憩いの森」で狩人に狙われている主人公の樹を助けた人物。そして「トレジャーハントの間」の3つの勢力の1つである「クアドリフォリオ」のリーダー。
「アイギスの傘」というレア度5のアイテムを持っている。物理攻撃を防ぎいだり、跳ね返したり、鉄壁のテントを作ったりできる。
「まどろみの丘」でいざこざがあった時に、桐谷岬に助けれており、彼の強さに惚れていた。そして、その桐谷岬が褒める樹に興味を抱いている。
またバベルダンジョンに来る前は見られてなんぼの仕事をしていたため、相互理解のためには体を交えることが1番だという変わった考えを持っている。
須藤遊哉(すどう ゆうや)
海老沼彩花の彼氏。「狩人の巣」で彩花と再会する。
彩花を助けるために危険な地帯へ足を運ぶほど優しいが、彩花はすでに死んでいたと思っており、新しい彼女を作っていた。
爪が甘いが、狩人を倒すだけの力を持っている。
サイモン・F・ネッド
ならず者集団「ビッシオーネ」のボスである人物。ゴールすることが目的でなく、レアアイテムの獲得を目的としている。
「レナードの憂鬱」という6つ星のスキルコードを持っていて、対象にとって間近の最も強い感情とそれに関する記憶を消去することできる。
吉野エリカ(よしの えりか)
「ビッシオーネ」のメンバーの女性。どちらかというとM。
まどろみの丘で土田のおっちゃんにいきなり攻撃を繰り出した。
「イムホテブの心眼」という対象の身体状況を可視化できるアイテムを持っている。
毒島(ぶすじま)
「ビッシオーネ」のメンバーの髪の無い男。迷いの大森林でアスマと絹代にいきなり攻撃を繰り出した。糸を使った攻撃をする。
スリリングな展開が面白い『地上100階』の見どころ(ネタバレ)
常識もモラルも通用しない世界で人間たちの欲望がむき出しになり、バケモノや人智を超えた能力も多数登場するのが『地上100階』です。
そんな漫画ならでは世界観や未来の最新技術を使った物語の中で特に注目してほしい見どころをいくつかお伝えしていきます。
突如始まるバベルダンジョンのゲームやバトル
『地上100階』の見どころはなんと言っても生死を賭けたゲームにあります。
チャレンジャーを絶望させるようなゲームが突如として行われ、チャンジャ-を混乱させていきます。そして、そのゲームの攻略方法も命懸けで挑むチャレンジャーをあざ笑うかのようなものが多く読んでいてもしてやられた気分になるのです。
ひたすら水攻めにされゴールを探すゲームや誰かを生贄にしなければいけないゲームなど漫画ならではの技術を生かした鬼畜なゲームには興奮必須です。
そして、最新技術でチャレンジャーがそれぞれ違った能力を身に着けることができ、チャレンジャー同士のバトルも見物になっています。身体を動物のように変えるスキルや爆発するようなスキルなど様々なスキルが登場し、飽きることがない予測不可能な戦いを繰り広げてくれます。
そういったチャレンジャーのスキルも是非注目して下さい。
常識もモラルもないバベルダンジョンの世界
運営側のチャレンジャーを弄ぶ行いやチャレンジャーたちが暴走する常識もモラルもないバベルダンジョンの世界観も注目してもらいたいです。
運営はゴールのようなものを用意しますが、それはチャンレンジャーを絶望させるために仕込みでありゴールでないことが多いです。希望と絶望を交互に与えチャレンジャーの心を弄んだりするゲームなど、胸糞が悪くなるほど鬼畜なことをします。
またチャレンジャーたちも、それぞれ問題を抱えてバベルダンジョンに参加している人が多く、そういった人物たちが無法地帯にいるため、自分の欲望のために他人を傷つけていくのです。
そういった運営の鬼畜性や無法地帯で欲望を爆発させるチャレンジャー、またそれらに抗う主人公たちも『地上100階』の見どころとなっています。
黒海樹やバベルダンジョンの正体
『地上100階』は多くの謎に包まれています。バベルダンジョンの目的や最新技術はどのように作られたのか、また主人公の失われた記憶や狙いなど断片的な伏線が多く仕込まれているのです。
バベルダンジョンを執拗に調べ上げている主人公の樹がどうして記憶のなくして、バベルダンジョンに参加することになったのかなどは樹の過去の記憶や過去の仲間の登場により徐々に明らかになってきます。
また物語のカギを握る絹代と樹の関係にも目が離せないところです。
張り巡らさせた伏線をつなぎ、物語の考察や予測をして楽しむこともできる作品となっています。そして、物語が進むごとに点と点がつながり線となってくるので、読むほどに楽しめる漫画です。是非ご覧になってみてください。
心理戦も刺激もバトルも楽しめる『地上100階』はこんな人におすすめ
ゲームや心理戦や非情な物語が好きな人には打ってつけの漫画です。
また毎日同じ繰り返しの日常に飽き飽きしている方にも日常とは全く異なる感情を起こして興奮させてくれるため、刺激を求めている方にもおすすめの作品となっています。
さらに伏線もいたるところに張り巡らされているため、漫画の伏線を予想して考察するのが好きな方は読みごたえがかなりあります。
心理戦も刺激もバトルの迫力も味わえる大満足の作品ですので、漫画好きであればこの機会で読んでみましょう。
管理人の思う『地上100階』が伝えたいこと
『地上100階~脱出確率0.0001%~』では日常の大切さを改めて実感させてくれる話に感じます。
突如として、非日常的な世界に陥ることもあったり、楽して背渇することばかり考えて頑張りもせずに嫌なことから逃げ続けていけばいずれ、とりかえしのつかないところまで来てしまうという暗示があるように思えます。
そして、そこで「もっと前から頑張ってれば良かった。」などと気付いても時間は戻せない。日々全力で生きること、諦めたい状況でも諦めない心が大事だと思わされました。