『くにはちぶ』主人公が全国民から無視され続ける漫画のネタバレ感想
主人公が1年間無視され続けるという衝撃のテーマを描いた漫画『くにはちぶ』。
無視され続ける主人公の過酷な生亜k津に衝撃を受け、無視という行為に負けない家族の愛情や友達の想いに感動する作品となっています
過剰な設定を使って、いじめの残酷さや友情の大切さを演出する『くにはちぶ』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。
主人公がひたすら無視される『くにはちぶ』のあらすじとは?
いじめという重めのテーマで物語が進む『くにはちぶ』の設定やあらすじをはじめにお伝えします。
主人公が全国民から無視される衝撃作となっています。
概要と設定
- 著者:各務浩章
- 出版社:講談社(少年マガジンエッジ)
- ジャンル:ヒューマンドラマ、ミステリー・サスペンス
イジメによる被害者の気持ちを加害者にも分からせ、他者の心を思いやるための法律である『国八分』。
自殺などを起こさない強い国民性を獲得するという名目で「無作為選出対象者無視法」、通称『くにはちぶ』という国法が施行され、無作為に選ばれた対象者を1年間無視しなければいけない設定となっている。
無視しなかったと判断されれば、一律1年間の禁固刑に処されてしまう。
そんな法律に主人公の道端たんぽぽが選出され、友達からも家族からも無視されることに…。
無視しなければいけない状況で友情や命の重みはどう扱われるのか。戦慄のサバイバル・サスペンスが描かれる。
あらすじ
中学2年生の道端たんぽぽは幸せな毎日が続くと信じていた。
しかし、「無作為選出対象者無視法」、通称『くにはちぶ』の無視対象として選出されたことで日常は一変し、友達からも無視され、家族からも無視される日々を送ることに。
そんな中でも1年間の期間を乗り越えて、友達のしろつめちゃんとあざみちゃんと一緒に目標の華高に通うためにたんぽぽは学校に通い続けることを選択する…。
無視と戦う『くにはちぶ』の主な登場人物
無視と戦う主人公や友達もいれば、無視を受け入れる人もいる『くにはちぶ』。
そんな無視と関わる登場人物たちをご紹介していきます。
道端たんぽぽ(みちばた たんぽぽ)
ママのおいしい料理を食べれて、自分は「世界で一番幸せ」だと思っていた明るい性格の中学2年生の女の子。
優しく友達思いで、華高に友達と一緒に通うことを楽しみにしていた。
しかし「くにはちぶ」という1年間国民から無視される法律に選出されてしまい、無視される日々を送ることになる。
それでも法律に負けることなく、無視されながらも学校に通い続けることを決意する。
菊池あざみ(きくち あざみ)
道端たんぽぽと仲良しの女の子。無視しながらも友情を忘れず、たんぽぽを守り続ける強くて優しい存在。
自分以外のクラスのみんなに「たんぽぽが学校に来ること」を反対されたが、1人でもたんぽぽを守ろうとするほど友達想い。
車軸しろつめ(しゃじく しろつめ)
たんぽぽとあざみの仲良しの友達。たんぽぽが「くにはちぶ」に選ばれても、あざみと一緒にたんぽぽに華高に行こうとメッセージを残すほど友達想い。
しかし優しいがゆえに、たんぽぽを無視することに耐えられなくなり、話しかけた結果、捕まってしまう。
踏七五三男(ふみ しめお)
「無作為選出対象者無視法」の監督官を務めている役人。
非情な性格で、たんぽぽを無視しない人間を容赦なく逮捕していく。
そして、常にたんぽぽの周囲を監視し、無視させることを徹底している。
また過去には、無視対象者を殺したことがある。
道端つづみ(みちばた つづみ)
たんぽぽの妹。たんぽぽのために朝起きるように促したり、料理を多めに作って食べれるようにしてあげてる思いやりのある子。
たんぽぽの母親
たんぽぽのことをとても大切に思っている優しい母親。
しかし、無視するために娘を踏んずけたことがあり、それ以来病んでしまっている。
犬走(いぬばしり)
たんぽぽのクラスメイトの女の子。「くにはちぶ」に選ばれたたんぽぽを邪魔者として扱っており、たんぽぽにひどいことをする。
そしてたんぽぽの味方をするあざみにも嫌がらせをする。
都よめな(みやこ よめな)
たんぽぽが所属している吹奏楽部の先輩。卒業式で誰も欠けることなく送り出してほしいと考えていて、たんぽぽのことを無視しながらもサポートしている。
とても優しい性格をしていて、周りの反対を押し切りながらたんぽぽを応援する。
都よめなの母親
娘のことを考えている厳しい母親。たんぽぽを疎ましく思っている。
都よめなの父親
理解のある優しい父親。娘の行動を尊重して、賛同している。そして、娘のことを誇りに思っている。
華巌かざり(けごん かざり)
新学期のあざみのクラスメイトの女の子。
クラスのリーダー的存在で、クラスメイトと話し合い、「にくはちぶ」と関わらないために卒業まで誰も学校にこない約束をさせる。
感情を揺さぶる『くにはちぶ』の見どころ3選(ネタバレ注意)
主人公がひたすら無視され続ける過酷な設定で読者に心のめちゃくちゃにする『くにはちぶ』には見どころがたくさん存在します。
そんな数ある見どころの中でも特に注目してほしいポイントを3つに絞ってご紹介していきます。
