トラウマ必須『最底辺の男-Scumbag Loser-』最底辺スリラー漫画のネタバレ感想
「トモダチゲーム」や「DEAD Tube」を手掛ける山口ミコト先生が贈る心揺るがす最底辺サスペンスホラーの『最底辺の男-Scumbag Loser-』。
クラスの底辺をさまよう匂いフェチの村井雅彦という強烈にクズな人間が主人公であり、彼を軸に最底辺の人間が何者かに浸食されていく衝撃的な展開が連続する作品となっています。
衝撃的な表紙からも話題を呼んでいる『最底辺の男』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。
気持ち悪いけど読み続けちゃう『最底辺の男』のあらすじ
登場人物も物語も強烈すぎて、トラウマになる人も続出する衝撃作である『最底辺の男』の設定とあらすじをご紹介します。
気持ち悪いけど、不思議と癖になる作品となっています。
作品の設定や概要
- 著者:山口ミコト
- 出版社:スクウェア・エニックス(月刊ガンガンJOKER)
- ジャンル:ミステリー・ホラー、スリラー、サスペンス
設定として、主人公の村井雅彦は人と目を合わせられないし、匂いフェチという変わった癖を持っている。そのため、クラスの底辺をさまよっているが、村井よりも底辺に属する山田君という人物も存在する。
山田君は強烈な匂いを発する不潔な人間だが、村井は山田君の匂いのファンである。
あらすじ
クラスの底辺をさまよう匂いフェチの村井雅彦は、いじめに合いながらも自身よりも最底辺に位置する山田君の存在に安堵していた。
しかし、山田君にカワイイ彼女ができたことでカーストが揺らぎだし、焦った村井は小学生時代に死亡した水沢遥を彼女と偽ってクラスに言いふらした。
それは最底辺になるのを食い止めるための嘘だったが、なぜか次の日に、その死亡したはずの水沢遥が現れ「村井雅彦さんとお付き合いしています」と宣言しだす…。
底辺の人間が多すぎる『最底辺の男』の主なキャラクター
『最底辺の男』では、底辺過ぎる主人公をはじめとして、多くの気持ち悪い底辺のような人物が登場します。
そんな底辺ながらも、どこか癖になってしまうような魅力を持つ『最底辺の男』のキャラクターをご紹介していきます。
村井雅彦(むらい まさひこ)
匂いフェチの16歳高校生である主人公。人と目を合わせれない性格で、デブ井と呼ばれ、学校の底辺をさまよっている。
自分よりも底辺の山田くんという存在がいることで安心していたが、山田くんに彼女ができたことで自身が最底辺になる可能性が浮上したため、小学校の時の幼馴染だった水沢遥を彼女と偽った。
村井は過去の経験から、必要以上に最底辺の男になることを恐れていて、最底辺の男にならないためなら何でもする。
水沢遥(みずさわ はるか)
主人公の村井と同じ小学校に通っていた美人で知的でいい匂いがする女の子。
小学校のときに転校していたが、村井の通っている高校に突如転校してきて、村井の彼女であると宣言した。
そして、彼女になる代わりに村井に服従を強制させ、毎週水曜日に「最底辺の男」を連れてくるように命令する。
山田君(やまだ)
学校の最底辺に値する強烈な匂いを発する男。主人公の村井と同じくいじめに遭っているが、村井よりもひどく足をなめさせられるなどの行為まで強制されている。
他人と目も合わせられない社会性ゼロの人間であり、不潔で風呂に何人も入っていないため脂ぎった髪をしていて、歯磨きもしていないため歯もボロボロ、服も一週間以上洗濯していない。
極めつけに腐った玉子や使用済みの靴下や牛乳を拭いた雑巾のような、あらゆる悪臭をブレンドした強烈な匂いを発するため「最底辺」となっている。その強烈な匂いは、匂いフェチの村井雅彦を芸術と表現するほど。
しかし、あるときカワイイ彼女ができたため格が一気に押し上げられるようになる。
佐藤千早(さとう ちはや)
村井と同じクラスの女の子。村井と水沢と同じ小学校に通っていた。
顔はかわいいが流行に鈍感で、クラスの女子たちとの共通点も少ないため、クラスの女子の最底辺としてパシリなどをさせられている。
主人公の村井と同じく匂いフェチで匂いの変化を敏感に察知する。
大倉欲美(おおくら ゆみ)
16歳の女の子。可愛い女の子の私物を手に入れるためにアイドルオーディションを受けて見事合格する。
そこで出会った水沢遥に一目ぼれし、水沢の私物を手に入れるために奮闘する。
篠崎摩耶(しのざき まや)
山田君の彼女。山田君を変えた張本人。
主人公の村井雅彦に共闘関係を結ぶように呼び掛ける。
下和田(しもわだ)
