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『憂国のモリアーティ』”犯罪界のナポレオン”モリアーティが繰り広げるクライムサスペンス漫画のネタバレ感想

憂国のモリアーティ

『憂国のモリアーティ』”犯罪界のナポレオン”、ジェームズ・モリアーティを主役に紡ぎ出されるクライムサスペンス漫画のネタバレ感想

 

コナン・ドイル著書の推理小説、「シャーロック・ホームズ」シリーズを原案に、”犯罪界のナポレオン”と称される犯罪の天才、ジェームズ・モリアーティを主役としたクライムサスペンス漫画『憂国のモリアーティ』。

2018年の「第13回 全国書店員が選んだおすすめコミック」一般部門2位に選ばれました。2019年に初のミュージカル化、それに続き、2020年に舞台化と第二弾となるミュージカル続編が公演され、アニメ化もされる大注目の漫画です。

「シャーロック・ホームズ」シリーズが好きな人にも、全く知らない人にもおすすめである『憂国のモリアーティ』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。

 

シャーロック・ホームズの宿敵、ジェームズ・モリアーティが主役のオリジナル漫画『憂国のモリアーティ』のあらすじ

原案「シャーロック・ホームズ 」シリーズに登場するジェームズ・モリアーティ教授に、様々なオリジナル要素が加えられた全く新しい物語『憂国のモリアーティ』の設定やあらすじをご紹介していきます。

作品の設定や概要

舞台は19世紀末、大英帝国全盛期(パクス・ブリタニカ)のロンドン。

古くから根付く完全階級制度によって、人々の間に身分の差別が生まれ、人口の3%にも満たない上流階級の人間が国を支配していた。

 

主人公は、孤児でありながら博識で、悪を取り除き美しい理想の国にするという志を持っていた。志を同じくする伯爵家の長男、アルバート・ジェームズ・モリアーティによって、弟、ルイスと共にモリアーティ伯爵家へ引き取られ養子となる。

そしてある晩、三人は理想を掴むために、事故に見せかけてモリアーティ伯爵家の屋敷に火を放ち、他の家族と使用人を殺害する。その際主人公はモリアーティ家次男のウィリアム・ジェームズ・モリアーティに成り代わる。

 

大人になった彼らは、自らが悪魔となり、”犯罪”と”死”によって、この国を理想の世界へ変えていこうと動き出す。

 

『憂国のモリアーティ』はミュージカルも行われていて、公式Twitterもあるので是非ミュージカルもチェックしてみてください。

 

あらすじ

19世紀末――。古くから根付く完全階級制度により、上流階級の人間達に支配されている「大英帝国」。

生まれ落ちた時から一生涯の身分が決まるこの社会制度は、必然的に人間同士の差別を生んだ。

そんな中、階級制度による悪を取り除き、理想の国を作ろうとする青年がいた。

これはジェームズ・モリアーティ、或いはシャーロック・ホームズの敵の話――。

引用)ジャンプSQ



ミュージカル、舞台に続く!『憂国のモリアーティ』のアニメ化情報

『憂国のモリアーティ』は2020年10月からアニメがスタートします。

現在発表されているアニメ制作関係者は以下の通りです。

  • 監督:野村 和也シリーズ構成:雑破 業/岸本 卓
  • キャラクターデザイン・総作画監督:大久保 徹
  • アニメーション制作:Production I.G
  • 制作:NAS
  • ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ 声優:斉藤 壮馬
  • アルバート・ジェームズ・モリアーティ 声優:佐藤 拓也
  • ルイス・ジェームズ・モリアーティ 声優:小林 千晃
  • シャーロック・ホームズ 声優:古川 慎
  • ジョン・H・ワトソン 声優:小野 友樹

ミュージカル、舞台に続き、待望のアニメ化が決定しました!こちらはPV第一弾です。とてもかっこいいのでよかったらご覧ください!

アニメでは『憂国のモリアーティ』のどんなところに焦点が当てられて描かれるのかがとても楽しみです!

というのも、わたしはミュージカル1、2、そして舞台も全て観に行きましたが、ミュージカルと舞台版では描かれ方が違ったからです。

ミュージカル版ではウィリアムとシャーロックがダブル主人公で、闇と光として描かれましたが、一方、舞台版ではウィリアム、アルバート、ルイス、三兄弟の絆に焦点が当てられ、3人の世界を変えるための信念が描かれました。

同じストーリーなのにどの視点でみるかでストーリーの解釈が変わるという体験をしたので、アニメでは登場人物たちがどのように描かれるのかに注目していきたいと思います!

