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『煙と蜜』漫画のネタバレ感想|歳の差を超えて想い合う純愛大正ロマンス漫画

『煙と蜜』漫画のネタバレ感想|歳の差を超えて想い合う純愛大正ロマンス漫画

 

12歳の少女と30歳の将校の歳の差恋愛が独特な雰囲気で甘やかに描かれた大正ロマンス漫画『煙と蜜』。

タバコを燻らせる大人の雰囲気を持った将校にドキドキたじたじなヒロインがとても可愛らしいのですが、はしたない感じややらしさがなくていじらしくてかわいらしいです。

18歳もの歳の差恋愛物語ですが、頑張り屋な良家のお嬢さんとの純愛ロマンスとして描かれていて、詩的な言葉選びにうっとりしてしまいます。

ちょっぴり面白くて温かく包まれるような大正ロマンス漫画『煙と蜜』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。

 

12歳の少女と30歳の将校『煙と蜜』のあらすじ

大正時代、12歳の良家のお嬢様と30歳の陸軍将校、18歳も歳が離れた許嫁関係の2人の歳の差恋愛を描く『煙と蜜』の設定やあらすじをご紹介していきます。

作品の設定や概要

  • 著者:長蔵ヒロコ
  • 出版社:KADOKAWA(HARTA COMIX)
  • ジャンル:ラブストーリー、大正ロマンス
  • 巻数:2巻(連載中:2020年10月27日現在)

 

設定として、大正5年の名古屋が舞台です。帝都(東京)のお屋敷で暮らしていた花塚 姫子(はなづか ひめこ)は母親の養生のために母方の実家名古屋へ引っ越してきました。

姫子は若干12歳の小学校へ通う少女。しかし、彼女にはお家同士が決めた許嫁、土屋 文治(つちや ぶんじ)がいます。彼は陸軍に勤めていて、年齢は30歳。

主に文治が姫子の家を訪れている際の日常が描かれる1話完結型で構成されていて、2人が許嫁として想い合うやりとりに心を温められます。

近代化が進む華やかで活気ある大正時代、歳の差恋愛を乗り越えて少しずつ愛を育んでいく姫子と文治の純愛ロマンス作品となっております。

あらすじ

花塚姫子12歳、土屋文治30歳。ふたりの関係は「許婚」だった――。

西洋のモダンな文化が広がり始めた大正時代。華やかで活気に溢れたその空気の中で、「文治さま」「許婚殿」と呼び合うふたりは、18の歳の差を超え、ゆっくりと愛を育んでいく。

『ルドルフ・ターキー』でアメリカ黄金期を活写した長蔵ヒロコの最新作は、濃厚で芳醇な愛の物語。読切掲載時に熱狂的な支持を得て連載化が決まった本作、待ち望まれた第1巻がついに刊行!!

引用)コミックシーモア



着物と軍服に身を包む魅力的な『煙と蜜』の主な登場人物

少しずつ西洋のモダンな文化が広がる大正時代の独特で粋な雰囲気を感じる魅力的な『煙と蜜』の登場人物たちをご紹介していきます。

花塚 姫子(はなづか ひめこ)

12歳。母の病気のために帝都から名古屋へ引っ越してきて、尋常小学校に通っている。おかっぱの髪で頭の上にリボンを結んでいる。

純粋で頑張り屋の明るい性格。許嫁の文治のことが大好き。文治のことは『文治さん』と呼んでいる。

土屋 文治(つちや ぶんじ)

30歳。姫子の許嫁。帝国陸軍第三師団、歩兵第六連隊の隊員。少佐。普段軍服で生活しており、目の下に濃いクマがある。タバコを吸っている。落ち着いた雰囲気の大人の男性。

花塚 瑞子(はなづか みずこ)

姫子の母親。名古屋出身。胃潰瘍(いかいよう)を患っており、安静にするために姫子と共に名古屋の実家へ引っ越してきた。

花塚 敬次郎(はなづか けいじろう)

姫子の祖父。文治のことも気に入っており、将棋に誘うことも。



龍子(りゅうこ)

花塚家の女中頭。静岡出身。姫子のことは東京にいた頃から世話を一番焼いていて、姫子のことが大好き。優しく美人で姫子の憧れ。

月子(つきこ)

