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『なれの果ての僕ら』漫画のネタバレ感想!─52時間─の善性が試される極限サバイバル

なれの果ての僕ら

『なれの果ての僕ら』漫画のネタバレ感想!─52時間─の善性が試される極限サバイバル

 

仲良しのクラスメイトが閉じ込められ、極限状態で「善悪」が試される実験を行うことになった禁断のサスペンス漫画『なれの果ての僕ら』。

クラスメイトが命の危機に瀕した時だからこそ露わになっていく感情や善性が欲望に屈服して憎悪が広がっていく光景を見て、自分の中の大切な「何か」が崩壊していくような感覚に陥ります。

そして事件の全貌を知ったうえで事件当日の様子が語られていく圧巻のストーリー展開に、読み始めたら止まれません。

内海八重先生が描く倫理崩壊サスペンス『なれの果ての僕ら』のあらすじや登場人物、見どころをネタバレや感想を含めてご紹介していきます。

 

内海八重が描く新作サスペンス『なれの果ての僕ら』のあらすじ

なれの果ての僕らの事件の全貌出典:「なれの果ての僕ら」、著者:内海八重、出版社:講談社

「骨が腐るまで」という人気作を世に放った内海八重先生の最新作である『なれの果ての僕ら』の設定やあらすじをご紹介していきます。

52時間の監禁で仲が良かったクラスメイトたちがどのように変貌していくのか是非ご覧ください。

作品の設定や概要

 

事件は52時間23分後、約3日間に及んだ四ノ塚小学校旧校舎での立てこもり事件は、機動隊の突入を持って解決される。

首謀者は、この学校の卒業生である夢崎みきお(16歳)。みきおが同窓会と称してかつてのクラスメイトを呼び集めて監禁した。

事件発生直後、1名が硫酸による化学熱傷及び呼吸困難により死亡。その日のうちにさらに2名が毒物によって死亡する。さらに事件2日目、彼らは仲間同士で殺し合いを始めた。

その結果、1人は頭部が砕け散り、2人は内臓が破裂してそれぞれ死亡し、首謀者の夢崎みきおも死亡した。

首謀者が死亡したにも関わらず、その日の夜に2名が投身自殺。さらに事件3日目は激しい争いが発生し2名が死亡した。

事件の結果が分かっている状況で、どのように四ノ塚小学校の同窓生たちが争い合っていったのかが、事件の2週間前から語られていくストーリー展開となっている。

 

また、みきおは学校の下に通じる階段全てに硫酸のミストが出る仕掛けを施していて、他にも罠がある可能性があるため、クラスメイトたちは小学校を出ることができない。

さらに妨害電波で辺り一帯に流して、外部との連絡は不可能な状況になっている。

あらすじ

『骨が腐るまで』内海八重の最新禁断サスペンス!
同窓会のために母校に集まった四ノ塚小学校元6年2組の27人は、そのまま監禁された。首謀者の名は、夢崎みきお。目的は「極限状態での善性を試す」こと…。偽りの同窓会で行われる、“善悪”を暴く背徳の実験。

同窓会のために母校に集まった四ノ塚小学校元6年2組の27人は、そのまま監禁された。首謀者の名は、夢崎みきお。目的は「極限状態での善性を試す」こと。たった52時間の監禁劇は、薄皮を剥ぐように、人間の本性を暴いていった。疑惑、欲望、暴露、復讐、そして裏切り。正義と道徳を問う、禁断のサスペンス。

引用)コミックシーモア



欲望が露わになる『なれの果ての僕ら』の主な登場人物

『なれの果ての僕ら』では、監禁されて命の危機が身近にある極限状態に陥った高校生たちが次々に欲望を露わにしていきます。

そんな極限状態に追い込まれた四ノ塚小学校の卒業生たちをご紹介しています。

真田透(さなだ とおる):ネズ

出席番号15番。6月1日生まれ。ふたご座。身長166㎝。体重58㎏。B型。愛称はネズ。

物語の主人公。数学が苦手。事件の首謀者のみきおとは妙に仲が良かった。

監禁されてクラスメイトの命が奪われていく状況をどうにかしたいと思っているが、空回りしてしまう。

夢崎みきお(ゆめさき みきお)

出席番号26番。9月27日生まれ。てんびん座。身長176㎝。体重63㎏。AB型。

事件の首謀者である少年。同窓会と称して小学校のクラスメイトを呼び集めて監禁した。

かなりの資産家の息子で、同窓会には宿泊道具一式をそろえて、仮設シャワーなども用意した。

完璧超人だった人物だが、ネズに会うだけで涙を流すほどネズのことは昔から特別扱いをしていた。

桐嶋未来(きりしま みらい)