PVの他にも、関係者の方のコメントなどTVアニメ『憂国のモリアーティ』公式サイトに掲載されておりますので、気になる方はチェックしてみてください。

また公式Twitterもございますので、アニメ情報を見逃さないようにフォローしておきましょう。



ハードボイルドでカッコいい『憂国のモリアーティ』の主な登場人物

それぞれが強い志を持つ、ハードボイルドでかっこいい『憂国のモリアーティ」の登場人物たちをご紹介していきます。

原案の「シャーロック・ホームズ」シリーズに登場するキャラクターだけでなく、他の小説や未解決事件などから出演しているキャラクターがいるのもとても魅力的です。

 

モリアーティと仲間

ウィリアム・ジェームズ・モリアーティ

現モリアーティ伯爵家の次男。元々は孤児だが博識で天才的頭脳の持ち主。志を同じくする伯爵家の長男、アルバートに引き取られ、モリアーティ伯爵家の養子の三男となる。

腐敗した世界を変える志のため、モリアーティ伯爵家の屋敷に火事を起こした際、次男だったウィリアムに成り代わった。本名は不明。

成長し、その天才的な頭脳で21歳のときには数学教授になり、ダラム大学で教鞭をとる。

副業として私立相談役(コンサルタント)を営み、市民の悩みや問題を解決しているが、裏では「犯罪相談役(クライムコンサルタント)」と名乗り、悪に罰を下し、自由で平等な美しい理想の世界の実現のために、仲間たちを率いて暗躍している。

アルバート・ジェームズ・モリアーティ

モリアーティ伯爵家の長男。伯爵家の長男でありながら、身分によって人を差別する両親や社交界などを見てきて、世界が汚く歪んでいると感じていた。

慈善活動で訪れた孤児院で現在のウィリアムと出会い、自分と同じ志を持っていた彼と弟のルイスをモリアーティ家の養子として引き取る。

理想の世界を実現する志のために、屋敷に火事を起こし、家族と使用人たちを殺害した。伯爵家の家督を継ぎ、地位と財産、権力を手に入れた。

成長した後、陸軍に入隊し出世を重ねるが、情報部に新設予定の特務機関の話を聞き、ウィリアムと策を打って、新設された特務機関「MI6」の指揮官となる。

コードネームは「M」。お酒に強く、いくら呑んでも潰れない。

ルイス・ジェームズ・モリアーティ

モリアーティ伯爵家の四男。現ウィリアムと血の繋がりがある本当の兄弟。幼少の頃は心臓を患っていたが、モリアーティ伯爵家の養子の四男となり、手術を受けて完治した。

成長後は、領主のアルバートに代わり、モリアーティ家の領地の管理や屋敷の執務をこなしている。

人一倍、実兄のウィリアムを慕い、兄の理想のために命をかけている。



セバスチャン・モラン

モリアーティ家の使用人。ウィリアムに忠誠を誓う腹心の部下。

アフガン戦争に従軍した際に戦死したことになっており、戦死によって二階級特進し大佐となった。射撃の名手で、格闘術にも長けている。

仲間内では年長な方であることもあって、まとめ役になったり喧嘩の仲裁をすることもある。

ロンドンの名家出身で、それらしく振る舞えばしっかり貴族社会に溶け込むが、喧嘩っ早い性格で荒っぽく、ポーカーでイカサマをしたり、モリアーティ家の雑務をよくサボる。

フレッド・ポーロック

モリアーティ家の使用人。犯罪の依頼を受ける「犯罪相談役の窓口」をしており、イギリス中の犯罪ネットワークに通じている青年。

仲間内で最も若く、変装術と格闘術に長けており運動能力も高い。

普段は無表情だが、罪のない人の犠牲を悲しみ、困っている人を見捨てない優しさを持っている。そして紳士。

ジェームズ・ボンド

モリアーティ家の使用人。ウィリアムたちに助けられ、新しい人生を与えられる。ファーストネームは三兄弟のミドルネームのジェームズをもらい、ラストネームは縁を意味するボンドをつけた。