花塚家の女中。名古屋出身。

星子(ほしこ)

花塚家の女中。名古屋出身。

こま子(こまこ)

花塚家の女中。新垣出身。長身でがっしりした体付きをしており、麻呂眉と両肩のおさげ(三つ編み)髪が特徴的。

女中の中で唯一、姫子からちゃん付けで呼ばれている。おっちょこちょいなところがある。

武藤(むとう)

帝国陸軍第三師団、歩兵第六連隊の隊員。大尉。髭の濃い豪快な人柄。



三ヶ尻(みかじり)

帝国陸軍第三師団、歩兵第六連隊の隊員。中尉。スキンヘッドで女性口調。ボタンつけもお手の物。

天道(てんどう)

帝国陸軍第三師団、歩兵第六連隊の隊員。少尉。堅物。

田丸(たまる)

帝国陸軍第三師団、歩兵第六連隊の隊員。初年兵。たらこ唇。

三田(みつた)

帝国陸軍第三師団、歩兵第六連隊の隊員。初年兵。身長が低くそばかすが目立つ。

角田(かくた)

帝国陸軍第三師団、歩兵第六連隊の隊員。初年兵。顔と鼻が四角い。



面白い!『煙と蜜』の3つの見どころ(ネタバレあり)

背徳感がくすぐられる歳の差恋愛、引き込まれる世界観、『煙と蜜』にはたくさんの見どころ存在します。

そんな数ある見どころの中でも特に注目してほしいポイントを3つに絞ってご紹介します。

幼い姫子と大人の文治の歳の差恋愛

かわいらしく純粋無垢な姫子と人相は怖いけれど優しく大人の落ち着いた雰囲気を持つ文治の、少しずつ寄り添うような歳の差恋愛にご注目ください。

姫子と文治は家同士が決めた許嫁です。しかし大人で優しく頼もしい文治のことを姫子は大好きで、文治といるだけでそわそわドキドキしてしまう姿がとてもかわいらしいです。

大好きな文治と一緒にいるだけ、お話しするだけでドキドキしてしまう姫子。12歳の少女の素直に恋心を表現する姿に女性らしさがあって、背徳感を感じてしまいます。

急激な甘い雰囲気や描写がある一方で、文治の大人で節度あるやり取りがいやらしくないため、ロリ少女との歳の差恋愛への嫌悪感はありません。お互いを想い合う2人の距離感にご注目ください。

文治の大人で粋な雰囲気

陸軍に勤め、30歳でさまざまな経験をしたきたのだとわかる文治の大人で粋な雰囲気に心を奪われてしまいます。

まだまだわからないところも多い文治の出自。いつも目の下に濃いクマが刻まれているため人相は怖いですが、少しでも幼い許嫁を怖がらせないような配慮をしていたり、とても紳士らしい大人の男性です。

不意に姫子がドキドキしてしまうような行動をしますがいやらしさはなく、かと言って全く恋愛相手にしていないというわけではなくて、紳士として心得ているのだとわかります。

姫子と比較すると尚更ではありますが、これまでの人生から様々なことを考えていて、ある意味達観しているようにも感じますが、大人らしく粋な雰囲気の魅力的な文治にご注目ください。

魅力的な言葉と世界観

詩的で美しい言葉選びと引き込まれてしまう味のある世界観にご注目していただきたいです。

姫子はとても頑張り屋で、周りの大人たちと比べて自分にはできないことばかりだと落ち込んだり、文治の許嫁として相応しい人になりたいと健気に努力しています。

そんな姫子にかける文治の言葉はとても優しく語りかけるようで、詩的な美しい言葉が使われています。タイトルの煙に関する話は特に素敵な表現がされていたのでぜひ読んでいただきたいです。