出席番号9番。2月27日生まれ。うお座。身長156㎝。体重47㎏。O型。

ネズの彼女。頭が良くてモテるがなぜかネズと付き合っている。

そして、いつもネズの味方をする優しい性格。

早乙女(さおとめ)

「えのき」というあだ名で小学校の頃はよく女の子に間違えられていた男子。

中学で空手部に入ったら、体格がよくて非常に男らしくなった。

はぶられ気味になるネズにも明るく接する優しい性格をしている。

生きて帰って、空手で全国優勝することを目指す。



雨宮鈴子(あまみや すずこ)

出席番号2番。12月15日生まれ。いて座。身長154㎝。46㎏。A型。

小学校の頃は地味だったが、垢抜けて可愛くなった女の子。

ネズに好意を抱いている様子。また委員長とは因縁がある。

小清水唯(こしみず ゆい)

出席番号12番。7月7日生まれ。かに座。身長153㎝。44㎏。AB型。

雨宮鈴子の親友の女の子。

しょうやん

ウィーチューバーのSHOW-YA。人を楽しませる天才で、SNSでも人気が高い。

自分の安全や欲望のために行動しだす…。

倉本由美(くらもと ゆみ)

制服で同窓会に来た高身長の女子。小清水と同じ手芸クラブだった。



橘公平(たちばな こうへい):委員長

委員長でクラスの誰かが困ったときは率先して助けるような頼れるリーダー的存在だった。

周りからの信頼も厚いが、裏の顔を持っている。

溝口隼也人(みぞぐち はやと)

出席番号24番。2月11日生まれ。みずがめ座。身長160㎝。56㎏。A型。

ネズが毒入りと言われるシロップを飲んだ時に指名されたが、恐怖から最後まで毒入りシロップを飲まなかった少年。

本番の毒入りシロップリレーでは、最初に毒を飲む役になってしまう。

長谷部弘二(はせべ こうじ)

雨宮鈴子の毒リレーで指名された男子の1人。彼女がいるらしい。

水野(みずの)

雨宮鈴子の毒リレーで指名された男子の1人。攻撃的で、悪いことしたクラスメイトに容赦なく暴力を振るう。



黒田大輝(くろだ だいき)

出席番号11番。11月16日生まれ。さそり座。身長157㎝。体重55㎏。O型。

雨宮鈴子の毒リレーで指名された男子の1人。雨宮のことは友達でも何でもなかったから助ける義理がないと言いきったが、雨宮の誘惑に乗って…。

山口茉莉花(やまぐち まりか)

ネズの正論に嫌気が差している女の子。同窓会に参加しているが、いじめられていた過去があるため、クラスのことを嫌っている。

相沢すみれ(あいざわ すみれ)

出席番号1番。4月17日生まれ。おひつじ座。身長155㎝。48㎏。AB型。

小山内彩(おさない あや)

出席番号7番。11月3日生まれ。さそり座。身長150㎝。43㎏。O型。

相沢すみれととても仲が良かった女の子。

梶原(かじわら)

山口が事件を起こしたときに学級裁判をしようと提案した人物。



犬飼(いぬかい)

坊主頭の脳筋。ネズのことを認めていない。

月岡小紅(つきおか こべに)

出席番号20番。5月25日生まれ。ふたご座。身長160㎝。48㎏。AB型。

目が細くて、黒髪ロングの女の子。知識があるが、応用力や想像力は乏しい様子。

坂本(さかもと)

眼鏡をかけた男子。

石井礼夏(いしい れいか)

未来の友達のショートカットの女の子。

及川(おいかわ)

からあげが好きで太っている男子。太っていることをからかわれることが辛かった。



葉月(はづき)

ロングヘアーの大人っぽい女の子。実験を終わらせたいという覚悟がある。

安藤(あんどう)

眼鏡をかけた女の子。ネズと同じグループに分かれる。

桜庭先生(さくらば)

未成年だけだと許可がとれないと、みきおに頼まれて同窓会に参加した先生。

現在はまだ独身。事件現場にいる唯一の大人だが、何もできないでいた。

そして、なぜか先生だけがみきおに強く当たられる。

タカポン

谷口純太の次に死亡してしまう男子。

谷口純太(たにぐち じゅんた)

出席番号18番。6月16日生まれ。ふたご座。身長177㎝。体重62㎏。B型。

みきおが企画した同窓会の参加を拒否して、さらに妨害までしようとしたため、みきおによってバラバラにされて殺されてしまう。



結末がわかってるのに面白い『なれの果ての僕ら』の3つの見どころ(ネタバレあり)