MI6の特殊工作員に加わる。潜入工作に長け、身のこなしが軽い。型破りで、機転が利く。美形なので女性にモテる。

ジャック・レンフィールド

モリアーティ家の使用人。モリアーティ伯爵家が火事になった後、後見人として三兄弟が身を寄せたロックウェル伯爵家の執事であったが、ホワイトチャペル事件のあとモリアーティ家に来た。

第一次アフガン戦争時代の白兵戦の達人で、敵味方問わず恐れられ、ついた通り名は「ジャック・ザ・リッパー」。

幼き日の三兄弟に正体を暴かれ、貴族たる所作と殺人術などを教えた人物。またモランに戦術を叩き込んだ人物でもある。



ホームズと関係者

シャーロック・ホームズ

自称、世界でただ一人の「諮問探偵(コンサルティングディテクティブ)」。警察が手に負えなくなった事件を解決している。

抜群の推理力を持ち、格闘術などの身体能力にも長けている。化学実験が趣味で、薬物依存の嫌いがある。労働者階級の訛った話し方をする。

ノアティック号での事件でウィリアムと接触し、ただの事件ではなく裏で操る第三者の存在に気づいたことで、ウィリアムの目にとまる。

その後、ウィリアム達に別の事件で推理力と資質を試され、

ウィリアム達が殺害する特権階級の悪い貴族たちの事件を解かせ、貴族の腐敗を世に喧伝させるヒーロー役に選ばれる。

ジョン・H・ワトソン

アフガン戦争に従軍していたが、負傷して送還された元軍医。

シャーロックとベーカーストリート221Bでルームシェアを開始する。

その後、シャーロックが解決した事件を元に自分たちを主人公とした小説を出版したことで、シャーロックとジョンは名探偵とその助手として有名になる。

ハドソン

シャーロックとジョンが借りている部屋の家主。

シャーロックの性格や行動に呆れ困りながらも、家族のように心配している。

アイリーン・アドラー

米国出身の元プリマドンナ。裏の顔は大貴族や王族などの金持ちを相手にした秘密の高級娼婦、通称"The Woman"。

バッキンガム宮殿から機密文書を盗み出したことがきっかけでMI6に命を狙われ、安全な交渉をするためにホームズに近づく。

ジョージ・レストレード

ロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)犯罪捜査部(CID)の警部。

ホームズの推理力を信頼しており、スコットランドヤードが解決できない事件をホームズに依頼しにくる。

正義感が強く男気がある。

メアリー・モースタン

ワトソンの婚約者。セシル・フォレスター夫人の所で住み込みの家庭教師をしている。

婚約の報告をシャーロックにすると同時に、不可思議な謎を解く依頼をするのだが、それには深い事情があって…。



MI6と政府関係者

マイクロフト・ホームズ

イギリス陸軍情報部の長官で、MI6を新設した。アルバートの直属の上司。

シャーロック・ホームズの兄で、武術や推理でシャーロックに負けたことがない。

シャーロック曰く「政府そのもの」。

マネーペニー

MI6の女性諜報員で、指揮官「M」の秘書。

アフガン戦争の終結というMI6の任務で、モランのサポート役としてともに行動する。

ウィリアムの計画に加担し、ウィリアムに忠誠を誓っている。

フォン・ヘルダー

MI6に所属する盲目の天才ドイツ人技師。Q課(兵器課)の課長。コードネームは「Q」。

ウィリアムの計画に加担している。

ウィリアムの作戦やMI6の任務に必要な装備品を開発製造している。

機械オタク的な面があり、自分が作った武器について延々と語る。

ザック・パターソン

ロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)の犯罪捜査部(CID)の警部で、MI6の内通者。

ウィリアムの計画に加担している。

レストレードとは同期で、協力して更迭したアータートンに変わり、CID主任警部に昇格する。



その他の登場人物

ローウェル

株で悪どい事をしていた悪徳議員。事故死した。

バートン

ダラムに住む農夫。グレープフルーツを栽培している。悪徳貴族を恨み、ウィリアムに復讐の依頼をする。

ミシェル

バートンの妻。悪徳貴族に子供を殺され恨んでいる。

ダブリン

ダラムの土地を治める男爵。妻には先立たれ、使用人4人と屋敷で暮らしている。悪徳貴族。

ルシアン

二百年続くスコットランドの名家、アトウッド子爵家の長男。ウィリアムが教授を務めるダラム大学の生徒。



