『じゃあ、君の代わりに殺そうか？』胸糞グロ友サスペンス漫画のネタバレ感想

こんな過激な問題作、今まで読んだことない…そんな気さえしてしまうほどの世界観がクセになる『じゃあ、君の代わりに殺そうか？』。

タイトル回収もさることながら、人を殺すより怖いことがあるんだと思ってしまうほど、人間の怖さみたいなものをリアルに表現した作品になっています。

何を考えてるのか分からない登場人物の、ただならぬ雰囲気も垣間見える『じゃあ、君の代わりに殺そうか？』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。

蔵人幸明先生と榊原宗々先生が描くサイコホラー漫画『じゃあ、君の代わりに殺そうか？』のあらすじ

出典：「じゃあ、君の代わりに殺そうか？」、原作：蔵人幸明、漫画：榊原宗々、出版社：秋田書店

試し読みからの印象が180度変わる『じゃあ、君の代わりに殺そうか？』の設定やあらすじをご紹介していきます。

原作は『ドリィキルキル』でお馴染みの蔵人幸明先生。漫画を担当しているのは、『今夜は月が綺麗ですが、とりあえず死ね』で一躍脚光を浴びた榊原宗々先生という、サスペンス界隈騒然のタッグが手がけたこの作品。

まさかそんなことになるなんて…と誰もが予想だにしない展開が繰り広げられます。タイトル、表紙からも伝わる、どこか言いようのない不安感が読者を煽ってきますよね。これから訪れる得体の知れない恐怖に備え、そしてゆっくりと、ストーリーを読み始めてください。

作品の設定や概要

原作：蔵人幸明（蔵人幸明先生のTwitterアカウント）
漫画：榊原宗々（榊原宗々先生のTwitterアカウント）
出版社：秋田書店（ヤングチャンピオン・コミックス、別冊ヤングチャンピオン）
ジャンル：ミステリー、ホラー
巻数：３巻（連載中：2020年11月11日現在）

設定として、地獄のようないじめの日々に耐え忍んでいた主人公の優馬。ある日、そんな優馬を、同じクラスの雨里が救ってくれます。

元々知り合いだったわけでもなく、話したことすらなかった彼からの、突然差し伸べられた手にすがった優馬。しかし、それは更なる地獄への始まりだったのです。

いい人だと思っていた人が、実は絶対に関わってはいけない危険人物だったとしたら、あなたはどうしますか？

あらすじ

絶望的なイジメの日々から僕を解放してくれた君…。
だけど、君が現れてから新たなる地獄の日々がはじまったんだ…。
ねえ、君は一体、何者なの……? 信じられるのは誰…?　戦慄の親友サスペンス!!
引用）コミックシーモア

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疑心暗鬼に陥る『じゃあ、君の代わりに殺そうか？』の主な登場人物

登場人物全員が何かしらの悩みを抱え、そして闇深い思惑を巡らせている『じゃあ、君の代わりに殺そうか？』。

それぞれが抱える他人には言えない苦悩と戦う姿とは裏腹に、そこに現れた異端分子が物語をかき乱していく『じゃあ、君の代わりに殺そうか？』の主な登場人物をご紹介していきます。

藤倉優馬(ふじくらゆうま)

放送作家を目指す高校1年の主人公。隣のクラスの西野たちに虐められる日々を繰り返していたが、自分が我慢すればいいと思って耐えていた。

放送作家志望だったので、唯一の拠り所はラジオを聴くことと、コーナーにはがきを送って読んでもらうこと。

ある日、同じクラスの雨里涼に、西野の達からのいじめをかばってもらう。その後、妙に涼が世話を焼いてくれるようになり、いつしか親友と呼ぶまでに仲良くなる。優馬を助けたい、そう雨里に言われ優馬は、素直に助けを乞う。雨里も同じくラジオにハガキを投稿していることを知り、同じ趣味の人に会えた喜びから、徐々に雨里に心を開いていった。

しかし、雨里の言動が次第に狂気じみたものに。そして、どんどんと雲行きは怪しくなっていき…？

雨里涼(あめざとりょう)

虐められていた優馬を助けてくれた同じクラスの男子生徒。容姿端麗でとても優しく、クラスで浮いていた優馬に友達になろうと声をかける。中学時代はアメリと呼ばれていたらしく、優馬にもアメリって呼んでと、気さくに話しかけてくれていた。

しかし、ある日を境に、彼の猟奇的な素顔が露わになっていく。優馬をいじめていた西野をボコボコに殴った挙句自宅に監禁、側近だった村上やカズも想像絶する仕打ちを受けることになる。