なれの果ての僕らのみきおが提案する毒入りシロップのリレー出典:「なれの果ての僕ら」、著者:内海八重、出版社:講談社

『なれの果ての僕ら』は、先に結末が明かされてから事件が解剖されていく新しい展開が繰り広げられるのですが、結末が分かっていながらも予測不能な面白さがあります。

そんな新感覚のサスペンスが楽しめる『なれの果ての僕ら』の特におすすめの見どころを3つに絞ってご紹介しています。

人の善が試される実験の数々

『なれの果ての僕ら』では、人の善が試されるような実験が行われ、その実験と登場人物の反応が見どころとなっています。

事件の首謀者であるみきおは「人の善は極限状態でどこまで耐えられるか」が気になり、実験するために小学校のときの最高のクラスのメンバーを集めて、本当の『善』が試されるような実験を行っていくのです。

その1つを紹介すると毒入りシロップリレーがあり、これは初めに指名された人物が毒入りシロップを飲み、その後みきおが指名した人物がさらに毒入りシロップを飲めば、前に毒入りシロップを飲んだ人に解毒剤が渡されるという実験で、7人に毒を繋げることができれば実験成功で全員が助けられます。

つまり、次の人が毒を飲んでくれなかったら、自分が死んでしまうため、みんなの信頼度が問われる実験となっているのです。

しかも、みきおが次に毒を飲む人物を指名するときに、因縁のある相手が選ばれたり、3人同時に毒を飲む候補を指名して、3人が責任を擦り付け合うようにしたりと一筋縄ではいかない展開が繰り広げられ、極限状態で露わになる人間の本性を見ることができます。

人の本性を暴く実験の構成に感心してしまいますし、実験によって浮かび上がる欲望を露わにする人の姿に心が痛んできます。

他にもスタンフォードの監獄実験のような誰もが知る有名な心理学の実験も登場するのですが、予想を超える合わせ技で応用したりと工夫の凝らされた実験とその結末が目が離せません。

さらに実験によって「欲」が「悪」に屈服し、「悪意の連鎖」が巻き起こっていくため、実験だけでなく、実験によって変わっていく登場たちにも注目してください。

この状況を利用するクラスメイトたち

また、みきおが作った倫理が崩壊した状況を利用して、自分の欲望を満たそうと便乗するクラスメイトたちも見どころとなっています。

みきおの実験で、憎い相手が命の危機に瀕しているのを利用して謝罪させたり、みきおが持っていた毒を使ってこれまでの復讐をしようとする者が現れたりと、みきおが作った状況によって眠っていた悪意が増幅されていくのです。

さらにその状況を利用して、みきおが新たな実験を用いて、クラスメイト同士の憎しみが広がるように仕組んだりするため、止まることのない「憎悪」の力に言葉を失ってしまいます。

状況やたったひとつのわだかまりによって、ここまで人の感情は変わっていくのかと驚かせる展開なの連続なので、膨れ上がる憎悪や悪意の連鎖に恐怖してください。

結末から語られる圧巻のストーリー展開

そして『なれの果ての僕ら』では、事件で死ぬ人数などの結末が最初に語られて、そして事件の2週間前に遡って、実際の状況が描かれる不思議な構成となっています。

また、過去に遡って物語られる間にも、事件後の警察の取調室で生き残った人たちが事件のことを話し、次に意外な自分が死ぬことが予見されたり、その人物の異常に怯えている姿が挟まれます。

そんな結末から語られる新しいストーリー構成の物語なのですが、結末として表現する部分が絶妙であるため、どうしたらその状況に陥るのかが全く予測不能で、ドキドキを止まることなく読み進めることができます。

さらに事件の最中にも主人公ネズや事件首謀者のみきおの周辺には、数々の伏線が張られているため読み始めたら先が気になって止まることはできなくなるでしょう。

事件後のクラスメイトの変わり果てた姿に衝撃を受け、どのように人が変わっていくのかの過程が描かれた問題作となっているので、巧妙すぎる『なれの果ての僕ら』を多くの方にご覧になってもらいたいです。

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人間の本性が見れる『なれの果ての僕ら』はこんな人におすすめ

『なれの果ての僕ら』は、人間の本性が描かれる刺激的な作品が好きな方に特におすすめの漫画となっています。

物語は、同窓会に集まった四ノ塚小学校元6年2組の27人がそのまま監禁され、その監禁された52時間に起こった出来事を描いたサスペンスです。

常に命の淵に立たされ、人を裏切ることで自分が安全になったり、欲望を満たすことができるような実験が繰り広げられ、仲が良かったクラスメイトたちの絆がズタズタになる衝撃的な光景を目のあたりにします。