フリーダ

酒場で働く女性。踊りが得意でロンドンでも有名なバレエ劇団から声をかけられていた。ルシアンと恋に落ちる。

ダドリー・ベイル

ダラム大学の事務局会計主任。

ブリッツ・エンダース

伯爵。ロンドンの貴族で、若くして莫大な財産と家督を継いだ。高慢で派手好きだが端正な顔立ちで女性からの評判がいい。趣味は鹿狩りと称した人狩り。

イーノック・J・ドレッパー

伯爵。ウェールズ出身の35歳。独身。何者かに殺害され、その近くの床に『SHERLOCK』という血文字を残す。

ジェファーソン・ホープ

貴族に恨みがあり、ウィリアムに復讐の依頼をする。持病がありもう長くは生きられない。



ルーシー・フェリア

ホープと結婚を誓い合った美しい女性。

チャールズ・バスカヴィル

ダートムアで人狩りをしていたエンダースの仲間の貴族。人狩りを趣味にしている。

テラード

バスカヴィルの仲間。

グラハム・ダンダーデール

ヴィクトリア女王の大叔父にあたる公爵。インド総督。モランとは因縁がある。

ダリル

昔モランが隊長をしていたアフガン戦争の部隊の工兵。



ザック

昔モランが隊長をしていたアフガン戦争の部隊の工兵。

ランディ

昔モランが隊長をしていたアフガン戦争の部隊の工兵。

デレック

昔モランが隊長をしていたアフガン戦争の部隊の工兵。

エディ・ホウソーン

ウィリアムとシャーロックが居合わせた汽車の客室乗務員。

ケイト

子爵家が持つ児童劇団に所属する平民の少女。



ロナルド・ロリンソン

男爵。ノリッジの貴族でアメリカやフランスにも劇場を経営している。利己主義で残虐な性格。

メラニー・ニコルソン

街娼の女性。イーストエンドのホワイトチャペル付近で殺害された。腹部が切開され内臓を持ち去られていた。

アデリン・バーグマン

メラニーの葬儀の翌日、メラニーと同様の手口で殺害されているのが発見された。

マイケル・ドワイト

ホワイトチャペルの町医者。街娼殺しの濡れ衣で逮捕されてしまう。

アータートン

ロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)の主任警部。



ビル・ハンティング

ウィリアムの試験で満点を取った青年。数学を独学で身につけた。

バクスター

子爵。ウィリアムとルイスが孤児院にいた頃、その孤児院のシスターに別の孤児院を建てるために金を貸してほしいと頼む。

チャールズ・オーガスタス・ミルヴァートン

大手の新聞社や広告会社を経営する大物実業家。英国一の『メディア王』と称されている。

一方で、些細なことから大きなものまで、人を脅迫するネタを見つけては大金をふっかけて脅す『脅迫王』という裏の顔を持つ。

人の破滅を楽しみ、時に人同士が対立するよう仕向けたりする残忍な性格。

アダム・ホワイトリー

庶民院の議員。正義感が強く、後ろ暗さがない、清廉潔白な人物。

貴族院とマフィアが裏で繋がってる証拠を掴み、全ての人の平等のために選挙法を改正する法案を通そうとしている。

ロビンソン

ロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)の刑事。ホワイトリー議員の護衛をする。



スターリッジ

ロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)の刑事。ホワイトリー議員の護衛をする。

サム・ホワイトリー

アダム・ホワイトリー議員の弟。二人家族で、兄を慕っている。足が悪く、車椅子生活をしている。

マーカス

ホワイトリー議員の秘書。

マギー

ホワイトリー家のメイド。

バート・ファウラー

スコットランド・ヤードの巡査。本庁舎の留置所の警備担当をしている一人。



サディアス・ショルトー

メアリーの父と同じ連隊にいた少佐の息子。父親からの遺言で、アグラの財宝をメアリーに渡そうとする。

バーソロミュー・ショルトー

サディアスの兄。ノーウッドにある実家でアグラの財宝を見つけた。

ジョナサン・スモール

義足の行商人。アグラの財宝を盗む。

トンガ

スモールの仲間。毒針使い。スモールと共にアグラの財宝を盗み出す。

グレッグソン

スコットランド・ヤード、レストレードの部下の刑事。

アガサ

ミルヴァートンの本邸でメイドをしている女性。



面白い!『憂国のモリアーティ』の3つの見どころ(ネタバレあり)

