ミステリー・サスペンス・ホラー

『遺書、公開。』虚偽と欺瞞を遺書で暴く衝撃ミステリー漫画のネタバレ感想

遺書、公開。

『遺書、公開。』虚偽と欺瞞を遺書で暴く衝撃ミステリー漫画のネタバレ感想

 

クラスの人気者の姫山椿が自殺を遂げ、クラスメイト全員に残された遺書を公開していくという衝撃のストーリーが繰り広げるミステリー漫画。

「2-D序列」と題した謎の序列に翻弄される2年D組の生徒、そして遺書により暴かれていく彼らの秘密。すべてが謎に包まれながらも、残された遺書が真相を見せていく話題作となっています。

虚偽と欺瞞に満ちた闇が公開されていく『遺書、公開。』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めて公開していきます。

 

歪な2年D組を描いた『遺書、公開。』のあらすじ

遺書、公開。の池永柊夜と廿日市くるみ出典:「遺書、公開。」、著者:陽東太郎、出版社:スクウェア・エニックス

『遺書、公開。』は、人気者で誰からも愛されていた序列1位の姫山が自殺し、皮肉を込められた遺書が残されるという衝撃の設定で結末が全く予測できない話題の漫画となっています。

そんな衝撃的な設定と謎に包まれた物語の設定やあらすじをはじめにお伝えします。

作品の設定や概要

  • 著者:陽東太郎
  • 出版社:スクウェア・エニックス(ガンガンコミックスJOKER)
  • ジャンル:ミステリー・サスペンス、学園

設定として、灰嶺学園中学部で始業式の日に2年D組のクラスメイト全員に「2-D序列」なるものが送られた。そこに記された順位に関しては学校の成績等が流失した事実など一切なく、全く根拠のないものであった。

その謎の序列がD組の雰囲気を飲み込んでいき、1位に君臨する姫山椿を中心にD組は回るようになる。

しかし、その姫山が学校で謎の自殺を遂げた。そして、その3日後にクラスメイト全員の机の上に、姫山からの遺書が置かれていた。

その遺書には、「遺書」の2文字と宛名、そして数行にわたる手紙のような文章が活字で記されていた。

あらすじ

灰嶺学園中学部2年D組は新学期に「2-D所列」と題したクラス全員の序列が記してあるメッセージが届く。

その序列で1位獲得しクラスの中心人物となる「姫山椿」が突然謎の自殺を遂げ、クラスメイトに1人1通の「姫山椿の遺書」が残された。

1人1人文面の違うその遺書のお互いの内容を確認し合うため、2年D組は金曜日の6限LHR(ロングホームルーム)の時間を使って、それぞれの遺書を順番に公開していくことを決めた。

そして遺書公開がはじまり、遺書に込められた本当のメッセージを知ることになる…



虚偽と欺瞞に満ちた『遺書、公開。』の主なキャラクター

『遺書、公開』で登場する2年D組の生徒たちは、それぞれが人知れず闇を抱えており、遺書によって公開されていきます。

そんな闇を抱えたキャラクターたちを序列とともにご紹介します。

姫山椿(ひめやま つばき)1位

灰嶺中学2年D組の人気生徒であり、謎の序列1位に君臨している。誰にでも優しい優等生で運動も勉強も優秀。女子の学級委員も務めていて、D組は姫山椿を中心に回っていた。

しかし、なぜか昼休みに学校のトイレで自ら命を絶ってしまう。

赤崎理人(あかざき りひと)2位

姫山椿の恋人。少女漫画みたいと噂され、交際を始めてから一度も危機が無いと言われている。

サッカー部所属で運動神経が良く、容姿は爽やかで性格は明るく温厚。誰にでも気軽に接する女子から非常に人気がある男子生徒。4月に姫山椿に告白し、2人は付き合い始める。