良家のお嬢様で世間を知らない無垢さ、少しずつ成長していく幼い少女への愛しさが世界観に溢れていて引き込まれることと思います。儚げで穏やかな世界観にご注目ください。

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時代恋愛にトキメク『煙と蜜』はこんな人におすすめ

『煙と蜜』は大正ロマンスやいい意味で一昔前の少女漫画の雰囲気が好きな方に特におすすめの作品となっています。

具体例を出しますと、数年前にリメイク映画が公開された『ハイカラさんが通る』などが好きな方に特におすすめな作品となっています。

わたしは再放送などでハイカラさんが通るのアニメを見たりしましたが、あのちょっと笑える雰囲気と、懸命に生きながら愛を通わせるストーリーに重みがあって好きです。

最近の少女漫画の恋愛ストーリーと比較しているわけではありませんが、世代が代わって男女が平等で、肉食女子などの言葉ができた現代とは、恋愛の仕方が違いますよね。

そんないい意味で考え方が違う時代の恋愛がとても儚く愛しいものに感じられます。大正ロマンスなどの時代に左右される美しい恋愛ストーリーが好きな方は是非この機会に『煙と蜜』をご覧になってみてください。

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紹介者が考える『煙と蜜』の伝えたいこと(考察)

『煙と蜜』では、年齢の差を超えた恋心を伝えたいように感じられます。

姫子は良家のお嬢様ですから無垢で無知なことも多いですが、病気の母を思い、周りの大人をみて少しでも自分にできることを探そうとする素晴らしい女性です。

そんな一生懸命な姫子だからこそ、家同士が決めた歳の差もある幼い許嫁に対し、文治も真剣に向き合うのではないでしょうか。

これから訪れるであろう戦争や震災を超えて、2人が無事に結ばれ幸せになることを祈るばかりです。

健気で儚さのある情緒的な作品となっておりますので、是非この機会に『煙と蜜』をご覧になってみてください。

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『煙と蜜』の評価まとめと感想

最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。

漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。

当サイトの評価4.6(記事作成者の評価)
コミックシーモア4.8(275件の評価)
まんが王国
Renta!4.7(651件の評価)
BookLive4.7(97件の評価)
めちゃコミック

※それぞれ5段階評価となっています。

松帆 うら
松帆 うら

少女らしい純粋で、だからこそまっすぐで正直に照れたり恥ずかしがる姫子ちゃんに悶絶でした!!!

そして文治さんがとてもいい人!!!子供であるけど許嫁として対等に接する文治さんの大人の魅力に滾りました…!!笑

大正ロマンの世界観はもともと好きなのですが、可愛らしくて味があってとても面白かったです!特に見開きのページがシンプルなのに引き込まれるような表現がされていて印象的でした!

姫子ちゃんはとても素敵なレディへと成長していくんだと思います!続きが楽しみです!ハッピーエンドになりますように…。ぜひ『煙と蜜』をご覧になってみてください。

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『煙と蜜』が気になる人におすすめの類似作品

ここでは『煙と蜜』に興味がある方におすすめの類似漫画をご紹介していきます。

1つ目は、時代恋愛が描かれる作品で、大財閥の家督争いと社会的格差によるドロドロの人間関係が描かれるボーイズラブ漫画『オメガ・メガエラ』です。

この漫画はボーイズラブジャンルのオメガバースを扱った作品となっています。純愛的なラブストーリーでもないですし、人間関係が本当複雑でスリリングな展開の多い話です。

しかし、この漫画ははボーイズラブ設定の作品という分類では括れないほど、時代情緒があってすごく面白い作品です!!

BLは読まないという方でも、時代恋愛が好きな方には是非読んで頂きたい作品です!是非この機会に『オメガ・メガエラ』をご覧になってみてください!

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2つ目は、純粋で謙虚なヒロインが可愛い作品で、『わたしの幸せな結婚』です。

家族から蔑まれて自分の人生を諦めきっていたヒロインが、冷酷無慈悲と言われる男性のもとへ嫁入りしてから、少しずつ幸せな生活を送るようになる恋愛となっています。

和風の世界観と謙虚で美しいヒロインやヒロインに優しい旦那さんの存在など「煙と蜜」に似た雰囲気を醸し出しているので、合わせてご覧になってもらいたいです。

下の記事では、『わたしの幸せな結婚』の詳しい内容や無料で読む方法などをご紹介しています。

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松帆 うら
イラストレーターの松帆うらです* 漫画が大好きで、『漫画が酸素』書店ライターをしています。同じ漫画が好きな方みな同士だと思ってます!!漫画の内容だけでなく、作者さんのこと、メディア化情報など、漫画に関わる様々なことを含めて、漫画の面白さを伝えたいです!