理想の国を実現する志のために、時に頭脳的に、時にアクション的に、悪に罰を与えていくモリアーティたちがカッコよく描かれる『憂国のモリアーティ』には、たくさんの見どころが存在します。

そんな数ある見どころの中でも特に注目してほしいポイントを3つご紹介していきます。

三兄弟の絆

『憂国のモリアーティ』では、アルバート、ウィリアム、ルイスのジェームズ・モリアーティ三兄弟の絆が見どころとなっています。

アルバートによって伯爵家の養子となったウィリアムとルイスですが、モリアーティ家はこの国の縮図のような、身分によって人を差別する虚栄の城でした。

アルバートはウィリアムに、理想を掴む知恵と勇気が欲しいと依頼し、三人で共謀し、事故に見せかけて屋敷の大火事を起こします。その際、ルイスは二人に心臓病から救ってくれた報酬として、大人に疑われないためにわざと頬に火傷を負います。

アルバートはウィリアムの理想とする世界を見るために、伯爵としての地位と権力、財産を与えます。そしてウィリアムは、理想のために共に罪を背負う魂の同士を手に入れるのです。

共犯で同士で家族、同じ目的のために過去と現在と未来をも共有し、兄弟三人で"ジェームズ・モリアーティ"という犯罪卿として生きる彼らの絆にご注目ください。

ウィリアムとシャーロックの関係

敵でありながらも認め合っている、ウィリアムとシャーロックの関係が見どころとなっています。

コナン・ドイルが、原案「シャーロック・ホームズ」シリーズを終わらせるため、ホームズの宿敵として登場させるジェームズ・モリアーティ教授ですが、本作の主人公はモリアーティ。

ウィリアムの挑戦に乗って事件を解決したことで、結果的に名探偵となったのが今作のシャーロック・ホームズです。本人はウィリアムの企てだとは気づいていません。

それでも、シャーロックはノアティック号事件で出会ったウィリアムのことを気に入っており、犯罪卿なのではと疑いながらも共に事件を解いたりダラム大学まで会いに来たりします。

ウィリアムも、シャーロックを自分たちの仕立てる殺人劇の主人公として、時々シャーロックにしかわからないメッセージを残して試すなど、シャーロックを気に入っています。

悪の道を進むウィリアムと、犯罪卿を捕まえたいシャーロック、敵であるけどお互いの能力を認めあう二人の対峙にご注目ください。

悪を裁く、カッコいいキャラクターたちの魅力

原案の「シャーロック・ホームズ」だけでなく、他小説や未解決事件から登場したキャラクターたちが、モリアーティたちとカッコよく悪を裁くのも『憂国のモリアーティ』の見どころです。

ウィリアムは犯罪相談役として、知恵と頭脳で様々な企てをし、時には弟ルイスと共に実際に事件の犯人と対峙して直接罰を与えます。腹心の部下、モランはその銃の凄腕で、夜のロンドンでスコープなしでも敵に命中させ、フレッドは身体能力の高さでシャーロックを投げ飛ばしたことも。

他小説から登場するジェームズ・ボンドは、スパイという元の設定が、ウィリアムやMI6の任務を遂行するのに活かされ、その派手で型破りな性格が作品を超え、オリジナリティ溢れる魅力的なキャラクターとして描かれています。

また同じ時代に起こった連続娼婦殺人事件の犯人とされる「切り裂きジャック」が、実際の事件とはずれないようにしながらも、オリジナル設定とキャラクター像で描かれたのも魅力的でした。

話が進むごとにどんどん増える魅力的なキャラクターたち、その犯罪計画と悪を裁くアクションにご注目下さい。

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アニメ化切望の『憂国のモリアーティ』はこんな人におすすめ

『憂国のモリアーティ』は、「シャーロック・ホームズ」シリーズが好きな方にはもちろん、ダークヒーローが好きな方に特におすすめの作品となっています。

『憂国のモリアーティ』は、どちらかというと推理よりも話のテンポやアクションに比重を置かれている作品です。

というのも、ウィリアムの完全犯罪計画が完璧すぎる故に、周りが犯罪卿の仕業と気づかなかったり、事件の全容をシャーロックさえ解けないこともあるのです。

また戦略的に事件を起こす一方で、仲間と共に自ら悪に罰を下しにいくときは、全く躊躇などせずに敵を殺害します。大人数相手に少数でも全く臆しません。

完璧でスマートな犯罪計画をもち、そのあと敵を倒していくカッコいいアクション的なダークヒーローが好きな方は是非『憂国のモリアーティ』を読んでみてください。

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紹介者が考える『憂国のモリアーティ』の伝えたいこと(考察)