赤崎は遺書を見て、椿が書いたものとはじめに判断した。そして、3番目に遺書を公開する。

御門凛奈(みかど りんな)3位

姫山と同じテニス部でダブルスを組んでレギュラーとなっている。姫山と仲が良く、栗原瑞希を含めた3人組でよく行動していた。

1番はじめの谷地の遺書公開の内容に異議を唱えた。

笹井夏月(ささい なつき)4位

赤崎とよく一緒にいる男子生徒。沢渡の遺書を盗んだ犯人を突き止めることに協力する。

大島由梨(おおしま ゆり)5位

姫山からの遺書が本物か偽物か判断でき、自殺の理由をわかるかもしれないという理由で、遺書を全員で公開することを提案した人物。

そして、「遺書公開」の進行役を務める。

沖正彰(おき まさあき)6位

遺書に自殺の理由が書かれていると判断し、大島の遺書公開の案に賛同した。

そして沖は学級委員でもあるため大島とともに、「遺書公開」の進行役を務める。

10番目に遺書を公開する。

横山嵐(よこやま あらし)7位

2番目に遺書公開をした男子生徒。陸上部に所属し短距離走で都大会に出場した実力がある。さらに勉強もできる。

性格は基本的に面倒くさがりで、不愛想ではないが遠慮や馴れ合いは苦手だと言っている。

大して努力せずにいろいろなことができるため、無神経なところがあり、始業式の日も姫山椿に野次を飛ばす。



栗原瑞希(くりはら みずき)8位

姫山に勉強を教えてもらい成績があがる。「遺書公開」の書記を務める。

姫山椿と御門凛奈と仲良しでよく3人で行動していた。

甲斐原誠(かいはら まこと)9位

2-Dの担任の先生。始業式の日に、謎の序列が送られたことやクラスメイトが自殺したこと、遺書がクラスメイトに残されたことなど問題続きで嫌気が差している。

遺書のことを口にするなとはじめは言っていたが、遺書を外部に秘密にするという条件で千蔭のLHR(ロングホームルーム)を使って遺書を公開する提案を受け入れた。

砂岡翔真(すなおか しょうま)10位

4巻現在では目立つ発言はしていない。

熊田碧(くまだ みどり)11位

4巻現在では目立つ発言はしていない。

三宅雄大(みやけ ゆうだい)12位

13番目に遺書を公開した男子生徒。行動力はあるが、ノリで行動しすぎることがある。

森本蘭(もりもと らん)13位

序列を送った人物を知っている女子生徒。

茅野鞠華(かやの まりか)14位

赤崎の次の4番目に遺書を公開した女子生徒。大人しいのであまり目立たないが、ハーフ系の顔立ちでクラスで1番の美人。性格は純粋で姫山のことをいつも賞賛していた。

少女漫画みたいな恋愛をするのが夢で姫山と赤崎のカップルにとても憧れていた。



津島航(つしま こう)15位

2番目に遺書公開した横山の発言にいちゃもんを付ける。

大して努力しなくてもできる横山の無神経さを嫌悪を抱いていて、また何かと強引に犯人を決めたがる。

そして、7番目に遺書を公開する。

増倉英斗(ますくら えいと)16位

4巻現在では目立つ発言はしていない。

谷地恵(やち めぐみ)17位

1番はじめに遺書を公開した女子生徒。バトミントン部に所属し、成績は平均的で、性格は明るくお喋り好き。

休み時間はよく大島由梨たちと話をして盛り上がっている。

あまり積極的に発言するタイプではないが、「自殺の理由」に気づいたと言い、はじめに遺書を公開した。

桃ヶ谷泰志(ももがや たいし)18位

4巻現在では目立つ発言はしていない。

千蔭清一(ちかげ せいいち)19位

皮肉屋的な一面があり、冷静沈着。甲斐先生を説得し、ホームルームの時間を使って遺書公開をすることに一役買った人物。

姫山のことを気に入っていて、姫山の遺書でクラスが乱れているのを楽しんでいる様子を見せる。そして、2年D組のせいで姫山が自殺したと遺書から判断している。