村井雅彦のクラスで起きた暴動事件を追っている刑事。過去には村井保久の事件にも関わっていて、それがトラウマで60歳の現在でも童貞である。
今回の村井雅彦の事件を最後の仕事と覚悟していて、危険なことにも頭を突っ込んで、真相を探ろうとする。
村井保久(むらい やすひさ)
村井雅彦の父であり、水沢遥を殺した過去があり、村井雅彦が「最底辺の男」という人物。
主人公に似て太った体系をしていて、息子のご飯を用意させる代わりに生きるために必要なお金を出している。
大野清志(おおの きよし)
強姦殺人で女性5人を殺した逃亡犯。血なまぐさい匂いと強い体臭と、逃亡中のため虫よけスプレーの匂いを体から発している。
トラウマ必須の『最底辺の男』の3つの見どころ(ネタバレあり)
トラウマになるほど強烈的なキャラクターと物語で繰り広げられる『最底辺の男』には、ミステリー要素やサスペンス要素が盛り込まれ、見どころに溢れる作品となっています。
そんな『最底辺の男』の中で特に注目してほしい見どころを3つに絞ってご紹介していきます。
水沢遥の謎
『最底辺の男』では、ヒロインの水沢遥の正体が見どころとなっています。
ヒロインの水沢遥は、小学校時代に村井を嫌っていたにも関わらず村井と付き合っていることを装ったり、村井に水曜日に「最底辺の男」を自分の元へ連れてくるようにお願いしたりと謎の行動を起こします。
そもそも水沢遥は5年前に村井の目の前で死んでいるはずなのにです。
そんな死んでいるはずの水沢が別の匂いを身に纏い、突如現れ、社会を侵食していく不気味なストーリーとなっているので、ヒロインの水沢遥には是非注目してもらいたいです。
最底辺の山田君の変貌と広がる侵食
また『最底辺の男』では、最底辺に位置していた山田君の変貌とその変貌が広がっていくところが見どころとなっています。
最底辺に位置していた山田君は最底辺を逃れるためにカワイイ彼女との行為を電話で主人公の村井に聞かせようとします。艶めかしい行為の会話を村井に聞かせる山田君でしたが、突如叫び声をあげて電話は切れるのです。
そして次の日、主人公の村井が学校にいくと、山田君は今までにないほど清潔に身なりを整えて異常なほど綺麗な歯をならべて、独特の強烈臭を消し、水沢遥とよく似た匂いを発して生まれ変わっていたのです。
そして、山田君を皮切りにクラスメイトがどんどん生まれ変わって、皆が不気味な笑みを浮かべてきます。
皆がよい性格に変わっていくのですが、不敵な笑みが恐ろしく、新しいタイプの恐怖を味わうことができます。
新感覚のバイオハザードのような展開になっているので、是非徐々に侵食されていく主人公の周りの人物をご覧ください。
村井雅彦の底辺っぷり
『最底辺の男』では、主人公の村井雅彦の底辺っぷりな行動の数々も見どころになっています。
自分より底辺な山田君に対しては、上から目線で話したり、自分を守るために優しい人間ですら犠牲にしたり、親を騙したりと主人公の村井は、とにかく最低な行為を続けていきます。
読んでいて胸糞悪くなるような底辺っぷりですが、その姿がどこか人間臭くもあります。そんな最底辺の男である主人公の心の変化や行動は物語の骨幹となる部分ですので、是非注目してください。
衝撃の結末…『最底辺の男』はこんな人におすすめ
『最底辺の男』は、バイオハザードのようなスリラーが好きな方には特におすすめの作品です。
この作品は衝撃的な表紙と主人公の気持ち悪さからは予想もつかない物語となっていて、主人公の周りの底辺のような人間が不気味な笑みを浮かべた真人間に生まれ変わっていくのです。
これまでにない奇妙な浸食の姿に強いメッセージ性を感じると同時に、底知れぬ恐怖を抱かされる内容であり、結末の衝撃さにも驚かされます。
『最底辺の男』は主人公が気持ち悪すぎるのと、物語がかなり強烈な表現されており、トラウマになってしまう方もいると思いますが、それほど印象に残る作品となっているので、是非勇気を持ってご覧になってみてください。
管理人の思う『最底辺の男』が伝えたいこと(感想)
『最底辺の男』は、どんな人にでも、ありのままの自分を想ってくれる人がいるということを伝えたいように感じます。
物語では、最底辺と思われる生きる価値の無い人間が徐々に化け物によって変えられていきます。そして、底辺の人間が変わって真面目で優秀な人間になるとその家族や周りの人は喜ぶのです。
しかし、底辺のような人間でも必要と思う人はいるし、その人のことを想う人がいるということが作品では描かれており、登場人物たちの言葉から強いメッセージ性が伝わってきました。
あまり話すとネタバレになってしまうので、是非この機会に『最底辺の男』を読んで、メッセージを受け取ってみてください。