人の心理を巧妙に突いて本性を露わにせざるを得ない状況をつくることに感服しますし、実際に自分がその場にいたらどうなっていただろうと想像するのも本当に面白いです。

そんな緻密で緊迫のサスペンスが描かれているので、人の本性が露わになる瞬間を見たい方は是非『なれの果ての僕ら』をご覧ください。

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管理人の思う『なれの果ての僕ら』が伝えたいこと(考察)

なれの果ての僕らの毒に苦しむ雨宮鈴子とそれを見る黒田大輝出典:「なれの果ての僕ら」、著者:内海八重、出版社:講談社

『なれの果ての僕ら』では、正義や道徳について問いただしたいように感じられます。

物語では、過去の非道な行いに復讐する者やクラスメイトの罪を実際に裁こうと話し合いをする場面などが描かれているのですが、被害者や加害者、そして傍観者によって価値基準も全く異なり、正しい正義などがないよう思えてきます。

また人の命を助ける道徳的な行いに関しても、その命の危機に瀕している人が悪者だったら本当に助けるべきなのかといった、答えが難しい問題についてもこの作品を読んだら考えずにはいられません。

もちろん、正義や道徳について考えても明確な答えはでないかと思いますが、『なれの果ての僕ら』を見て、それらについて考え直す時間は今後の人生においても重要なことだと思えました。

冒頭では「自分で考え、自分で背負え。それが、生きる ということだ。」という言葉もありましたが、人によって答えが変わるような正解のない事象でも、自分で考えてその考えの責任を負うことが大切だと感じられます。

重たく深いテーマを扱っただけに、非常に考えさせられる作品であり、ストーリー展開なども面白くて読み始めたら止まらなくなると思うので、この機会に是非一度ご覧になってもらいたいです。

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『なれの果ての僕ら』の評価まとめと感想

最後に記事執筆者の評価と他の漫画サイトからの評価をまとめてみました。

漫画を購入するときのひとつの指標として、よかったら周りの評価も参考にしてみてください。

当サイトの評価4.2(記事作成者の評価)
コミックシーモア3.9(12件の評価)
まんが王国3.7(7件の評価)
Renta!3.7(47件の評価)
BookLive4.7(6件の評価)
めちゃコミック3.7(12件の評価)

※それぞれ5段階評価となっています。

夜

今まで数多くの作品を読んできましたが、「なかなかの問題作がきたな」という強い衝撃を受けました。

物語の冒頭で事件で何人が亡くなるのかや事件の首謀者が亡くなってからも死亡者が増えたことなどが語られ、「そんなことありえる?」と疑問に思いながら読み始めたのですが、読み進めると「よくその程度の死亡者で収まったな」と思わずにはいられません。

閉鎖された環境で人の欲望が露わになっていく生々しい光景や斬新なストーリー構成に大いに楽しめる作品でしたので、上記のような高評価にさせて頂きました。

人間の嫌な部分を多く見せつけられるかもしれませんが、非常に考えさせられることも多いので、是非色んな方にご覧になってもらいたいです。

『なれの果ての僕ら』が気になる人におすすめの類似作品

『なれの果ての僕ら』に興味がある方におすすめの閉鎖された環境で人間の欲望が露わになる刺激的な漫画をご紹介したいと思います!

1つ目の作品は『生贄投票』です。

『生贄投票』はクラスメイトから生贄を選んで「社会的な死」を与えるという学園投票サバイバルとなっています。

クラスメイト同士で生贄にする人物を投票しあい、票を集めるために裏切りや欲望の爆発が加速する問題作であり、「社会的な死」によって人には絶対知られたくない秘密が拡散される様子に目が離せなくなります。

クラスメイト同士で争い合いながら生贄を選んでいく姿や相手の危機的状況を利用して欲望を露わにする姿などは「なれの果ての僕ら」にも似ていて、刺激的な漫画を求めている方にはおすすめです。

下の記事では『生贄投票』の詳しい内容やお得に読む方法などをご紹介しています。

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2つ目の作品は『インゴシマ』です。

『インゴシマ』は、倫理も道徳もない野蛮な「シマビト」が棲む島に漂流してしまった少年少女の命を懸けたサバイバルサスペンスとなっています。

「なれの果ての僕ら」よりも、かなり直接的に欲望が露わになっており、女性にはあまりおすすめのできませんが男性にはおすすめです。

倫理も道徳もない島で少年少女たちはどんな非道な行いを受けるのか、そして野蛮な「シマビト」たちに少年少女たちはどのように立ち向かっていくのかを是非ご覧になってみてください。

下の記事では『インゴシマ』の詳しい内容や無料で読む方法などをご紹介しています。

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