相畑詩帆(あいはた しほ)20位

9番目に遺書を公開した女子生徒。1年生のときから姫山と同じクラスでとても仲良しであった。しかし、序列を原因に2年生ではあまり関わらなくなった。

南篠絢音(なんじょう あやね)21位

芸能人などの名前に姫山が敬称を付ける問題が浮上した時に発言した女子生徒。

池永柊夜(いけなが しゅうや)22位

くるみと仲が良く、よく宿題を見せてあげている。姫山に恋心を抱いている様子。

また廿日市の「人間観察記録」によると、チビ、電車オタク、宿題を忘れたときに頼れる存在。



名取恭四郎(なとり きょうしろう)23位

池永と廿日市と仲の良い男子生徒。いつもニコニコしている。

廿日市くるみ(はつかいち くるみ)24位

何事にも「なぜ」と疑問を持って生活している。人間観察が趣味。

将来小説家になりたいと思っていて、その時に使うために周りの人の特徴を「人間観察記録」に記している。

14番目に遺書を公開する。

峠谷陽茉莉(とうげや ひまり)25位

沢渡すずこと仲が良い女子生徒。沢渡が休んだ時も心配して連絡している。

しかし、序列を過度に気にしている様子があり、自身より下位の人には優しく、上位の人には厳しくあたって下に見ようとする。

11番目に遺書を公開する。

沢渡すずこ(さわたり すずこ)26位

嘘がつけない性格で遺書の内容を関係者に見せて相談したが、その人物に押し倒され遺書を奪われてしまう。

その後、6番目に遺書を公開した。以前、姫山と一緒にある人物の衝撃的な発言を聞いていた。

黒瀬蓮司(くろせ れんじ)27位

2年D組でもっともあからまさに序列を気にしている男子生徒。

自身の順位に納得がいっていない様子で「くだらない」と序列を貶める発言を多くしており、特に上位の人間には嫉妬の感情だけで冷たくあたる。

4番目の遺書公開をした茅野鞠華のときに「休日に赤崎と茅野が2人で会っていた」ことを告発する。

そして、5番目に遺書を公開する。

絹掛愛未(きぬかけ まなみ)28位

不登校の女子生徒。遺書を置いたであろう人物を目撃している。

山根裕基(やまね ゆうき)29位

授業であてられたとき以外はほぼ喋らなくて、休み時間はちょくちょくどこかに消える人物。

はじめの遺書公開のときに、「帰る」と言って参加を拒否したが、帰らずに公開の内容を盗聴していた。そして、姫山に謝る言葉を発していた。

12番目に遺書を公開する。

文堂光(ぶんどう ひかり)30位

8番目に遺書を公開した大人しい男子生徒。1年生のときから姫山と同じクラスだった。



謎が多すぎる『遺書、公開。』の3つの見どころ(ネタバレあり)

遺書、公開。の姫山椿の遺書出典:「遺書、公開。」、著者:陽東太郎、出版社:スクウェア・エニックス

新学期早々送られた謎の序列、人気者の姫山の突然の自殺、そして死後に残された遺書など『遺書、公開。』は謎にたくさんあり、見どころに溢れる作品となっています。

そんな見どころの中でも特に注目してもらいたいポイントをここでは公開します。

謎の序列が生み出した生徒の反応

『遺書、公開。』では、始業式当初にクラス全員に送られた謎の序列が見どころなっています。

スクールカーストのように明確にランキング付けされたその「序列」は、口ではみんなが気にしてないというが、頭のどこかで意識をして生活していきます。

「あの人は1位だから輝いている、こいつは自分より上位だから気に食わない、上位と下位の人間は仲良くできない」など、可視化された序列により、生徒の行動が変わっていく姿は普段多くの人が無意識でやっているだろう行動を表しているように思えて、とても考えさせられます。