出会って間もない雨里の不可解な言動に、優馬は疑心暗鬼になっていく。行き過ぎたまでの優馬への献身的な手助けは思わぬ方向へと進んでいく。

果たして彼の正体とは、そしてその目的とは一体…。

西野(にしの)

優馬の隣のクラスの男子。中学の時も優馬を虐めており、助けに入った男の子を死ぬ寸前まで殴り、頭にライターオイルをかけて燃やしたことがある。燃える様子を見て爆笑していたと優馬が証言しているくらい危ない存在である。

ところが憂さ晴らし相手だった優馬の近くに雨里涼が突如現れ、優馬に手を出したら殺すとまで言われ、挑発を受ける。そのことに腹を立てた西野は、自らの手で雨里に報復しようと試みるも返り討ちになってしまい、雨里の家の地下に監禁されてしまう。

そしてそこから、想像もつかない地獄のような展開へと巻き込まれていく。

横田悠奈(よこたゆうな)

優馬たちと同じクラスの女子生徒。

笑顔を一切見せないクールな顔立ちで、何を考えているか分からない、不思議な雰囲気を漂わせている。しかし、その裏で中学三年間、男子生徒に性的ないじめを受けていた過去ある。そのため片道一時間半かけて虐めた連中がいない高校に通っている。

ところが高校進学した今でも、最寄駅でいじめをしていた連中が待ち伏せし、中学時代と同じように体の関係を強要してくることに悩んでいた。

優馬が虐められているのを見て、昔の自分も重ねていてもたってもいられなくなり先生に相談したり、いじめの現場まで行って止めようとしていた。それと同時に、優馬をいじめから救おうとしている雨里の存在も気になっていて、あわよくば自分のことも救ってくれないだろうかと画策している。

村上(むらかみ)

西野の側近の1人。中学時代からの仲で西野が中学卒業したら東京に行くと言ったのを止めて、高校に入れさせた。西野達とつるんで優馬を虐めている。

西野が監禁されてすぐ、学校で雨里に顔を原型がなくなるまで殴られた挙句、顔に火をつけられ燃やされて病院に搬送される。

カズ

西野の側近の1人。中学時代から西野達とつるんでいるが、内心西野に対して反抗心を抱いている。

村上が病院で入院を余儀なくされてすぐ、今度はカズも雨里に頭部を鈍器で殴られ襲われる。

麻央(まお)

優馬の年上の幼なじみ。近所に住んでいて、幼少の頃に優馬のことをいろいろ面倒見てくれていた。

牛島(うしじま)

中学時代、悠奈を虐めていた主犯格。高校になっても悠奈に過去の写真を流出させると脅して、都合の良いように迫ってくる。親が開業医でお金持ち。

アニメ化したら絶対深夜枠確定『じゃあ、君の代わりに殺そうか？』の3つの見どころ(ネタバレあり)

出典：「じゃあ、君の代わりに殺そうか？」、原作：蔵人幸明、漫画：榊原宗々、出版社：秋田書店

読めば読むほど気持ちが沈んでいくのに、更なる不幸を期待してしまう『じゃあ、君の代わりに殺そうか？』にはたくさんの見どころが存在します。

そんな数ある見どころの中でも、特に注目してほしいポイントを3つご紹介していきます。

過激すぎる報復劇

『じゃあ、君の代わりに殺そうか？』では、そこまでする！？と思わず度肝を抜くような、強烈なシーンが見どころとなっています。

正直、目を背けたくなるような場面が突然現れるので、苦手な人は注意して読んでほしいです。

優馬をいじめから助けた雨里に対し、気に食わなさから報復を試みる西野。その西野を雨里は返り討ちにしただけでなく、自宅の地下に椅子に縛り付けて監禁。そして、そこでとんでもない仕打ちを繰り広げます。

私の口からは決して言えない想像を絶する報復劇。気分が悪くなっても一切責任は負いませんが、気になる方は是非、読んでみてください。

雨里の正体

また『じゃあ、君の代わりに殺そうか？』では、謎に包まれた雨里の正体を推察するところも、見どころの一つとなっています。

あなた本当に高校生ですか？とツッコミたくなるほど高校生離れ、いや現実離れしすぎた彼の言動。ホラー漫画並みに怖かったシーンまであり、得体の知れない不安感に襲われながら、作品を読み進めることになります。

最初の段階では、彼が何を考えているのか全く分かりません。敵なのか味方なのかすら、最終巻を読まないことには、真実にたどり着くことは難しいと思います…。そんな謎に満ちた彼の正体を知っていくことを、恐る恐る楽しみにしている自分に気付くかもしれませんね。

