『空腹なぼくら』漫画のネタバレ感想｜人間の知能が残ったゾンビによる人類養殖計画…！？

今回ご紹介するのは、ゾンビ漫画でありながらゾンビが主人公という斬新な漫画、『空腹なぼくら』。

ゾンビになってしまったにも関わらず、人間時代の知能や記憶を持ったままという特異体質の主人公・航（わたる）。

そんな彼が思いついた、残った人類を交配させて増やす「人類養殖計画」を実行していく斬新すぎるストーリー。

苦労して見つけた生き残りの女性は、なんとかつて愛した元カノで…！？

1話から次の展開が気になりすぎる『空腹なぼくら』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。

ゾンビによる「人類養殖計画」！『空腹なぼくら』のあらすじ

出典：「空腹なぼくら」、著者：友安国太郎、出版社：小学館

『空腹なぼくら』の設定やあらすじをご紹介していきます。

ゾンビになってしまった主人公が「人類養殖計画」を実行するという斬新な発想と世界観で、ついつい読む手が止まらなくなってしまうような内容です。

作品の設定や概要

著者：友安国太郎（友安国太郎先生のTwitterアカウントはこちらから！）
出版社：小学館（ビッグコミックス、ビッグスペリオール）
ジャンル：ゾンビ、ヒューマンドラマ
巻数：３巻（連載中：2021年1月29日現在）

『空腹なぼくら』は突如ゾンビが現れ、ほとんどの人類が食べ尽くされてしまった世界が舞台です。

ゾンビは人間を食べ、食べられた人間はゾンビ化してしまう、実にオーソドックスなゾンビワールド。

世界がゾンビで溢れた原因や目的は不明。更に言うとゾンビ側が主人公なので、ゾンビ化するウィルスを突き止める！とかゾンビ化を食い止めるワクチンを探す！とかそういった方向にはストーリーが進まないのが面白いところ。

果たしてゾンビ世界を救う「人類養殖計画」は成功するのか…！？

あらすじ

ゾンビによる人類養殖計画、始動！
人間がほぼ絶滅し、食糧危機に瀕するゾンビ社会。
人間の知性と感情を残したままゾンビ化した
特異体質のワタルは、仲間の食糧危機を打開するために
“人類（エサ）養殖計画”“を思いつく。
それは…生き残った人間の男女を交配（セックス）させて
人類（エサ）を養殖するという壮大な計画だった…！
だが、やっと見つけた女が今も未練ある
元カノだったことから…！？
「斬新な設定！」「キツい、怖い、けど続きが読みたい」と
デジタル配信で大反響を巻き起こすゾンビ漫画の新機軸、ついにコミックス発売!!!!!!!
引用）コミックシーモア