普段は見えないランキングが明確化され、それが人にどのように影響をもたらすのかは是非注目してください。

遺書により明らかになる歪なクラス

『遺書、公開。』では、遺書の内容が最大の見どころと言えます。

2年D組の序列で1位を獲得し、クラスの中心人物であった姫山椿が突然自殺をして、クラスメイト全員に遺書を残します。しかし、その遺書の内容は「どうして、この内容にしたんだろう?」と思わざるを得ないものになっているのです。

一見1人1人を想って書いたような内容ですが、皮肉や嫌みが込められていることが公開によって明らかになり、クラスメイトたちの秘密や本性が露わとなって大きな歪みをもたらしていきます。

遺書に隠された伝えたいことやその人物の本性に毎回驚かされるので注目ポイントです。

序列を送った犯人、遺書を残した犯人

また『遺書、公開。』では、序列を送った犯人や遺書を残した犯人も見どころとなっています。

始業式の日にクラスメイト全員に送られた「序列」には何の狙いがあり、誰か送ったのか。そして可視化された序列が生み出した歪んだクラス、さらに、序列と関係があると思われる姫山の死。その死の後に配布された謎の遺書。

そんなすべてが関連しながら謎に包まれている真相が、遺書を公開することで徐々に明かされていき、読者を遺書の公開ごとに楽しませてくれます。

予測不能な犯人や犯人の狙いに翻弄され、驚かされながら『遺書、公開。』を読んでもらいたいです。

>>「U-NEXT BookPlace」を利用すれば、『遺書、公開。』が1巻無料で読めます!



結末が全く予想できない『遺書、公開。』はこんな人におすすめ

『遺書、公開。』はミステリー好きな方にはおすすめの作品となっています。

この物語では、謎の序列に、謎の死を遂げた人気者、そして死後に残された謎の遺書と謎に溢れており、それらが全く予測不能なのです。

そんな謎が遺書の公開するごとに徐々に明らかになり、読むたびに驚かされるミステリーとなっています。

謎が露わになり、2年D組の本性や歪んでいく彼らに楽しみ続けられること間違いなしの内容となっているので、ミステリー好きの方は必ず読んでみてください。

>>「U-NEXT BookPlace」を利用すれば、『遺書、公開。』が1巻無料で読めます!



管理人の思う『遺書、公開。』が伝えたいこと(感想)

遺書、公開。の2-D序列出典:「遺書、公開。」、著者:陽東太郎、出版社:スクウェア・エニックス

『遺書、公開。』では、序列で人を判断することは人間関係を狂わせるというメッセージが感じられます。

この物語では、始業式の日にクラスメイト全員に謎の序列が送られてきて、そこから彼らは頭のどこかで常に序列を意識して生活していきます。

俺が下位なのが気に食わない、私みたいな下位の人間が上位といるとおかしい、などと思いながら、序列により人に対する態度や関わる友達を変えていく姿が描かれているのです。

何の序列かもわからないようなランクに翻弄され、誤った行動をとる2年D組を見ていると人をランク付けして判断することが愚かな行為であることが感じられます。そして、誰でも人をランク付けしたことはあると思いますが、ランクで人を判断すると間違いが起こりやすいのだと思わされました。

現代の何かとランク付けや優劣を付けたがる風潮を風刺しているように思え、考えさせられる作品であり、さらに物語自体もとても楽しめるので、是非多くの方に『遺書、公開。』を読んでもらいたいです。

1度読めば続きが気になって仕方なくなるので、1巻だけでもまずは読んでみてください。

>>「U-NEXT BookPlace」を利用すれば、『遺書、公開。』が1巻無料で読めます!

ABOUT ME
ヨル
漫画紹介をしているヨルです! 毎月150冊以上漫画を読むので、その中で特におすすめの漫画を紹介していきます! 次に読む漫画を探してる方はぜひ参考にして頂けたら嬉しいです^^
関連漫画