優馬と雨里の関係性

そして『じゃあ、君の代わりに殺そうか？』では、異常とも思える優馬に対する雨里の協力的な態度や2人の関係性も見どころの一つとなっています。

ほぼ初対面の相手にそこまで尽くす？と疑問を覚えるほど優馬に固執する雨里。キーワードは「友達」。雨里が頻繁に口にするこのワード、友達とはこうである、のような型にはめ込んだ考え方を優馬と共有しようとします。しかし、雨里の言う友達の定義は、決して生半可な可愛いものではないことは、聞かずとも分かるといった具合です。

友達のいなかった優馬にとっては、雨里は地獄のような日々から救ってくれた頼れる存在かつ唯一の友達として認識でいました。しかし、果たして雨里も同じような認識で、優馬に手を差し伸べたのでしょうか…。

どう考えてもそうとは思えない雨里の裏の顔が垣間見えるたびに、彼の目的は何なのか、なぜ他でもない優馬に近づいたのか。そして、優馬が抱く雨里への心境の変化を通して、お互いをどういう対象として認識していくのか。考えれば考えるほど泥沼にはまりそうな、重く冷たい展開があなたを待ち受けています。

「君は僕を…救ってくれたんだよね？」作中で優馬が放ったこの言葉の意味、果たしてあなたはどう受け止めますか？

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結末予測不可能『じゃあ、君の代わりに殺そうか？』はこんな人におすすめ

『じゃあ、君の代わりに殺そうか？』は、誰も救われないサイコホラー漫画が好きな人には、特におすすめの作品になっています。

1巻からじっくり読んでみると分かるのですが、この作品、誰も救われません。正直、最終回でどんな結末を迎えるのか全く予想がつかないほどです。どんどん濃くなっていく不穏な空気が、我々読者の不安感を煽ってくるのです。

続きを読むのが恐ろしくなってしまうほど、ストーリーは猟奇的で狂気じみたものになっていきます。ページをめくる手も重苦しくなって、平常心で読み進めるのが困難になる程です。

西野たちのいじめから助けてくれたはずの雨里と関わるうちに、優馬は雨里の知ってはいけない一面を目撃。そして、踏み入ってはいけない領域にどんどん追い込まれていきます。救われるどころか、ますます救いようのない絶望的なストーリー展開に、きっと胸焼けを起こすかも知れません。

1巻目からじっとりと、確実に闇深い展開に持っていかれるゾクゾク感を、是非体感してください。

管理人の思う『じゃあ、君の代わりに殺そうか？』が伝えたいこと（考察）

出典：「じゃあ、君の代わりに殺そうか？」、原作：蔵人幸明、漫画：榊原宗々、出版社：秋田書店

『じゃあ、君の代わりに殺そうか？』は、他力本願でいると痛い目に合うよ、ということを伝えたいように感じます。

悲惨ないじめの日々から本当は逃れたかった優馬と、過去に同じようにいじめを受けていた悠奈。初めは雨里に救ってもらった優馬に羨望の目を向けており、結果的に悠奈も今なお続くいじめから救ってほしいと雨里に頼む事になります。

ですが、その間に雨里の手によって、優馬は引き返せない窮地へと誘い込まれてしまうのです。そして悠奈も、雨里に助けを求めたばかりに、自分が望んだ結果と違う、行きすぎたやり方をされ、雨里に頼んだことを後悔する事になります。

見ず知らずの人に、無償で、ただ助けを求めるだけでは、解決方法が自分の都合の悪い方向に誘導されてしまっても文句は言えませんよね。良かれと思ったやったと言われたり、やり方は何でも構わないと思ったと言われてしまえば、口約束の範囲内ではどうすることもできません。

他力本願で誰かに助けを求めることへの恐怖心を煽られる作品になっているので、彼らを反面教師だと思って読んでみるのも面白いかもしれないですね。殺したいほど嫌いな人がいて、見ず知らずの第三者が「助けてあげようか？」と問いかけてきても、安易にYESと言ってはいけません。それは地獄の始まりかも知れませんからね…。

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『じゃあ、君の代わりに殺そうか？』の評価まとめと感想

最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。

漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。

当サイトの評価	4.5（記事作成者の評価）
コミックシーモア	4.3（32件の評価）
まんが王国	4.6（17件の評価）
Renta!	4.4（95件の評価）
BookLive	4.9（19件の評価）
めちゃコミック	3.3（74件の評価）