あまりにも無慈悲な無視
主人公のたんぽぽが転んでも体調を崩しても、無視され続ける非情さは『くにはちぶ』の見どころとなっています。
たんぽぽは「くにはちぶ」に選ばれてから、家でも自分だけご飯がなかったり、母親にも無視されて踏んずけられてしまったり、階段から落ちても誰にも助けてもらえないような孤独すぎる毎日を送るのです。
無視をしなければいけない家族や友達の気持ちも辛いですが、なによりどんなに苦しい時でも誰からも助けてもらえないたんぽぽの姿は見ていて可哀そうすぎて涙が溢れてしまいます。
学生時代になんとなくしてしまう無視ですが、この漫画を見ると本当残酷な行為であることがわかるので、無視の残酷さを目に焼きつけてもらいたいです。
周りの人の感情
また道端たんぽぽの周りの人の感情も見どころの1つとなっています。
たんぽぽのことを考えるがゆえに心を殺して無視し続ける友達の葛藤。無視対象者がいることを煩わしく思う人の憤り。無視できず逮捕されながらも、対象者のたんぽぽを応援する人の波だ。
そして、たんぽぽがいることによって、家族が逮捕された人たちの怒りなど『無視』という行為ひとつにこれほどまでに様々な感情が巻き起こることに驚かされます。
そして、自分自身が漫画の世界に入ったとしたら、無視対象者にどんな感情を持つのか想像することは学びのひとつになると思うので、是非考えてみてください。
無視できない友情に感動
そして『くにはちぶ』は無視できない友情や愛情も見どころなっています。
言葉はかわせなくても無視対象者であるたんぽぽのことを考えて危険を承知でサポートする友達や無視しながらも助け合う家族の愛情には目頭を熱くせずにはいられません。
そして、そんな友情や愛情に支えられることで、たんぽぽは無視されながらも力強く生きていくのです。
絶望の淵に立たされながらも邁進する主人公のたんぽぽや、法も恐れず友達を助けるために行動する美しい友情には是非注目してみてください。
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設定が残酷すぎる『くにはちぶ』はこんな人におすすめ
『くにはちぶ』は今まで「無視」という行為をしたことがある方には特に見てもらいたい作品です。
物語は、主人公の女子中学生が法律により、全国民から1年間無視されるようになる話となっていて、気軽行える「無視」という行為がどれほど残酷で傷つくものかをこれでもかと読者に訴えてきます。
これを読んだら、もう友達を「無視」することなんてできなくなるほど衝撃を受けるのです。
そして、そんな「無視」が法律となった世界だからこそ輝く友情も描かれていて、友達を改めて大切にするきっかけにもなると思うので、是非多くの方にご覧になってもらいたいです。
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管理人の思う『くにはちぶ』が伝えたいこと(感想)
この『くにはちぶ』という作品は、『無視』という行為の重さ、友情の大切さなどを伝えたいのだと感じられます。
作品の中で、「くにはちぶ」に選出された子は多くは自殺してしまうと書かれていますし、無視され続ける主人公の壮絶な苦しみも表現されています。そういった描写は、単純な行為でも相手を深く傷つけてしまう恐れがあるということ暗示しているように思えるのです。
また作品を読んでいると、いじめで無視されるような友達がいたら、一緒になって無視するのではなく、1人でも勇気を振り絞って助けることが必要だと気づかされます。
主人公が無視され続けるという衝撃の内容ですが、それほど深いテーマだからこそ、感じられるものはたくさんあるので、この機会に多くの方に『くにはちぶ』を読んでもらいたいです。
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『くにはちぶ』の評価まとめ
最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。
漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。
当サイトの評価 | 4.2(記事作成者の評価) |
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コミックシーモア | 3.0(63件の評価) |
まんが王国 | 1.9(43件の評価) |
Renta! | 2.7(94件の評価) |
BookLive | 2.7(12件の評価) |
※それぞれ5段階評価となっています。
他のサイトでは設定が破綻していると理由で低評価が目立ちます。
たしかに、設定は違和感を感じる部分がありますし、主人公の行動にイライラすることもありますが、それ以上に「無視」という行為をこれほど極大化して伝えていることに、非常に考えさせられました。
そして「無視」する法律がある世の中でも法律に負けずに友情を貫いていく登場人物たちの気持ちに感動したので個人的には高評価にさせて頂きました。
賛否が別れるような作品かもしれませんが、「無視」という行為について考えさせられる物語なので、多くの方に読んでもらいたい作品です。