『憂国のモリアーティ』では、ダークヒーローが己の信念を貫くかっこよさを伝えたいように感じられます。

本来主人公の敵とされる悪役。しかしこの作品では、「なぜ悪は悪を犯すのか」という理由に焦点が当てられているように思います。

悪役にだって悪を犯すそれ相応の覚悟と志があるのではないか、それは悪ではあるが、別の視点から見れば善の行動なのかもしれない、と考えさせられる深い作品です。

悪役にだって守りたいものがあり、そのために悪を犯し、その罪をちゃんと背負って進んでいる。故にダークヒーローはかっこよく、その生き方に共感してしまうのではないでしょうか。

理想のため、志のためにまっすぐ悪の道を生きる彼らを、かっこよく思わずにいられません。毎話テンポよく進む展開にワクワクが止まらない作品となっておりますので、是非この機会に『憂国のモリアーティ』をご覧になってみてください。

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『』の評価まとめと感想

最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。

漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。

当サイトの評価4.8(記事作成者の評価)
コミックシーモア4.8(224件の評価)
まんが王国4.5(11件の評価)
Renta!4.6(113件の評価)
BookLive4.6(80件の評価)
めちゃコミック4.4(107件の評価)

※それぞれ5段階評価となっています。

松帆 うら
松帆 うら

ストーリーも登場人物たちもとてもカッコ良くて面白い作品です!

わたしは『シャーロックホームズ』シリーズの原作著書は読んだことはなくて、映画やドラマで触れてきて大好きな作品です。

『憂国のモリアーティ』では原作に実際にあるお話が元になっているので、ちょっとでも『シャーロック・ホームズ』シリーズを知ってる人は読んでいてあの話だ!とドキドキすること間違いなしです!

また、全く知らない人は、『憂国のモリアーティ』を読んで、『シャーロック・ホームズ』シリーズに興味がわくかもしれません!

登場人物たちがみんなカッコ良くて、それぞれの信念のために階級制度や悪の貴族に立ち向かっていく姿にハマってしまうことでしょう!

ミュージカル、舞台、アニメとさまざまにメディア化してきた『憂国のモリアーティ』にこれからもとてもとても期待していますし、続きが楽しみです!

是非この機会に『憂国のモリアーティ』をご覧になってみてください。

『憂国のモリアーティ』が気になる人におすすめの類似作品

『憂国のモリアーティ』に興味がある方におすすめの、華麗な推理と派手なアクションが面白いミステリー漫画をご紹介したいと思います!

ご紹介する漫画は、ミステリー作家、漫画原作者として知られる城平京先生が原作の漫画『虚構推理』です。

怪異たちの知恵の神となった少女と、怪異を食べて人間ならざるものになった青年が繰り広げるミステリーアクション漫画『虚構推理』。

ミステリーとして面白く、さらにアクションが派手でイラストにも迫力がありますし、原作小説一冊まるまる一つの事件を解くことに使っているので、ストーリーにとても読み応えがあります!

原作小説分以降も漫画が続いていて、こちらもアニメ化した人気の作品です。

下の記事では『虚構推理』の詳しい内容や無料で読む方法をご紹介しているので、合わせてご覧ください。

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2つ目の作品は『無能なナナ』です。

表紙や雰囲気、はじめのキャラクターたちからは全く想像もつなかい衝撃すぎるストーリーが広がる正義と悪の知略サスペンス漫画となっています。

”人類の敵”の正体、主人公の柊ナナの正体、伏線まみれの壮絶な心理バトルに、あなたは何度も何度も騙されるでしょう。

「憂国のモリアーティ」と同じタイミングでアニメ化されるので、ぜひアニメと合わせてご覧ください。

下の記事では『無能なナナ』の詳しい内容や無料で読む方法をご紹介しています。

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松帆 うら
イラストレーターの松帆うらです* 漫画が大好きで、『漫画が酸素』書店ライターをしています。同じ漫画が好きな方みな同士だと思ってます!!漫画の内容だけでなく、作者さんのこと、メディア化情報など、漫画に関わる様々なことを含めて、漫画の面白さを伝えたいです!
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