ゾンビ世界を生きる人たち『空腹なぼくら』の主な登場人物

ここでは『空腹なぼくら』の登場人物を紹介していきます。

ゾンビ世界を生き残る、それぞれ事情や葛藤を抱えるキャラクターたちに注目です！

航（わたる）

主人公。ゾンビになってしまった男。

人間の頃の知性や記憶が残ったままゾンビ化した特異体質。

「人類養殖計画」を実行するため、生き残った男と女を探していた。

人間だった頃は不器用で何者にもなれず、思い残しや後悔が度々脳裏に蘇る。

立花（たちばな）

ゾンビの世界を生き残っていた女性。ワタルの元カノ。

ゾンビ世界になる前に事故で右足の膝から下を失ってしまい、義足を装着している。

逞しい性格でゾンビ世界を生き残り、ワタルを信頼して行動を共にするが…。

カズ

無精髭を生やしたメガネデブの男。元引きこもりで性欲全開の童貞。

ワタルの人類養殖計画に協力し、ワタルにあれこれ我儘を言いながら生かされ（飼われ）ている。

引きこもり時代の影響で、他人からの目線を気にしたり愛情に飢えている素振りを見せる。

ユウキ

ゾンビの世界を生き残っている青年。

人間の命を奪うゾンビを憎んでおり、ゾンビを全滅させるべく生き残った仲間を集めて廃校で生活している。

ワタルと行動している立花さんとカズを見つけ保護。立花さんとの間に子供を授かる。

海（うみ）

立花さんとユウキとの間に生まれた子供。

ワタルの手で育てられ、母親そっくりの美人に成長する。

初めからゾンビの世界で生まれ育ち、ワタルによって生き残るために必要な知識を教え込まれたため、世界の知識や価値観が極端に偏っている。

人間の男性はカズしか知らず、成長と共に恋愛感情とも興味とも取れる行動をするようになる。

ゾンビと人間の間で葛藤…！『空腹なぼくら』の3つの見どころ（ネタバレあり）

出典：「空腹なぼくら」、著者：友安国太郎、出版社：小学館

『空腹なぼくら』には「人類養殖計画」を実行しようとするワタルの行動を中心に、たくさんの見どころがあります。

そんな数ある見どころの中でも特に注目してほしいポイントを3つご紹介していきます。

ゾンビなのに人間よりも人間臭い、ワタルの苦悩と葛藤

『空腹なぼくら』では、何と言っても主人公であるゾンビ・ワタルの苦悩と葛藤がこれでもかと前面に押し出されています。

ワタルの「人類養殖計画」に不可欠なのは人間と男と女。

しかし苦労して出会った女性は、かつて好きだった元カノ・立花さん。そして立花さんから生まれ、十数年も娘同然にワタルが育てた子供・海。

ゾンビとしてのワタルが「人類養殖計画」を淡々と実行したい思いの裏返しに、人間として人に愛されたいという心の葛藤が痛いほど切なく描かれています。

「何を目的に生きる？何を生きがいに…何を喜びに… 俺は、何で空腹を満たせばいいんだ…？」

人間時代は冴えない人生を送り、ゾンビになってからは簡単に死ぬことも出来ず…。「何かを成し遂げたい」と思う心が痛いほど伝わってくるだけに、次にワタルがどんな行動を起こすのか引き込まれていくこと間違い無しです！

海の成長は？カズくんの心は？家族の愛情表現の切なさ

『空腹なぼくら』では、生き残った人間側の描写も非常にリアルで切ないことが見どころ。

ゾンビに支配されほとんどの人類が食べ尽くされた絶望的な世界で、極わずか残された懸命に生きる人たち。

そんな世界に生まれ落ちた少女・海は、父親から愛情を受けたことのないワタルの手で不器用ながらも育てられていきます。

また、普段は自分の欲望のことしか考えていない冴えない中年・カズくんも、かつて引きこもっていた頃は家族にも相手にされず、愛情に飢えていたことが伺えます。

「愛情」や「幸せ」がキーワードに描かれる、複雑な表情や切ない心境に注目です。

「人類養殖計画」は実現するのか…！？

『空腹なぼくら』では、ワタルが「人類養殖計画」を成功させることが最終目標。

しかしかつて好きだった元カノの立花さんや自分の手で育てた娘同然の海に、非情になりきれないワタル。

果たして人間としての理性や雑念を振り切って、ゾンビの食糧危機を救うことができるのか…！

そして計画が実現した時、ワタルの心は本当に満たされるのか…。

「人類養殖計画」の行く末とワタルたち一行がどうなってしまうのか、この先の展開が気になりすぎる作品なので、是非お手に取って読んでみてください！

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ちょっと新しいゾンビ漫画『空腹なぼくら』はこんな人におすすめ

『空腹なぼくら』は、今までのテンプレなゾンビ漫画には飽きてきた人に特におすすめの作品となっています！

ゾンビ漫画でありながらゾンビ側が主人公という斬新さが新しい！

ゾンビ作品では定番の「ゾンビとどう戦うか」「ゾンビの発生原因を調べる」「ホームセンターに逃げ込んで人間同士のいざこざ」といった展開は無し！

ワタルが人間とゾンビの狭間で葛藤しながら、「人類養殖計画」を実行していくという斬新なストーリーの『空腹なぼくら』を是非ご覧になってみてください。

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紹介者が考える『空腹なぼくら』の伝えたいこと（考察）

出典：「空腹なぼくら」、著者：友安国太郎、出版社：小学館

『空腹なぼくら』は、人間もゾンビも「欲望が満たされないことの苦しさ」を伝えたいように感じられます。

ゾンビは人間を食べ尽くしてしまい「空腹」と戦ってあちこち彷徨うような日々。

人間はゾンビに世界を乗っ取られて「かつての生活」や「人との交わり」が無くなってしまった過酷な環境。

どちらも状況は違えど、欲望が満たされない環境の辛さや虚しさがありありと伝わってきます。

そしてゾンビでありながら理性を持ったワタルの「空腹」は、どのような形で満たされるのか…。

欲望と葛藤が入り乱れる、『空腹なぼくら』を是非この機会にご覧になってみてください。

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『空腹なぼくら』の評価まとめと感想

最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。

漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。

当サイトの評価	4.0（記事作成者の評価）
コミックシーモア	2.8（8件の評価）
まんが王国	5.0（1件の評価）
Renta!	3.9（12件の評価）
BookLive	5.0（1件の評価）
めちゃコミック	3.5（222件の評価）